有価証券報告書-第47期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)
経営資源としての「ヒト、モノ、カネ」に新たに「IT・情報」が加わり、ネットワーク通信環境の飛躍的な向上、ソフトウエアの仮想化、スマートデバイスの普及等により、企業活動と人々の暮らしは効率化、低コスト化を実現しつつあり、あらゆるものが「所有するもの」から「利用するもの」へと、そのあり方を大きく変化させております。
また、今後は益々非連続な変化が続く激しい時代になることが予測されております。すなわち、グローバル競争の加速、国内市場の飽和感、業界構造の変化、お客様ニーズの多様化といった「ビジネス環境変化」及びモバイル、クラウド、ビッグデータ、IoTといった「テクノロジーの進化」等により、新規事業創出、ビジネスモデル転換、新しいお客様価値創出、既存事業の差別化、異業種間連携の実現といった事業イノベーションが加速する時代が到来しつつあります。そして、あらゆる企業がビジネス環境の変化や各種イノベーションに対し、IT展開の俊敏性、柔軟性を担保するため、ITインフラ、アプリケーション及びファイルデータ基盤をプラットフォーム化する必要があります。
このような経営環境のもと当社グループは、カードビジネス、流通小売業を中心とする多くのお客様のITシステム開発及び運用に携わるとともに、マネジメントファイルシステム「HULFT」製品群の提供及びグローバル展開を通じて、お客様のビジネス基盤及び社会基盤をITシステムの側面から支援してまいりました。
一方で、ITシステムの開発においては、技術力・開発力不足及びミドルマネジメント力の脆弱性が顕在化し、その結果、巨額の損害賠償費用や減損損失等が発生し、ITベンダーとしての信用を大きく毀損させることになりました。このような状況を受け、当社グループは、平成31年3月期を最終年度とする新たな中期経営計画を策定し、財務基盤の強化とともに毀損した信用の回復に努め、更なる事業の成長を目指してまいります。
この中期経営計画実現のための、主な戦略及び施策は以下のとおりです。
① 重点顧客マーケットビジネスへのフォーカス
カードシステム事業においては最重要顧客における顧客内でのITシェアの拡大、流通・ITソリューション事業においては「繋ぎ・連携・ビッグデータ」に関連する独自ソリューションの提供、及び新設した「テクノベーションセンター」(「テクノロジー」と「イノベーション」の造語)と各事業のコラボレーションによる新規ビジネスの発掘に取組んでまいります。
② HULFT事業の成長加速
HULFT及びHULFTファミリー製品等、魅力的な製品・サービスを継続的に提供するとともに、HULFTブランドの価値向上及び国内の潜在マーケットの開拓に取組んでまいります。
また、事業のグローバル化を一層推進し、海外マーケットの開拓に取組んでまいります。
③ 技術戦略の明確化と開発力強化
全社的な技術統括・品質管理を行うテクノベーションセンターをCTO(最高技術責任者)直轄の組織として新設し、技術戦略の浸透、開発力、技術力向上、製品サービスの品質向上に取組むとともに、先端テクノロジー(「IoT」「FinTech」等)の研究開発・活用を推進してまいります。
④ 財務基盤の整備・強化
システム開発等の事業投資の判断に関する基準を明確化し、キャッシュフロー重視の経営に転換するとともに、各事業の更なる成長のための柔軟かつ安定的な資金調達実現を通じて、事業基盤の強化に取組んでまいります。
⑤ 業務プロセスやコスト構造の最適化
BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)の推進を通じて社内プロセスや組織機能等の見直しを実施するとともに、当該見直しによるIT基盤の刷新、データセンターの最適化等、適正なコスト構造への転換を図ってまいります。
⑥ その他
コーポレートブランドの訴求、ロールモデル人材の育成、各種社内制度見直し、社内コミュニケーションの活性化等を実施し組織風土、企業ブランドの刷新に取組んでまいります。
また、事業ポートフォリオの再整備、アライアンス強化を通じて長期的な成長を実現し、継続的にROE15%を達成できる事業基盤の確立に努めてまいります。
なお、平成22年12月27日開催の取締役会にて、当社は、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
(株式会社の支配に関する基本方針)
一 基本方針の内容の概要
当社取締役会は、当社株式の大規模買付行為を受け入れるか否かの判断は、最終的には当社株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えております。また、当社は、当社株式について大規模買付行為がなされる場合、これが当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。
