有価証券報告書-第58期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
当企業集団の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業集団が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、不断に変化する事業環境に的確に対応し、ステークホルダーの視点から当社としての企業経営のあり方を明確にするため、次の「経営理念」を掲げております。
・ IT価値を提供することにより、社会・お客さまの発展に貢献する。 (社会・お客さまの信用)
・ 変化に対応できる強靭な企業体質を構築し、企業価値の向上を図る。 (会社の繁栄)
・ 個人価値を自ら向上させ、組織貢献できる社員に活躍の場を提供する。(社員の成長)
(2) 経営環境
今後のわが国経済の見通しにつきましては、緩やかな回復基調を維持する一方、人口減少や物価上昇、海外景気の不透明感などの影響により、成長ペースは限定的な水準にとどまる見通しです。
情報サービス産業におきましては、企業におけるDX推進ニーズやAI、セキュリティ関連分野への投資拡大を背景として、中長期的には堅調な成長が見込まれます。一方で、IT人材不足やAIの急速な進化、サイバー攻撃リスクの深刻化など、事業環境の変化も著しく、不確実性は一段と高まることが見込まれます。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当企業集団は、中期経営計画(2023年4月1日~2026年3月31日)(以下、「現計画」という。)において、「情報セキュリティが確保され続けることを前提とした上で、収益力の大幅な飛躍とその利益を源泉とした投資サイクルの確立により、サステナブルな成長を目指す」ことを基本方針とし、経営基盤の強化に取り組んでまいりました。現計画については、2024年度までに計数計画並びに主要な施策の多くが想定していた水準を達成していることから、2025年度は次のステージを意識した「次期中期経営計画への繋ぎ、布石の1年」と位置づけ、以下の「成長施策」に取り組んでまいりました。
主要な取組みと成果は以下のとおりであります。
① 収益性の高いビジネスへのリソース投入
当面成長が見込まれる「SAPビジネス」に積極的にリソース投入を行い、ビジネス拡大に向けた人材の育成を進めてまいりました。加えて、ビジネスポートフォリオの再構築に向けて「成長・拡大が見込まれるビジネス」を見極め、2026年4月より開始する新中期経営計画(2026年4月1日~2029年3月31日)(以下、「新計画」という。)における「ポートフォリオ変革」の方針を明確にするとともに、今後ビジネス間の要員・リソースシフトを円滑に進めるための「ローテーション」制度、全ビジネスに共通する基礎スキル教育の充実などの体制整備を図ってまいりました。
② 優秀な人材の確保と育成
業績への貢献度と持続的成長に資する変革へのチャレンジ行動の成果に基づく公正な評価・処遇への転換を進めるとともに、2年連続約5%のベースアップを実施いたしました。また、SAPコンサルタントや高度セキュリティ人材を計画的に育成するための専門研修や資格取得支援制度の拡充などの教育投資を強化し、持続的成長を支えるプロフェッショナル人材の育成を着実に進めてまいりました。また、AI活用に関する実践事例を全社で共有するイベントや、部門や職種を超えた社員の交流イベントを多く開催することで、各分野での知見が共有され、社員一人ひとりが自ら学び成長する風土の醸成に取り組んでまいりました。
③ ものづくり力強化
金融機関向け決算システムや自治体向け公害補償システム、民間企業向け販売管理システムなどの自社ソリューション開発を2024年度に開発した開発標準プラットフォームで行うことにより、システム品質とセキュリティを確保した商品開発を進めてまいりました。また、システム開発における生成AI活用(AI駆動開発(※1))に向けた研究開発に取り組み、新たな商品開発に採用するなど、飛躍的な生産性と品質の向上を実現する技術基盤の確立を進めております。
※1 「AI駆動開発」とは、AIを活用し、要件定義から設計・実装・テストまでを自動化し、ソフト開発の生産性と品質を高める手法を指します。
(4) 目標とする経営指標及び経営目標
当企業集団では、現計画の推進にあたり、到達点を明確にするために経営指標及び経営目標を設定しております。
現計画では、経営指標としては、株主価値及び資本効率重視の観点から「自己資本利益率(ROE)」及び安定配当の基本方針を堅持しつつ株主の皆さまへの還元方針の目安となる「配当性向」を重視してまいりました。
