有価証券報告書-第55期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/29 11:55
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文中には、様々な業績予想及び目標数値、並びにその他の将来に関する情報が開示されております。これらの業績予想及び目標数値、並びにその他の将来に関する情報は、将来の事象についての現時点における仮定及び予想、並びに当社グループが現在入手可能な情報や一定の前提に基づいているため、今後、様々な要因により変化する可能性があり、これらの予想や目標の達成及び将来の業績を保証するものではありません。
(1)経営方針
当社(略称NCD)は、「ユニークなソフトウェア技術により、明るい未来に貢献する」ことを基本に、顧客、社員、社会に対して3つの経営理念を掲げております。
①NCDは、顧客第一に徹し、最適なシステムとサービスの提供により、共存共栄をはかる。
②NCDは、社員の個性を尊重し、その資質を発揮させることにより、あたたかな企業文化を確立する。
③NCDは、社会に対し、時代の変化を先取りすることにより、調和のある世界に貢献する。
当社グループは、上記経営理念を共有し、各社の特徴を生かしながら、グループとしてお客様に最適なソリューションを提供してまいります。
今後とも創業からの精神に基づき、顧客の信頼はもとより、社員の士気向上によって磐石な経営基盤を築き、情報サービス産業の発展と調和のある社会の実現に向けて、一層の努力をしてまいります。また、株主をはじめ投資家の皆様にとって魅力ある企業グループであり続けるために、企業価値を高めていく経営を推進してまいります。
(2)経営戦略、目標とする経営指標
国内における少子高齢化、急速な技術革新の進展や人々の価値観の多様化など、社会構造変化のスピードはます
ます加速しております。また、新型コロナウイルス感染症の影響は景気動向等に大きな影響を及ぼし、人々の行動を変容させています。
このような環境下において当社グループが、株主様、お客様、社会に必要とされ、また当社グループのすべての従業員が仕事に誇りとやりがいを感じ活力ある企業に成長していくためには、更なる変革と進化の必要性を強く認識し、2021年3月期から2023年3月期の3事業年度を対象期間とする新たな中期経営計画「Vision 2023」(以下、「本中計」といいます)を策定し、スローガンを「Change & Challenge for Smile」といたしました。
当社は、上記に示しました経営理念「ユニークなソフトウェア技術により、明るい未来に貢献する」のもと、1967年の創業以来、常にお客様の満足を第一に考え、最適なシステムときめ細かなサービスの提供に努めてまいりました。
その結果、IT関連事業(システム開発事業及びサポート&サービス事業)及びパーキングシステム事業において、お客様の各現場に密接に寄り添った保守・運用などのストック業務に強みをもっております。この強みを活かしつつお客様や社会の課題を解決していくためには、ストック業務を通じて得た豊富な経験とノウハウを企画・開発領域にスムーズかつ効果的に連携していくことが極めて重要であると認識し、基本方針を「ストックとフローの連携強化による更なる付加価値の向上」といたしました。
事業ドメインに関しましては、IT事業とパーキングシステム事業との連携強化等により新たな事業機会を創出しつつ、一層の拡大を図ります。また、これらの戦略を支える体制として、企画管理機能及びグループガバナンスの強化や、グループ会社間の機能分担の再見直し等によるグループフォーメーションの最適化を図ってまいります。
本中計において当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、以下のとおり、本中計の最終事業年度である2023年3月期の連結売上高、連結営業利益、売上高営業利益率、ROEであります。当該指標を採用した理由は、投資家が当社グループの経営方針・経営戦略等を理解するうえで重要な指標であり、経営方針・経営戦略等の進捗状況や企業価値の的確な把握が可能であると判断するためであります。
(目標指標)
目標指標2023年3月期目標値(参考)2020年3月期実績値
連結売上高20,000百万円18,390百万円
連結営業利益1,200百万円936百万円
連結営業利益率6.0%5.1%
連結ROE15%以上17.7%

本中計における事業別の戦略は以下のとおりであります。
IT関連事業
当社グループのIT関連事業は、ストック業務を通じて培った豊富な経験とノウハウを活かし、新たな価値を提供していくことによりお客様から選ばれる会社であり続けることを目指します。事業の基本方針としては、アプリケーション保守及びインフラ運用を通じて新たなシステム開発及びインフラ構築に繋げるバリューチェーンを創出し、当社グループの「サービスモデルの確立」を図ることで、お客様の業務イノベーションを支援することを掲げております。
システム開発事業においては、フロー業務であるアプリケーション開発基盤を整備し、提案内容を高度化することで既存顧客の深耕、新規顧客の獲得を図ります。ストック業務面ではお客様の業務自動化・省力化ニーズに対応するため、回帰テスト自動化ツールやプログラム可視化ツールを用いたスキームを整備し、アプリケーション保守・運用サービスを充実させることで受注獲得に繋げてまいります。
