臨時報告書

【提出】
2021/04/22 15:42
【資料】
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提出理由

当社は、2021年4月22日開催の当社の取締役会において、当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)2,706,912株を1株に併合すること(以下「本株式併合」といいます。)を目的とする、2021年5月18日開催予定の臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を招集することを決議いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の4の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。

株式の併合を目的とする株主総会の招集の決定

1. 本株式併合の目的
2021年3月26日付け当社プレスリリース「株式会社ユニマットライフによる当社株式に対する公開買付けの結果並びに親会社、その他の関係会社及び主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ」にてお知らせいたしましたとおり、株式会社ユニマットライフ(以下「公開買付者」といいます。)は、2021年2月10日から2021年3月25日までを公開買付けの買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)とする当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)を実施しました。本公開買付けの結果、2021年3月31日(本公開買付けに係る決済の開始日)をもって、公開買付者は、本公開買付け開始前に所有していた当社株式1,553,420株を含めて当社株式4,216,428株(議決権所有割合(注1)49.04%)を所有し、公開買付者と緊密な関係があることにより公開買付者の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者又は公開買付者の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者に該当する髙橋洋二氏(以下「髙橋氏」といいます。)が所有する当社株式2,706,912株(議決権所有割合31.48%)と合わせて6,923,340株(議決権所有割合80.53%)を所有するに至っております。
(注1)「議決権所有割合」は、当社が2021年2月9日に公表した「2021年3月期 第3四半期決算短信[日本基準](連結) 」に記載された2020年12月31日現在の当社の発行済株式総数(8,598,912株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(1,207株)を控除した株式数(8,597,705株)に係る議決権の数(85,977個)を分母として計算し、小数点以下第三位を四捨五入しております。以下同じとします。
2021年2月9日付け当社プレスリリース「株式会社ユニマットライフによる当社株式に対する公開買付けに係る賛同及び応募推奨に関するお知らせ」(以下「意見表明プレスリリース」といいます。)にてお知らせいたしましたとおり、公開買付者においては、当社、連結子会社5社、非連結子会社2社及び持分法非適用関連会社3社(以下、総称して「当社グループ」といいます。)の主要事業である介護事業は、高齢者の人口増加に伴い、要介護認定者数も増加の一途をたどっていることから、既存施設の稼働率・入居率及び新規施設の売上は今後も堅調に推移していくと考えているものの、一方で高齢者の人口増加に伴う深刻な人材不足が懸念されるとともに、今般の新型コロナウイルス感染症の影響からデイサービスやショートステイについては利用控えが見込まれており、感染拡大の恐れがより少ない居住型サービスへの移行が必要となってくると考えているとのことです。また、公開買付者は、当社グループの介護事業は介護保険制度に基づきおこなわれるサービスが中心であり、サービス内容、報酬、事業所展開及び運営、その他事業全般に関して、介護保険法及び各関連法令等による法的規制を受けているところ、地域包括ケアシステム(注2)の概念を導入した新たなケアの考え方が国や地方公共団体で議論されている(出典:2016年3月 地域包括ケア研究会報告 「地域包括ケアシステムと地域マネジメント」)こともあり、今後は介護報酬が徐々に減額される方向性であると認識しており、当社において介護保険制度に左右されない新たな収益源の獲得が急務であると理解しているとのことです。
(注2)「地域包括ケアシステム」とは、団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援を一体的に提供できるような体制をいいます。
このような状況の下、ユニマットグループ(株式会社ユニマットホールディング(以下「ユニマットホールディング」といいます。)及びその子会社等45社によって構成される企業集団をいいます。以下同じです。)は、株式会社ユニマットプレシャス及び株式会社南西楽園リゾートを中心としてリゾート事業を展開しており、リゾート施設「シギラセブンマイルズリゾート(沖縄県宮古島市)」及び「コズミックネイチャー八街(千葉県八街市)」の更なる事業拡大に向けた検討を進めていたとのことですが、公開買付者及びユニマットホールディング(以下「公開買付者ら」といいます。)は、2020年11月上旬、ユニマットグループが当社との更なる連携強化を行うことで、日本社会において高齢化が進み人生100年時代を迎える中、「ゴールデンエイジ」と表現する団塊世代を中心とした約1,000万人の方々をメインターゲットとしたユニマットグループのリゾート事業と当社の介護事業が融合した多世代共生型のシニア住宅の展開が同業他社に先がけて可能になるとの考えに至ったとのことです。欧米においては、健康なうちからシニア住宅に住み、介護が必要となり、認知症になる等、その人の状態が変化した場合は、状態に適したエリア内の住宅に移り住みながら、生涯にわたり安心して暮らし続ける事が可能な生活共同体であるCCRC(Continuing Care Retirement Community)が普及しております。近年、日本においてもCCRCが注目され、様々な研究や計画の検討が進められておりますが、大規模な土地の確保が難しい事等から開発が進んでいないのが実状であると公開買付者らは考えているとのことです。公開買付者が当社株式の全て(公開買付者が所有する当社株式、髙橋氏が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得し、当社株式を非公開化することを目的とした一連の取引(以下「本取引」といいます。)が実現し、ユニマットグループとの更なる連携強化が進めば、ユニマットグループのリゾート事業が有する広大な土地を使用することで、充実した施設と当社の介護事業の持つ介護サービスが組み合わさった付加価値の高い多彩なサービスの提供が可能となり、日本版CCRCを展開することが可能になると考えているとのことです。また、CCRCの展開は、現在感染が拡大している新型コロナウイルス感染症罹患のリスクが比較的低い居住型サービスという位置づけとなるため、これが実現すれば新型コロナウイルス感染症の影響を受けにくい事業展開も可能であると考えているとのことです。なお、公開買付者らが、本取引において現在想定している具体的なシナジー効果は以下のとおりとのことです。
