有価証券報告書-第35期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

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2017/06/27 14:18
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有報資料

(1)業績
当連結会計年度(平成28年4月1日から平成29年3月31日まで。以下、「当期」という。)におけるわが国経済は、企業収益の拡大や雇用・所得環境の改善が続く中で、緩やかな回復基調で推移したものの、新興国経済の減速、英国のEU離脱問題、保護主義的な政策圧力による世界経済の不確実性の高まりなど、先行き不透明な状況が続きました。
このような状況のもと、当社グループは、新たな成長エンジンの構築を行い、これにより平成31年3月期の営業利益を平成27年3月期対比で2.5倍にすべく、中期4ヵ年計画の2年目を推進しました。
営業利益の5割を稼ぎ出すソリューションデザイン事業においては、今後大きな成長が見込まれる、車載、社会インフラおよびロボット/AIの分野へ経営資源をシフトしながら、主力である通信キャリアをはじめとしたネットビジネスの顧客のIoT(*1)関連システムの構築・検証業務に注力しました。
また、ソリューション営業部門については、各本部と連携を強化し、営業商材のサービスメニューの拡充を行った結果、システム開発、保守運用サービスを含めたワンストップサービスを提供できるシステムインテグレーターの営業部門へと着実に進化しました。
さらに、ストック型ビジネスの推進を担う新企隊本部は、自社商材・サービス(『Cloudstep』、『Web Shelter』)の拡充・積極展開と共に、IoTソリューション関連商材の研究開発業務に携わる米国子会社およびこれらの商材の輸入販売を行う子会社の株式会社インターネットオブシングスと連携し、IoT、FinTech、AdTechをキーワードにした米国ベンチャー企業3社との協業を積極的に進め、早期のサービス化に向けた取り組みを進めました。
以上の結果、当期の連結業績は、売上高46,255百万円(前期比8.3%増)、営業利益3,693百万円(同16.4%増)、経常利益3,407百万円(同6.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,197百万円(同2.3%減)となりました。
なお、親会社株主に帰属する当期純利益の減少は、前期における税効果会計適用後の法人税等の負担率が29.3%(当期は35.5%)であったことによるものです。
(*1)「IoT(Internet of Things)」とは、モノがインターネットとつながることで、これまでになかった新しいデータや価値が生み出され、それによってこれまでになかったビジネスなどが生まれる社会的な変化のこと。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。なお、各セグメントの売上高にはセグメント間の内部売上高または振替高を含めております。
a.ソリューションデザイン事業
ソリューションデザイン事業は、「車載」、「社会インフラ」、「ネットビジネス」、「スマートデバイス/ロボット/AI」および「業務システム」の5つのカテゴリーに区分しており、当事業の売上高は16,913百万円(前期比20.4%増)、営業利益は1,904百万円(同23.0%増)となりました。
これら5つのカテゴリーでは、それぞれがIoTに関する取り組みを行っており、急速に普及するIoT関連の開発引き合いが非常に旺盛な状況であります。
(車載)
モバイル端末開発で培ったノウハウを強みとして、自動運転、車載インフォテインメント、テレマティクス(*2)およびECU開発といった車載開発分野へのシフトを積極的に行った結果、車載インフォテインメントシステムや自動運転に関わる開発業務の引き合いが堅調に推移し、売上を大幅に伸ばしました。
当分野を長期的な重点注力分野に位置付け、自動車ソフトウェア標準化団体(JasPar)に加入したほか、自動車関連開発に必要なISO26262の取得、自動車関連の団体AUTOSARへの加入を進め、ノウハウを蓄積することで、更なる受注拡大を図ってまいります。
(*2)テレマティクス(Telematics)とは、テレコミュニケーション(Telecommunication)とインフォマティクス(Informatics)から作られた造語で、自動車などの移動体に携帯電話などの移動体通信システムを利用してサービスを提供することの総称。
(社会インフラ)
電力、交通、航空、宇宙、防衛などの社会インフラ分野では、引き続き好調な航空管制システム関連の開発・検証業務や新たに受注した車両運行関連のシステム開発が順調に推移し、大きく売上を伸ばしました。
谷間となっていた電力関連においても、新たな電力システム開発案件が立ち上がり、今後の拡大が見込まれております。引き続き、電力、航空に注力すると共に、ITS(高度交通システム)、エネルギーマネジメントシステム関連など社会インフラの高度化に向けた開発需要の取り込みに重点的に取り組んでまいります。
(ネットビジネス)
通信キャリア、eコマース、教育、電子書籍などネットビジネスに関わる当分野では、通信キャリアにおけるインターネットサービス、そして各種サービス事業者のIoT関連案件の開発・評価業務に関する引き合いが増加しており、順調に売上を伸ばしました。
