有価証券報告書-第70期(2023/04/01-2024/03/31)
有報資料
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「『人』を軸として、赤ちゃんからお年寄りまで、お客さま一人ひとりに寄り添い、地域に根差し、お客さまの『よく生きる』を一生を通じて支援する」という企業理念のもと、「自分や自分の家族がしてもらいたいサービスを事業化する」「赤ちゃんからお年寄りまで生涯にわたって、一人ひとりの課題解決や向上意欲を応援する」「年をとればとるほど、生きる意味を深く味わい幸せになるサービスを提供する」ことを通じて、企業価値の向上と、すべてのステークホルダーへの貢献を追求しています。
そして、企業理念を事業現場で具体的な活動において実行していくよりどころとして、
『誰もが一生、成長できる。自分らしく生きられる世界へ。ベネッセは目指しつづけます。』
というグループパーパスを2023年2月に公表しました。
(2) 経営環境及び対処すべき課題
「人」を軸とした企業グループとして日本における人口動態変化に注目しますと、特に顕著な変化として、少子化の進展、働く期間の延伸、高齢化率の上昇が挙げられます。
教育事業を行う当社グループにとって、少子化は、持続的な成長を考えるうえでの重要課題であり、一人ひとりの、あるいは社会全体の課題そのものを掘り下げ、深掘りされた課題に対する市場創造というチャレンジを行っていかなければならないと考えています。
一方で、働く期間の延伸、高齢化率の上昇という社会的ニーズの増大を成長の機会にしていく必要があります。
さらに近年、事業を取り巻く環境に非常に大きな変化が生じており、国内教育事業においては、大学入試における年内入試の拡大と大学入学前教育ニーズの高まり、政府が進める「GIGAスクール構想」の進展と教育現場の負担が増加しています。また、大学・社会人事業においては、社会人領域でのリスキリング需要の拡大が顕著になり、介護事業においては、要介護高齢者の増加に対し、介護人材の不足等が深刻化しつつあります。加えて、介護事業や中国事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、業績回復が遅れています。これらを踏まえた事業変革が必要となってきています。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた業績を速やかに回復し、環境変化を踏まえた事業の進化を図るべく、2021年度を初年度とする5ヵ年の中期経営計画「コア事業の進化と新領域への挑戦」を推進してきました。
この中期経営計画は、2021年度から2022年度をフェーズ1として、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた既存事業の速やかな回復を目指し、2023年度から2025年度をフェーズ2として、コア事業の進化と教育・介護領域等において当社グループの強みを生かした新領域への挑戦により、さらなる成長を図るものです。
フェーズ1を終えてフェーズ2に向かうにあたり、当社グループを取り巻く事業環境に非常に大きな環境変化が生じていることを踏まえて、中期経営計画のフェーズ2をブラッシュアップした「変革事業計画」を2023年5月に発表しました。
この「変革事業計画」は、急激に変化する事業環境の中、グループパーパスの実現を追求し続けるために、今後の当社グループの持続的成長の実現を目指すものであり、ポートフォリオ戦略によって事業全体の方向性を整理し、それをベースに既存のコア事業の変革計画、新たに取り組む事業の変革計画を策定するとともに、メリハリのあるアセット配分とその実現に向けた経営システムの再構築を行うものとなっています。ポートフォリオ構造の変革として、事業を「コア教育」「コア介護」「新領域」の3つの領域に整理し、2028年度にこれらの領域が3本柱となる利益構造を実現するべく、目指す姿からのバックキャストで計画最終年度にあたる2025年度に目指す状態として、以下を目標に置きました。
・コア教育事業においては、構造改革・ニーズ多様化対応等で収益安定化、さらに事業モデル変革に着手
・コア介護事業においては、新型コロナ前の入居率/利益水準へ早期回復し安定成長軌道へ
・新領域においては、2026年度以降の利益成長牽引に向けた戦略投資と売上成長
これらの目標の達成に向け、具体的には以下に取り組みます。
1.コア教育事業
従来の事業運営の延長では、収益性低下は免れないとの認識のもと、2025年度を転換点とした、短中期・長期の時間軸で、これまでの既存組織の枠を超えたコア教育事業領域全体での変革活動をやりきることで、安定収益化を実現していきます。
①短中期(2023~2025年度)に向けた取り組み
・商品価値・営業手法の再設計…顧客基盤維持・強化の取り組みとニーズ多様化への対応
・コスト構造改革…国内教育全体を俯瞰した固定費構造の見直し・削減
②長期(2026年度以降)を見据えた取り組み
・2025年度のNextGIGA構想を契機とするDX化進展を見据えた事業モデル変革
2.コア介護事業
新型コロナウイルス感染症の5類移行という環境変化を捉え、介護施設入居意向の回復を促す施策と営業力・マネジメントの強化により入居率を回復するとともに、対象エリアの新たな拡大を図り、安定成長軌道に乗せていきます。
3.新領域
大学・社会人事業、介護周辺事業、海外事業に戦略投資を振り向け売上成長を加速させていきます。