(ⅰ)多世代共生型のシニア住宅の展開
リゾート事業と介護事業が融合した多世代共生型のシニア住宅の展開には、大規模な土地が必要不可欠となりますが、ユニマットグループは、上記「シギラセブンマイルズリゾート」及び「コズミックネイチャー八街」において、それぞれ150万坪、65万坪を超える敷地を所有しているとのことです。当該敷地にシニア住宅を建設することで、従来の建物内にレストランや遊戯施設、大浴場などを全て揃えた館内完結型とは異なり、リゾート施設やアクティビティ等の外部に積極的に関ることが可能な全く新しいコンセプトのシニア住宅の展開が可能になると考えているとのことです。また、当社グループの持つ介護事業のノウハウを活用し、医療クリニックと介護事業所を併設したメディカルセンターを設置し、居住者の健康管理を支えるサービスの展開を想定しているとのことです。
(ⅱ)人材の確保・交流の活発化
ユニマットグループと当社グループの間における人材の交流を行うことが容易になり、当社グループで今後不足する従業員の安定的な確保に貢献できるとともに、人材交流を活発化させることにより、人材の育成及び適材適所の組織人事が可能になると考えているとのことです。
(ⅲ)上場コストの削減
当社の上場廃止に伴い、上場会社として必要となる管理部門の維持のための費用その他の上場維持コスト(有価証券報告書等の継続的な情報開示に要する費用、株主総会の運営や株主名簿管理人への事務委託に要する費用等を含みます。)など、上場維持による経営負担も解消され、事業成長への経営資源の集中を図ることが可能となり、当社グループの企業価値の向上に資すると考えているとのことです。
上記の分析を踏まえ更なる検討を行った結果、公開買付者らは、2020年11月上旬、上記施策をスピード感を持って実行するためには、より強固な資本関係の下、当社グループがユニマットグループ内における協働関係を強化し、事業を推進してくことが必要不可欠であるとの認識に至ったとのことです。一方で、上記の施策は、中長期的に見れば大きな成長及び収益の安定化が見込まれるものの、相当の時間とそれに伴う多額の先行投資を必要とするとのことです。これらの各施策の実行は、当社グループの中長期的な企業価値の向上の観点からは必要となるものの、短期的には資本市場から十分な評価を得ることができず、当社グループの一般株主の利益を損なう可能性も否定できないことから、公開買付者らは、2020年11月上旬、非公開化が不可欠であると考えるに至ったとのことです。
そこで、公開買付者は、2020年11月下旬、ユニマットグループ及び髙橋氏から独立したファイナンシャル・アドバイザーとしてSMBC日興証券株式会社(以下「SMBC日興証券」といいます。)を、リーガル・アドバイザーとしてシティユーワ法律事務所をそれぞれ選任するとともに、ユニマットホールディングは、2020年12月下旬、当社に対して非公開化に関する提案書を提出した上で、当社に対して本公開買付けの実施を前提に本取引の本格的な検討を開始したい旨の意向を伝えるとともに、本取引の提案に至った背景及び本取引の意義・目的について初期的説明を行い、当社と本取引に向けた具体的な協議・検討を開始したとのことです。
その後、公開買付者は、本取引の実現可能性の精査のためのデュー・ディリジェンスを2020年12月下旬から2021年1月下旬まで実施するとともに、並行して、当社との間で、本公開買付けを含む本取引の諸条件についての協議・検討を続けてきたとのことです。
また、公開買付者は、2020年12月下旬、髙橋氏が所有する当社株式について本公開買付けに応募することを要請するか否かの検討を開始し、2021年1月上旬、公開買付者の資金負担を一定程度抑えるとともに、当社の事業を熟知する髙橋氏には引き続き経営に関与していただくために、髙橋氏に対し、非公開化後の当社の株主として残留いただくことを打診したところ、髙橋氏より、本取引後も当社の株主としての出資を継続することにつき、前向きに検討する旨の回答を得たとのことです。
そこで、公開買付者は、2021年1月19日、過去の発行者以外の者による株券等の公開買付けの事例(非公開化を目的とした事例)において買付け等の価格決定の際に付与されたプレミアムの実例を踏まえ、新型コロナウイルスの状況及び介護報酬の減額の動向を勘案し、当社に対して本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)を1,200円とするとともに、髙橋氏が残留することを内容とする提案書を提出しております。その後、当社より、資金負担や髙橋氏が引き続き経営に関与することの観点から髙橋氏が株主として残留することに合理性があると考えるものの、本公開買付価格については当社の企業価値を十分に反映した提案ではなく、当社の事業計画に関して再度評価の上、本公開買付価格の再検討を行うよう要請されたため、2021年1月27日、当社作成の事業計画をもとに当社が今後展開予定の新規拠点における業績及び当社の連結子会社である株式会社ユニマットキャラバンの業績を一定程度割り引いて評価した上で、本公開買付価格を1,340円とする旨の再提案を行いましたが、当社より、いまだ当社の企業価値を反映した提案ではないとして、本公開買付価格の再検討を要請されました。そこで、2021年2月2日、本公開買付価格を1,380円とする旨の再提案を実施したところ、当社より、本公開買付価格の再検討の要請があったことを踏まえ、2021年2月4日、ユニマットグループの資金繰りも勘案して本公開買付けにおいて提示可能な最大限の価格として、本公開買付価格を1,400円とする旨の最終提案を実施し、当社から当該最終提案を受諾する旨の回答を2021年2月8日に得ました。
これらの協議・交渉の結果、公開買付者及び当社は、当社株式を非公開化し、協働して事業を推進することがユニマットグループ及び当社グループの企業価値向上に資する最善の方策であるとの考えで一致したことから、公開買付者は、2021年2月9日付けで、髙橋氏との間で同氏が所有する当社株式の全て(2,706,912株)について、本公開買付けに応募しない旨を合意するとともに、本公開買付価格を1,400円として、本公開買付けを実施することを決議したとのことです。
当社は、2020年12月下旬にユニマットグループから本取引の提案を受けたことを契機として、本公開買付価格の妥当性及び本取引に係る手続の公正性その他本公開買付けを含む本取引の公正性を担保すべく、2020年12月下旬に、ユニマットグループ及び髙橋氏並びに本取引から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として大和証券株式会社(以下「大和証券」といいます。)を、ユニマットグループ、髙橋氏及び当社並びに本取引から独立したリーガル・アドバイザーとしてTMI総合法律事務所をそれぞれ選任するとともに、第三者算定機関である大和証券に対し、当社株式に係る株式価値算定書(以下「当社株式価値算定書」といいます。)の提出を依頼いたしました。また、当社は、リーガル・アドバイザーであるTMI総合法律事務所の法的助言を受け、本取引に係る当社取締役会の意思決定に慎重を期し、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保することを目的として、2020年12月22日付けで特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)を設置し、本取引に係る提案を検討するための体制を構築いたしました。
