有価証券報告書-第30期(2024/04/01-2025/03/31)
(2) 戦略
当社は、マテリアリティ(未来世代に向けた地球環境への責任)の実現に向けてITのチカラを活用し、当社グループおよびサプライチェーンにおけるパートナーと共に電力の再生可能エネルギー化等脱炭素社会の実現を目指していきます。また、気候関連課題と連関性のある自然資本課題においても、水資源や生物多様性の保全等を通じた取り組みを推進していきます。こうした気候関連課題や自然資本課題への取り組みを、社会の幅広いステークホルダーの皆様と連携を深める事業機会としても捉え、チャレンジし続けていきます。
リスクおよび機会の識別:
(TCFD提言への賛同)
気候変動に伴うリスクや機会は事業戦略に影響を及ぼすものと認識し、2020年6月にTCFD(Task Force on
Climate-related Financial Disclosures)への賛同表明を行いました。TCFD提言を参照の上、短期・中
期・長期のリスクと機会を分類し、自然資本に関わるリスクと機会も併せて開示しています。
(時間軸の前提)
・当社グループは、グループ全社の事業活動での温室効果ガス「スコープ1」および「スコープ2」を
2030年度までに実質ゼロにする「2030カーボンニュートラル宣言」の2030年度目標の達成に向けて
「GHG関連投資計画」を策定の上、まずは2028年度までの5か年のGHG投資計画に関する戦略的意思決定を
経営会議にて行っています。(短期:戦略的意思決定に用いる計画期間)
・加えて、当社グループでは、取引先等で排出される温室効果ガス「スコープ3」も含めた事業活動に
関わる全ての温室効果ガス排出量を2050年度までに実質ゼロにする「ネットゼロ」の実現も目指して
います。(長期:気候変動の「緩和」に関する長期目標)
・一方で、日本政府は、世界全体の1.5℃目標と整合し、2050年ネットゼロの実現に向けた目標として、
2035年度に温室効果ガスを2013年度比で60%削減すること等を掲げたNDCを国連に提出しています。
(中期:日本政府の中期目標)
・これらの状況をふまえ、当社グループでは以下の時間軸にて、気候関連のリスクおよび機会を開示して
います。
(時間軸の定義)
短期:~2030年(GHG関連投資計画、CN目標)
中期:~2035年(日本NDC目標)
長期:~2050年(ネットゼロ目標)
(産業別ガイダンス)
当社の気候関連リスクおよび機会の開示には、国際サステナビリティ基準審議会(以下ISSB という。)
が公表する「IFRS S2 号の適用に関する産業別ガイダンス」(2023年6月公表)
(以下『産業別ガイダンス』という。)に定義されている、開示トピックに関連する気候関連リスク
および機会(※)が既に含まれていることを確認しています。
(※)主にデータセンターの電力/水消費や配送に関わるエネルギー消費に起因するリスク
ビジネスモデルおよびバリューチェーンに与える影響:
メディア事業、コマース事業、Fintech領域を中心に新たな収益の柱を創出する戦略事業等、多様なインターネットサービスを展開する当社グループでは、データセンター、オフィス、物流センター等において事業を運営するための電力を使用しています。特に、データセンターによる消費電力量は当社グループ全体の大部分を占めていることからも、気候関連のリスクおよび機会が集中する部分であると考えています。これら消費電力量の増加や今後導入される排出量取引制度および化石燃料賦課金は、税負担が増す等の財務影響を受けるリスクがあり、データセンターの効率性向上と再生可能エネルギー化がリスク回避につながります。
リスクおよび機会への対応:
当社グループでは気候関連のリスクおよび機会への対応方針として、グループ全社の事業活動に伴い発生する温室効果ガス排出量を2030年度までに実質ゼロにする「2030カーボンニュートラル宣言」を2022年2月に発表しました。データセンターや事業拠点におけるエネルギーの使用効率向上や再生可能エネルギーの導入促進等、カーボンニュートラル実現に向けて取り組みを進めています。2030年度の達成に向けて、まずは2025年度頃までに80%以上を再生可能エネルギー化し、その後の5年間で100%再生可能エネルギー化を進めます。
