訂正有価証券報告書-第24期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2022/11/14 16:10
【資料】
PDFをみる
【項目】
136項目
35.金融商品
(1)資本管理
当社グループの資本管理は、当社グループの持続的な成長と企業価値増大を実現するため、事業発展に充分な資金を確保できる堅固な財務体質維持と効率的な資本構成の両立を方針としております。
当社が資本管理において用いる主な指標には、親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)があります。
移行日
(2017年4月1日)
前連結会計年度
(2018年3月31日)
当連結会計年度
(2019年3月31日)
資本(親会社の所有者に
帰属する持分)
(百万円)36,95142,71746,609
親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)(%)-16.121.9

これらの指標については、経営者に定期的に報告され、モニタリングしております。
なお、当社グループが適用を受ける重要な資本規制はありません。
(2)財務リスク管理の基本方針
当社グループは、経営活動を行う過程において、信用リスク、流動性リスク、為替リスク、金利リスク、市場リスク(株価変動リスク)等の様々な財務上のリスクに晒されており、当該財務上のリスクを軽減するために、一定の方針に基づきリスク管理を行っております。
また、当社グループは、投機目的でのデリバティブ取引は行っておりません。
(3)信用リスク
① 信用リスク管理及び信用リスクに対する最大エクスポージャー
信用リスクは、保有する金融資産の相手先が契約上の債務に関して債務不履行になり、当社グループに財務上の損失を発生させるリスクであります。
当社グループは、与信管理規程に従い、取引先ごとの期日管理及び残高管理を行うとともに、主な取引先の信用状況を定期的に把握する体制としております。
なお、当社グループでは特定の相手先に対する過度に集中した信用リスクはありません。
保証債務を除き、当社グループの信用リスクに対する最大エクスポージャーは、連結財政状態計算書に表示している金融資産の減損後の帳簿価額であり、保証債務に係る信用リスクの最大エクスポージャーは、移行日及び前連結会計年度末において8百万円及び6百万円であります。当連結会計年度末において保証債務に係る信用リスクはありません。
② 貸倒引当金の増減
貸倒引当金の増減は以下のとおりであります。
当社グループでは、重大な金融要素を含んでいない営業債権及び契約資産に対し、常に全期間の予想信用損失に等しい金額で貸倒引当金を設定しております。
前連結会計年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
営業債権及び
契約資産
営業債権及び
契約資産以外の債権
営業債権
及び契約資産
営業債権及び
契約資産以外の債権
百万円百万円百万円百万円
期首残高12433739
当期増加額(繰入額)221241
当期減少(目的使用)△2△1△16-
当期減少(戻入)△8△5△24△0
その他の増減13-△0-
期末残高37392139

③ 信用リスクの分析
営業債権及び契約資産の期日経過別の帳簿価額の総額及び営業債権及び契約資産以外の債権の社内管理区分ごとの帳簿価額の総額はそれぞれ以下のとおりであります。
営業債権及び契約資産
移行日
(2017年4月1日)
前連結会計年度
(2018年3月31日)
当連結会計年度
(2019年3月31日)
百万円百万円百万円
期日経過30日以内
(未経過を含む)
5,5039,0777,561
期日経過30日超90日以内61036
期日経過90日超396383
合計5,5489,1507,680

営業債権及び契約資産以外の債権
移行日
(2017年4月1日)
前連結会計年度
(2018年3月31日)
当連結会計年度
(2019年3月31日)
百万円百万円百万円
一般債権13,47313,29116,684
滞留債権393939
合計13,51213,33016,723

滞留債権は、信用リスクが当初認識以降に著しく増大したと判断した金融資産又は債務者の財務状況の悪化等により信用減損したと判断した金融資産であります。一般債権は滞留債権以外の債権であります。
滞留債権は、予想残存期間の全期間に係る予想信用損失と等しい金額で貸倒引当金を測定しております。一般債権は、報告期間の末日後12ヶ月以内に生じる予想信用損失と等しい金額で貸倒引当金を測定しております。
(4)流動性リスク
① 流動性リスク管理
流動性リスクは、当社グループが期限の到来した金融負債の返済義務を履行するにあたり、支払期日にその支払を実行できなくなるリスクであります。
当社グループは、金融機関からの借入、社債発行により資金を調達しておりますが、資金調達環境の悪化などにより支払期日にその支払いを実行できなくなる流動性リスクに晒されております。
当社グループは、年間事業計画に基づく資金計画を適時に作成、更新することにより、借入金及び社債の支払いのための資金を計画的に確保しております。
また、機動的な資金調達に備えて金融機関より信用枠を確保するとともに、資金調達方法の多様化を進めることにより、流動性リスクを低減しております。
② 金融負債の期日別残高
金融負債の期日別残高は、以下のとおりであります。
移行日(2017年4月1日)
帳簿価額契約上のキャッシュ・フロー1年以内1年超
2年以内
2年超
3年以内
3年超
4年以内
4年超
5年以内
5年超
百万円百万円百万円百万円百万円百万円百万円百万円
営業債務及びその他の債務26,03826,03826,038-----
借入金24,14524,3477,0002,4751,3703,6924,4445,365
その他の金融負債
(リース負債)
5,2385,5176165835565425272,694
その他の金融負債
(リース負債を除く)
405405-----405
合計55,82656,30733,6533,0581,9274,2344,9718,464