上記の体制の下で、当社は、大和証券及びTMI総合法律事務所の助言を受けながら、ユニマットグループとの間で、本取引の意義・目的、本取引後の経営体制・方針、本公開買付価格を含む本取引の諸条件等について、複数回にわたって協議・交渉を重ねてまいりました。さらに、当社は、ユニマットグループとの間の協議・交渉の経緯及び内容等につき本特別委員会に適時に報告し、また、本特別委員会との間で交渉方針等を随時協議しつつ、ユニマットグループとの協議・交渉を進めてまいりました。
その後、当社は、2021年2月8日付で大和証券より当社株式価値算定書を取得し、また、本特別委員会から同日付で答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けております。
その上で、当社取締役会は、TMI総合法律事務所から受けた本公開買付けを含む本取引に関する意思決定過程、意思決定方法その他本公開買付けを含む本取引に関する意思決定にあたっての留意点についての法的助言、大和証券から受けた財務的見地からの助言及び当社株式価値算定書の内容を踏まえつつ、本特別委員会から取得した本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引により当社の企業価値の向上を図ることができるか、本公開買付価格を含む本取引における諸条件は妥当なものであるか等の観点から慎重に協議・検討を行いました。
その結果、当社は、当社の株主を公開買付者及び髙橋氏のみとしてユニマットグループとより一層連携を深めることで、以下のとおり、(ⅰ)アクティブシニア(注3)向けのリタイアメントコミュニティ事業(注4)の強化、(ⅱ)新たな生活様式等に対応するための事業構造改革の実施及び(ⅲ)M&Aの強化等の諸施策を大胆かつ円滑に実施することが可能となり、本取引は中長期的に当社の企業価値の向上に資するものであるとの判断に至りました。
(注3)「アクティブシニア」とは、一般的に、仕事・趣味等に意欲的で、健康意識が高い傾向にある活発な高齢者をいいます。
(注4)「リタイアメントコミュニティ事業」とは、シニアの方々がアクティブに、また介護が必要になっても穏やかに自分らしく暮らせる、それぞれのシニアライフに合った「介護」の枠にとらわれないサービスの提供を目指す事業をいいます。
(ⅰ)アクティブシニア向けのリタイアメントコミュニティ事業の強化
当社の介護事業は介護保険の対象となる介護サービスを中心的に提供してまいりました。急速に高齢化が進む我が国において介護保険により支払われる総費用額も大幅に増加しており、そのような事情を踏まえ2015年には介護報酬の大幅な減額がありました。新型コロナウイルス感染症や大規模災害の発生を踏まえ2021年度の介護報酬については引上げが行われているものの、介護保険の持続的運営のためにも中長期的には介護サービスに対する介護報酬の減額は継続することが予想されます。このように介護報酬(売上単価)は減少傾向にある一方で、少子高齢化による労働市場のひっ迫等により人件費は増加傾向にあり、介護サービスの収益性は今後も中長期的には悪化することが見込まれます。このような経営環境において、介護保険の対象となる介護サービスを中心とした事業運営を継続すると、介護報酬の改定や介護保険に係る政策変更等の外在的な事情によって事業の収益性に重大な悪影響が生じかねず、当社事業の永続的な発展の観点からは、介護報酬に頼らないサービス分野の確立及び強化が急務となっております。
また、当社事業の主要顧客である高齢者の志向や価値観にも大きな変化が近年生じております。すなわち2025年にかけて後期高齢者の年齢に到達するいわゆる団塊の世代が今後のシニア向けサービスの主たる顧客になっていきますが、これら団塊の世代の皆様は、土地や家族に縛られることなく、個人の嗜好に合わせ自分らしく生活することへのこだわりがこれまでの高齢者世代に比べると強く、そのような志向や価値観の変化に対応し、団塊の世代の皆様に受容される新たなサービス分野を構築していくことが、当社の主たる事業である介護事業の発展にも大きく寄与していくものと考えられます。
このような問題意識のもと、当社は介護を必要としないアクティブシニア向けの市場開拓に挑戦してまいりました。すなわち、2013年9月中旬にはアクティブシニア向けのリタイアメントコミュニティ事業を開始し、実際に宮古島において定年退職者向けのリゾートマンションの分譲等を行いました。宮古島の事業においては、当社におけるリゾート開発の知見及びコミュニティの魅力を高めるための設備投資が必ずしも十分ではなかったこともあり、最終的に想定していた顧客を集めることはできず、この試みによりアクティブシニア向けリタイアメントコミュニティについての一定の知見は蓄積できたものの、2014年にはリタイアメントコミュニティ事業から撤退し、不動産賃貸事業へ転換することを余儀なくされております。
「シギラセブンマイルズリゾート」や「コズミックネイチャー八街」等のリゾート開発での経験が豊富なユニマットグループとの協働関係を一層深め、ユニマットグループのリゾート開発の知見及び資金力並びに当社が宮古島における事業を通じて得た経験・知見を活かして一体として開発を行うことで、欧米におけるCCRCと同様の介護が不要なアクティブシニア向けの多世代共生型のリタイアメントコミュニティ開発が可能となり、当社において介護に頼らない新たなサービス分野の柱としてのリタイアメントコミュニティ事業を確立し得るものと考えております。
(ⅱ)新たな生活様式等に対応するための事業構造改革の実施
2020年初め以降顕著となった新型コロナウイルスの感染拡大及びその後の緊急事態宣言等によって当社の飲食事業やホテル事業は深刻な打撃を受けましたが、介護事業においても、同居家族以外との接触を伴う訪問介護事業の利用者数が低迷したり、幾重にも及ぶ感染対策のために人材不足がより一層深刻になったりするなど、大きな影響がありました。
このように不確実性が増大し、また新型コロナウイルス蔓延を経て人々の生活様式が大きく変わる中で中長期的に持続可能な事業基盤を構築していくために、時代の変化に合わせて当社の事業構造を抜本的に改革する必要があります。具体的には、①人材不足に対応するための積極的なIoT(注5)投資の実行や、②ホスピス事業・リハビリ事業・フィットネス事業等のシニア向けの介護隣接事業分野への進出による事業構造の多角化を進めていくべきと考えております。
(注5)「IoT」とは、Internet of Thingsの略称で、モノがインターネット経由で通信することをいいます。
(ⅲ)M&Aの強化
当社はこれまでにも介護事業者のM&Aに積極的に取り組んでまいりました。当社が蓄積してきた介護事業の経営管理手法やその他のノウハウは、経営難で悩む介護事業の再生に今後も十分に適用可能であり、M&Aによる事業基盤の拡大及び買収後の介護事業の事業価値向上は、当社の企業価値のみならず介護施設を利用している利用者の皆様の便益にも資するものと思います。また、上記(ⅱ)で記載した事業構造改革の一環としての介護隣接事業分野への進出のためにもM&Aは有効な手段の一つと考えます。
