有価証券報告書-第60期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/24 11:52
【資料】
PDFをみる
【項目】
141項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社が判断したものです。
(1) 経営の基本方針
(企業理念:Philosophy)
技術を探究し、価値を創造し、お客様とともに成長する
(存在意義:Purpose)
技術と創造力で人と社会の安心と幸せを支え続けます
(経営目標:Vision)
価値を共創するデジタルデータ社会の実現に向けて、「あなたに信頼されるITサービス」のリーディングカンパニーへ(※あなた:お客様、パートナーを含む全ての取引先)
(提供価値:Values)
技術を創意工夫し、時と場の制約を超え、業務を自動化し、人の力を補完補強するITサービスを真心を込めて提供します
(2) 中長期計画「Quest Vision2030」
当社では、2030年度の目標として中長期計画「Quest Vision2030」を策定しています。Quest Vision2030では、持続的な成長と高収益体質の維持、そして企業価値向上に向けた"QCSV"(Quest Creating Shared Value:クエストの共通価値の創造)へのストーリー及び6つのコミットメントを定義しています。
第1期となる「2021-2023年度・中期経営計画」における成果と課題を踏まえ、2024年度を初年度とする「2024-2026年度・中期経営計画」を新たに作成しました。2030年度の飛躍と持続的成長に向けた投資継続と収益性の向上に取り組みながら着実に成長し、Quest Vision2030のさらなる加速と企業価値向上を実現していきます。
(図:Quest Creating Shared Value Story)

(図:6つのコミットメント)

(3) ブランドの目指す姿
当社が目指すブランドの世界観としてブランドスローガンを、全てのステークホルダーの方へのブランドの約束としてブランドプロミスを定義しています。
(ブランドスローガン)
Quest For More
(ブランドプロミス)
Digital Future As One
「Quest For More」の意味は文字通り、“もっと探究・もっと探求”することです。
探究:誠実な精神と創造力を通じてお客様の業務をより効率化し、期待を超える価値を提供していきます。
探求:新しい市場の開拓や技術の獲得に挑戦し、より便利で幸せな社会の実現に貢献していきます。
「Digital Future As One」には、お客様やパートナー、社員も、家族も、ともに1つになり、デジタルの未来に向かって邁進していくメッセージを込めています。
(4) 目標とする経営指標及び達成状況
当社は、事業の発展を通じて企業価値を安定的に成長させていくことを目標とし、中長期計画「Quest Vision2030」に基づいた3か年ごと中期計画を作成し、進捗と達成の状況レビューを行いながら事業を推進しています。
「2021-2023年度・中期経営計画」では、当初の目標としていた以下の指標を達成することができました。
売上高営業利益ROE
2023年度 当初目標130億円9億5百万円10.4%
2023年度 実績142億円9億97百万円10.7%

今後、2024年度を初年度とする「2024-2026年度・中期経営計画」では以下の目標達成に向けて取り組んでいきます。
売上高営業利益ROE
2026年度 目標168億円13億50百万円11%超


(5) 会社の対処すべき課題
我が国経済の雇用情勢や所得環境は改善傾向にあり、緩やかな回復基調が見込まれる一方、世界的な金融引締めや中国経済の停滞など海外景気の下振れの影響が懸念されるなど、依然として先行きの不透明な状況が継続しており、今後も顧客企業の経営状況によっては新規案件の獲得遅延やIT投資抑制の動きが予想されます。
このような状況下において、当社は、顧客産業ポートフォリオにおける市場の変化を的確に捉え、かつ、デジタル化の需給バランスにスピード感をもって対応することにより、収益の維持・拡大に努めていきます。
また、Quest Vision2030実現に向け、第2期中期経営計画(2024-26年度)の始動にあたって、2024年4月より組織体制を再構築しました。新しい体制の下、全社一丸となって目指すゴールを共有し、収益性の向上、営業力の強化、技術・ソリューションの育成、リソースの高流動化等を図ることで、さらなる企業価値の向上と事業強化に取り組んでいきます。
① ITプロフェッショナル人材の獲得と育成
高度IT人材の獲得競争が激化する中、事業のさらなる変革と発展のためには豊富な専門知識と高度なスキルを有する人材を確保することがより一層重要になっています。社員の積極的な採用活動に加えて、ビジネスパートナーとの戦略的なアライアンスを推進し、人材の獲得に努めていきます。
また、高度なIT技術を有する社員に対する社内認定制度QCAP(※1)等の運用や、技術者が自分に適したキャリアを選択し成長できる環境と仕組みの整備等、社員がその能力を十分に発揮し成長するための教育投資を計画的かつ継続的に取り組んでいきます。
② 新規サービス・ソリューションの育成
IT業界は技術の多様化と進展が著しいという特徴を有しています。当社においては顧客産業にフォーカスした事業本部・事業部を編成し、顧客業界への深い理解とIT活用ニーズの把握により、高度化・多様化する顧客ニーズに遅滞なく追随していきます。
また、技術・ソリューションの全社横断的な育成と立ち上げを目指し、2024年4月よりソリューションデザイン部を新設しました。技術人材の開発と、回収が見込める新規技術投資の選択と実行を担い、新しい技術領域の規模拡大と高付加価値化に向けて取り組んでいきます。
③ 企業価値向上に向けた取り組みの強化
今後持続的な成長とともに、より高い収益性とより誇りを持てる社会的存在意義を有し、あらゆるステークホルダーに対して企業価値の創造と向上、技術による貢献(Social Value)を約束します。当社では全社的な中長期経営目標を策定し、その中で企業価値向上のストーリーをQCSV(※2)として掲げています。2030年度に企業価値250億円超を達成すべく、その実現に向けて新規ビジネスの創出やIT人材の育成、重点領域への投資等を含む収益性の向上に取り組んでいきます。
当社は創業以来、株主様、お客様、社員、パートナー様、社会等、全てのステークホルダーに対して常に誠実堅実であることを経営方針としています。今後もCGCとCSV経営を重視し、透明性の高い経営を継続し、ITによる社会課題の解決、さらに一層の企業価値の向上と持続的成長のために邁進していきます。
※1.QCAP:Quest Certified Advanced IT Professionals
2.QCSV:Quest Creating Shared Value