しかしながら、大規模買付行為の中には、その目的等から企業価値ひいては株主共同の利益に対して明白な侵害をもたらすもの、株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が大規模買付行為の内容等を検討し、代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、大規模買付者の提示した条件よりも有利な条件を引き出すために大規模買付者との交渉を必要とするもの等、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
したがって、当社取締役会は、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大規模買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定に重大な影響を与える者として不適切であると考えております。そこで、当社は、こうした不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定に重大な悪影響が生じることを防止し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に反する大規模買付行為を抑止するとともに、大規模買付行為が行われる際に、当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案したり、あるいは株主の皆様がかかる大規模買付行為に応じるべきか否かを判断するために必要な情報や時間を確保したりすること、株主の皆様のために交渉を行うこと等が必要であると考えております。
二 基本方針の実現に資する特別な取組みの内容の概要
当社が属する情報サービス業界は、政府の成長戦略に「IoT推進」、「ビッグデータ活用」等のIT技術の積極的な活用が織り込まれ、セキュリティ対策、ビッグデータ活用、マイナンバー制度の導入、Fintech等、新たな需要が期待されるとともに、企業のシステム開発投資が堅調に推移することにより、業界全体は緩やかながらも成長基調にあります。
当社は、これまで平成18年3月期より3年毎の中期経営計画を策定し、様々な施策を講じた結果、全社の売上拡大や事業基盤の拡充が進み、HULFT事業のグローバル展開への取組み等将来の更なる成長への布石を打つこともできました。また、平成28年2月にはBPO事業の会社分割及び譲渡を実行し、経営資源の選択と集中を進めてまいりました。一方で、技術力・開発力の課題が顕在化するとともに、その課題が起因となる大型開発案件に関する損失発生により、2期連続(平成27年3月期及び平成28年3月期)の大幅赤字(当期純損失)を計上し、技術力・開発力の強化とともに、財務基盤の立て直しが重要な課題となりました。このほか、事業戦略の明確化、コスト構造の最適化、事業基盤や組織風土の刷新等を重要な課題として認識しております。
当社は、このような経営環境及び重要な課題を踏まえ、新たな経営体制のもと、平成29年3月期~平成31年3月期を期間とする中期経営計画を策定し、達成に努めています。新たな中期経営計画においては、ビジョン「カテゴリートップの具現!~特定分野においてダントツの存在感を発揮する~」の実現を目指し、長期で飛躍的・非連続的な成長を遂げるために必要な事業ポートフォリオ、事業基盤の整備・確立に努めるとともに、財務基盤の整備・強化等の重点戦略を講じ、企業価値を高めるべく経営に取組んでまいります。
三 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの内容の概要
当社は、平成23年5月12日開催の取締役会において、企業価値及び株主共同の利益の維持・向上に向けた取組みとしての当社の大規模買付ルールを更新することを決議し、同年6月10日開催の当社第42期定時株主総会において、株主の皆様のご承認をいただきましたが(以下、更新前の大規模買付ルールを「旧ルール」といいます。)、旧ルールの有効期間が満了したため、平成26年6月12日開催の第45期定時株主総会における承認を得て当社の大規模買付ルール(以下、更新後の大規模買付ルールを「本ルール」といいます。)を更新いたしました。本ルールの概要は以下のとおりです。
当社の発行する株券等の買付行為を行おうとする者のうち、本ルールの対象となる者は、①当該買付者を含む株主グループの議決権割合を28%以上とすることを目的とする買付行為若しくはこれに類似する行為を行おうとする者、又は、②当該買付行為の結果、当該買付者を含む株主グループの議決権割合が28%以上となる買付行為若しくはこれに類似する行為を行おうとする者です。
大規模買付者には、大規模買付行為を開始する前に、当社宛に、本ルールに定められた手続を遵守することを約束する旨等を記載した意向表明書及び当社取締役会が大規模買付行為の内容を検討するために必要と考える情報(以下、「必要情報」といいます。)をご提出いただきます。
当社取締役会は、大規模買付者から必要情報の提供を受けた日から起算して60営業日以内の期間(30営業日を上限として延長することができます。)(以下、「分析検討期間」といいます。)、外部専門家の助言を受ける等しながら、必要情報の分析・検討を行い、当社取締役会としての意見を取りまとめ、公表します。当社取締役会は、分析検討期間中、必要に応じて、大規模買付者と交渉し、また、株主の皆様に対する代替案の提示を行うことがあります。なお、当社取締役会は、一定の場合には、大規模買付行為に対する対抗措置の発動等に関し、株主総会を招集し、株主の皆様の意思を確認する場合があります。
