有価証券報告書-第63期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/26 9:56
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【項目】
136項目

対処すべき課題

<当社グループを取り巻く環境変化>当社は、新しいマネジメント体制のもと、現在、平成28年3月期の決算短信(平成28年5月11日開示)により開示を行ったグループ経営方針の見直しを進めており、今秋に向けて、新中期経営計画を発表する予定です。新しい(1)会社の経営の基本方針、(2)目標とする経営指標、(3)中長期的な会社の経営戦略、については、決定次第公表いたします。
(4) 会社の対処すべき課題
当社グループの事業を取り巻く環境は、国内教育事業では、デジタル化の進展に伴う学習の多様化、教育・入試改革、英語4技能化等により、ビジネスチャンスが広がっていますが、異業種からの参入等により競争も激化しています。介護・保育事業においては、高齢化の進展に伴う堅調な介護サービスへの需要拡大と競争環境の変化、海外事業においては、中国や新興国での教育熱の高まり等を受け、事業機会が拡大しています。
このような事業環境の中、主力の「進研ゼミ」「こどもちゃれんじ」は、主要なマーケティング施策であるダイレクトメールの発送対象数の減少等により、4月会員数が前年同月比で減少する状況が継続しておりましたが、平成29年4月の会員数は、これまでの減少トレンドに歯止めがかかりました。
また、国内教育以外の事業は介護・保育、海外事業を中心に引き続き順調に拡大しております。
当社は、徹底したお客様視点に基づいた質の高いサービスを提供することで、国内教育事業の早期回復を図るとともに、介護・保育事業や海外事業等をさらに成長させ、国内教育事業のみに頼らない事業ポートフォリオの構築を目指してまいります。
具体的には、以下の3点を推進してまいります。
① 「進研ゼミ」の収益力の強化と再成長
・タブレット戦略の見直し
・ダイレクトマーケティングの強化
・顧客視点での商品設計
② 「進研ゼミ」以外の事業の成長加速
・介護・保育事業、学校事業、海外事業の成長
・非連続な成長に向けた新規事業開発
・Berlitz Corporationの事業構造改革
③ メリハリのあるグループ事業戦略
・成長分野における継続的な投資、M&A
・ノンコア事業の見直し、整理
・コスト体質の抜本的な改善
当社グループは、資本政策を経営の重要課題と位置付けています。配当については「配当性向35%以上」を明示しております。平成28年度の実績は1株当たり年間配当額95円です。また、自己株式については、平成29年3月末時点で626万株、217億3千6百万円の自己株式を保有しており、今後も必要に応じて取得する考えです。なお、自己株式は、発行済株式総数の5%程度を目安に保有し、それを超過する部分は原則として毎期消却する方針です。
キャッシュ・フローを重視した経営を行い、財務体質の健全性の維持に努めると同時に、今後の成長が見込める分野でのM&Aを積極的に実施します。また、研究開発や事業基盤の強化のための投資も効果的に行い、中長期的な成長を目指します。