経営目標としては、当社事業の根幹を支える情報セキュリティの強化に加え、女性活躍の推進や社員満足度の向上を掲げ、サステナブルな成長を目指してまいりました。最終実績は以下のとおりであります。
(5) 会社の対処すべき課題
「(2) 経営環境」に記載しております事業環境下、当企業集団は、事業収益を成長分野と人的投資に積極活用することによって持続的な成長を実現し、企業価値を向上させることを重要な経営課題と位置付け、「2035年にめざす姿」を以下のとおり設定いたしました。

2026年度から2028年度までの3年間にわたって取り組む新計画では、2031年度のROE8.0%達成を目安として、100億円規模の積極的な成長投資を行い、さらなる収益力の拡大を図るとともに、より株価水準を意識した経営を行うことにより、企業価値を向上させ、株価純資産倍率(PBR)1倍以上への引き上げに取り組んでまいります。
また、新計画は2035年にめざす姿の実現に向け、AI利活用によるビジネスモデルの変革を前提とした事業ポートフォリオの変革と、人的資本経営の進化に挑む3カ年と位置付けております。これを踏まえ、新計画期間は、下記の4つの基本戦略とサステナビリティ基本方針を軸に、経営指標の達成に取り組んでまいります。
① 事業戦略:ポートフォリオ変革
当社の強みを生かせる分野に経営資源を集中投下し、成長領域へのシフトと収益性の高い事業ポートフォリオへの転換を進めます。具体的には、SMBCグループ向けビジネスの着実な成長を下支えとして、高収益が期待できる「ソリューションビジネス」「セキュリティ・デジタル基盤ビジネス」への積極的な投資とリソースシフトを推進いたします。
② 人材戦略:人的資本経営の進化
事業戦略を実現する源泉として人材を位置づけ、多様な人材の採用・育成・リスキリングを通じて、一人ひとりの付加価値と組織全体の生産性向上を図ります。個人や会社の成長・変革にチャレンジする人が集まり、育ち、定着する環境・制度の充実を目指してまいります。
③ 投資・財務戦略:企業価値向上の実現
成長投資と株主還元のバランスを取りつつ、資本コストを意識した投資判断と財務運営により、ROEの着実な向上を目指し、その結果としてPBRの改善も図ってまいります。また、株主還元を重要な経営課題として認識し、株主資本配当率(DOE)を重視した「高水準かつ安定的な配当」を積極的に推進いたします。
④ AX戦略:AI利活用
AIの利活用を推進し、その実践知の蓄積・共有を繰り返すことにより、「事業における戦略的利活用」や「全社の生産性向上」を追求してまいります。具体的には、システム開発における「開発プロセスの抜本的変革」「新たな価値の創造」や、AIとの共創による「営業効率向上」「営業力強化」、社内事務作業などの「間接業務の生産性向上」等を目指してまいります。
なお、新計画の推進にあたり、到達点を明確にするための経営指標は以下のとおりであります。これらの経営指標及び経営目標の進捗管理を通じて、新計画の達成を目指してまいります。
① 財務目標
(単位:百万円)
(注)CAGR:新計画期間中(3年間)の年平均成長率
② 非財務目標
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業集団が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、不断に変化する事業環境に的確に対応し、ステークホルダーの視点から当社としての企業経営のあり方を明確にするため、次の「経営理念」を掲げております。
・ IT価値を提供することにより、社会・お客さまの発展に貢献する。 (社会・お客さまの信用)
・ 変化に対応できる強靭な企業体質を構築し、企業価値の向上を図る。 (会社の繁栄)
・ 個人価値を自ら向上させ、組織貢献できる社員に活躍の場を提供する。(社員の成長)
(2) 経営環境
今後のわが国経済の見通しにつきましては、緩やかな回復基調を維持する一方、人口減少や物価上昇、海外景気の不透明感などの影響により、成長ペースは限定的な水準にとどまる見通しです。