前連結会計年度(2018年3月31日)
帳簿価額契約上のキャッシュ・フロー1年以内1年超
2年以内
2年超
3年以内
3年超
4年以内
4年超
5年以内
5年超
百万円百万円百万円百万円百万円百万円百万円百万円
営業債務及びその他の債務39,40739,40739,407-----
借入金23,86624,0754,7021,6312,6436,8335,5082,758
その他の金融負債
(リース負債)
5,4085,6468257246476015732,275
その他の金融負債
(リース負債を除く)
595595-----595
合計69,27669,72244,9342,3563,2907,4346,0825,627

当連結会計年度(2019年3月31日)
帳簿価額契約上のキャッシュ・フロー1年以内1年超
2年以内
2年超
3年以内
3年超
4年以内
4年超
5年以内
5年超
百万円百万円百万円百万円百万円百万円百万円百万円
営業債務及びその他の債務45,79945,79945,799-----
借入金13,89814,0102,2781,6125,7214,401--
社債24,27125,000----25,000-
その他の金融負債
(リース負債)
5,3755,4418897516736295971,902
その他の金融負債
(リース負債を除く)
908908-----908
合計90,25191,15748,9662,3636,3945,03025,5972,809

(5)為替リスク
① 為替リスク管理
当社グループは、インキュベーションテクノロジー事業において米国や東南アジア等への出資活動の展開に伴い、外貨建営業投資有価証券を保有していること等から、為替変動が業績に影響致します。
当該外国為替相場の変動リスクを低減するために、為替相場の継続的なモニタリング等を行っております。
② 為替感応度分析
当社グループが各年度末において保有する金融商品において、他のすべての変数が一定であると仮定した上で、日本円が米ドルに対して1%円高となった場合に税引前利益に与える影響は、以下のとおりであります。
なお、在外営業活動体の資産及び負債、収益及び費用を表示通貨に換算する際の影響は含んでおりません。
通貨前連結会計年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
百万円百万円
税引前利益への影響額米ドル△136△202

(6)金利リスク
① 金利リスク管理
当社グループは、適正な資本コスト率の維持及び成長投資のための財務基盤の強化を目的として長期借入金や社債により資金調達を行っております。長期の資金調達においては、金利市場の動向により、変動金利と固定金利のバランスを考慮して決定しており、短期の資金調達においては、原則として変動金利としております。
② 金利感応度分析
当社グループが各年度末において保有する変動金利の借入金において、他のすべての変数が一定であると仮定した上で、金利が1%上昇した場合の税引前利益に与える影響は、以下のとおりであります。
前連結会計年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
百万円百万円
税引前利益への影響額△122△26

(7)株価変動リスク
① 株価変動リスク管理
当社グループの保有する資本性金融商品のうち、市場性のある資本性金融商品は株価変動リスクに晒されております。なお、資本性金融商品については、定期的に時価や発行体の財務状況等を把握し、また、市況や発行体(取引先企業)との関係を勘案して保有状況を継続的に見直しております。
② 株価変動感応度分析
当社グループが各年度末において保有する活発な市場のある資本性金融資産(株式)において、期末日の公表価格が1%下落した場合の税引前利益及びその他の包括利益(税引前)に与える影響は、以下のとおりであります。
前連結会計年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
百万円百万円
税引前利益への影響額△7△6
その他の包括利益(税引前)への影響額△15△20

(8)金融商品の帳簿価額及び公正価値
金融商品の帳簿価額及び公正価値は、以下のとおりであります。
なお、社債及び長期借入以外の償却原価で測定する金融資産及び金融負債の公正価値は帳簿価額と近似しているため含めておりません。また、経常的に公正価値で測定する金融商品についても、公正価値と帳簿価額が一致することから含めておりません。
移行日
(2017年4月1日)
前連結会計年度
(2018年3月31日)
当連結会計年度
(2019年3月31日)
帳簿価額公正価値帳簿価額公正価値帳簿価額公正価値
百万円百万円百万円百万円百万円百万円
社債----24,27124,330
長期借入金 (注)20,34520,35821,99122,00312,13412,169

