訂正有価証券報告書-第30期(2018/04/01-2019/03/31)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1)経営方針
当社グループは、「世界で最も信頼、尊敬されるインベストメント・カンパニー」になることで「世界を豊かに、健康に、そして幸せにする」というミッションの実現を目指す、独立系の資産運用グループであります。また、資産運用サービスを中核事業とする企業グループとしては、日本で初の公開/上場会社であります。
私どもの経営の基本方針の第一は、投資家の皆様に真に役立つ投資インテリジェンスを運用商品として提供し、ご満足いただける運用成果をお届けすることであります。そのために、創業以来の「マクロはミクロの集積である。」との投資哲学に基づく徹底したボトムアップ・アプローチを基軸として、常に革新的な投資手法の開発に努めております。さらに、日本株のスペシャリストとしての経験と知識を株式以外の不動産や発電事業等のインフラ資産への投資スキームにも展開すると共に、韓国・香港の子会社が培った力を統合することで、アジアに関心を寄せる世界中の投資家の期待に応え得る投資インテリジェンスと優れた運用成果の提供に努めてまいります。
方針の第二は、お客様の期待に応えたビジネス拡大を通して、株主の皆様に満足いただける収益を産み出すと共に、企業としての存続と成長の礎となる適切なガバナンスとコンプライアンスの態勢を維持・強化することであります。更なる運用成績の向上への取り組みに加え、新たな投資商品の開発と提供によって収益の拡大を目指す際に、積極的な事業展開と効率性の追求が、コンプライアンスの弛緩に決して繋がることのないように、ガバナンスの実効性を絶えず検証してまいります。
方針の第三は、お客様と株主の皆様の期待に応える事業展開を支えるための有為な人材の保持、獲得と育成であります。高度な専門性と柔軟な創造力、そして強い自己規律の精神を持った人材がチームとして取組んでこそ、私共が目指す資産運用サービスの提供が可能になると考えております。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの収益の大半を占める投信・投資顧問料収入は、運用資産の残高と報酬料率に応じて生じる残高報酬と、運用成績の良否等によって変動する成功報酬に大別されます。後者の成功報酬は、当社グループの全ての運用資産から発生するものではありません。
従って、当社グループにとって最も重要な経営指標は、収益の源泉である運用資産の残高及び残高報酬料率であります。運用資産残高の推移は適時に把握するのみならず、その変動がお客様からの新規設定や解約によって生じたものか、市場の一般的動向によるものか、運用成績の良否によるものか等を分析し、当社グループの事業競争力の客観的な把握に努めております。また、より付加価値の高い投資戦略を開発・提供することによって、より高い残高報酬料率の実現に努めております。
次に重要な経営指標は、残高報酬の金額から経常的経費を差引いた金額として認識される基礎収益力の水準であります。基礎収益力は持続的かつ安定的な事業運営の基盤でありますから、それが赤字となる状況が生じた場合には、運用報酬の増加を目指すのは当然でありますが、経費削減も含めたあらゆる施策により早期に黒字を回復させる必要があります。一方、基礎収益力が十分な黒字を維持している場合には、成長に向けた投資余力があるとの判断も可能です。
さらに、成功報酬の金額も当然に重要な経営指標の一つであります。当社の営業成績は、基礎収益力と成功報酬によって大半が決定し、その結果に基づき賞与等の支払も決定されますから、成功報酬の多寡が年度毎の営業利益の水準に大きく影響します。全運用資産の内で成功報酬が発生し得る資産の割合、成功報酬の発生状況等、業績への影響度合いを把握するだけでなく、より付加価値の高い投資戦略を開発・提供することによって、成功報酬が発生しうる運用資産残高の増加に努めております。
(3)経営戦略等
当社グループは、着実に利益成長を実現する強い体質の構築を目指しております。その達成のため、以下4つの投資戦略が柱であると考えております。
1本目の柱は、日本株式投資戦略です。