情報サービス産業におきましては、企業におけるDX推進ニーズやAI、セキュリティ関連分野への投資拡大を背景として、中長期的には堅調な成長が見込まれます。一方で、IT人材不足やAIの急速な進化、サイバー攻撃リスクの深刻化など、事業環境の変化も著しく、不確実性は一段と高まることが見込まれます。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当企業集団は、中期経営計画(2023年4月1日~2026年3月31日)(以下、「現計画」という。)において、「情報セキュリティが確保され続けることを前提とした上で、収益力の大幅な飛躍とその利益を源泉とした投資サイクルの確立により、サステナブルな成長を目指す」ことを基本方針とし、経営基盤の強化に取り組んでまいりました。現計画については、2024年度までに計数計画並びに主要な施策の多くが想定していた水準を達成していることから、2025年度は次のステージを意識した「次期中期経営計画への繋ぎ、布石の1年」と位置づけ、以下の「成長施策」に取り組んでまいりました。
主要な取組みと成果は以下のとおりであります。
① 収益性の高いビジネスへのリソース投入
当面成長が見込まれる「SAPビジネス」に積極的にリソース投入を行い、ビジネス拡大に向けた人材の育成を進めてまいりました。加えて、ビジネスポートフォリオの再構築に向けて「成長・拡大が見込まれるビジネス」を見極め、2026年4月より開始する新中期経営計画(2026年4月1日~2029年3月31日)(以下、「新計画」という。)における「ポートフォリオ変革」の方針を明確にするとともに、今後ビジネス間の要員・リソースシフトを円滑に進めるための「ローテーション」制度、全ビジネスに共通する基礎スキル教育の充実などの体制整備を図ってまいりました。
② 優秀な人材の確保と育成
業績への貢献度と持続的成長に資する変革へのチャレンジ行動の成果に基づく公正な評価・処遇への転換を進めるとともに、2年連続約5%のベースアップを実施いたしました。また、SAPコンサルタントや高度セキュリティ人材を計画的に育成するための専門研修や資格取得支援制度の拡充などの教育投資を強化し、持続的成長を支えるプロフェッショナル人材の育成を着実に進めてまいりました。また、AI活用に関する実践事例を全社で共有するイベントや、部門や職種を超えた社員の交流イベントを多く開催することで、各分野での知見が共有され、社員一人ひとりが自ら学び成長する風土の醸成に取り組んでまいりました。
③ ものづくり力強化
金融機関向け決算システムや自治体向け公害補償システム、民間企業向け販売管理システムなどの自社ソリューション開発を2024年度に開発した開発標準プラットフォームで行うことにより、システム品質とセキュリティを確保した商品開発を進めてまいりました。また、システム開発における生成AI活用(AI駆動開発(※1))に向けた研究開発に取り組み、新たな商品開発に採用するなど、飛躍的な生産性と品質の向上を実現する技術基盤の確立を進めております。
※1 「AI駆動開発」とは、AIを活用し、要件定義から設計・実装・テストまでを自動化し、ソフト開発の生産性と品質を高める手法を指します。
(4) 目標とする経営指標及び経営目標
当企業集団では、現計画の推進にあたり、到達点を明確にするために経営指標及び経営目標を設定しております。
現計画では、経営指標としては、株主価値及び資本効率重視の観点から「自己資本利益率(ROE)」及び安定配当の基本方針を堅持しつつ株主の皆さまへの還元方針の目安となる「配当性向」を重視してまいりました。
経営目標としては、当社事業の根幹を支える情報セキュリティの強化に加え、女性活躍の推進や社員満足度の向上を掲げ、サステナブルな成長を目指してまいりました。最終実績は以下のとおりであります。
| 項 目 | 計画終了時点の 目標 | 計画終了時点の実績 (2026年3月期) | |
| 経営指標 | ①ROE | 3.5%~4.0% | 6.0% |
| ②配当性向(連結) | 30~40%を 目安とした安定配当 | 50.3% | |
| 経営目標 | ①情報セキュリティ及びサイバーセキュリティインシデント発生件数 | 0件 | 0件 |
| ②連結売上高セキュリティ投資比率 | 0.5%以上 | 0.7% | |
| ③部長級に占める女性の割合 | 10%以上 | 8.3% | |
| ④社員向け職場アンケートにおける社員満足度の向上 | - | 2023年度比 3.5%向上 |
(5) 会社の対処すべき課題
「(2) 経営環境」に記載しております事業環境下、当企業集団は、事業収益を成長分野と人的投資に積極活用することによって持続的な成長を実現し、企業価値を向上させることを重要な経営課題と位置付け、「2035年にめざす姿」を以下のとおり設定いたしました。

2026年度から2028年度までの3年間にわたって取り組む新計画では、2031年度のROE8.0%達成を目安として、100億円規模の積極的な成長投資を行い、さらなる収益力の拡大を図るとともに、より株価水準を意識した経営を行うことにより、企業価値を向上させ、株価純資産倍率(PBR)1倍以上への引き上げに取り組んでまいります。
