有価証券報告書-第38期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/29 11:20
【資料】
PDFをみる
【項目】
143項目
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(経営成績等の状況の概要)
(1)業績
2026年3月期(2025年4月1日から2026年3月31日)におけるわが国の経済は、デジタル化、省力化を目的とした設備投資が牽引し、個人消費は、物価高による買い控えが見られるものの、賃上げの効果でサービス消費を中心に緩やかに回復し、実質GDPは前年比プラス1.0%前後の緩やかな成長を維持しております。
また、約30年ぶりの高水準となる政策金利(0.75%)への引き上げは、企業の資金調達や住宅ローン市場に構造的な変化をもたらしております。一方で物価上昇の勢いが強く、実質賃金は4年連続のマイナス1.3%を記録し、家計の購買力を圧迫し続けております。今後、日米金利差の縮小による円高が進むことが想定されておりますが、アメリカ合衆国の通商政策や地政学リスクにより、ボラティリティ(変動幅)が高い状態が続いております。
国内IT市場は前年比約8から10%増と大幅に伸長しております。企業のIT予算増額が定着し、投資意欲は非常に高い状態です。生成AIの実用化(フェーズ移行)が進み、自律的に動くAIエージェントが業務プロセスに組込まれ、生産性が向上しております。AI需要でデータセンター建設と半導体市場が共に2桁成長をする中で、膨大な電力消費への対策(省エネ・液冷技術)が急務となっております。2025年10月にWindows10サポート終了したことでPCの刷新と、老朽化した基幹システムのクラウド移行がピークとなりました。また、サイバー攻撃の高度化を受け、ゼロトラスト対策が企業の必須投資として定着しております。一方で、エンジニア不足が限界に達し、AIによる開発自動化や外部リソース活用が加速しております。
このような状況の下、当社グループは前連結会計年度から続く厳しい経営環境を改善するため、不採算事業の整理と新規事業への投資を並行して進めてまいりました。
2025年6月、連結子会社であった株式会社ベクターエネルギー、株式会社ベクターワークス、株式会社ベクタービジョンファンドの全株式を譲渡し、連結の範囲から除外いたしました。また、ポイントモール「QuickPoint」について、2026年1月28日をもって新規会員登録を停止しております。なお、「PCソフトウエアダウンロード販売」や電子契約サービス「ベクターサイン」については、市場動向に合わせたコンテンツ展開を継続しています。
一方で、新たな収益の柱として、AI(人工知能)関連サービスへの注力を鮮明にしました。
2025年5月30日公表の「第三者割当による新株式及び第12回新株予約権の発行並びに主要株主の異動に関するお知らせ」にありますとおり、当社がAIインフラ事業を進めるにあたり高性能サーバーの購入資金を調達し、必須である先進的なAI演算に対応可能な高性能サーバーを導入いたしました。
なお、本サーバーに関しては、2026年3月16日公表の「高性能サーバーレンタル事業の受注に関するお知らせ」にありますとおり、CUE Groupの中核であり持株会社であるCue Digital International Pte. Ltd.との間で、当社の所有する高性能サーバーの演算リソースをレンタルすることを目的として利用契約を締結いたしました。また、2026年2月20日公表の「第三者割当による新株式及び第14回新株予約権の発行並びに第三者割当契約締結に関するお知らせ」にありますとおり、さらなる高性能サーバーの購入と成長資金の確保の資金を調達しております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は156百万円(前年同期比3.5%減)、営業損失は593百万円、(前連結会計年度は574百万円の営業損失)、経常損失は660百万円(前連結会計年度は566百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は549百万円(前連結会計年度は779百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
なお、営業外損益、特別損益の内訳については、2026年4月13日公表の「通期連結業績予想の修正並びに営業外費用及び特別損益の計上に関するお知らせ」に記載のとおりであります。
また、上記記載のサーバー契約の締結等により、翌期において課税所得の発生が見込まれることから、 繰延税金資産の回収可能性が認められると判断し、繰延税金資産及び法人税等調整額を計上しております。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
当社は、2025年6月27日開示の「連結子会社の異動(株式譲渡)に関するお知らせ」にありますとおり、再生可能エネルギー事業等の新規事業から撤退し、当社の主力事業であるICT事業に経営資源を集中することといたしました。これに伴い当連結会計年度より報告セグメントの「再生エネルギー事業」を「その他の事業」に含めています。
事業セグメント別の売上高及び営業利益は、上記セグメント変更後の報告セグメントの区分に組替えた数値で比較しております。報告セグメントの詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表(注記事項)(セグメント情報等)」をご参照ください。
(ICT事業)
ICT(Information and Communication Technology)事業につきましては、電子契約サービス「ベクターサイン」の登録社数が3,000社を超え、売上高は増加しております。また、ダウンロードによるソフトウエア販売及びサイト広告販売は前年同期より増加しました。なお、ポイントモール「QuickPoint」は、上記概況記載にありますとおり、2026年1月28日をもって新規会員登録を停止しております。これにより、売上高は、106百万円(前期比6.6%増)、セグメント損失(営業損失)は、53百万円となりました。(前連結会計年度は66百万円の営業損失)
(AI関連事業)
当連結会計年度より、従来「ICT事業」に含まれていた「AI関連事業」について量的重要性が増したため報告セグメントとして記載する方法に変更しております。上記概況記載にありますとおり、当連結会計年度より新たな収益の柱として、AI(人工知能)関連サービスへ参入し、高性能サーバーレンタル契約を締結したことにより、売上高は50百万円、セグメント損失(営業損失)は、サーバー導入のための人件費、営業活動費により、91百万円の営業損失となりました。
(その他の事業)
従来、「再生エネルギー事業」、「その他の事業」を運営していた、株式会社ベクターエネルギー、株式会社ベクターワークス及び株式会社ベクタービジョンファンドの全株式を2025年6月30日付で譲渡したことに伴い、連結の範囲から除外いたしました。連結除外日までの実績は、セグメント売上高、セグメント損失としてその他の事業として計上しております。
これにより、その他の事業の売上高は240千円(前期比99.6%減)、セグメント損失(営業損失)は、17百万円となりました。(前連結会計年度は136百万円の営業損失)
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度において現金及び現金同等物は、期首残高の80百万円から343百万円増加し、期末残高が423百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、619百万円の支出(前連結会計年度は187百万円の支出)となりました。これは、主に税金等調整前当期純損失622百万円を計上したこと及び2026年4月13日開示の「通期連結業績予想の修正並びに営業外費用及び特別損益の計上に関するお知らせ」でお知らせしましたとおり、ITプランテーション事業への短期貸付金200百万円の貸倒引当金100百万円の内60百万円が減少したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、335百万円の支出(前連結会計年度は157百万円の収入)となりました。これは主に高性能サーバー取得に伴う有形固定資産及びソフトウエアの取得に404百万円、50百万円、それぞれ支出したこと、また、上記記載の短期貸付金120百万円を回収したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、1,298百万円の収入(前連結会計年度は91百万円の収入)となりました。これは主に新株の発行及び新株予約権の行使による収入によるもの等であります。
(キャッシュ・フロー関連指標の推移)
2022年
3月期
2023年
3月期
2024年
3月期
2025年
3月期
2026年
3月期
自己資本比率(%)--84.366.086.7
時価ベースの自己資本比率(%)--244.2392.4324.7
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)-----
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)-----

