有価証券報告書-第28期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/20 11:07
【資料】
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【項目】
114項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「世界で最も信頼、尊敬されるインベストメント・カンパニー」を目指す、独立系の資産運用グループであります。また、資産運用サービスを中核事業とする企業グループとしては、日本で初の公開/上場会社であります。
私どもの経営の基本方針の第一は、投資家の皆様に真に役立つ投資インテリジェンスを運用商品として提供し、ご満足いただける運用成果をお届けすることであります。そのために、創業以来の「マクロはミクロの集積である。」との投資哲学に基づく徹底したボトムアップ・アプローチを基軸として、常に革新的な投資手法の開発に努めております。さらに、日本株のスペシャリストとしての経験と知識を株式以外の不動産や発電事業等のインフラ資産への投資スキームにも展開すると共に、韓国・香港の子会社が培った力を統合することで、アジアに関心を寄せる世界中の投資家の期待に応え得る投資インテリジェンスと優れた運用成果の提供に努めてまいります。
方針の第二は、お客様の期待に応えたビジネス拡大を通して、株主の皆様に満足いただける収益を産み出すと共に、企業としての存続と成長の礎となる適切なガバナンスとコンプライアンスの態勢を維持・強化することであります。更なる運用成績の向上への取り組みに加え、新たな投資商品の開発と提供によって収益の拡大を目指す際に、積極的な事業展開と効率性の追求が、コンプライアンスの弛緩に決して繋がることのないように、ガバナンスの実効性を絶えず検証してまいります。
方針の第三は、お客様と株主の皆様の期待に応える事業展開を支えるための有為な人材の保持、獲得と育成であります。高度な専門性と柔軟な創造力、そして強い自己規律の精神を持った人材がチームとして取組んでこそ、私共が目指す資産運用サービスの提供が可能になると考えております。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの収益の大半を占める投信・投資顧問料収入は、運用資産の残高と報酬料率に応じて生じる残高報酬と、運用成績の良否等によって変動する成功報酬に大別されます。後者の成功報酬は、当社グループの全ての運用資産から発生するものではありません。
従って、当社グループにとって最も重要な経営指標は、収益の源泉である運用資産の残高及び残高報酬料率であります。運用資産残高の推移は適時に把握するのみならず、その変動がお客様からの新規設定や解約によって生じたものか、市場の一般的動向によるものか、運用成績の良否によるものか等を分析し、当社グループの事業競争力の客観的な把握に努めております。また、より付加価値の高い投資戦略を開発・提供することによって、より高い残高報酬料率の実現に努めております。
次に重要な経営指標は、残高報酬の金額から経常的経費を差引いた金額として認識される基礎収益力の水準であります。基礎収益力は持続的かつ安定的な事業運営の基盤でありますから、それが赤字となる状況が生じた場合には、運用報酬の増加を目指すのは当然でありますが、経費削減も含めたあらゆる施策により早期に黒字を回復させる必要があります。一方、基礎収益力が十分な黒字を維持している場合には、成長に向けた投資余力があるとの判断も可能です。
さらに、成功報酬の金額も当然に重要な経営指標の一つであります。当社の営業成績は、基礎収益力と成功報酬によって大半が決定し、その結果に基づき賞与等の支払も決定されますから、成功報酬の多寡が年度毎の営業利益の水準に大きく影響します。全運用資産の内で成功報酬が発生し得る資産の割合、成功報酬の発生状況等、業績への影響度合いを把握するだけでなく、より付加価値の高い投資戦略を開発・提供することによって、成功報酬が発生しうる運用資産残高の増加に努めております。
(3)経営戦略等
当社は、総合力を高め、スパークスの創業30周年である平成31年7月1日に向けて、運用資産残高2兆円の達成を目指しております。その達成のため、以下4つの投資戦略が柱であると考えております。
1本目の柱は、日本株式投資戦略です。
複数の運用評価機関から最優秀賞に選ばれるなど、日本株式の運用は相対的に高い結果を実現し続けております。3年前に再開したスチュワードシップ・ファンドなどのエンゲージメント投資については、平成29年4月上旬、帝国繊維様に関する大量保有報告書を提出した際、資本効率の改善を提言させていただくなど、スチュワード(財産管理人)として、責任ある株主として、その活動を積極化しております。
また、良好なパフォーマンスを継続することで、資産形成に目覚める国内の個人投資家=「ザ・コジン」、そして海外の国家ファンドや年金を始めとする機関投資家のニーズにも応えるスパークスの投資哲学の実践と浸透を図ってまいります。
2本目の柱は、OneAsia投資戦略(アジア株式を対象とする運用戦略)です。
「センター・フォー・アジア・インテリジェンス」という旗を掲げ、韓国や香港にオフィスをかまえて10年以上が経過し、それぞれのオフィスで運用やビジネスのノウハウが蓄積してきました。平成29年3月期は運用、マーケティング両部門で3拠点(東京、香港、韓国)間のやりとりをさらに積極化させ、創業来蓄積してきたインベストメント・インテリジェンスを共有してきた結果、平成29年4月末には、アジア株式(除く日本)の新公募投資信託の設定を発表することができました。
3本目の柱は、実物資産投資戦略です。この戦略は世界的な低金利等を背景に、安定的なインカム・ゲインを投資家にお届けすることを目的としています。
再生可能エネルギー発電施設への投資は、平成29年3月末時点で307MWの投資案件への投資を実行し、国内有数の規模まで拡大しております。発電の種類も、太陽光だけでなく、木質バイオマス、地熱、風力と多様化させております。