また、新計画は2035年にめざす姿の実現に向け、AI利活用によるビジネスモデルの変革を前提とした事業ポートフォリオの変革と、人的資本経営の進化に挑む3カ年と位置付けております。これを踏まえ、新計画期間は、下記の4つの基本戦略とサステナビリティ基本方針を軸に、経営指標の達成に取り組んでまいります。
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① 事業戦略:ポートフォリオ変革
当社の強みを生かせる分野に経営資源を集中投下し、成長領域へのシフトと収益性の高い事業ポートフォリオへの転換を進めます。具体的には、SMBCグループ向けビジネスの着実な成長を下支えとして、高収益が期待できる「ソリューションビジネス」「セキュリティ・デジタル基盤ビジネス」への積極的な投資とリソースシフトを推進いたします。
② 人材戦略:人的資本経営の進化
事業戦略を実現する源泉として人材を位置づけ、多様な人材の採用・育成・リスキリングを通じて、一人ひとりの付加価値と組織全体の生産性向上を図ります。個人や会社の成長・変革にチャレンジする人が集まり、育ち、定着する環境・制度の充実を目指してまいります。
③ 投資・財務戦略:企業価値向上の実現
成長投資と株主還元のバランスを取りつつ、資本コストを意識した投資判断と財務運営により、ROEの着実な向上を目指し、その結果としてPBRの改善も図ってまいります。また、株主還元を重要な経営課題として認識し、株主資本配当率(DOE)を重視した「高水準かつ安定的な配当」を積極的に推進いたします。
④ AX戦略:AI利活用
AIの利活用を推進し、その実践知の蓄積・共有を繰り返すことにより、「事業における戦略的利活用」や「全社の生産性向上」を追求してまいります。具体的には、システム開発における「開発プロセスの抜本的変革」「新たな価値の創造」や、AIとの共創による「営業効率向上」「営業力強化」、社内事務作業などの「間接業務の生産性向上」等を目指してまいります。
なお、新計画の推進にあたり、到達点を明確にするための経営指標は以下のとおりであります。これらの経営指標及び経営目標の進捗管理を通じて、新計画の達成を目指してまいります。
① 財務目標
(単位:百万円)
| 現計画 | 新計画 | |||
| 2025年度 (2026年3月期) | 2026年度 (2027年3月期) | 2028年度 (2029年3月期) | ||
| 実績 | 計画 | 計画 | 25年度比 | |
| 売上高 | 23,790 | 25,700 | 28,000 | CAGR 5.6% |
| 営業利益 | 1,404 | 1,420 | 1,900 | CAGR 10.6% |
| 営業利益率 | 5.9% | 5.5% | 6.8% | +0.9pt |
| 経常利益 | 1,605 | 1,620 | 2,100 | CAGR 9.4% |
| 親会社株主に 帰属する当期純利益 | 1,224 | 1,230 | 1,440 | CAGR 5.6% |
| ROE | 6.0% | 5.8% | 6.4% | +0.4pt |
(注)CAGR:新計画期間中(3年間)の年平均成長率
| 項目 | 計画終了時点の目標 | 備考 |
| ① DOEを指標とした株主還元 | 3.5~4.0% | DOEを指標とし、高水準かつ安定的な配当 |
| ② 戦略的成長投資 | 3年間で100億円 | キャッシュ・アロケーション方針に基づく、積極投資を実施 |
② 非財務目標
| 項目 | 計画終了時点の目標 | 備考 |
| ①[人材への投資] 一人当たり年間教育・研修投資 | 年間12万円以上 | 売上高比率「0.6%以上」を目安とし、継続的な投資を実施 |
| ②[多様性の受容と活躍] 従業員アンケートにおけるエンゲージメントスコア | 年1回以上、 従業員アンケートを実施 結果を施策反映 | 人材戦略における従業員の成長に資する取組みを通じて、従業員エンゲージメントの向上を図る |
| ③[多様性の受容と活躍] 男性育児休暇取得率 | 100% | 「女性活躍推進法」に基づく一般事業主行動計画に則した取得支援を実施 |
| ④[多様性の受容と活躍] 管理職に占める女性の割合 | 10%以上 | 「女性活躍推進法」に基づく一般事業主行動計画に則したキャリア支援を実施 |
| ⑤[セキュリティリスク対応] 連結売上高セキュリティ投資比率 | 0.5%以上の 水準維持 | 「(一社)日本サイバーセキュリティ・イノベーション委員会」が推奨する大企業向けの指標値である「0.5%以上」を目安とし、継続的な投資を実施 |