カーボンニュートラルに向けた取り組みを加速することを目的に、気候関連課題解決に貢献する事業に対する資金調達手段として、2021年度に国内インターネットセクターにおいて初となる200億円のグリーンボンドを発行しました。調達した資金は、エネルギー使用効率の高いデータセンターの建設や改修への投資、データセンター運営に必要となる再生可能エネルギーの調達資金に充当しています。2021年度以降2025年度まで毎年約40億円の「CO2削減、気候変動対策投資額」や「再エネ投資額」に投資するよう、投資計画にも反映しています。
2030年度までに、当社グループにおけるスコープ1およびスコープ2の温室効果ガス排出量を実質ゼロ(mtCO2e)
基準年:2022年度
2022年度:117,759
2023年度:94,067
※オフセット後の純量(ネット)記載
気候関連のシナリオ分析:
(前提)
当社グループでは、気候変動がもたらすリスクと機会を適切に把握し、リスクを低減するとともに機会を
拡大するための事業戦略を策定することが重要であると考えています。当社グループが主力事業として
据えて取り組んでいるメディア・コマース・戦略の各事業は現在の気候環境に依存&関係する形で展開
されており、気候関連課題におけるリスクおよび機会は、長期間にわたって自社の事業活動に影響を与える
可能性があるため、以下の事業範囲、時間軸の設定に基づいてシナリオ分析を進めています。
・分析に用いた事業の範囲:当社グループの全事業が対象
・シナリオの時間軸:2030年~2050年
(アプローチ)
シナリオ分析に際しては、国際的な認知度や信頼性を考慮し、国際エネルギー機関(IEA:International
Energy Agency)および気候変動に関する政府間パネル(IPCC:Intergovernmental Panel on Climate
Change)が策定したシナリオを参照しています。産業革命以前からの気温上昇を+1.5℃以内に抑える
シナリオとしてNZE(Net Zero Emissions by 2050)とSSP1-1.9を、+2℃相当のシナリオとして
APS(Announced Pledges Scenario)とSSP1-2.6を、+4℃を上回るシナリオとしてSTEPS(Stated Policies
Scenario)とSSP5-8.5を用いました。
2℃シナリオでは、事業に影響を与えるレベルの気候変動による急性あるいは慢性的な物理リスクは
生じない想定でありつつも、炭素税の導入や火力発電廃止等によるエネルギー価格の上昇が見込まれ、当社グループとしての電力使用量増加に伴うコスト増のリスクを認識しています。1.5℃シナリオでは、そのリスクが更に早まる可能性が考えられます。一方で、環境配慮行動やサステナビリティ市場が拡大する
ことによってサステナブルを重視するユーザーが増加することは、低炭素排出製品やサービスの売上増加
等消費者選好の変化にもつながるため、当社グループの各サービスにとって重要な機会であると考えて
います。
自然資本への配慮:
当社は、自然資本関連の課題に対しても、水資源・生物多様性、資源循環等のリスクと機会を多面的な視点で捉え対応策を講じることで、ステークホルダーとの対話・協力を進め、持続可能な社会構築を目指しています。主な取り組みは、次のとおりです。
・データセンターにおける冷却・加湿用の水利用では、資源の枯渇につながるような過度の環境負荷は
与えていませんが、当社グループの水使用量の目標を定めるとともに、当社グループ会社182拠点の
地域について、世界資源研究所(WRI)のWater Risk Atlasツールを活用し水リスクの確認を行いました。
・TNFDの理念に賛同し、2023年2月にTNFDフォーラムに加盟、2023年11月にTNFD Early Adoptersに登録
しました。今後も、継続的にTNFD情報開示フレームワークに基づいた積極的な情報開示を進めて
いきます。
また、(1) ガバナンスにも記載のとおり、カーボンニュートラル実現に向けた再生可能エネルギーの導入促進では、気候関連のリスクおよび機会との間のトレードオフを考慮した取り組みも進めています。
当社は、マテリアリティ(未来世代に向けた地球環境への責任)の実現に向けてITのチカラを活用し、当社グループおよびサプライチェーンにおけるパートナーと共に電力の再生可能エネルギー化等脱炭素社会の実現を目指していきます。また、気候関連課題と連関性のある自然資本課題においても、水資源や生物多様性の保全等を通じた取り組みを推進していきます。こうした気候関連課題や自然資本課題への取り組みを、社会の幅広いステークホルダーの皆様と連携を深める事業機会としても捉え、チャレンジし続けていきます。