アクティブシニア向けのリタイアメントコミュニティ事業の積極展開、IoT投資、シニア向け介護隣接事業分野への積極進出、あるいは同業他社や隣接事業者に対するM&Aに際しては、いずれも相当規模の投資が必要になることによる一時的な収益の悪化等、安定的な収益向上を求める当社の既存株主の皆様の期待に沿えない可能性や短期的には資本市場から十分な評価が得られないことによる株価の不安定化のリスクを伴うほか、これらの先行投資が結果的に当社の中長期的な収益向上につながらなかった場合には当社の企業価値を下落させる可能性があるところ、このようなリスクを当社の少数株主の皆様に負担させることは必ずしも適切ではないと考えております。
また、特にリタイアメントコミュニティ事業の積極展開に際してユニマットグループとの間の連携の強化に伴い、公開買付者を含むユニマットグループと当社の少数株主との間の利益相反の問題が顕在化することとなるものの、当社の株主が公開買付者及び髙橋氏のみとなれば、利益相反の問題を回避しつつ、上記施策を迅速に実施していくことが可能になると考えております。
加えて、当社株式の上場を廃止することにより上場維持コスト等の経営負担が解消され、中長期的な企業価値の向上を見据えた事業成長に向けて経営資源の集中を図ることが可能となります。
他方で、一般に、株式の非公開化に伴うデメリットとしては、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなることや、知名度や社会的信用の向上といった上場会社として享受してきたメリットを享受できなくなることが挙げられるものの、エクイティ・ファイナンスによる資金調達については、当社の現在の財務状況及び昨今の間接金融における低金利環境等を考慮すると、少なくとも当面の間その必要性は高くなく、また、知名度や社会的信用の向上についても、真摯な事業遂行により実現することが可能なものであることからすれば、当社における株式の非公開化に伴うデメリットは限定的と考えております。
かかる理由から、2021年2月9日、当社は、本取引により当社の株主を公開買付者及び髙橋氏のみとし、ユニマットグループとの連携強化を図ることが、当社の中長期的な企業価値の向上が見込まれる最善の選択であるとの結論に至りました。
また、上記のユニマットグループとの交渉の結果、当社は、2021年2月9日、公開買付者から最終的に提案を受けた本公開買付価格1,400円は、以下の点に鑑みると、当社の一般株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けが当社の株主の皆様に対して合理的な株式売却の機会を提供するものであるとの判断に至りました。
(ⅰ)本公開買付価格1,400円が、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「②当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載されている大和証券による当社株式の株式価値算定結果において、市場株価法による算定結果の上限値を超えており、また、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)の算定結果の中央値を上回っていること。
(ⅱ)本公開買付価格が、本公開買付けの公表日の前営業日である2021年2月8日の株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)JASDAQスタンダード市場(以下「JASDAQ市場」といいます。)における当社株式の終値1,082円に対して29.39%(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、プレミアムの計算において同じです。)、過去1か月間の終値単純平均値1,034円(小数点以下を四捨五入しております。以下、終値単純平均値の計算において同じです。)に対して35.40%、過去3か月間の終値単純平均値1,009円に対して38.75%、過去6か月間の終値単純平均値1,013円に対して38.20%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となっていること。
(ⅲ)下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の利益相反を解消するための措置等の公正性を担保するための措置が採られていること等、少数株主の利益へ配慮がなされていること。
(ⅳ)上記措置が採られた上で、公開買付者と当社との間で、独立当事者間の取引における協議・交渉と同程度の協議・交渉が複数回行われた上で決定された価格であること。
(ⅴ)本特別委員会が、本公開買付価格に関して、本取引が当社の少数株主にとって不利益でない旨の意見を述べていること。
以上より、当社は、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本取引に係る本公開買付けの諸条件は妥当なものであると判断し、2021年2月9日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。
その後、上記のとおり、本公開買付けが成立いたしましたが、公開買付者は、本公開買付けにより当社株式の全て(但し、公開買付者が所有する当社株式、髙橋氏が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することができなかったことから、当社は、公開買付者の要請を受け、意見表明プレスリリースにおいてお知らせいたしましたとおり、2021年4月22日開催の取締役会において、本臨時株主総会において株主の皆様のご承認をいただくことを条件として、当社の株主を公開買付者及び髙橋氏のみとし、当社株式を非公開化するために、下記「2. 本株式併合の割合」に記載のとおり、当社株式2,706,912株を1株に併合する本株式併合を実施することといたしたく存じます。
なお、本株式併合により、公開買付者及び髙橋氏以外の株主の皆様の保有する当社株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。
2. 本株式併合の割合
当社株式について、2,706,912株を1株に併合いたします。
3. 1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠
(1)1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法
上記「1. 本株式併合の目的」に記載のとおり、本株式併合により、公開買付者及び髙橋氏以外の株主の皆様の所有する当社株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。
本株式併合の結果生じる1株未満の端数については、その合計数(合計数に1株に満たない端数がある場合にあっては、当該端数は切り捨てられます。)に相当する数の株式を売却し、その端数に応じて、その売却により得られた代金を株主の皆様に交付します。当該売却について、当社は、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。)第235条第2項の準用する同法第234条第2項の規定に基づき、裁判所の許可を得て公開買付者に売却し、又は会社法第235条第2項の準用する同法第234条第4項の規定に基づき、裁判所の許可を得て当社が買い取ることを予定しております。