子会社であるスパークス・アセット・マネジメント株式会社が運用するファンドは、運用評価機関から継続して高い評価を受けております。また、私どもの投資哲学や運用スタイルへの関心も引き続き高いことから、日本の個人投資家の皆様に「日本株ならスパークス」とのSPARXブランドをさらに幅広く認知いただくよう努めております。海外の国家ファンドや年金を始めとする機関投資家様のニーズにも応えられる商品をさらに充実させてまいります。
2本目の柱は、OneAsia投資戦略(アジア株式を対象とする運用戦略)です。
運用、マーケティング両部門で3拠点(東京、香港、韓国)を一体化した取り組みを、さらに積極化してまいりました。朝鮮半島情勢が大きな転換期を迎えた今、韓国をはじめとするアジアに大きな投資機会が訪れていると確信しており、日本の投資家様向けに新たな商品の組成したほか、さらに欧米の投資家様向けの商品の組成も検討してまいります。
3本目の柱は、実物資産投資戦略です。
再生可能エネルギー発電事業のインフラ資産や不動産を投資対象とする実物資産の運用戦略は、全国の発電施設への投資を24件実行しており、再生可能エネルギー投資戦略の運用資産残高は1,529億円の規模となっております。太陽光のみでなく、バイオマス発電所も安定稼動させており、今後数年のうちに運転開始予定の風力発電所を含め投資対象は広がっております。また、発電事業等の開発段階から運転開始までのフェーズにおける投資(グリーン・フィールド投資)に加えて、運転開始後のフェーズにおける投資(ブラウン・フィールド投資)にフォーカスした、長期的に安定したキャッシュ・フローを源泉としたファンドも運用しております。ブラウン・フィールドのファンドでは、自ら開発した発電設備のみならず外部からの発電設備の取得も行うことができます。今後も引き続き再生可能エネルギーファンドのパイオニアとして皆様のご期待にお応えすべく、魅力的な投資商品の提供を行ってまいります。
4本目の柱は、未来創生投資戦略です。
次世代の成長に資する投資を長期的な視点から実践し、投資会社として未来を創造する新たな領域を開拓するため設立した未来創生ファンドは、1号ファンドの投資が完了し、2号ファンドを立ち上げ、2019年3月末で1,113億円まで運用資産残高の規模が拡大しております。国内外のベンチャー企業等への投資を着実に実行し、投資実績を積み上げ、質の高い投資を通じて、革新的な技術やビジネスモデルで世界をリードする企業を発掘・育成することで未来社会に貢献することを目指してまいります。
また、上記に加え、スパークスのこれまでのファンドビジネスを強化するため、新たな成長領域への投資を始動いたしました。実物資産や未来創生ファンドなどは、ここ5~6年でゼロからスタートして立ち上がった新しい投資事業であります。両ファンドとも確実にスパークスの成長力、収益力を支える柱へと育ってきております。新しいビジネスをゼロから生み出すスパークスの企業文化と起業家精神をさらに強化しながら、ここまで築いてきた領域の拡大・成長につなげていきたいと考えております。
今後大きな成長の可能性があると考えている領域が、これまで取り組んできている、エネルギーと人口知能(AI)・ロボットに加えて、量子コンピュータ、医療、介護とさらには宇宙の領域と考えております。これからもスパークスらしく、日本株、アジア株の投資事業の拡大・成長を土台に新しいファンド事業を大きく形にしていくことを目指してまいります。
スパークスでは、1989年創業以来、企業を一社一社徹底的に調べ、現場に赴いて実際に目で見て判断する“現地現物”による調査活動を徹底してまいりました。こうした日々の地道な活動が、スパークスで働く人たちが共有する強いインベストメントのカルチャーを造っていると考えております。社長自身が自ら先頭に立ってこのカルチャーを実践し強化することに努めており、これからも創業時より続けている投資の勉強会「バフェットクラブ」などを通じて、高い知見・見識を備え、人格的にも優れた次世代を担う経営者を育成することが、経営者として負うべき最も大切な仕事だと考えております。企業文化や変わらない投資哲学を若い次の世代に継承しながら、新しい分野に取り組み続けることのできる強い組織の創造に向けて精進努力してまいります。
創業30周年(2019年7月)となる2020年3月期は、主として上記を中心とした事業展開により当面の目標であるグループ運用資産残高2兆円の達成に向けて努力を続けるだけでなく、その達成後の新しい目標を明確に共有し、準備を具体化する1年となります。