大規模買付者は、当社取締役会が大規模買付行為に対する対抗措置の発動を行わない旨の決議を行い、又は当社株主総会において大規模買付行為に対する対抗措置の発動に係る議案が否決されるまでの間、大規模買付行為を開始することができないものとします。
大規模買付者が本ルールを遵守しなかった場合、当社取締役会は、法令及び定款の下で可能な対抗措置のうちから、状況に応じ最も適切と判断したものを発動することがあります。他方、当社取締役会は、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守している場合には、原則として、大規模買付行為に対する対抗措置を発動する旨の決議を行いません。但し、当該大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれがある場合であり、かつ、対抗措置を取ることが相当であると認められる場合には、対抗措置を発動することがあります。具体的な対抗措置として新株予約権無償割当てを行う場合、割当期日における株主に対し、その所有株式1株につき1個の割合で新株予約権が割当てられ、当該新株予約権には、大規模買付者等所定の要件に該当する者(以下、「非適格者」といいます。)は原則として行使できないとする行使条件、及び、非適格者以外の新株予約権者から、当社普通株式1株と引換えに当社が新株予約権を取得できる旨の取得条項等が付されることになります。また、対抗措置としての効果を勘案した行使期間、差別的行使条件及び差別的取得条項等を設けることがあります。
当社取締役会は、大規模買付行為に対する当社取締役会としての意見の取りまとめ等を行うに当たり、その判断の公正性を確保するために、業務執行を行う経営陣から独立した者のみから構成される特別委員会に対抗措置の発動の是非その他大規模買付行為の是非等に関する諮問を行います。
特別委員会は、当該諮問を受けた場合、当社取締役会に対し、大規模買付行為に対する意見及びその根拠資料、代替案(もしあれば)その他特別委員会が必要と認める情報を提供するよう要求することができます。特別委員会は、外部専門家の助言を受ける等しながら、必要情報及び当社取締役会から提供を受けた情報等の分析・検討等を行い、当社取締役会からの諮問に基づき、特別委員会としての意見を取りまとめ、当社取締役会に対し、対抗措置の発動の是非その他大規模買付行為の是非等に関する勧告を行います。特別委員会は、勧告に際して対抗措置の発動に関して予め株主意思の確認を得るべき旨の留保を付すことができるものとし、また、その理由を付して、大規模買付行為等に関する株主意思の確認を行うことを勧告することもできるものとします。
当社取締役会は、特別委員会による勧告を最大限尊重して、対抗措置の発動や大規模買付行為等に関して決議を行います。また、当社取締役会は、①特別委員会が、対抗措置の発動に関して、予め株主総会の承認を得るべき旨の留保を付して勧告を行った場合、若しくは大規模買付行為に関する株主意思の確認を行うことを勧告した場合、又は、②大規模買付行為による当社の企業価値ひいては株主共同の利益に対する侵害が認められるか否かが問題となっており、かつ、当社取締役会が善管注意義務に照らし株主の意思を確認することが適切と判断する場合には、株主総会を招集し、対抗措置の発動その他当該大規模買付行為に関する株主の皆様の意思を確認することができるものとします。株主総会を開催する場合には、当社取締役会は、株主総会の決議に従い、対抗措置の発動等に関する決議を行うものとします。
本ルールの有効期間は、平成26年6月12日開催の当社第45期定時株主総会の終結後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとします。但し、有効期間の満了前であっても、当社の株主総会で選任された取締役により構成される取締役会において、本ルールを廃止する旨の決議がなされた場合には、本ルールはその時点で廃止されるものとします。
四 当社取締役会の判断及び理由
上記二記載の中期経営計画は、当社の企業価値・株主共同の利益を向上させるために策定された取組みであり、まさに基本方針に沿うものです。また、本ルールは、当社株式の大規模買付行為が行われる際に、当社の企業価値・株主共同の利益を確保するための枠組みを設定するものであり、基本方針に沿うものです。
本ルールは、「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則を完全に充足していること、平成26年6月12日開催の当社第45期定時株主総会の終結後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとされ、当該株主総会において株主の皆様に本ルールの更新についてお諮りすることを予定していること、対抗措置を発動する一定の場合には、株主意思を確認できるようにしていること等株主意思を重視するものであること、対抗措置の発動に際しては、経営陣から独立した特別委員会に対して、発動の是非等に関して諮問を行うこととされていること等により、その公正性・客観性が確保されているため、当社は、本ルールは、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