サポート&サービス事業においては、業務ごとにサービスメニューを設定し、お客様の選択肢を増やすことで、IT資産の保守運用の最適化を支援してまいります。
サポート&サービス事業の体制といたしまして、高度なセキュリティ環境を備えたBCP(事業継続計画)拠点であるお台場オフィスの開設に続き、地方拠点の有効活用という側面も加えた長崎営業所五島オフィスを2020年4月に長崎営業所のサテライトオフィスとして開設いたしました。これらの拠点では24時間365日対応の監視業務、システムオペレーション等、お客様のITインフラ全てを包括してサポートする運用保守アウトソーシングサービスを行っております。
パーキングシステム事業
当社グループのパーキングシステム事業においては、「駐輪場事業における高付加価値ビジネスモデルの確立・推進」を目指します。当社は駐輪場におけるQR決済サービスの導入を順次進め、お客様の利便性向上に努めております。また、子会社の矢野産業㈱の取り扱い製品である自転車・バイク搬送コンベアの敷設を進めることなどにより、当社グループの強みである機械式駐輪場以外の駐輪関連サービスの拡充を図り、新領域での売上獲得を目指します。さらには次世代の事業の柱となる新規事業創造の布石も打ってまいります。
当社グループをはじめ、駐輪場関連企業や自治体などが長年駐輪場を供給し続けたことの成果として、放置自転車問題の解消が進んでおります。その結果、当社が強みを持つ首都圏での新規駐輪場需要の鈍化が予想されております。対応策として、上記に示した通り駐輪場の付加価値を高めることで既存市場における更なるシェア拡大を図りつつ、新たな拠点を整備・拡充することで、新市場への進出を目指します。また、当社がビジネス特許を保有している月極駐輪場システムのECOPOOLはコスト削減効果と利便性が評価され、近年着実に設置実績を伸ばしております。引き続き既存の有人管理駐輪場からの転換を進めてまいります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 環境認識
労働人口の減少や働き方改革の推進に伴う生産性向上のための自動化・省力化ニーズや旧来の基幹システムの刷新等、企業のIT投資は今後も底堅く推移するものと予測しており、当社グループといたしましては、これらのビジネス機会の捕捉に努めてまいります。また、今後大企業においては、企業グループの情報システム部門における保守・運用業務のアウトソーシング化が更に進むと予測しており、当社グループがこれまで培った保守・運用業務に係る実績を活かし、これらのニーズを取り込んでまいります。一方、IT人材確保については容易ではなく、事業等のリスクとして認識しております(詳細は「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください)。
一方、自転車・駐輪場業界における国内の動向におきましては、首都圏の再開発案件が引き続き見込まれること、各地で自転車活用推進計画が進行していることなどにより、これらの駐輪場需要を確実に取り込んでいくとともに、新たな自転車関連ビジネスの創出に努めてまいります。
現在において新型コロナウイルス感染症の影響は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす事業等のリスクと認識しております(詳細は「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください)。新型コロナウイルス感染症の影響が完全に沈静化した後も、パーキングシステム事業においてはテレワークの定着や“新たな日常”などの行動変容により、通勤・通学者の駐輪場利用が一定程度減少する可能性は否定できないため、従来の収益構造の見直しが課題であると認識しております。
② 2021年3月期の連結業績予想について
本中計の初年度となる2021年3月期の連結業績予想につきましては、新型コロナウイルスの感染症の影響に伴う顧客企業の投資抑制及び、駐輪場利用状況の変化などにより通常時の業績見込みより厳しいものとなっております。
IT関連事業(システム開発事業、サポート&サービス事業)においては、IT投資の抑制姿勢を打ち出す顧客企業もあり開発案件などのフロー系業務の計画中断が第1四半期、第2四半期で見込まれております。但し、第3四半期以降には顧客企業においても新型コロナウイルス感染症への対策が進むことなどから、多くの顧客企業において中断した開発案件が2021年3月期中に再開されると見込んでおります。一方、保守・運用を中心としたストック系業務については、購買、在庫管理、人事、経理などの基幹業務を担っており、当社が速やかにリモート体制に移行し顧客企業の業務に支障をきたしていないことから、当社の業績への影響は軽微であると見込んでおります。
パーキングシステム事業においては、顧客企業の中でも電鉄系、商業店舗企業では駐輪場の敷設計画の中止に伴う当社への発注を中止する企業がございます。また、緊急事態宣言発令に伴う自粛要請や休校等による駐輪場利用の減少が顕在化し、特に大都市圏の駅周辺の駐輪場において影響が拡大しておりますが、緊急事態宣言解除後は、徐々に回復していくものと見込んでおります。