(4)経営環境
直近の経営環境については、第一部 企業情報、第2 事業の状況、3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要に含めて記載しております。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当年度のグループ運用資産残高(AUM)は平均で前期比5.8%増、また平均の運用報酬料率は同5bps(ベーシスポイント)増となり、基礎収益力は同15.5%増と、「安定的に稼ぐ力」は着実に強化されておりますが、成功報酬が減少したことにより、財務会計上の営業利益は同40.6%減となりました。
来年度以降も、グループAUM2兆円の達成に向けて引き続きグループ一丸となって取り組むとともに、これまでのファンドビジネスを強化し、将来の成長性、収益性の基盤となるビジネスの柱を作るため、新たな成長領域への投資にも取り組んでまいります。
また、出来るだけ早く過去最高益を更新するとともに、自律的・継続的に企業価値を高めることのできる組織を構築し、「世界で最も信頼・尊敬される投資会社になる」ことで「世界を豊かに、健康に、そして幸せにする」というミッションを実現するため、主として以下の課題に取り組んでまいります。
課題の第一として、市場に影響されない安定的な投資戦略と収益性の高い投資戦略によるハイブリッドのビジネスモデルを、さらに強化・拡大してまいります。
成長実現のための4本柱(「日本株式」「ワンアジア株式」「実物資産」「未来創生」)という、従来からの高収益な上場株式の投資戦略と、安定性の高い実物資産/未来創生の投資戦略を、それぞれ引き続き強化することに加え、今後とも当社ならではの革新的な投資戦略を継続的に構築し、ビジネスモデルをさらに多様化・安定化してまいります。またその過程で、「日本/アジアへの投資ならスパークス」という圧倒的なご支持をいただけるブランドを構築してまいります。
日本株式投資戦略については、運用実績も運用チームのクオリティも業界屈指と自負しておりますが、一方で現在のAUMは、それらが十分に反映されたものになっておりません。30年にわたる実績と経験に裏打ちされた、ユニークで魅力ある当社グループの投資を、世界中の投資家の皆様に対してしっかりとお伝えしていくことで、具体的なAUM拡大につなげてまいります。
ワンアジア株式投資戦略については、アジア全域の株式及び韓国株式に投資する(日本の)公募投資信託がそれぞれ新規設定されたこと等により、今後の拡大に布石を打つことはできましたが、いまだAUMの伸びにはつながっておりません。引き続き日本・韓国・香港の3拠点が一丸となって運用力を強化するとともに、日本株式投資戦略で採ってきた商品の差別化戦略を徹底することで、AUM拡大に不退転の決意で臨み、具体的に目に見える形で成果を出してまいります。
実物資産投資戦略や未来創生投資戦略は、この5年間にゼロから立ち上げた投資戦略ですが、グループの収益力を支える柱へと着実に成長しつつあります。今後は、韓国・香港等のグループ拠点とも協働し、これらの投資戦略をさらに拡大・強化してまいります。
これらの取り組みに加えて、保守的な財務運営方針を維持しつつ、一定の自己資金をエネルギー、量子コンピュータ、医療・介護といった複数の成長領域へ投資することで、新しいビジネスをゼロから生み出す企業文化と起業家精神を活性化し、これまでのファンドビジネスをさらに強化するとともに、企業文化や変わらない投資哲学を次世代に継承しながら、新しい取り組みを自律的に続けることのできる強い組織を創造してまいります。
課題の第二として、次世代のマネジメントを育成、登用し、合わせてガバナンス体制を最適化してまいります。
当社にとって、次世代のCEO選任は非常に大きな経営課題であることから、取締役会は今後、客観性・適時性・透明性ある手続きを確立し、十分な時間と資源をかけて、CEOの後継者計画の策定・運用を具体化し、後継者候補を育成してまいります。