また、今後は益々非連続な変化が続く激しい時代になることが予測されております。すなわち、グローバル競争の加速、国内市場の飽和感、業界構造の変化、お客様ニーズの多様化といった「ビジネス環境変化」及びモバイル、クラウド、ビッグデータ、IoTといった「テクノロジーの進化」等により、新規事業創出、ビジネスモデル転換、新しいお客様価値創出、既存事業の差別化、異業種間連携の実現といった事業イノベーションが加速する時代が到来しつつあります。そして、あらゆる企業がビジネス環境の変化や各種イノベーションに対し、IT展開の俊敏性、柔軟性を担保するため、ITインフラ、アプリケーション及びファイルデータ基盤をプラットフォーム化する必要があります。
このような経営環境のもと当社グループは、カードビジネス、流通小売業を中心とする多くのお客様のITシステム開発及び運用に携わるとともに、マネジメントファイルシステム「HULFT」製品群の提供及びグローバル展開を通じて、お客様のビジネス基盤及び社会基盤をITシステムの側面から支援してまいりました。
一方で、ITシステムの開発においては、技術力・開発力不足及びミドルマネジメント力の脆弱性が顕在化し、その結果、巨額の損害賠償費用や減損損失等が発生し、ITベンダーとしての信用を大きく毀損させることになりました。このような状況を受け、当社グループは、平成31年3月期を最終年度とする新たな中期経営計画を策定し、財務基盤の強化とともに毀損した信用の回復に努め、更なる事業の成長を目指してまいります。
この中期経営計画実現のための、主な戦略及び施策は以下のとおりです。
① 重点顧客マーケットビジネスへのフォーカス
カードシステム事業においては最重要顧客における顧客内でのITシェアの拡大、流通・ITソリューション事業においては「繋ぎ・連携・ビッグデータ」に関連する独自ソリューションの提供、及び新設した「テクノベーションセンター」(「テクノロジー」と「イノベーション」の造語)と各事業のコラボレーションによる新規ビジネスの発掘に取組んでまいります。
② HULFT事業の成長加速
HULFT及びHULFTファミリー製品等、魅力的な製品・サービスを継続的に提供するとともに、HULFTブランドの価値向上及び国内の潜在マーケットの開拓に取組んでまいります。
また、事業のグローバル化を一層推進し、海外マーケットの開拓に取組んでまいります。
③ 技術戦略の明確化と開発力強化
全社的な技術統括・品質管理を行うテクノベーションセンターをCTO(最高技術責任者)直轄の組織として新設し、技術戦略の浸透、開発力、技術力向上、製品サービスの品質向上に取組むとともに、先端テクノロジー(「IoT」「FinTech」等)の研究開発・活用を推進してまいります。
④ 財務基盤の整備・強化
システム開発等の事業投資の判断に関する基準を明確化し、キャッシュフロー重視の経営に転換するとともに、各事業の更なる成長のための柔軟かつ安定的な資金調達実現を通じて、事業基盤の強化に取組んでまいります。
⑤ 業務プロセスやコスト構造の最適化
BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)の推進を通じて社内プロセスや組織機能等の見直しを実施するとともに、当該見直しによるIT基盤の刷新、データセンターの最適化等、適正なコスト構造への転換を図ってまいります。
⑥ その他
コーポレートブランドの訴求、ロールモデル人材の育成、各種社内制度見直し、社内コミュニケーションの活性化等を実施し組織風土、企業ブランドの刷新に取組んでまいります。
また、事業ポートフォリオの再整備、アライアンス強化を通じて長期的な成長を実現し、継続的にROE15%を達成できる事業基盤の確立に努めてまいります。
なお、平成22年12月27日開催の取締役会にて、当社は、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
(株式会社の支配に関する基本方針)
一 基本方針の内容の概要
当社取締役会は、当社株式の大規模買付行為を受け入れるか否かの判断は、最終的には当社株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えております。また、当社は、当社株式について大規模買付行為がなされる場合、これが当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。
しかしながら、大規模買付行為の中には、その目的等から企業価値ひいては株主共同の利益に対して明白な侵害をもたらすもの、株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が大規模買付行為の内容等を検討し、代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、大規模買付者の提示した条件よりも有利な条件を引き出すために大規模買付者との交渉を必要とするもの等、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