この場合の売却額は、上記裁判所の許可が予定どおり得られた場合は、株主の皆様の所有する当社株式の数に本公開買付価格と同額である1,400円を乗じた金額に相当する金銭を各株主の皆様に交付できるような価格に設定する予定です。
(2)当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠
本株式併合により生じる端数の処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額は、上記「(1)1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法」に記載のとおり、株主の皆様の所有する当社株式の数に本公開買付価格と同額である1,400円を乗じた金額に相当する金銭が交付されるような価格に設定することを予定しております。
本公開買付価格につきましては、(a)大和証券による当社株式の株式価値算定結果において、市場株価法による算定結果の上限値を超えており、また、DCF法の算定結果の中央値を上回っていること、(b)本公開買付けの公表日の前営業日である2021年2月8日の東京証券取引所JASDAQ市場における当社株式の終値1,082円に対して29.39%、過去1か月間の終値単純平均値1,034円に対して35.40%、過去3か月間の終値単純平均値1,009円に対して38.75%、過去6か月間の終値単純平均値1,013円に対して38.20%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となっていること、(c)下記「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の利益相反を解消するための措置等の公正性を担保するための措置が採られていること等、少数株主の利益へ配慮がなされていること、(d)上記措置が採られた上で、公開買付者と当社との間で、独立当事者間の取引における協議・交渉と同程度の協議・交渉が複数回行われた上で決定された価格であること、(e) 本特別委員会が、本公開買付価格に関して、本取引が当社の少数株主にとって不利益でない旨の意見を述べていること等を踏まえ、本公開買付けは、当社の一般株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けが当社の株主の皆様に対して合理的な株式売却の機会を提供するものであるとの判断に至りました。
また、当社は、2021年2月9日開催の取締役会において、本公開買付けへ賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議をした後、2021年4月22日に至るまでに、本公開買付価格の算定の基礎となる諸条件に重大な変更が生じていないことを確認いたしました。
以上より、当社は、端数処理の方法及び端数処理により株主の皆様に交付することが見込まれる金銭の額については、相当であると判断しております。
(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置
本株式併合は、本公開買付け後のいわゆる二段階買収の二段階目の手続として行われるものであるところ、当社及び公開買付者は、本株式併合を含む本取引の公正性を確保する観点から、本公開買付けの開始までの間に、以下の措置を実施しました。
なお、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。
① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、ユニマットグループ及び髙橋氏から独立した第三者算定機関として、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証券に対して、当社株式の株式価値の算定を依頼したとのことです。なお、SMBC日興証券はユニマットグループの関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して、重要な利害関係を有していないとのことです。
SMBC日興証券は、複数の株式価値算定手法の中から当社株式の株式価値の算定にあたり採用すべき算定手法を検討のうえ、当社が東京証券取引所JASDAQ市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法、類似上場会社比較による株式価値の類推が可能であることから類似上場会社比較法及び将来の事業活動を評価に反映するためにDCF法の各手法を用いて当社株式の株式価値の算定を行い、公開買付者はSMBC日興証券から2021年2月8日付で株式価値算定書(以下「公開買付者株式価値算定書」といいます。)を取得したとのことです。
SMBC日興証券による当社株式の1株当たり株式価値の算定結果は以下のとおりとのことです。
市場株価法 :1,009円~1,034円
類似上場会社比較法:1,235円~1,804円
DCF法 :663円~2,117円
市場株価法では、算定基準日を2021年2月8日として、東京証券取引所JASDAQ市場における当社株式の算定基準日までの直近1ヶ月間(2021年1月12日から2021年2月8日まで)の終値単純平均値1,034円、直近3ヶ月間(2020年11月9日から2021年2月8日まで)の終値単純平均値1,009円及び直近6ヶ月間(2020年8月11日から2021年2月8日まで)の終値単純平均値1,013円を基に、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を1,009円から1,034円までと算定しているとのことです。
類似上場会社比較法では、当社と類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性を示す財務指標との比較を通じて、当社株式の株式価値を評価し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を1,235円から1,804円までと算定しているとのことです。
DCF法では、当社から提供された2021年3月期から2025年3月期までの5期分の事業計画、直近までの業績の動向、公開買付者が2020年12月下旬から2021年1月下旬の間に当社に対して行ったデュー・ディリジェンスの結果、一般に公開された情報等の諸要素を考慮して公開買付者において調整を行った当社の将来の収益予想に基づき、2021年3月期第3四半期以降に当社が将来創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引くことにより当社の企業価値や株式価値を評価し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を663円から2,117円までと算定しているとのことです。なお、DCF法において前提とした当社の将来の財務予測においては、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれているとのことです。具体的には、2021年3月期においては、介護事業の新規施設の開設に伴う費用や全社に関わるシステム投資に伴う費用の増加に加え、新型コロナウイルスの拡大に伴い、飲食事業及びホテル事業の稼働率が低下したことで、連結営業利益は2,089百万円(対前年比32.0%減)となっているとのことです。また、2023年3月期においては、新型コロナウイルスの影響が残りつつも徐々に正常化に向かうという想定の下、介護事業における新規開設施設の稼働率向上により、連結営業利益2,691百万円(対前年比30.8%増)となっているとのことです。また、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、2021年2月9日現在において収益に与える影響を具体的に見積もることが困難であるため、反映していないとのことです。