次世代を担うマネジメントの必要条件としては、当社グループにおいては1989年の創業来、投資先候補企業を一社一社徹底的に調べ、現場に赴いて実際に目で見て判断する“現地現物”による調査活動、いわゆるボトムアップ・アプローチを徹底しておりますが、こうした日々の地道な活動の積み重ねによって、グループ役職員が自然と共有している価値観の他、高い知見・見識を備え、人格的にも優れていることです。このような要件を充たした人材に対して、より高い課題を与えて自覚を促していく他、社外から採用した優秀な人材をある程度の時間を掛けて育成し、これらを競わせ、衆目が認める結果を残した人材を、次世代のCEOとして登用してまいります。
また当社は、2019年3月22日に東京証券取引所市場第一部へ市場変更を行い、これまで以上に高い水準のガバナンスを求められることとなりました。当社グループは投資会社として、スチュワードシップコードの実践も合わせて求められておりますが、これら2つのコードを高いレベルで実践することが、日本初の独立系上場投資会社としての責務であると考え、次世代のCEOを中心とする新しいマネジメント体制に適したガバナンス体制を、合わせて構築してまいります。
課題の第三として、事業の拡大を支える優秀な人材を積極的に採用、育成してまいります。
当社グループのビジネスは、「人が全て」と言っても過言ではありません。この点から優秀な人材の採用を社内における最優先課題の一つと位置付け、人事部門、採用希望部門の他、関係部門やマネジメントも一丸となって、引き続き積極的に取り組んでまいります。
一方で、人件費は経費の中で最も金額の大きい固定費であって、その調整は難しいばかりか、間違った採用は周囲に悪影響を与えることで、比較的小さい組織である当社グループにとっては死活問題ともなり得ます。よって採用は、多様性に配慮しつつ、当社グループの企業文化との親和性、周囲に良い影響を与えることのできる優れた人間性、変化への柔軟な対応力なども慎重に見極めてまいります。また新しい試みとして、金融業界における経験が無くとも、「投資」に対して強い意欲を持ち、非常に優秀でモチベーションの高い若手・中堅人材の採用(”異才採用”)も実施してまいります。
その他、採用した優秀な人材が、互いに切磋琢磨し、成長の機会が提供されて自らの成長を実感できるよう、また金銭的なモチベーションだけでなく、非金銭的なモチベーションを強く感じることのできるよう、“Professional Nurturing Ground(プロを育む肥沃な土壌)”の提供に、引き続き取り組んでまいります。
(1)経営方針
当社グループは、「世界で最も信頼、尊敬されるインベストメント・カンパニー」になることで「世界を豊かに、健康に、そして幸せにする」というミッションの実現を目指す、独立系の資産運用グループであります。また、資産運用サービスを中核事業とする企業グループとしては、日本で初の公開/上場会社であります。
私どもの経営の基本方針の第一は、投資家の皆様に真に役立つ投資インテリジェンスを運用商品として提供し、ご満足いただける運用成果をお届けすることであります。そのために、創業以来の「マクロはミクロの集積である。」との投資哲学に基づく徹底したボトムアップ・アプローチを基軸として、常に革新的な投資手法の開発に努めております。さらに、日本株のスペシャリストとしての経験と知識を株式以外の不動産や発電事業等のインフラ資産への投資スキームにも展開すると共に、韓国・香港の子会社が培った力を統合することで、アジアに関心を寄せる世界中の投資家の期待に応え得る投資インテリジェンスと優れた運用成果の提供に努めてまいります。
方針の第二は、お客様の期待に応えたビジネス拡大を通して、株主の皆様に満足いただける収益を産み出すと共に、企業としての存続と成長の礎となる適切なガバナンスとコンプライアンスの態勢を維持・強化することであります。更なる運用成績の向上への取り組みに加え、新たな投資商品の開発と提供によって収益の拡大を目指す際に、積極的な事業展開と効率性の追求が、コンプライアンスの弛緩に決して繋がることのないように、ガバナンスの実効性を絶えず検証してまいります。
方針の第三は、お客様と株主の皆様の期待に応える事業展開を支えるための有為な人材の保持、獲得と育成であります。高度な専門性と柔軟な創造力、そして強い自己規律の精神を持った人材がチームとして取組んでこそ、私共が目指す資産運用サービスの提供が可能になると考えております。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの収益の大半を占める投信・投資顧問料収入は、運用資産の残高と報酬料率に応じて生じる残高報酬と、運用成績の良否等によって変動する成功報酬に大別されます。後者の成功報酬は、当社グループの全ての運用資産から発生するものではありません。