したがって、当社取締役会は、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大規模買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定に重大な影響を与える者として不適切であると考えております。そこで、当社は、こうした不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定に重大な悪影響が生じることを防止し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に反する大規模買付行為を抑止するとともに、大規模買付行為が行われる際に、当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案したり、あるいは株主の皆様がかかる大規模買付行為に応じるべきか否かを判断するために必要な情報や時間を確保したりすること、株主の皆様のために交渉を行うこと等が必要であると考えております。
二 基本方針の実現に資する特別な取組みの内容の概要
当社が属する情報サービス業界は、政府の成長戦略に「IoT推進」、「ビッグデータ活用」等のIT技術の積極的な活用が織り込まれ、セキュリティ対策、ビッグデータ活用、マイナンバー制度の導入、Fintech等、新たな需要が期待されるとともに、企業のシステム開発投資が堅調に推移することにより、業界全体は緩やかながらも成長基調にあります。
当社は、これまで平成18年3月期より3年毎の中期経営計画を策定し、様々な施策を講じた結果、全社の売上拡大や事業基盤の拡充が進み、HULFT事業のグローバル展開への取組み等将来の更なる成長への布石を打つこともできました。また、平成28年2月にはBPO事業の会社分割及び譲渡を実行し、経営資源の選択と集中を進めてまいりました。一方で、技術力・開発力の課題が顕在化するとともに、その課題が起因となる大型開発案件に関する損失発生により、2期連続(平成27年3月期及び平成28年3月期)の大幅赤字(当期純損失)を計上し、技術力・開発力の強化とともに、財務基盤の立て直しが重要な課題となりました。このほか、事業戦略の明確化、コスト構造の最適化、事業基盤や組織風土の刷新等を重要な課題として認識しております。
当社は、このような経営環境及び重要な課題を踏まえ、新たな経営体制のもと、平成29年3月期~平成31年3月期を期間とする中期経営計画を策定し、達成に努めています。新たな中期経営計画においては、ビジョン「カテゴリートップの具現!~特定分野においてダントツの存在感を発揮する~」の実現を目指し、長期で飛躍的・非連続的な成長を遂げるために必要な事業ポートフォリオ、事業基盤の整備・確立に努めるとともに、財務基盤の整備・強化等の重点戦略を講じ、企業価値を高めるべく経営に取組んでまいります。
三 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの内容の概要
当社は、平成23年5月12日開催の取締役会において、企業価値及び株主共同の利益の維持・向上に向けた取組みとしての当社の大規模買付ルールを更新することを決議し、同年6月10日開催の当社第42期定時株主総会において、株主の皆様のご承認をいただきましたが(以下、更新前の大規模買付ルールを「旧ルール」といいます。)、旧ルールの有効期間が満了したため、平成26年6月12日開催の第45期定時株主総会における承認を得て当社の大規模買付ルール(以下、更新後の大規模買付ルールを「本ルール」といいます。)を更新いたしました。本ルールの概要は以下のとおりです。
当社の発行する株券等の買付行為を行おうとする者のうち、本ルールの対象となる者は、①当該買付者を含む株主グループの議決権割合を28%以上とすることを目的とする買付行為若しくはこれに類似する行為を行おうとする者、又は、②当該買付行為の結果、当該買付者を含む株主グループの議決権割合が28%以上となる買付行為若しくはこれに類似する行為を行おうとする者です。
大規模買付者には、大規模買付行為を開始する前に、当社宛に、本ルールに定められた手続を遵守することを約束する旨等を記載した意向表明書及び当社取締役会が大規模買付行為の内容を検討するために必要と考える情報(以下、「必要情報」といいます。)をご提出いただきます。
当社取締役会は、大規模買付者から必要情報の提供を受けた日から起算して60営業日以内の期間(30営業日を上限として延長することができます。)(以下、「分析検討期間」といいます。)、外部専門家の助言を受ける等しながら、必要情報の分析・検討を行い、当社取締役会としての意見を取りまとめ、公表します。当社取締役会は、分析検討期間中、必要に応じて、大規模買付者と交渉し、また、株主の皆様に対する代替案の提示を行うことがあります。なお、当社取締役会は、一定の場合には、大規模買付行為に対する対抗措置の発動等に関し、株主総会を招集し、株主の皆様の意思を確認する場合があります。
