有価証券報告書-第24期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/25 15:52
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【項目】
103項目
(会社の経営の基本方針)
当社は、お客様にご満足いただくことを第一義に、既成概念にとらわれず個々の不動産価値を長期的に最大化する探求をし続けることを通じて、新たなマーケットを創出し、豊かな社会の発展に寄与する事を目指し、前例の無い「不動産価値創出企業」となることを目指します。
平成4年の創業来23年間、当社は一貫して富裕層の個人の方をお客様として、それぞれに異なる考え方をお持ちの方に対応しながら不動産を所有していただき、その不動産の運営も任されてきました。当社が頑なにこだわってきたのは、お客様が当社から購入いただく不動産はいずれもありきたりではないユニークなものであり、長期的視野でその価値について考え抜かれている商品であることです。
価格がリーズナブルであるとか、利回りがいいとか、建築デザインがいいとか、あるいは鑑定評価や周囲の取引事例から説明し易い等、そういった表面的な分かりやすさに頼るのではなく、個別の不動産自体の特徴や入居者の属性を見極め、また周辺環境や賃貸市場の現場をくまなく歩き回って調査をして行政当局にもヒアリングを行い、価値を最大化する手法を編み出し商品化に取り組んできました。既成概念にとらわれない商品企画、前例や慣習にとらわれないソリューションは、徹底した現場主義と、疑問や気付きをそのままにしない行動力、そしてあらゆる分野の深い専門知識があって初めて実現します。社内外の感度の高い人材、専門分野の人材の知恵を結集し、ひとつひとつ手作りで作り上げるのがレーサムスタイルです。
例をあげると、当社が開発を手がけた江東区豊洲のビルは豊洲駅1分の駅前立地で、常識的にはオフィスや商業ビル、マンションを計画するところですが、当社は保育施設を中核に据えた商品化を進めました。なぜなら同地に高層マンションが相次いで竣工した結果、定住人口が急増し保育施設の整備が間に合わず待機児童が非常に多く社会問題となっている地域であることに着目したからです。結果として、1棟の大部分に認可保育所を誘致することで、長期的に安定した収益を生む商品となりました。また、行政や保育関係者とも詳細打合せの上、限られた敷地の中で屋上庭園も企画する等、利用者の満足度が高い商品を完成させた事例です。
当社は取り扱う不動産の領域はあえて限定いたしません。お客様が保有することになる不動産価値を最大化するためには、用途、種類、新築や修繕の手法を柔軟に選択していくことが重要です。既存建物をリニューアルするのか、そのまま利用するのか、建て替えて新築するのがいいのか、用途は、オフィスにするのか、店舗なのか、住宅なのか、ホテルなのか、倉庫なのか、価格帯も数千万から数十億円のどの程度の規模が最適になるのか、当社ではあらゆる可能性を、まずは中立的に吟味します。
当社のお客様は個人の富裕層であり、その不動産投資の期間は10年~30年が前提です。したがって、「過去と現在」ではなく「現在から未来」にどの様なキャッシュフローが生まれるのか、その長期投資に見合うリスクリターンを見極めるため徹底的な調査を行う必要があるのです。
当社の不動産運用提案は前例や慣習にとらわれないものであるがゆえに、お客様に理解していただくのは容易ではなく、合理的に納得頂くまでにどうしても時間がかかります。しかし、この地道な活動の積み重ねにより、当社への信頼を深めて頂き、リピーターとして再購入頂くケースや、また他のお客様をご紹介して頂く機会も増えるような形で、当社のビジネスは支えられてきました。そして、この地道な繰り返しにより、当社が取り扱う不動産の用途や種別も徐々に増え、1物件あたりの価格帯の幅も拡大し、現在に至っております。
昨今、中古不動産の再生が社会的に注目されています。日本は欧米に比べ中古不動産の流通比率が低く、すぐに建て替えをするという特殊マーケットでしたが、ようやく中古不動産の価値を見直す機運が出てきました。住宅、団地、京町屋等の特定分野の中古不動産の再活性化や、政策面でバックアップする動きも出てきています。
築年数の経過した不動産の改善について、上記のような分野が注目を集めるのは分かりやすさという面で重要ではあるものの、しかし日本社会が抱える問題点のごく一部も映し出せているとは言えないのです。むしろ、都心主要駅や首都圏主要ターミナル駅(横浜駅、千葉駅、大宮駅等)の徒歩5分圏の商業地にあり、築40~50年が経ち、テナントがまばらで、用途や管理そのものが時代とミスマッチになって改革・改善を迫られている物件の方がはるかに数も規模も多いのです。
特に大量の中古不動産ストックを擁する東京圏を中心に中古不動産の価値創出を23年間追及し続け、ノウハウを蓄積してきた当社としては、この社会潮流をフォローの風とし「不動産価値創出企業」としての認知度を高めてまいる所存です。
(中長期的な会社の経営戦略)
当社は、創業来23年間、中古不動産の価値を高める為に、膨大な時間と体力、そしてノウハウを注ぎ込み、日本の「新築神話」の常識をブレークスルーする取組みを地道に継続してまいりましたが、ようやく今世の中が中古不動産の価値に気付き、これを生かしていこうとの社会的気運も高まり、当社としてはますます多くのお客様に最適なサービスを提供する機会が広がりつつあるとの実感を深めております。今後5~10年で価値創出能力を倍増させることを目指します。