従って、当社グループにとって最も重要な経営指標は、収益の源泉である運用資産の残高及び残高報酬料率であります。運用資産残高の推移は適時に把握するのみならず、その変動がお客様からの新規設定や解約によって生じたものか、市場の一般的動向によるものか、運用成績の良否によるものか等を分析し、当社グループの事業競争力の客観的な把握に努めております。また、より付加価値の高い投資戦略を開発・提供することによって、より高い残高報酬料率の実現に努めております。
次に重要な経営指標は、残高報酬の金額から経常的経費を差引いた金額として認識される基礎収益力の水準であります。基礎収益力は持続的かつ安定的な事業運営の基盤でありますから、それが赤字となる状況が生じた場合には、運用報酬の増加を目指すのは当然でありますが、経費削減も含めたあらゆる施策により早期に黒字を回復させる必要があります。一方、基礎収益力が十分な黒字を維持している場合には、成長に向けた投資余力があるとの判断も可能です。
さらに、成功報酬の金額も当然に重要な経営指標の一つであります。当社の営業成績は、基礎収益力と成功報酬によって大半が決定し、その結果に基づき賞与等の支払も決定されますから、成功報酬の多寡が年度毎の営業利益の水準に大きく影響します。全運用資産の内で成功報酬が発生し得る資産の割合、成功報酬の発生状況等、業績への影響度合いを把握するだけでなく、より付加価値の高い投資戦略を開発・提供することによって、成功報酬が発生しうる運用資産残高の増加に努めております。
(3)経営戦略等
当社グループは、着実に利益成長を実現する強い体質の構築を目指しております。その達成のため、以下4つの投資戦略が柱であると考えております。
1本目の柱は、日本株式投資戦略です。
子会社であるスパークス・アセット・マネジメント株式会社が運用するファンドは、運用評価機関から継続して高い評価を受けております。また、私どもの投資哲学や運用スタイルへの関心も引き続き高いことから、日本の個人投資家の皆様に「日本株ならスパークス」とのSPARXブランドをさらに幅広く認知いただくよう努めております。海外の国家ファンドや年金を始めとする機関投資家様のニーズにも応えられる商品をさらに充実させてまいります。
2本目の柱は、OneAsia投資戦略(アジア株式を対象とする運用戦略)です。
運用、マーケティング両部門で3拠点(東京、香港、韓国)を一体化した取り組みを、さらに積極化してまいりました。朝鮮半島情勢が大きな転換期を迎えた今、韓国をはじめとするアジアに大きな投資機会が訪れていると確信しており、日本の投資家様向けに新たな商品の組成したほか、さらに欧米の投資家様向けの商品の組成も検討してまいります。
3本目の柱は、実物資産投資戦略です。
再生可能エネルギー発電事業のインフラ資産や不動産を投資対象とする実物資産の運用戦略は、全国の発電施設への投資を24件実行しており、再生可能エネルギー投資戦略の運用資産残高は1,529億円の規模となっております。太陽光のみでなく、バイオマス発電所も安定稼動させており、今後数年のうちに運転開始予定の風力発電所を含め投資対象は広がっております。また、発電事業等の開発段階から運転開始までのフェーズにおける投資(グリーン・フィールド投資)に加えて、運転開始後のフェーズにおける投資(ブラウン・フィールド投資)にフォーカスした、長期的に安定したキャッシュ・フローを源泉としたファンドも運用しております。ブラウン・フィールドのファンドでは、自ら開発した発電設備のみならず外部からの発電設備の取得も行うことができます。今後も引き続き再生可能エネルギーファンドのパイオニアとして皆様のご期待にお応えすべく、魅力的な投資商品の提供を行ってまいります。
4本目の柱は、未来創生投資戦略です。
次世代の成長に資する投資を長期的な視点から実践し、投資会社として未来を創造する新たな領域を開拓するため設立した未来創生ファンドは、1号ファンドの投資が完了し、2号ファンドを立ち上げ、2019年3月末で1,113億円まで運用資産残高の規模が拡大しております。国内外のベンチャー企業等への投資を着実に実行し、投資実績を積み上げ、質の高い投資を通じて、革新的な技術やビジネスモデルで世界をリードする企業を発掘・育成することで未来社会に貢献することを目指してまいります。