当分野においては今後、IoT、ビッグデータ、ロボットを使ったサービスおよび5Gを活用した新サービスなどの開発・検証需要を取り込み、引き続き収益の柱として一層の拡大を目指します。
(スマートデバイス/ロボット/AI)
スマートフォン、家電、ロボットなど、プロダクト開発に関わる当分野では、期初予想通りスマートフォンの開発・検証業務が大幅な縮小となりました。
しかしながら、注力するロボットおよび家電開発に加え、人工知能に関連する開発業務、IoT関連機器の開発業務の引き合いが増えており、結果としてスマートフォン開発の減少をカバーしました。
今後、ロボット、人工知能、IoTをキーワードとした開発需要は市場の拡大と共に増加することが見込まれるため、スマートフォン開発技術者のシフトを行いながら、受注を拡大してまいります。
(業務システム)
業務システムに関わる当分野では、グループウェア上で動作するアプリケーション開発や個別の顧客要望を満たすカスタマイズ開発の強みから、業種を問わず幅広く受注しております。2008年のリーマンショックが影響し、2011年に業務系システムのリプレースが集中したこともあり、5年を経過した昨年から継続してリプレース案件の開発需要に加え、業務システムでのコンサルティング業務などを受注し、当分野全般としては底堅く推移しました。
b.フレームワークデザイン事業
当事業は、前期に大型案件が集中した反動により減収減益となりました。マイナス金利の影響もあり、金融システムの開発保守業務が減少する中、既存顧客内のPJ横展開や本部間連携を軸とした新規案件への展開を進めました。具体的には、損害保険のシステム再構築や決済システム開発の新規受注を獲得したほか、更には本部間連携を強化し、金融系以外の顧客へのクラウドおよびビッグデータ関連のプロダクト販促のために、積極的な集客活動を進め、収益機会の拡大を図りました。
これらの結果、当事業の売上高は4,207百万円(前期比18.9%減)、営業利益は596百万円(同14.3%減)となりました。
c.ITサービス事業
システムの運用・保守、ヘルプデスク、ユーザーサポートを主な業務とする当事業は、既存のお客様のIT戦略のパートナーとして業務範囲を拡大すると共に、新規開拓にも積極的に取り組み、全社のリソースをフルに使った「ALLシステナ体制」で“1クライアント複数サービス”の提案営業を展開しました。
特に、ソリューション営業本部の豊富な顧客に対してITサービス全般の提案を行う中で、「IT業務サポート」や「インフラ構築」、「グローバル支援」などの高付加価値案件を中心に新規受注が増加しました。
また、企業のシステム導入・展開業務に対して、「ITトレーニング」、「オフサイトヘルプデスク」などを付加したことで、新規顧客数の増加につながりました。
さらに、事業拡大に不可欠な人材の拡充に関しても、社員の採用活動および協力会社との関係強化により順調に推移しました。
これらの結果、当事業の売上高は6,365百万円(前期比10.2%増)、営業利益は651百万円(同46.6%増)となりました。
d.ソリューション営業
IT関連商品の法人向け販売および外資・中堅企業向けを中心としたシステムインテグレーションを主な業務とする当事業は、サーバー・ストレージといったハードウェアの市場が減速する中、セキュリティ、モバイル、クラウドをキーワードに需要を喚起するソリューションの構築、更には部門間連携の強化に取り組みました。
具体的には、標的型メール攻撃に対するネットワークセキュリティ強化、オンプレミスのサーバーとクラウドサービスとの連携によるハイブリッド対応、またサーバー・ストレージソリューションのサービス拡大に取り組みました。
こうした中、システム開発部門との連携により、BIツールの導入における機器販売からインフラ構築、システム開発、保守運用に至る高付加価値のワンストップサービス案件を受注することができました。
これらの結果、当事業の売上高は17,772百万円(前期比5.6%増)、営業利益は709百万円(同42.7%増)となりました。
e.クラウド事業
企業等にクラウドソリューションや自社開発商品を提供する当事業は、「G Suite」や「Microsoft Office365」と連携するグループウェア『Cloudstep(*3)』を中心とした戦略を推進しました。特に、『Cloudstep』の機能強化が新規顧客のニーズを的確に捉え、多数の受注に結びつきました。中でも、グループウェアのリプレース案件では『Cloudstep』の実績と機能優位性が評価され、「G Suite」と『Cloudstep』の大規模案件を複数受注しました。
一方、金融機関向けスマートフォン不正送金・フィッシング詐欺対策アプリ『Web Shelter(*3)』は、新サービスの「スマートフォン通帳」や「口座開設」が導入銀行からの評価が高く、またPR効果もあり、旺盛な案件状況となりました。
これらの結果、当事業の売上高は798百万円(前期比39.3%増)、営業利益は114百万円(同77.1%増)となりました。
(*3)『Cloudstep』および『Web Shelter』は、システナの自社開発商品です。
f.コンシューマサービス事業
