有価証券報告書-第50期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/03/30 14:50
【資料】
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【項目】
168項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。なお、当該将来に関する事項については、その達成を保証するものではありません。
(1) 会社の経営の基本方針
「社会を構成するメンバーとして、尊敬され、関係する様々な方々の期待に応える企業」
それが我々の求めるラックランドグループの姿です。
我々は日々、様々な方々と関係を持ち、相互の協力の下、活動をしています。そして、その様々な方々からの期待を担っています。我々にとって期待に応える相手とは、お客様、協力会社、地域社会、株主の皆様、そして社員等、我々と関係するすべての方々(ステークホルダー)に他なりません。その期待に対し、誠実に応えていくことが我々の望む姿です。
「商空間創りを通じ、皆の笑顔を創りだす」
我々は商空間の企画・制作・保守メンテナンス等を通じ、様々な人々の期待に応え、笑顔を創りだしていきます。この笑顔とは、「お客様の笑顔」、「お店で働かれている方の笑顔」、「お店に集う方の笑顔」、「地球(すべての人)の笑顔」など様々です。企業として存続していくためには単なる「モノ作り」でなく、社会において様々な「笑顔になれるコト」を創りだしていかなければなりません。このことこそが、我々が自らの仕事をサービス業と考える原点です。
そして、時代のニーズは新たな技術とともに変化していきます。我々は安定した収益基盤を確立しながら、従来の枠組みに捉われず、時代の変化に柔軟に対応し、成長し続けられる企業でありたいと考えております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、2016年よりスタートいたしました第二次10年計画「世界でも期待される企業に成る」の下、最初の3ヵ年は「開拓してきた幅広いマーケットの深掘りと利益基盤の構築」を課題として邁進してまいりました。次期 2019年から2021年までの3ヵ年は、これまでの課題にも引き続き向き合いつつ、「時代が求めている企業に化ける」をメインスローガンとし、新たなステージを目指してまいります。当社グループが経営指標として重視しておりますのは、売上高営業利益率及び自己資本当期純利益率(ROE)であり、これら経営指標の向上に継続して取り組んでまいります。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
2015年までの第一次10年計画は「未来へ進むための基盤作り」であり、その一環として2015年10月には東京証券取引所 市場第一部への指定替えを達成することができました。2016年からの第二次10年計画は「世界でも期待される企業」への進化を遂げ、遅くとも2025年までには売上高 500億円(国内 450億円、海外 50億円)、営業利益率6%を実現できるよう、グループ一丸となって邁進してまいります。
国内においては、当社がこれまで弱かった分野や技術の補強、及び未進出地域への営業網の拡大を目的として、積極的にM&Aを行っております。各専門分野を持つグループ会社がそれぞれの強みを活かして協業することにより、対応できる業務範囲が広がるとともに、新たな事業の創出も可能となり、また制作コストの削減を図ることもできるなど、様々なグループ会社間シナジーが生まれております。今後、グループ会社間の連携を深め、グループ会社間シナジーをさらに発揮することで、我々の目標に着実に近づけると考えております。
加えて、当社グループの成長には、日本より経済成長率が高く、日系企業の進出が盛んな東南アジア圏における海外事業の拡大が必須です。2013年1月のシンガポールを皮切りに、カンボジア、マレーシア、タイ、ベトナム、インドネシア、台湾と、現在までに7ヶ国で現地法人を設立し、各国での施工実績も増えてまいりました。2017年7月には株式会社プロネクサス様との業務連携による、飲食・小売業界向けのアジア進出支援サービス「スグデル」の提供も開始しました。引き続き、アジア進出を目指す日系企業のお客様のご要望に迅速かつ真摯に応えられるよう、各国において現地に根付いた営業網を拡充し、信頼と実績に基づいた当社グループのブランドを確立します。
(4) 会社の対処すべき課題
当社グループは、2016年から第二次10年計画「世界でも期待される企業に成る」の下、2016年から2018年の3ヵ年は「進:利益基盤の構築」を目標に、即戦力となる人材を確保すると同時に、将来の戦力となる人材育成を行い、幅広いマーケットの開拓と深掘りを進め、次なる領域へステップアップするための足場固めをしてまいりました。
2019年から2021年の3ヵ年は、新たに「化:時代が求めている企業へ化ける」を目標に前進しております。社会の生活スタイルの変化、従業員ニーズも含め、環境・技術に適応できる企業へ変わっていかなければならないと考えております。そして、我々が作り出してきた企業群、他に見ないこのユニークなスタイルで、上場企業として株主の皆様に対して企業価値向上という結果を出していきます。
2019年は「化けたと結果を出す1年目」をスローガンとして、グループ全体では、様々な組み合わせで幅広いマーケットに対応できるよう、事業分野の間口・販路を広げ、シナジーを創出してまいりました。また、海外部門については、各拠点の体制・人員の拡充を図り、①店舗制作、②エンジニアリング(冷凍冷蔵物流倉庫)、③建築金物製作を3本柱として事業を軌道に乗せ、黒字化の定着を目指してまいりました。そして、当社単体においては、即戦力となる人材の確保と、就業人口の減少に備え、将来の戦力となる社員の育成に注力するとともに、社内体制・ルール等を全般的に見直した上で、IT・RPA等の技術を積極的に導入しながらあらゆる面でロスを削減し、社員がやりがいを持って目的のために力を十分に発揮できるよう業務量を適正化し、より生産性の高い、かつ磐石な社内体制の再構築を進めてまいりました。その結果、未だ道半ばではありますが、売上総利益率を大幅に引き上げることができました。
「化」の2年目である2020年は、子年で新たな12年サイクルのスタートであり、また当社が設立50周年を迎える節目の年でもあります。「化けきってみせる2年目」をスローガンとして、グループ全体では2019年から取り組んでいる課題に引き続き挑み、さらに当社単体の新たな課題として設計施工案件の管理体制及び粗利率を改善していくことでもう一段の進化を遂げてまいります。
こうした取り組みをもって、グループ全27社一丸となり、これまで構築してきた利益基盤を確実なものにしながら、新たなるステージに上るための課題をひとつずつ克服し、刻々と変化する時代のニーズに柔軟に対応できる企業として化け、そして、第二次10年計画の最終段階、2022年から2025年の「成」の4ヵ年に向けて邁進してまいります。
<当社グループが重要と位置付けている事業分野>① 物流センターにおける冷凍冷蔵設備分野
② 新規店舗(これまでに取引のない店舗)へのメンテナンス及び営繕分野
③ 企画・設計・デザイン・コンサルティング等のソフトサービス分野
④ 省エネルギー機器や付加価値機器の開発・製造・販売・レンタル分野
⑤ デベロッパーが所有する大型店舗や商業ビルにおける建築設備分野
⑥ 中小規模の店舗・工場・物流施設における建築分野
⑦ 医療モールやクリニックを含むメディカル分野
⑧ ASEAN圏・台湾における海外分野
⑨ 店舗や食品工場における食品の生産機器や厨房設備分野
⑩ 宿泊施設・ホテルにおけるリノベーション分野