(注)1.当社は、2024年3月期より連結財務諸表を作成しているため、2023年3月期以前の連結会計年度の主要な経営指標については、記載しておりません。
2.2022年3月期、2023年3月期、2024年3月期、2025年3月期及び2026年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
該当事項はありません。
(2) 受注実績
該当事項はありません。
(3) 商品仕入実績
当連結会計年度における仕入実績は次のとおりであります。
セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)
その他の事業960.2
合計960.2

(4) 販売実績
当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。
セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)
ICT事業106,246106.6
AI関連事業50,000-
その他の事業2400.4
合計156,48696.5

(注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
前連結会計年度当連結会計年度
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
Cue Digital International Pte. Ltd.--50,00032.0

(注)従来、主な相手先として販売実績及び総販売実績に対する割合を記載していたSB C&S株式会社は、売上割合が減少したため、当連結会計年度より主な相手先から除外しております。
(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による資産及び負債並びに収益及び費用の報告数値及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や状況を勘案し合理的に判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性により、これらの見積りと実際の結果との間に差異が生じる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表(注記事項)(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
(2) 財政状態及び経営成績の分析
① 財政状態の分析
当連結会計年度の資産合計は、前連結会計年度末から843百万円増加し、1,196百万円となりました。負債合計は、前連結会計年度末から5百万円減少し、110百万円、純資産合計は、前連結会計年度から848百万円増加し、1,085百万円となりました。
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べ615百万円増加し、898百万円となりました。
主な変動要因は、現金及び預金の増加343百万円、前払金の増加249百万円、短期貸付金の減少120百万円等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ227百万円増加し、298百万円となりました。
主な変動要因は、車両運搬具及び工具器具備品の増加145百万円、ソフトウエアの増加25百万円、繰延税金資産の増加74百万円等によるものであります。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べ3百万円増加し、89百万円となりました。
主な変動要因は、買掛金が13百万円増加し、未払費用が9百万円減少したこと等によるものであります。
固定負債は、9百万円減少し、20百万円となりました。
主な変動要因は、退職給付に係る負債が7百万円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ848百万円増加し、1,085百万円となりました。
主な変動要因は、資本金、資本剰余金それぞれが前連結会計年度末から676百万円増加した等によるものであります。
② 経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績に関する分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)業績」に記載しております。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
② 資金需要
当社グループの資金需要のうち主なものは、新規事業の事業資金及び既存事業の仕入債務の支払いであります。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。