リスクおよび機会の識別:
(TCFD提言への賛同)
気候変動に伴うリスクや機会は事業戦略に影響を及ぼすものと認識し、2020年6月にTCFD(Task Force on
Climate-related Financial Disclosures)への賛同表明を行いました。TCFD提言を参照の上、短期・中
期・長期のリスクと機会を分類し、自然資本に関わるリスクと機会も併せて開示しています。
(時間軸の前提)
・当社グループは、グループ全社の事業活動での温室効果ガス「スコープ1」および「スコープ2」を
2030年度までに実質ゼロにする「2030カーボンニュートラル宣言」の2030年度目標の達成に向けて
「GHG関連投資計画」を策定の上、まずは2028年度までの5か年のGHG投資計画に関する戦略的意思決定を
経営会議にて行っています。(短期:戦略的意思決定に用いる計画期間)
・加えて、当社グループでは、取引先等で排出される温室効果ガス「スコープ3」も含めた事業活動に
関わる全ての温室効果ガス排出量を2050年度までに実質ゼロにする「ネットゼロ」の実現も目指して
います。(長期:気候変動の「緩和」に関する長期目標)
・一方で、日本政府は、世界全体の1.5℃目標と整合し、2050年ネットゼロの実現に向けた目標として、
2035年度に温室効果ガスを2013年度比で60%削減すること等を掲げたNDCを国連に提出しています。
(中期:日本政府の中期目標)
・これらの状況をふまえ、当社グループでは以下の時間軸にて、気候関連のリスクおよび機会を開示して
います。
(時間軸の定義)
短期:~2030年(GHG関連投資計画、CN目標)
中期:~2035年(日本NDC目標)
長期:~2050年(ネットゼロ目標)
(産業別ガイダンス)
当社の気候関連リスクおよび機会の開示には、国際サステナビリティ基準審議会(以下ISSB という。)
が公表する「IFRS S2 号の適用に関する産業別ガイダンス」(2023年6月公表)
(以下『産業別ガイダンス』という。)に定義されている、開示トピックに関連する気候関連リスク
および機会(※)が既に含まれていることを確認しています。
(※)主にデータセンターの電力/水消費や配送に関わるエネルギー消費に起因するリスク
| TCFD提言に基づく リスクと機会の分類 | 想定される主なリスクと機会 ● は重要度が高い項目 | 時間軸 | ||
| リスク | 移行リスク | 法や規制に関するリスク | ● 炭素税・排出量取引の開始 <当社グループのリスク>・炭素税や排出量取引の導入によるコスト増加 | 短~中 期 |
| テクノロジーリスク | 電力・エネルギー価格の推移 <当社グループのリスク>・火力発電廃止に伴う電力不足や電力価格の高騰に伴うコスト増加 | 短~中 期 | ||
| ● 消費電力・エネルギーの増加 <当社グループのリスク>・消費電力やエネルギーが増えることによるコスト増加 ・非常用電源の必要性が高まることによるコスト増加 ・車両の脱炭素化に伴うコスト増加 | 短~中 期 | |||
| 市場リスク | ● ビジネス自粛や消費者心理の冷え込み <当社グループのリスク>・特に広告領域における売上収益減少 ・コマース領域をはじめ個人購買行動の減少 ・イベント中止の頻発による売上収益減少 | 短~中 期 | ||
| 顧客の行動変化 <当社グループのリスク>・生活必需品等における正常な流通がなされなくなるリスク ・プラットフォーマーとしてのオペレーションコスト増加 | 短~中 期 | |||
| レピュテーションリスク | 気候変動対策への遅れ <当社グループのリスク>・ステークホルダーからの信頼低下とブランド力の低下 ・取引先対象として選定される機会低下に伴う売上収益減少 ・気候変動意識が高い将来世代の人材獲得の困難化 | 短期 | ||
| 気候変動対策に遅れている企業との取引 <当社グループのリスク>・ステークホルダーからの信頼低下とブランド力の低下 ・該当する企業との取引停止に伴う売上収益減少 | 短期 | |||