大規模買付者は、当社取締役会が大規模買付行為に対する対抗措置の発動を行わない旨の決議を行い、又は当社株主総会において大規模買付行為に対する対抗措置の発動に係る議案が否決されるまでの間、大規模買付行為を開始することができないものとします。
大規模買付者が本ルールを遵守しなかった場合、当社取締役会は、法令及び定款の下で可能な対抗措置のうちから、状況に応じ最も適切と判断したものを発動することがあります。他方、当社取締役会は、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守している場合には、原則として、大規模買付行為に対する対抗措置を発動する旨の決議を行いません。但し、当該大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれがある場合であり、かつ、対抗措置を取ることが相当であると認められる場合には、対抗措置を発動することがあります。具体的な対抗措置として新株予約権無償割当てを行う場合、割当期日における株主に対し、その所有株式1株につき1個の割合で新株予約権が割当てられ、当該新株予約権には、大規模買付者等所定の要件に該当する者(以下、「非適格者」といいます。)は原則として行使できないとする行使条件、及び、非適格者以外の新株予約権者から、当社普通株式1株と引換えに当社が新株予約権を取得できる旨の取得条項等が付されることになります。また、対抗措置としての効果を勘案した行使期間、差別的行使条件及び差別的取得条項等を設けることがあります。
当社取締役会は、大規模買付行為に対する当社取締役会としての意見の取りまとめ等を行うに当たり、その判断の公正性を確保するために、業務執行を行う経営陣から独立した者のみから構成される特別委員会に対抗措置の発動の是非その他大規模買付行為の是非等に関する諮問を行います。
特別委員会は、当該諮問を受けた場合、当社取締役会に対し、大規模買付行為に対する意見及びその根拠資料、代替案(もしあれば)その他特別委員会が必要と認める情報を提供するよう要求することができます。特別委員会は、外部専門家の助言を受ける等しながら、必要情報及び当社取締役会から提供を受けた情報等の分析・検討等を行い、当社取締役会からの諮問に基づき、特別委員会としての意見を取りまとめ、当社取締役会に対し、対抗措置の発動の是非その他大規模買付行為の是非等に関する勧告を行います。特別委員会は、勧告に際して対抗措置の発動に関して予め株主意思の確認を得るべき旨の留保を付すことができるものとし、また、その理由を付して、大規模買付行為等に関する株主意思の確認を行うことを勧告することもできるものとします。
当社取締役会は、特別委員会による勧告を最大限尊重して、対抗措置の発動や大規模買付行為等に関して決議を行います。また、当社取締役会は、①特別委員会が、対抗措置の発動に関して、予め株主総会の承認を得るべき旨の留保を付して勧告を行った場合、若しくは大規模買付行為に関する株主意思の確認を行うことを勧告した場合、又は、②大規模買付行為による当社の企業価値ひいては株主共同の利益に対する侵害が認められるか否かが問題となっており、かつ、当社取締役会が善管注意義務に照らし株主の意思を確認することが適切と判断する場合には、株主総会を招集し、対抗措置の発動その他当該大規模買付行為に関する株主の皆様の意思を確認することができるものとします。株主総会を開催する場合には、当社取締役会は、株主総会の決議に従い、対抗措置の発動等に関する決議を行うものとします。
本ルールの有効期間は、平成26年6月12日開催の当社第45期定時株主総会の終結後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとします。但し、有効期間の満了前であっても、当社の株主総会で選任された取締役により構成される取締役会において、本ルールを廃止する旨の決議がなされた場合には、本ルールはその時点で廃止されるものとします。
四 当社取締役会の判断及び理由
上記二記載の中期経営計画は、当社の企業価値・株主共同の利益を向上させるために策定された取組みであり、まさに基本方針に沿うものです。また、本ルールは、当社株式の大規模買付行為が行われる際に、当社の企業価値・株主共同の利益を確保するための枠組みを設定するものであり、基本方針に沿うものです。
本ルールは、「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則を完全に充足していること、平成26年6月12日開催の当社第45期定時株主総会の終結後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとされ、当該株主総会において株主の皆様に本ルールの更新についてお諮りすることを予定していること、対抗措置を発動する一定の場合には、株主意思を確認できるようにしていること等株主意思を重視するものであること、対抗措置の発動に際しては、経営陣から独立した特別委員会に対して、発動の是非等に関して諮問を行うこととされていること等により、その公正性・客観性が確保されているため、当社は、本ルールは、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。