公開買付者は、SMBC日興証券から取得した公開買付者株式価値算定書の算定結果に加え、公開買付者において実施した当社に対するデュー・ディリジェンスの結果、過去の発行者以外の者による株券等の公開買付けの事例(非公開化を目的とした事例)において買付け等の価格決定の際に付与されたプレミアムの実例、当社取締役会による本公開買付けへの賛同の可否、当社株式の市場株価の動向及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、当社との協議・交渉の結果等も踏まえ、最終的に2021年2月9日開催の取締役会において、本公開買付価格を1株当たり1,400円とすることを決定したとのことです。
本公開買付価格1,400円は、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2021年2月8日の当社株式の東京証券取引所JASDAQ市場における終値1,082円に対して29.39%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,034円に対して35.40%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,009円に対して38.75%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,013円に対して38.20%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となっているとのことです。
② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うに当たり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の過程における公正性を担保するために、ユニマットグループ、髙橋氏及び当社並びに本取引から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である大和証券に対し、当社株式価値算定書の提出を依頼し、2021年2月8日付で当社株式価値算定書を取得しております。
また、大和証券は、当社及びユニマットグループの関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。なお、当社は大和証券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。
なお、大和証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれております。
大和証券は、本公開買付けにおける算定手法を検討した結果、当社が継続企業であるとの前提のもと、当社株式の価値を多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所JASDAQ市場に上場していることから市場株価法を用い、また、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を用いて当社株式の株式価値の算定を行いました。大和証券によれば、当社株式の株式価値算定に当たり、採用した手法及び当該手法に基づいて算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。
市場株価法 :1,009円~1,082円
DCF法 :955円~1,660円
市場株価法では、2021年2月8日を算定基準日として、当社株式の東京証券取引所JASDAQ市場における当社株式の基準日の終値1,082円、直近1ヶ月間の終値単純平均株価1,034円、直近3ヶ月間の終値単純平均株価1,009円及び直近6ヶ月間の終値単純平均株価1,013円を基に、当社株式の1株当たりの価値の範囲を1,009円から1,082円と算定しております。
DCF法では、当社が作成した2021年3月期から2025年3月期までの5期分の事業計画における収益予測や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2021年3月期第3四半期以降に生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を分析し、当社株式の1株当たり価値の範囲を955円から1,660円までと算定しております。
なお、大和証券がDCF法による分析に用いた当社作成の事業計画においては、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2021年3月期においては、介護事業の新規施設の開設に伴う費用や全社に関わるシステム投資に伴う費用の増加に加え、新型コロナウイルスの拡大に伴い、飲食事業及びホテル事業の稼働率が低下したことで、連結営業利益は2,089百万円(対前年比32.0%減)となっております。また、2023年3月期においては、新型コロナウイルスの影響が残りつつも徐々に正常化に向かうという想定の下、介護事業における新規開設施設の稼働率向上により、連結営業利益2,691百万円(対前年比30.8%増)となっております。
また、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、当該事業計画は、本取引の実行を前提としたものではありません。
③ 当社における独立した法律事務所からの助言
当社は、当社取締役会の意思決定の公正性及び適正性を担保するために、ユニマットグループ及び髙橋氏並びに本取引から独立したリーガル・アドバイザーとしてTMI総合法律事務所を選任し、特別委員会の委員の選定方法、本公開買付け及びその後の一連の手続に対する当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の意思決定にあたっての留意点に関する法的助言を受けております。なお、TMI総合法律事務所は、ユニマットグループの関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。
④ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得
当社は、本取引に係る当社取締役会の意思決定に慎重を期し、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保することを目的として、2020年12月22日開催の取締役会において、ユニマットグループから独立した委員によって構成される本特別委員会(本特別委員会の委員としては、当社の社外取締役(監査等委員)である髙谷裕介氏及び横田崇氏並びに当社の補欠の取締役(監査等委員)である社外有識者の高木明氏(公認会計士)を選定しております。また、当社は、当初からこの3名を本特別委員会の委員として選定しており、本特別委員会の委員を変更した事実はありません。)を設置しております。加えて、当社は、本特別委員会の設置に際し、本特別委員会が本取引について妥当でないと判断した場合には、本公開買付けに賛同しないことを予め決定しており、また、本特別委員会が必要と判断した場合には、当社の費用負担のもと、弁護士、公認会計士その他のアドバイザーを独自に選任し、本特別委員会に対する助言を求めることができることとしております。なお、本特別委員会の委員の報酬は、本取引の成否にかかわらず固定額を支払うこととしております。