不動産への投資は、平成28年夏、東京都世田谷区に開所した股関節手術や精密検査の専門医が入居する医療用ビルにファンドで投資したことを足がかりとして、医療に強いスパークスというイメージをさらに定着させてまいります。
4本目の柱は、未来創生投資戦略です。次世代の成長に資する投資を長期的な視点から実践し、投資会社として未来を創造する新たな領域を開拓するため、ファンドを設立し国内外のベンチャー企業へ投資しております。具体的には、人口知能(AI)などの「知能化技術」、「ロボティクス」、「水素社会実現に資する技術」を中核技術と位置づけ、それらの分野の革新技術を持つ企業、プロジェクトに投資しております。平成29年3月末までに、投資先企業数は、日米英イスラエルの4か国、約30件となりました。同分野で圧倒的な実績をあげ、当社の主力事業となるよう目指してまいります。
(4)経営環境
直近の経営環境については、第一部 企業情報、第2 事業の状況、1.業績等の概要に含めて記載しております。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当年度は、目標としていた2,000億円を超える運用資産の純流入は、韓国機関投資家(1社)から大口解約を受けたこと等により達成できませんでしたが、引き続き良好な運用成績による運用資産の増加の他、日本地域を投資対象とする運用資産が増加したことで、連結ベースの残高報酬料率は70bps程度までに回復し、実質的な収益体質はかえって強化された年と評価しております。
また、再生可能エネルギー発電事業などの実物資産への投資や、トヨタ自動車様、三井住友銀行様と立ち上げた未来創生ファンドなど、株式市場の変動の影響を受けにくい資産へ長期に渡って投資する運用資産の割合が増加しており、当社グループ業績の安定化に一層寄与するようになりました。
これらの点をご評価いただき、株式会社格付投資情報センターより付与される発行体格付は「BBB」に格上げされました。
来年度以降は、2019年7月の創業30周年に向けてグループ運用資産残高2兆円を達成するため、主として以下の課題に取り組んでまいります。
課題の第一として、「感動投資」の実践、レベルアップを、継続的に目指してまいります。
当社グループにとって最も大切なことは、結果としての運用パフォーマンスにとどまらず、その結果に至る投資の全プロセスを投資家の皆様に感動していただけるような「感動投資」を継続的に実践し、このレベルを向上していくことにあります。
全役職員が日常業務や勉強会等を通じて常日頃から真摯に投資運用ビジネスに取り組んでいる結果として、幸いなことに本年も、リッパー・ファンド・アワード・ジャパン2017において、世界新記録となる4年連続最優秀運用会社(株式部門)に選定された他、当社グループが運用する複数のファンドが外部運用評価機関から高く表彰される等、当社グループ及び当社グループが運用するファンドに対して、引き続き高い評価を頂いております。
しかし、これらの結果に慢心することなく、果敢に勇気を持って投資する、という姿勢を持ち続けることを常に心掛け、エッジの効いた魅力的な「感動投資」を今後も実践してまいります。
課題の第二として、創業来の顧客本位の組織体制・企業文化を、充実・強化してまいります。
当社は、1989年に「世界で最も信頼、尊敬されるインベストメント・カンパニーになる」を目指すべきビジョンとして創業しました。このビジョンを実現するため、「お客様が何を考え、何を求めているのか」を正しく理解し、その奥に隠れたニーズに応えていくことが大切であると考え、顧客本位の投資商品を常にご提供してまいりました。
今後も、独立系の上場資産運用会社として、受託者責任に対する高い規範を維持しながら、当社グループの強みや特徴を生かした魅力ある商品の機動的な開発とお客様への高品質なサービス提供を行い続けるため、会社や組織の枠を超えて全ての役職員が目的と課題を共有し、組織全体として協働することができる体制と企業文化の維持・強化に継続して取り組んでまいります。
また、当社グループが運用するファンドは、経験豊富なアナリストたちが各企業と直接面談する等徹底的な調査・分析を行うことで、マーケットで過小評価されている銘柄を発掘することにより、目先の収益ではなく中長期でマーケット全体を上回るリターンをあげることを目的としております。お客様に継続的に選択・支持され、質の高い長期投資を実現するファンドを長く運用し続けるためにも、安定した組織体制の強化を図ってまいります。
課題の第三として、個人投資家の皆様から「日本/アジアへの投資ならSPARX」という圧倒的な支持をいただけるブランドを、じっくりと構築してまいります。
日本では、NISA(ニーサ。少額投資非課税制度)の導入等を契機に、個人投資家の資産形成への関心が改めて高まっており、国民の安定的な資産形成を図るためには、インベストメント・チェーンに関わる全ての金融事業者がそれぞれの役割を認識し、顧客本位の業務運営を行う必要があります。
このような状況において、当社グループが運用する投資信託のご案内は、これまでは主として証券会社や銀行といった販売会社の皆様にお願いしており、個人投資家の皆様との関係は間接的なものにとどまっておりました。今後は、それぞれの投資信託の背景にある投資哲学や投資のインテリジェンスを、運用者自らが個人投資家の皆様に直接ご説明し、個人投資家の皆様から直接にフィードバックをいただくという直接的な関係がより求められてくる、また、これらの直接的な関係は、スマートフォンやタブレット端末の普及等通信インフラの進歩や、フィンテックとよばれる様々な新しい技術の利用によって、これまで以上により簡単に実現することができる環境が整いつつある、とそれぞれ考えております。
このような認識をベースに、1,700兆円もの巨額の金融資産を有する日本の個人投資家に対して、顧客本位の具体的な投資のソリューションを、広報や宣伝活動等を効果的に活用することも含めてわかり易くご提供することを通じ、SPARXを「個人投資家の水先案内人(キャピタル・ナビゲーター)」として安心してご選択いただける運用会社の国民的ブランドとしてご認識いただく、という高い志をもって、この挑戦に引き続き取り組んでまいります。

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