また、上記に加え、スパークスのこれまでのファンドビジネスを強化するため、新たな成長領域への投資を始動いたしました。実物資産や未来創生ファンドなどは、ここ5~6年でゼロからスタートして立ち上がった新しい投資事業であります。両ファンドとも確実にスパークスの成長力、収益力を支える柱へと育ってきております。新しいビジネスをゼロから生み出すスパークスの企業文化と起業家精神をさらに強化しながら、ここまで築いてきた領域の拡大・成長につなげていきたいと考えております。
今後大きな成長の可能性があると考えている領域が、これまで取り組んできている、エネルギーと人口知能(AI)・ロボットに加えて、量子コンピュータ、医療、介護とさらには宇宙の領域と考えております。これからもスパークスらしく、日本株、アジア株の投資事業の拡大・成長を土台に新しいファンド事業を大きく形にしていくことを目指してまいります。
スパークスでは、1989年創業以来、企業を一社一社徹底的に調べ、現場に赴いて実際に目で見て判断する“現地現物”による調査活動を徹底してまいりました。こうした日々の地道な活動が、スパークスで働く人たちが共有する強いインベストメントのカルチャーを造っていると考えております。社長自身が自ら先頭に立ってこのカルチャーを実践し強化することに努めており、これからも創業時より続けている投資の勉強会「バフェットクラブ」などを通じて、高い知見・見識を備え、人格的にも優れた次世代を担う経営者を育成することが、経営者として負うべき最も大切な仕事だと考えております。企業文化や変わらない投資哲学を若い次の世代に継承しながら、新しい分野に取り組み続けることのできる強い組織の創造に向けて精進努力してまいります。
創業30周年(2019年7月)となる2020年3月期は、主として上記を中心とした事業展開により当面の目標であるグループ運用資産残高2兆円の達成に向けて努力を続けるだけでなく、その達成後の新しい目標を明確に共有し、準備を具体化する1年となります。
(4)経営環境
直近の経営環境については、第一部 企業情報、第2 事業の状況、3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要に含めて記載しております。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当年度のグループ運用資産残高(AUM)は平均で前期比5.8%増、また平均の運用報酬料率は同5bps(ベーシスポイント)増となり、基礎収益力は同15.5%増と、「安定的に稼ぐ力」は着実に強化されておりますが、成功報酬が減少したことにより、財務会計上の営業利益は同40.6%減となりました。
来年度以降も、グループAUM2兆円の達成に向けて引き続きグループ一丸となって取り組むとともに、これまでのファンドビジネスを強化し、将来の成長性、収益性の基盤となるビジネスの柱を作るため、新たな成長領域への投資にも取り組んでまいります。
また、出来るだけ早く過去最高益を更新するとともに、自律的・継続的に企業価値を高めることのできる組織を構築し、「世界で最も信頼・尊敬される投資会社になる」ことで「世界を豊かに、健康に、そして幸せにする」というミッションを実現するため、主として以下の課題に取り組んでまいります。
課題の第一として、市場に影響されない安定的な投資戦略と収益性の高い投資戦略によるハイブリッドのビジネスモデルを、さらに強化・拡大してまいります。
成長実現のための4本柱(「日本株式」「ワンアジア株式」「実物資産」「未来創生」)という、従来からの高収益な上場株式の投資戦略と、安定性の高い実物資産/未来創生の投資戦略を、それぞれ引き続き強化することに加え、今後とも当社ならではの革新的な投資戦略を継続的に構築し、ビジネスモデルをさらに多様化・安定化してまいります。またその過程で、「日本/アジアへの投資ならスパークス」という圧倒的なご支持をいただけるブランドを構築してまいります。
日本株式投資戦略については、運用実績も運用チームのクオリティも業界屈指と自負しておりますが、一方で現在のAUMは、それらが十分に反映されたものになっておりません。30年にわたる実績と経験に裏打ちされた、ユニークで魅力ある当社グループの投資を、世界中の投資家の皆様に対してしっかりとお伝えしていくことで、具体的なAUM拡大につなげてまいります。