当社は、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引の目的の正当性、(ⅱ)本取引に係る交渉過程の手続の公正性、(ⅲ)本取引により当社の少数株主に交付される対価の妥当性、(ⅳ)上記(ⅰ)乃至(ⅲ)その他の事項を前提に、本取引(本公開買付けに係る当社の意見表明を含みます。)が当社の少数株主にとって不利益であるか否か((ⅰ)乃至(ⅳ)の事項を総称して、以下「本諮問事項」といいます。)について諮問いたしました。
本特別委員会は、2020年12月28日から2021年2月8日まで合計8回開催され、本諮問事項について、慎重に検討及び協議を行いました。具体的には、当社から、当社の事業の内容、外部環境、現在の経営課題、大和証券による株式価値算定の前提とした事業計画の内容、ユニマットグループの提案内容等に関する事項等に関する説明を受け、質疑応答を行うとともに、当該事業計画の合理性を確認いたしました。また、ユニマットグループからは、本取引の目的・理由、本取引実行後の経営方針・投資計画等に関する事項等について説明を受け、質疑応答を行いました。さらに、ユニマットグループと当社との間における本取引に係る協議・交渉について、当社からその経緯及び内容等につき適時に報告を受けた上で、本特別委員会において協議し、当社のアドバイザーから助言・意見等を得ながら、当社をして、本特別委員会が承認した交渉方針に従って交渉を行わせるなどして、ユニマットグループとの交渉過程に関与しております。加えて、大和証券から当社株式の株式価値の算定方法及び結果に関する説明を受け、当該算定方法及び結果に対し財務的見地から質疑応答を行い、その合理性を確認したほか、TMI総合法律事務所から本取引において利益相反を軽減又は防止するためにとられている措置等に関する説明を受け、当該措置の十分性等に関して質疑応答を行うとともに、当社からは本取引の諸条件の交渉経緯及び決定過程等に関する説明を受け、質疑応答を行いました。これらの内容を踏まえ、本特別委員会は、本諮問事項について協議・検討を行いました。本特別委員会は、このように本諮問事項について慎重に協議及び検討した結果、2021年2月8日付けで、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出いたしました。
(ⅰ)本取引の目的の正当性
a.急速に進む高齢化に伴い介護報酬は減少傾向にある一方で少子高齢化による労働市場のひっ迫等により人件費は増加傾向にあること、土地や家族に縛られることなく個人の嗜好に合わせ自分らしく生活することへのこだわりが強いいわゆる団塊の世代が今後のシニア向けサービスの主たる顧客になっていくこと、新型コロナウイルス蔓延等を経て人々の生活様式が大きく変化してきていることといった外部環境を踏まえると、介護報酬に頼らないサービス分野の確立及び強化、団塊の世代に受容される新たなサービス分野の構築、時代の変化に合わせた事業構造の抜本的な改革が必要であるところ、(a)リゾート開発での経験が豊富なユニマットグループとの協働関係を一層深め、ユニマットグループのリゾート開発の知見及び資金力を活かして一体として開発を行うことで、欧米におけるCCRCと同様の介護が不要なアクティブシニア向けの多世代共生型のリタイアメントコミュニティ開発が可能となり、介護に頼らない新たなサービス分野の柱としてのリタイアメントコミュニティ事業を確立し得ること、(b)人々の生活様式が大きく変化する中で中長期的に持続可能な事業基盤を構築するため、人材不足に対応するための積極的なIoT投資の実行や、ホスピス事業・リハビリ事業・フィットネス事業等のシニア向けの介護隣接事業分野への進出による事業構造の多角化を実施する必要があること、(c)当社が蓄積してきた介護事業の経営管理手法やその他のノウハウは、経営難で悩む介護事業の再生に今後も十分に適用可能であることから、M&Aによる事業基盤の拡大及び買収後の介護事業の事業価値向上は、当社の企業価値のみならず介護施設を利用している利用者の便益にも資するものであり、事業構造改革の一環としての介護隣接事業分野への進出のためにもM&Aを強化する必要があること、また、b.(a)アクティブシニア向けのリタイアメントコミュニティ事業の積極的展開、IoT投資、シニア向け介護隣接事業分野への積極進出、又は同業他社や隣接事業者に対するM&Aに際してはいずれも相当規模の投資が必要になることによる一時的な収益の悪化等、安定的な収益向上を求める当社の既存株主の期待に沿えない可能性や短期的には資本市場から十分な評価が得られないことによる株価の不安定化のリスクを伴う可能性があること、(b)これらの先行投資が結果的に当社の中長期的な収益向上につながらなかった場合には当社の企業価値を下落させる可能性があるところ、このようなリスクを当社の少数株主に負担させることは必ずしも適切ではないこと、(c)特にリタイアメントコミュニティ事業の積極展開に際してユニマットグループとの間の連携の強化に伴い、公開買付者を含むユニマットグループと当社の少数株主との間の利益相反の問題が顕在化することとなるものの、当社を非公開化することにより、利益相反の問題を回避しつつ上記施策を迅速に実施していくことが可能になること、(d)上場を廃止することにより上場維持コスト等の経営負担が解消され、中長期的な企業価値の向上を見据えた事業成長に向けて経営資源の集中を図ることが可能となることという本取引の意義及び目的には、いずれも不合理な点はなく、合理的な検討の結果と認められることから、本取引は当社グループの企業価値向上を目的として行われるものといえ、本取引の目的は正当である。
(ⅱ)本取引に係る交渉過程の手続の公正性
a.当社が本取引について検討するにあたっては、ユニマットグループ及び髙橋氏並びに本取引からそれぞれ独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である大和証券及びリーガル・アドバイザーであるTMI総合法律事務所から助言・意見等を得ながら、当社の企業価値の向上ひいては株主共同の利益の観点から、本公開買付けにおける本公開買付価格をはじめとする本公開買付けの買付条件の妥当性及び本取引の一連の手続の公正性といった点について慎重に検討及び協議を行っていること、b.当社は、本公開買付価格について、少数株主の利益保護の観点からその公正性を確保するため、大和証券を通じて、公開買付者からの本公開買付価格の提案に対して、複数回にわたり繰り返し価格交渉を実施しており、当該協議・交渉にあたっては、本特別委員会は、当社から当該協議・交渉の経緯及び内容等について適時に報告を受け、本特別委員会を通じて方針等を協議し、意見を述べるなどした上で行うなど、本特別委員会が公開買付者との交渉過程に実質的に関与する形で行われていること、c.当社を代表して本取引を検討・交渉する取締役には、本取引に特別な利害関係を有する者は含まれておらず、その他、本取引に係る協議、検討及び交渉の過程で、公開買付者その他の本取引に特別な利害関係を有する者が当社側に不当な影響を与えたことを推認させる事実は存在しないこと、d.当社は、本取引に係る決定を行うに際しては、本特別委員会の意見を最大限尊重し、本特別委員会が本取引について妥当でないと判断した場合には、本取引を行わないこととしていることを踏まえると、本取引に係る交渉過程の手続は公正である。