| 物理的リスク | 急性リスク | ● 異常気象の激甚化 <当社グループのリスク>・データセンターのダウンによる機能低下やデータ欠損の発生 ・アクセスの過負荷や集中が発生する頻度の上昇リスク ・事業所やデータセンターの機能停止に伴うサービスの停止 ・事業所やデータセンターの高所または高緯度への移設 ・施設の損壊による改修等に係るコストの発生 ・データセンターにおける冷却水の大量消費 ・物流サービスの停止リスク ・取引先の事業停止リスク | 短~中期 | |
| 慢性リスク | 気候パターンの変化 平均気温の上昇 <当社グループのリスク>・屋外での活動を低下または停止せざるをえないリスク ・メディア等主要サービスの人員分散化 ・傷病者の増加による業務遂行への影響 ・通勤規制による業務遂行への影響 ・サプライチェーン調達コストの上昇 ・生活に適した地域の地価高騰 ・水資源の調達・排水に関するリスク ・想定する災害規模/頻度の上昇 | 中~長期 | ||
| TCFD提言に基づく リスクと機会の分類 | 想定される主なリスクと機会 ● は重要度が高い項目 | 時間軸 | ||
| 機会 | 資源効率 | ● 技術革新 <当社グループの機会>・省エネ、水利用量の削減、廃棄物処理等資源効率の向上によるコスト 削減 | 長期 | |
| ● 環境配慮 <当社グループの機会>・物流における輸送配送手段および梱包資材のエコ化促進 | 短~中期 | |||
| エネルギー | 技術革新 <当社グループの機会>・発電系の事業推進 ・自社での再生可能エネルギーの確保 | 長期 | ||
| 製品とサービス | ビッグデータ <当社グループの機会>・ビッグデータ/IT×気候変動ビジネス ・ビッグデータ/IT×生物多様性 ・ビッグデータ/IT×在宅医療サービス等 ・既存のインターネットサービス×気候変動対策機能の提供 ・データやAIを活用した、在庫適正化や在庫廃棄の削減 ・個人情報法制の改定によるレコメンド精度向上 | 中期 | ||
| サプライチェーン <当社グループの機会>・サプライチェーンにおける自前領域の拡大 ・水資源の確保と販売 ・グループのスケールメリットを活かした取組結果としてのCO2排出量削減 | 中期 | |||
| ● サービス <当社グループの機会>・コマースにおける売れ筋の変化 ・災害対応サービスの強化 ・環境に優しい企業からの広告出稿増加 ・回収スキームを実現した新たな資源循環型サービスの構築 | 短~中期 | |||
| 市場 | 技術革新 <当社グループの機会>・労働力の機械化 ・イベントのバーチャル化 ・気候変動に左右されない農作物育成と販売、またはその支援 ・地下開発の進展 | 長期 | ||
| ● ライフスタイル <当社グループの機会>・保険(生保、損保)ビジネスの需要増 ・健康経営 ・コマースでの宅配需要の増加 ・募金や寄付等、メディアを通じた社会貢献 | 短~中期 | |||
| 行動変容 <当社グループの機会>・気候変動対策が盛り込まれた商品やサービスを選択する購入者層の獲得 ・人のつながりを大切にする文化 ・居住地域の流動化 ・地域のリスク分析ビジネス ・室内での活動を中心とする生活 | 中~長期 | |||
| レジリエ ンス | 事業の安定稼働 <当社グループの機会>・多岐にわたるサービスによる事業の安定化 | 短~中 期 | ||
ビジネスモデルおよびバリューチェーンに与える影響:
メディア事業、コマース事業、Fintech領域を中心に新たな収益の柱を創出する戦略事業等、多様なインターネットサービスを展開する当社グループでは、データセンター、オフィス、物流センター等において事業を運営するための電力を使用しています。特に、データセンターによる消費電力量は当社グループ全体の大部分を占めていることからも、気候関連のリスクおよび機会が集中する部分であると考えています。これら消費電力量の増加や今後導入される排出量取引制度および化石燃料賦課金は、税負担が増す等の財務影響を受けるリスクがあり、データセンターの効率性向上と再生可能エネルギー化がリスク回避につながります。
リスクおよび機会への対応:
当社グループでは気候関連のリスクおよび機会への対応方針として、グループ全社の事業活動に伴い発生する温室効果ガス排出量を2030年度までに実質ゼロにする「2030カーボンニュートラル宣言」を2022年2月に発表しました。データセンターや事業拠点におけるエネルギーの使用効率向上や再生可能エネルギーの導入促進等、カーボンニュートラル実現に向けて取り組みを進めています。2030年度の達成に向けて、まずは2025年度頃までに80%以上を再生可能エネルギー化し、その後の5年間で100%再生可能エネルギー化を進めます。