ワンアジア株式投資戦略については、アジア全域の株式及び韓国株式に投資する(日本の)公募投資信託がそれぞれ新規設定されたこと等により、今後の拡大に布石を打つことはできましたが、いまだAUMの伸びにはつながっておりません。引き続き日本・韓国・香港の3拠点が一丸となって運用力を強化するとともに、日本株式投資戦略で採ってきた商品の差別化戦略を徹底することで、AUM拡大に不退転の決意で臨み、具体的に目に見える形で成果を出してまいります。
実物資産投資戦略や未来創生投資戦略は、この5年間にゼロから立ち上げた投資戦略ですが、グループの収益力を支える柱へと着実に成長しつつあります。今後は、韓国・香港等のグループ拠点とも協働し、これらの投資戦略をさらに拡大・強化してまいります。
これらの取り組みに加えて、保守的な財務運営方針を維持しつつ、一定の自己資金をエネルギー、量子コンピュータ、医療・介護といった複数の成長領域へ投資することで、新しいビジネスをゼロから生み出す企業文化と起業家精神を活性化し、これまでのファンドビジネスをさらに強化するとともに、企業文化や変わらない投資哲学を次世代に継承しながら、新しい取り組みを自律的に続けることのできる強い組織を創造してまいります。
課題の第二として、次世代のマネジメントを育成、登用し、合わせてガバナンス体制を最適化してまいります。
当社にとって、次世代のCEO選任は非常に大きな経営課題であることから、取締役会は今後、客観性・適時性・透明性ある手続きを確立し、十分な時間と資源をかけて、CEOの後継者計画の策定・運用を具体化し、後継者候補を育成してまいります。
次世代を担うマネジメントの必要条件としては、当社グループにおいては1989年の創業来、投資先候補企業を一社一社徹底的に調べ、現場に赴いて実際に目で見て判断する“現地現物”による調査活動、いわゆるボトムアップ・アプローチを徹底しておりますが、こうした日々の地道な活動の積み重ねによって、グループ役職員が自然と共有している価値観の他、高い知見・見識を備え、人格的にも優れていることです。このような要件を充たした人材に対して、より高い課題を与えて自覚を促していく他、社外から採用した優秀な人材をある程度の時間を掛けて育成し、これらを競わせ、衆目が認める結果を残した人材を、次世代のCEOとして登用してまいります。
また当社は、2019年3月22日に東京証券取引所市場第一部へ市場変更を行い、これまで以上に高い水準のガバナンスを求められることとなりました。当社グループは投資会社として、スチュワードシップコードの実践も合わせて求められておりますが、これら2つのコードを高いレベルで実践することが、日本初の独立系上場投資会社としての責務であると考え、次世代のCEOを中心とする新しいマネジメント体制に適したガバナンス体制を、合わせて構築してまいります。
課題の第三として、事業の拡大を支える優秀な人材を積極的に採用、育成してまいります。
当社グループのビジネスは、「人が全て」と言っても過言ではありません。この点から優秀な人材の採用を社内における最優先課題の一つと位置付け、人事部門、採用希望部門の他、関係部門やマネジメントも一丸となって、引き続き積極的に取り組んでまいります。
一方で、人件費は経費の中で最も金額の大きい固定費であって、その調整は難しいばかりか、間違った採用は周囲に悪影響を与えることで、比較的小さい組織である当社グループにとっては死活問題ともなり得ます。よって採用は、多様性に配慮しつつ、当社グループの企業文化との親和性、周囲に良い影響を与えることのできる優れた人間性、変化への柔軟な対応力なども慎重に見極めてまいります。また新しい試みとして、金融業界における経験が無くとも、「投資」に対して強い意欲を持ち、非常に優秀でモチベーションの高い若手・中堅人材の採用(”異才採用”)も実施してまいります。
その他、採用した優秀な人材が、互いに切磋琢磨し、成長の機会が提供されて自らの成長を実感できるよう、また金銭的なモチベーションだけでなく、非金銭的なモチベーションを強く感じることのできるよう、“Professional Nurturing Ground(プロを育む肥沃な土壌)”の提供に、引き続き取り組んでまいります。