一方で、外部環境の変化に柔軟にかつ速やかに対応することが必要であり、社外役員の登用や社外の情報感度が高い人的ネットワークとの連携を強化するとともに、借入方針を抑制的にして長期にシフトさせるなど、市場変動リスクにも備え、単なる利回りとレバレッジによる物件のトレーディング、つまり相場を追いかけるようなアプローチとは一線を画し、あくまで具体的な価値創出を伴う事業に注力します。
また、当社のお客様に海外の魅力ある投資機会を提供する為、海外事業も強化します。具体的には、ASEANを中心とした途上国については急激な経済成長に不動産のストックが追いついていかない、もしくは、建物やサービスの質が追いついていかない地域を中心に、今後5年~10年を目処に総資産の10%~30%の投資を目処として、同地域の不動産開発に挑戦してまいります。
当社の主力セグメントの資産運用事業において、平成28年3月期の予想売上高38,000百万円に対して、平成28年3月期において売上可能な商品群は約43,300百万円に達しております。これらは前述の基本方針に沿って「保守的な姿勢」で積上げてきたもので、お客様の目的に応じて商品開発を進めてきた結果、その用途はオフィスビルから商業ビル、マンション、戸建住宅、ホテルまで、形態は一棟物件から住居・商業区分所有権に至るまで、特定分野に偏ることなく中古不動産の全分野にまたがっています。
(会社の対処すべき課題)
「不動産価値創出」の能力をあげるためには、価値創出の源となる「価値を創出できる人材の育成と採用」が鍵となります。まず、主力の資産運事業本部の国内要員については、中途採用を強化してまいります。なかでも極めて専門性の高い人材については積極的な採用を進めてまいります。
特に、商業テナント設置や新業態開発に優れた能力を発揮する人材、個々のお客様の立場に沿ったタックス・プランを独自に作成できる人材、仕入のパイプラインを拡大する能力や富裕層の顧客開拓の能力が高い人材、さらに法務面の専門性を持ち権利調整の能力を発揮できる人材等、より充実してまいります。
例えば、資産運用事業の仕入と販売を支える機能組織として、プロパティマネジメント(テナント管理)、プロパティエンジニアリング(社内の建築技術者)、リーシング、新築開発、法務・権利調整チームといった、当社が独自に培ってきた部隊が社内に整備されており、これら組織はオーナー目線で横串を通すように相互に結束しながら、中古及び新築不動産の商品化を進め、さらにお客様に販売後も、そのお客様の運用価値を引き出す為のサポートまでワンストップサービスを提供するという特徴をもっております。そして、これらの各組織には、このワンストップサービスの牽引役としての中核となる人材が配置され、部下の育成にあたっていますが、この中核を担う人材の強化が課題です。
これまで大企業内で優れた技術やノウハウを培ってきたスタッフの場合、高度に分業化された大企業内でその技術やノウハウが十分生かされていないケースがあり、当社としてはこのような人材の中途採用を積極的に進め、当社内の各組織を牽引する中核スタッフとの連携育成の中で存分にその能力を開花させて頂きたいと考えております。
当社の資産運用事業におけるお客様に対するワンストップサービス体制を牽引する中核スタッフを社内育成登用と外部からの中途採用により5年間で倍増させてまいります。
また海外事業の強化に伴い、当社内における外国人社員の比率も高めてまいります。当初この新規事業は基本的には日本の富裕層のニーズを原動力に進めてきた取組みですが、今後更なる円安進行を想定するならばアジア地域の富裕層向けに当社流のこだわりをもった資産運用商品を提供する収益機会も視野に入れております。こういった方向性の中で、当社東京本社の外国人社員比率は現在1割程度となってきておりますが、今後これをさらに高めて、同時に責任ある立場と権限をもった外国人のマネジメントの比率も増やし、現在台湾、香港、中国沿岸部が中心のアジア富裕層のお客様との関係性を今後数年かけて、中国本土の内陸部やASEAN地域を含むアジア全域の富裕層との顧客関係性を築いてまいりたいと考えております。上記の海外展開の加速に備えて管理面でも、会計、税務、コンプライアンス体制を強化すべく、経験豊かで、かつ経営管理能力を有する経営幹部を補強してまいります。
「不動産価値創出企業」としての成長のプロセスにおいて、以下の各分野での課題の対処にも取り組んでまいります。
・プロパティマネジメントに関して、お客様との接点において重要な分野と位置づけていますが、今後の量的拡大に対応するため業務の効率化と精度の向上を図るべく、より生産的なシステムに改修をしてまいります。
・お客様の利回りを保全する力を強化する上で、テナントマーケティング能力を充実させてまいります。
・顧客開拓においては、全国の会計士、税理士、地方銀行の関係者に対して、当社の実績を十分ご理解頂く機会を図りながら、特に、地方のお客様の開拓を推進してまいります。
今まさに当社の眼前に広がるマーケットの潜在市場は極めて大きいのですが、この中から価値ある原石を見出し、多様なお客様の資産運用目的に合わせた商品化を進め、また十分な説明を尽くして販売し、その後のアフターフォローにコミットメントする人材の育成はそう簡単ではなく一定の時間と育成の仕組みが必要ですが、当社はその先行者として、より多くの経験を積んできた実績に甘んじることなく、今後、さらに多くのお客様に最適なサービスを提供すべく、お客様との丁寧なコミュニケーションを深め、技術とノウハウをさらに進化させ、これを牽引する人材育成に全力で取り組んでまいります。

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