併せて、「変革事業計画」で掲げるポートフォリオ変革の実現に向けて、以下のマネジメントシステム変革・コーポレート変革を推進していきます。
1.CXO(※)体制の再構築と強化
・コーポレートの専門性向上、横断連携の強化、事業進捗モニタリングの精度向上
2.経営トップ主体で全社リソースアロケーションを行う経営システム構築
・人財リソース強化と最適アロケーションの実現、キャッシュアロケーション意思決定・モニタリングの強化
3.コーポレートの生産性の向上
・コーポレート機能再整理と、シェアード化や最新AI技術等を活用した自動化・機械化
(※)管理部門の専門領域(経営戦略、財務、人事、法務・リスク管理、DX、コーポレート・コミュニケーション)における最高責任者、Chief X Officer(CSO、CFO、CHRO、CLRO、CDXO、CCO)

ここで言う「コア教育事業」とは、校外学習事業、学校向け教育事業、こどもちゃれんじ事業、生活関連事業(たまひよ等)を指し、「コア介護事業」とは、介護・保育事業のうち、主に㈱ベネッセスタイルケア、㈱ベネッセシニアサポートが展開している事業を指します。大学・社会人事業、及び介護・保育事業のうち㈱ベネッセMCM、㈱ハートメディカルケア、㈱ベネッセパレットが展開している事業は「新領域」に含みます。
(4) 目標とする経営指標
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、中期経営計画の最終年度にあたる2025年度において、営業利益320億円以上、ROE(自己資本当期純利益率)10%以上を目指します。また新領域では、2025年度において2022年度の2倍の売上高への成長を目指します。
なお、当社は2023年5月、当社創業家とスウェーデンに本社を置くプライベート・エクイティ投資会社であるEQTからMBO(マネジメント・バイアウト)の提案を受け、今後も大きな変化が予測される事業環境下において、「変革事業計画」の成功確度と実現スピードを高めるうえで、グループ内だけなく外部の経営資源を活用することや、非上場化により中長期的な経営戦略を迅速に実行していくことが有益と考え、2024年1月30日から3月4日に実施された当社株券等に対する公開買付けに賛同し、株主様への応募推奨を行いました。また、この公開買付けの成立により、同年4月29日開催の臨時株主総会にて、株式併合および定款一部変更を決議しました。今後は機動的かつ大胆な経営施策の実行が可能となるため、EQTのノウハウ、ネットワークを活用し、事業シナジーの創出に取り組み、「変革事業計画」の達成に努めていきます。
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日である2024年6月27日時点において判断したものであり、予測し得ない経済状況の変化等様々な要因があるため、その結果について、当社グループが保証するものではありません。
当社グループは、「『人』を軸として、赤ちゃんからお年寄りまで、お客さま一人ひとりに寄り添い、地域に根差し、お客さまの『よく生きる』を一生を通じて支援する」という企業理念のもと、「自分や自分の家族がしてもらいたいサービスを事業化する」「赤ちゃんからお年寄りまで生涯にわたって、一人ひとりの課題解決や向上意欲を応援する」「年をとればとるほど、生きる意味を深く味わい幸せになるサービスを提供する」ことを通じて、企業価値の向上と、すべてのステークホルダーへの貢献を追求しています。
そして、企業理念を事業現場で具体的な活動において実行していくよりどころとして、
『誰もが一生、成長できる。自分らしく生きられる世界へ。ベネッセは目指しつづけます。』
というグループパーパスを2023年2月に公表しました。
(2) 経営環境及び対処すべき課題
「人」を軸とした企業グループとして日本における人口動態変化に注目しますと、特に顕著な変化として、少子化の進展、働く期間の延伸、高齢化率の上昇が挙げられます。
教育事業を行う当社グループにとって、少子化は、持続的な成長を考えるうえでの重要課題であり、一人ひとりの、あるいは社会全体の課題そのものを掘り下げ、深掘りされた課題に対する市場創造というチャレンジを行っていかなければならないと考えています。
一方で、働く期間の延伸、高齢化率の上昇という社会的ニーズの増大を成長の機会にしていく必要があります。
さらに近年、事業を取り巻く環境に非常に大きな変化が生じており、国内教育事業においては、大学入試における年内入試の拡大と大学入学前教育ニーズの高まり、政府が進める「GIGAスクール構想」の進展と教育現場の負担が増加しています。また、大学・社会人事業においては、社会人領域でのリスキリング需要の拡大が顕著になり、介護事業においては、要介護高齢者の増加に対し、介護人材の不足等が深刻化しつつあります。加えて、介護事業や中国事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、業績回復が遅れています。これらを踏まえた事業変革が必要となってきています。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた業績を速やかに回復し、環境変化を踏まえた事業の進化を図るべく、2021年度を初年度とする5ヵ年の中期経営計画「コア事業の進化と新領域への挑戦」を推進してきました。
この中期経営計画は、2021年度から2022年度をフェーズ1として、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた既存事業の速やかな回復を目指し、2023年度から2025年度をフェーズ2として、コア事業の進化と教育・介護領域等において当社グループの強みを生かした新領域への挑戦により、さらなる成長を図るものです。