当事業は、主に連結子会社の株式会社GaYaが行う事業が該当します。株式会社GaYaは、スマートフォンや携帯電話向けゲームコンテンツを開発し、SNSゲームを展開する大手SNSサイトへ提供しております。当期は企画・プロモーションに実績のあるパートナーとの協業タイトル「アルテイル クロニクル」をスマホ向けアプリとして11月にリリースしたほか、エンジン提供によるPCブラウザおよびAndroid向けタイトルを2本リリースしました。
しかしながら、前期リリースしたタイトル2本の売上が伸びなかったことに加え、「アルテイルクロニクル」の投入が大幅に遅れたこと、エンジン提供タイトルの制作コスト増により、当事業の売上高は337百万円(前期比13.2%減)、営業損失は7百万円(前期は営業利益13百万円)となりました。
g.海外事業
タイ子会社は、情報サービス『バングル』の営業に注力することで新規会員獲得が増加すると共に、新たなサービスとして、顧客店舗の「販促支援サービス」や「WEBサイト構築」案件の引き合いも増加しましたが、契約更新が計画通り進まず会員顧客の増加が微増に留まった結果、黒字化には至りませんでした。
一方、米国子会社については、スプリント・コーポレーションや現地日系企業からのローカライズ開発・無線通信検証等の技術支援の受注は底堅く推移しました。
本年1月のCESでの展示に続き、2月のIoT Evolution Expo in FloridaにLoRaWAN(*4)を利用したIoTソリューション等をデモ出展したところ、米国をはじめヨーロッパ、中東、中南米の企業からスマートパーキング、スマートファクトリー、スマートファーム等の多くの案件の引合いがあり、システナ本体および株式会社インターネットオブシングスと連携し、早期の受注獲得に向けて注力しております。
また、昨年5月に日本での独占販売契約を締結した、大手企業で多くの採用実績があり、米西海岸の大都市のスマートシティ計画にも採用されたIoT プラットフォームと、世界各国の中央銀行、大手金融機関、軍事機関など、グローバルで多くの導入実績がある暗号化と次世代認証(FIDO)ソリューション(FinTech系)については、販売に向けて、システナ本体およびグループ会社の株式会社インターネットオブシングスと連携し、日本語化や日本仕様の追加開発を行うなど、積極的な投資を続けております。
なお、海外事業につきましては、未だ投資の段階であり、来年度以降の黒字化を目指しております。
これらの結果、当事業の売上高は128百万円(前期比38.5%減)、営業損失は205百万円(前期は営業損失115百万円)となりました。
(*4)IoTとは全ての「もの」をネットワークでつなぎデータを「収集」、「管理」、「最適化」することで人々の暮らしを豊かにすることですが、それを実現するためには省電力で広域をカバーする安価なネットワークの構築が必須です。LoRaは数あるLPWA(Low-Power Wide-Area)ネットワークのひとつで、他の規格に比べて「少ない送信電力でも通信距離が長い(10km程度)」、「通信チップの値段が安い」、「オープンな環境が整備されており世界的に実証実験が進んでいる」ことが優位性と言われています。
h.投資育成事業
期初に設立した子会社3社(株式会社インターネットオブシングス、株式会社eペット、株式会社キャリアリンケージ)から成る当事業は、事業立ち上げのための費用が先行した結果、売上高は2百万円、営業損失は99百万円となりました。
株式会社インターネットオブシングスは、米国子会社と連携し、IoT、FinTech、AdTechをキーワードに米国ベンチャー3社との協業を積極的に進めました。本格的なサービス提供前ながら展示会等でプロモーションを行い、多数の引き合いをいただいており、早期のサービス化に向けた取り組みを進めました。
株式会社eペットは、ペットタグ(迷子札)とペットに関するアイデアやプロジェクトのためのクラウドファンディングサービスを商材としたWebサイトの企画・設計・構築を進めておりましたが、ビジネスモデル上の問題から、事業化を中止いたしました。
株式会社キャリアリンケージは、有料職業紹介事業の許可が下りた7月以降本格的に活動を開始してまいりました。求人案件および求職者の堅調な獲得により母集団形成も進み、実績も出始め、安定的な実績が見込める土台が出来上がりつつある状況です。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前期末と比較して958百万円増加し、7,593百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は2,243百万円となりました。この主な増加要因は、税金等調整前当期純利益3,396百万円、仕入債務の増加額737百万円によるものであり、主な減少要因は、たな卸資産の増加額1,170百万円、売上債権の増加額855百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は464百万円となりました。この主な減少要因は、投資有価証券の取得による支出7,340百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出379百万円によるものであり、主な増加要因は、投資有価証券の売却による収入7,276百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は835百万円となりました。この主な減少要因は、配当金の支払額833百万円によるものであります。

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