(注)1年内に返済予定の残高を含んでおります。
社債及び長期借入金の公正価値については、元利金の合計額を新規に同様の契約を実行した場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定する方法によっております。
社債及び長期借入金の公正価値ヒエラルキーはレベル3に分類しております。
(9)金融商品の公正価値ヒエラルキー
当初認識後に経常的に公正価値で測定する金融商品は、測定に使用したインプットの観察可能性及び重要性に応じて、公正価値ヒエラルキーを以下の3つのレベルに分類しております。
レベル1:同一の資産又は負債の活発な市場における市場価格により測定した公正価値
レベル2:レベル1以外の直接又は間接的に観察可能なインプットを使用して測定した公正価値
レベル3:重要な観察可能でないインプットを使用して測定した公正価値
公正価値の測定に複数のインプットを使用している場合には、その公正価値の測定の全体において重要な最も低いレベルのインプットに基づいて公正価値のレベルを決定しております。
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、各四半期の期末時点で発生したものとして認識しております。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル1とレベル2の間における振替はありません。
移行日(2017年4月1日)
レベル1レベル2レベル3合計
百万円百万円百万円百万円
金融資産
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
営業投資有価証券196-15,70615,902
投資有価証券--2,4512,451
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産
投資有価証券1,880-1131,993
合計2,076-18,27020,346

前連結会計年度(2018年3月31日)
レベル1レベル2レベル3合計
百万円百万円百万円百万円
金融資産
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
営業投資有価証券675-16,07016,745
投資有価証券--323323
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産
投資有価証券1,511-1,8973,408
合計2,186-18,29020,476

当連結会計年度(2019年3月31日)
レベル1レベル2レベル3合計
百万円百万円百万円百万円
金融資産
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
営業投資有価証券647-26,04826,695
投資有価証券--1,4491,449
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産
投資有価証券1,979-2,1464,125
合計2,625-29,64232,268

活発な市場における同一銘柄の相場価格が入手できる場合の公正価値は、当該相場価格を使用して測定し、レベル1に分類しております。
活発な市場における同一銘柄の相場価格が入手できない場合において、直近の独立した第三者間取引やファイナンス価格の情報が利用可能な場合、公正価値は当該直近の取引価格に基づいて評価しております。
これらの直近の取引情報が利用できない場合の企業価値評価には、直近の取引価格に調整を加えた価格又は評価対象会社の貸借対照表上の純資産をベースに算定した株式価値を用いております。
直近の取引価格に調整を加えた価格は、直近の取引価格に評価対象会社の財務諸表数値や評価対象会社と比較可能な類似会社の企業価値/収益等の調整倍率を用いて算定します。
これらの測定に使用するインプットのうち、すべての重要なインプットが観察可能である場合はレベル2に分類し、重要な観察可能でないインプットを含む場合はレベル3に分類しております。
レベル3に分類した金融商品の公正価値測定に係る重要な観察不能インプットである調整倍率は、移行日、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ1.0倍から1.1倍、1.0倍から1.1倍、0.5倍から1.1倍であります。公正価値は、調整倍率の上昇(低下)により増加(減少)します。
レベル3に分類した金融商品については、当社グループで定めた公正価値測定の評価方針及び手続に従い、評価担当者が対象となる金融商品の評価方法を決定し、公正価値を測定しております。
また、公正価値の測定結果については適切な責任者が承認しております。
レベル3に分類した金融商品について、インプットがそれぞれ合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合の公正価値の増減は重要ではありません。
レベル3に分類された経常的に公正価値で測定する金融商品の増減は、以下のとおりであります。
金融資産前連結会計年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
百万円百万円
期首残高18,27018,290
利得及び損失合計1,5246,128
純損益 (注)11,5095,901
その他の包括利益 (注)215227
購入5,4058,108
売却△4,315△2,610
連結範囲の異動による影響△2,429-
レベル3からの振替 (注)3-△282
その他△1659
期末残高18,29029,642

(注)1.純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであり、営業投資有価証券に関する収益及び金融収益に含まれております。なお、各期末に保有する金融商品に係る未実現の利得及び損失は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ660百万円及び3,900百万円であります。
2.その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであり、その他の包括利益を通じて測定する金融資産の公正価値の純変動に含まれております。
3.当連結会計年度に認識されたレベル3からの振替は、重要な影響力を有することとなったことに伴う関連会社化及び投資先が取引所に上場したことによるものであります。
(10)金融資産の譲渡
前連結会計年度及び当連結会計年度における金融資産の認識の中止の要件を満たさずに譲渡した営業債権及びその他の債権については、それぞれ175百万円及び14百万円を「営業債権及びその他の債権」に含めて表示しており、譲渡により入金した金額175百万円及び14百万円をそれぞれ「社債及び借入金」に含めて表示しております。
これらの営業債権及びその他の債権は、手形の振出人や債務者が支払不履行となった場合に、当社及び連結子会社に支払義務が遡求されることから、当社及び連結子会社が譲渡資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを保持していると判定されたものであります。