以上により、2021年3月期通期業績につきましては、2020年3月度の取締役会で審議した2021年3月期計画(以下、「当初計画」という。)より新型コロナウイルス感染症による影響額見込みを減算し、外注費や一般管理費の削減及び投資抑制を考慮のうえ下表のように見込んでおります。
(2021年3月期 通期連結業績見込み)
(単位:百万円・△は損失)
2020年3月期
実績
当初計画新型コロナウイルス関連影響額2021年3月期
業績見込み
売上高18,39018,900△1,10017,800
営業利益936900△700200
経常利益953900△670230
親会社株主に帰属する
当期純利益
648650△500150


セグメント別の具体的な影響及び今後の見通しは、以下のとおりであります。新型コロナウイルス感染症による当社グループへの業績影響は、2020年5月25日に緊急事態宣言が解除されたことにより、第1四半期中に経済活動が徐々に回復に向かい、第2四半期には緩やかな回復、第3四半期以降は概ね通常時の業績に回復するという前提のもとに算出しております。
したがって、今後の新型コロナウイルス感染症の影響や収束の状況等により、業績が大きく変動する可能性があるため、業績見通しの修正の必要性が生じた場合には速やかに開示いたします。
システム開発事業
システム開発案件では、第1四半期、第2四半期において一部の開発案件の中断や延期が見込まれておりますが、第3四半期以降では多くの顧客企業において開発案件の再開を見込んでおります。また、システム保守系案件については、以前よりリモート環境での対応整備が進んでおり、概ね影響なく業務を継続しているため、業績への影響は軽微であると見込んでおります。但し、一部顧客企業のリモート体制整備が間に合わないため、当社要員も自宅待機等により売上が見込めない事象が生じております。
システム保守案件への対策といたしましては、顧客都合により自宅待機となった当社要員が、顧客企業の他業務支援を行うことで別途売上を上げること、在宅勤務における進捗管理や品質管理方法を顧客企業と確立し、従来と遜色のないレベルを保持することに努めております。
以上により、新型コロナウイルス感染症による影響額については、当初計画に対して2021年3月期の連結売上高100百万円程度、連結営業利益20百万円程度の減少を見込んでおりますが、2020年3月期に受注した案件による保守系業務の増加などにより、2020年3月期実績に対してシステム開発事業全体の売上高で約5%の300百万円の増収を見込んでおります。
サポート&サービス事業
リモート環境にて顧客企業のシステム運用、業務サポートを行う体制が大半であるため、業績への影響は軽微であると見込んでおります。但し、顧客企業に常駐してサポート業務を行うことが前提である案件においては、顧客企業の在宅勤務拡大によるリモート環境整備が、顧客社員に対して優先的になされることから当社を含む外部要員は自宅待機等になり、売上高の減少が見込まれております。
対策といたしましては、当社にてセキュリティに優れたリモート環境を整備しているお台場オフィスにおいて、常駐サポートからリモートサポートへ体制を変更しサービスを継続すること、また、要員の配置転換などを顧客企業に提案し調整を行うことにより売上高の確保に努めております。
以上により、新型コロナウイルス感染症による影響額については、当初計画に対して2021年3月期の連結売上高50百万円程度、連結営業利益10百万円程度の減少を見込んでおります。
また、2020年3月期に受注した業務委託案件が開始することにより、2020年3月期実績に対して売上高で約3%の145百万円の増収を見込んでおります。
パーキングシステム事業
機器販売においては、電鉄系の駐輪場開発案件の中止や店舗駐輪場の延期が見込まれております。また、パーキングシステム事業収入の38%を占める駐輪場利用料収入は、外出自粛要請等に伴う通勤・通学者の鉄道利用の減少や、商業施設の閉鎖に伴う駐輪場の稼働率の低迷により、第1四半期の見通しについては、前年同期に対して63%減少すると見込んでおります。第2四半期においては、商業施設の駐輪場は入店調整等による対策がなされることで来店者数が安定し、駅周辺の駐輪場は経済活動の回復に伴い駐輪場稼働率が持ち直すことを見込んでおります。但し、第3四半期以降に新型コロナウイルス感染症の影響が沈静化した後も、在宅勤務などが一定程度定着することから、駐輪場の利用状況に影響が残ることを想定しております(詳細は下表をご参照ください)。
(時間貸駐輪場利用状況の対前年度比売上)
2021年3月期
第1四半期
2021年3月期
第2四半期
2021年3月期
第3四半期
2021年3月期
第4四半期
時間貸駐輪場63%減少15%減少10%減少10%減少

対策といたしましては、駐輪場の利用状況に応じた集金回数及びメンテナンス回数の削減、また、外部委託している定期メンテナンスの内製化による人員配置転換など固定費削減を進めております。
以上により、新型コロナウイルス感染症による影響額については、当初計画に対して、2021年3月期の業績は、連結売上高950百万円程度、連結営業利益670百万円程度の減少を見込んでおります。2020年3月期実績に対して売上高で約15%の970百万円の減収としております。

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