カーボンニュートラルに向けた取り組みを加速することを目的に、気候関連課題解決に貢献する事業に対する資金調達手段として、2021年度に国内インターネットセクターにおいて初となる200億円のグリーンボンドを発行しました。調達した資金は、エネルギー使用効率の高いデータセンターの建設や改修への投資、データセンター運営に必要となる再生可能エネルギーの調達資金に充当しています。2021年度以降2025年度まで毎年約40億円の「CO2削減、気候変動対策投資額」や「再エネ投資額」に投資するよう、投資計画にも反映しています。
2030年度までに、当社グループにおけるスコープ1およびスコープ2の温室効果ガス排出量を実質ゼロ(mtCO2e)
基準年:2022年度
2022年度:117,759
2023年度:94,067
※オフセット後の純量(ネット)記載
気候関連のシナリオ分析:
(前提)
当社グループでは、気候変動がもたらすリスクと機会を適切に把握し、リスクを低減するとともに機会を
拡大するための事業戦略を策定することが重要であると考えています。当社グループが主力事業として
据えて取り組んでいるメディア・コマース・戦略の各事業は現在の気候環境に依存&関係する形で展開
されており、気候関連課題におけるリスクおよび機会は、長期間にわたって自社の事業活動に影響を与える
可能性があるため、以下の事業範囲、時間軸の設定に基づいてシナリオ分析を進めています。
・分析に用いた事業の範囲:当社グループの全事業が対象
・シナリオの時間軸:2030年~2050年
(アプローチ)
シナリオ分析に際しては、国際的な認知度や信頼性を考慮し、国際エネルギー機関(IEA:International
Energy Agency)および気候変動に関する政府間パネル(IPCC:Intergovernmental Panel on Climate
Change)が策定したシナリオを参照しています。産業革命以前からの気温上昇を+1.5℃以内に抑える
シナリオとしてNZE(Net Zero Emissions by 2050)とSSP1-1.9を、+2℃相当のシナリオとして
APS(Announced Pledges Scenario)とSSP1-2.6を、+4℃を上回るシナリオとしてSTEPS(Stated Policies
Scenario)とSSP5-8.5を用いました。
2℃シナリオでは、事業に影響を与えるレベルの気候変動による急性あるいは慢性的な物理リスクは
生じない想定でありつつも、炭素税の導入や火力発電廃止等によるエネルギー価格の上昇が見込まれ、当社グループとしての電力使用量増加に伴うコスト増のリスクを認識しています。1.5℃シナリオでは、そのリスクが更に早まる可能性が考えられます。一方で、環境配慮行動やサステナビリティ市場が拡大する
ことによってサステナブルを重視するユーザーが増加することは、低炭素排出製品やサービスの売上増加
等消費者選好の変化にもつながるため、当社グループの各サービスにとって重要な機会であると考えて
います。
自然資本への配慮:
当社は、自然資本関連の課題に対しても、水資源・生物多様性、資源循環等のリスクと機会を多面的な視点で捉え対応策を講じることで、ステークホルダーとの対話・協力を進め、持続可能な社会構築を目指しています。主な取り組みは、次のとおりです。
・データセンターにおける冷却・加湿用の水利用では、資源の枯渇につながるような過度の環境負荷は
与えていませんが、当社グループの水使用量の目標を定めるとともに、当社グループ会社182拠点の
地域について、世界資源研究所(WRI)のWater Risk Atlasツールを活用し水リスクの確認を行いました。
・TNFDの理念に賛同し、2023年2月にTNFDフォーラムに加盟、2023年11月にTNFD Early Adoptersに登録
しました。今後も、継続的にTNFD情報開示フレームワークに基づいた積極的な情報開示を進めて
いきます。
また、(1) ガバナンスにも記載のとおり、カーボンニュートラル実現に向けた再生可能エネルギーの導入促進では、気候関連のリスクおよび機会との間のトレードオフを考慮した取り組みも進めています。