(ⅲ)本取引により当社の少数株主に交付される対価の妥当性
a.当社が、ユニマットグループ及び髙橋氏並びに本取引からそれぞれ独立した第三者算定機関である大和証券から取得した当社株式価値算定書によれば、当社株式の1株当たりの株式価値は、市場株価法によると1,009円から1,082円、DCF法によると955円から1,660円とされているところ、本公開買付価格は、大和証券から取得した当社株式価値算定書の市場株価法による算定結果の上限値及びDCF法に基づく算定結果のレンジの中央値(1,277円)をいずれも超える金額であり、評価手法の選択や算定の基礎となる当社の事業計画に基づく財務予測を含む前提条件等について、一般的な評価実務に照らして不合理な点は認められないこと、b.本公開買付価格(1,400円)は、本取引の公表日の前営業日(2021年2月8日)の東京証券取引所JASDAQ市場における当社株式の終値1,082円に対して29.39%、2021年2月8日までの直近1か月間の終値単純平均値1,034円に対して35.40%、2021年2月8日までの直近3か月間の終値単純平均値1,009円に対して38.75%、2021年2月8日までの直近6か月間の終値単純平均値1,013円に対して38.20%のプレミアムをそれぞれ加えた金額であって、かかるプレミアムの水準は、同種他社事例における平均的なプレミアム水準と比して合理的なプレミアムが付された価格であること、c.本公開買付けを含む本取引に係る交渉過程の手続は公正であると認められるところ、本公開買付価格は、かかる交渉の結果も踏まえて決定されたものであること、d.本公開買付けに応募しなかった少数株主は、本公開買付けの後に実施される予定の非公開化の手続において、最終的に金銭が交付されることになるところ、当該手続において交付される金銭の額については、本公開買付価格に株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定される予定である旨が、プレスリリース等で明示される予定であることを踏まえると、本取引により当社の少数株主に交付される対価は妥当である。
(ⅳ)本取引が当社の少数株主にとって不利益であるか否か
上記の事項に加えて、a.公開買付者と当社とは、当社が公開買付者以外の対抗的買収提案者と接触することを制限するような合意は一切行っておらず、対抗的な買付けの機会を妨げないこととされていること、b.本公開買付けの決済の完了後速やかに、株式併合を付議議案に含む臨時株主総会の開催を当社に要請することを予定しており、当社の株主に対して株式買取請求権又は価格決定請求権が確保されない手法は採用されないこと、c.公開買付期間が法令に定められた最短期間(20営業日)よりも長期である30営業日に設定される予定であり、本公開買付けに関して、当社の株主に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保する予定であることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮していることを踏まえて、本取引が当社の少数株主に及ぼす影響を慎重に検討した結果、当社による本公開買付けへの賛同意見の表明及び当社の株主に対して応募推奨することを含め、本取引は当社の少数株主にとって不利益ではない。
⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員を含む。)の承認
当社取締役会は、TMI総合法律事務所から受けた本公開買付けを含む本取引に関する意思決定過程、意思決定方法その他本公開買付けを含む本取引に関する意思決定にあたっての留意点についての法的助言、大和証券から受けた財務的見地からの助言及び当社株式価値算定書の内容を踏まえつつ、本特別委員会から取得した本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引により当社の企業価値の向上を図ることができるか、本公開買付価格を含む本取引における諸条件は妥当なものであるか等の観点から慎重に協議・検討を行った結果、2021年2月9日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。
上記取締役会においては、代表取締役中川清彦氏及び入江康文氏は公開買付者及びユニマットホールディング以外のユニマットグループの取締役を兼任していること、髙橋氏は公開買付者及びユニマットホールディングの代表取締役を兼任しており、かつその所有する当社株式について本公開買付けに応募しない旨を合意していたこと、山内森夫氏は公開買付者及びユニマットホールディングの取締役を兼任していること、芦田幸一氏はユニマットホールディングの代表取締役を兼任していることから、利益相反のおそれを回避し、本取引の公正性を担保する観点から、まず、(ⅰ)中川清彦氏、髙橋氏、入江康文氏、山内森夫氏及び芦田幸一氏を除く4名の取締役において審議のうえ、全員一致により上記の決議を行い、さらに、当社取締役会の定足数を確保する観点から、(ⅱ)中川清彦氏を加えた5名の取締役において改めて審議のうえ、全員一致により上記の決議を行うという二段階の手続を経ております。
なお、当社の取締役のうち、髙橋氏、入江康文氏、山内森夫氏及び芦田幸一氏は、本取引における構造的な利益相反の問題による影響をうけるおそれを可能な限り排除する観点から、上記取締役会を含む本取引に係る取締役会の審議及び決議には参加しておらず、かつ、当社の立場で本取引の協議及び交渉に参加しておりません。
他方で、中川清彦氏は公開買付者及びユニマットホールディング以外のユニマットグループの取締役を兼任しているので、構造的な利益相反の問題による影響をうけるおそれを可能な限り排除する観点から当社の立場で本取引の協議及び交渉に参加していないものの、同氏は公開買付者及びユニマットホールディング以外のユニマットグループの無報酬の取締役又は社外取締役を兼任しているにとどまり、ユニマットグループとの関係で利益相反のおそれは限定的と考えられることから、2021年2月9日開催の当社取締役会において、定足数を確保する観点から二段階目の審議及び決議に参加しております。
⑥ 本公開買付けの公正性を担保する客観的状況の確保
公開買付者は、当社との間で、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意を行っておりません。また、公開買付者は、公開買付期間を法令に定められた最短期間である20営業日より長い30営業日に設定しました。このように、公開買付者は、公開買付期間を比較的長期に設定することにより、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、当社株式について公開買付者以外の者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保し、もって本公開買付けの公正性の担保に配慮したとのことです。
4. 本株式併合の効力が生ずる日
2021年6月14日(予定)
以上