フェーズ1を終えてフェーズ2に向かうにあたり、当社グループを取り巻く事業環境に非常に大きな環境変化が生じていることを踏まえて、中期経営計画のフェーズ2をブラッシュアップした「変革事業計画」を2023年5月に発表しました。
この「変革事業計画」は、急激に変化する事業環境の中、グループパーパスの実現を追求し続けるために、今後の当社グループの持続的成長の実現を目指すものであり、ポートフォリオ戦略によって事業全体の方向性を整理し、それをベースに既存のコア事業の変革計画、新たに取り組む事業の変革計画を策定するとともに、メリハリのあるアセット配分とその実現に向けた経営システムの再構築を行うものとなっています。ポートフォリオ構造の変革として、事業を「コア教育」「コア介護」「新領域」の3つの領域に整理し、2028年度にこれらの領域が3本柱となる利益構造を実現するべく、目指す姿からのバックキャストで計画最終年度にあたる2025年度に目指す状態として、以下を目標に置きました。
・コア教育事業においては、構造改革・ニーズ多様化対応等で収益安定化、さらに事業モデル変革に着手
・コア介護事業においては、新型コロナ前の入居率/利益水準へ早期回復し安定成長軌道へ
・新領域においては、2026年度以降の利益成長牽引に向けた戦略投資と売上成長
これらの目標の達成に向け、具体的には以下に取り組みます。
1.コア教育事業
従来の事業運営の延長では、収益性低下は免れないとの認識のもと、2025年度を転換点とした、短中期・長期の時間軸で、これまでの既存組織の枠を超えたコア教育事業領域全体での変革活動をやりきることで、安定収益化を実現していきます。
①短中期(2023~2025年度)に向けた取り組み
・商品価値・営業手法の再設計…顧客基盤維持・強化の取り組みとニーズ多様化への対応
・コスト構造改革…国内教育全体を俯瞰した固定費構造の見直し・削減
②長期(2026年度以降)を見据えた取り組み
・2025年度のNextGIGA構想を契機とするDX化進展を見据えた事業モデル変革
2.コア介護事業
新型コロナウイルス感染症の5類移行という環境変化を捉え、介護施設入居意向の回復を促す施策と営業力・マネジメントの強化により入居率を回復するとともに、対象エリアの新たな拡大を図り、安定成長軌道に乗せていきます。
3.新領域
大学・社会人事業、介護周辺事業、海外事業に戦略投資を振り向け売上成長を加速させていきます。
併せて、「変革事業計画」で掲げるポートフォリオ変革の実現に向けて、以下のマネジメントシステム変革・コーポレート変革を推進していきます。
1.CXO(※)体制の再構築と強化
・コーポレートの専門性向上、横断連携の強化、事業進捗モニタリングの精度向上
2.経営トップ主体で全社リソースアロケーションを行う経営システム構築
・人財リソース強化と最適アロケーションの実現、キャッシュアロケーション意思決定・モニタリングの強化
3.コーポレートの生産性の向上
・コーポレート機能再整理と、シェアード化や最新AI技術等を活用した自動化・機械化
(※)管理部門の専門領域(経営戦略、財務、人事、法務・リスク管理、DX、コーポレート・コミュニケーション)における最高責任者、Chief X Officer(CSO、CFO、CHRO、CLRO、CDXO、CCO)

ここで言う「コア教育事業」とは、校外学習事業、学校向け教育事業、こどもちゃれんじ事業、生活関連事業(たまひよ等)を指し、「コア介護事業」とは、介護・保育事業のうち、主に㈱ベネッセスタイルケア、㈱ベネッセシニアサポートが展開している事業を指します。大学・社会人事業、及び介護・保育事業のうち㈱ベネッセMCM、㈱ハートメディカルケア、㈱ベネッセパレットが展開している事業は「新領域」に含みます。
(4) 目標とする経営指標
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、中期経営計画の最終年度にあたる2025年度において、営業利益320億円以上、ROE(自己資本当期純利益率)10%以上を目指します。また新領域では、2025年度において2022年度の2倍の売上高への成長を目指します。
なお、当社は2023年5月、当社創業家とスウェーデンに本社を置くプライベート・エクイティ投資会社であるEQTからMBO(マネジメント・バイアウト)の提案を受け、今後も大きな変化が予測される事業環境下において、「変革事業計画」の成功確度と実現スピードを高めるうえで、グループ内だけなく外部の経営資源を活用することや、非上場化により中長期的な経営戦略を迅速に実行していくことが有益と考え、2024年1月30日から3月4日に実施された当社株券等に対する公開買付けに賛同し、株主様への応募推奨を行いました。また、この公開買付けの成立により、同年4月29日開催の臨時株主総会にて、株式併合および定款一部変更を決議しました。今後は機動的かつ大胆な経営施策の実行が可能となるため、EQTのノウハウ、ネットワークを活用し、事業シナジーの創出に取り組み、「変革事業計画」の達成に努めていきます。
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日である2024年6月27日時点において判断したものであり、予測し得ない経済状況の変化等様々な要因があるため、その結果について、当社グループが保証するものではありません。