有価証券報告書-第20期(平成31年3月1日-令和2年2月29日)

【提出】
2020/05/25 15:10
【資料】
PDFをみる
【項目】
176項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度における新型コロナウイルス発生前のわが国経済は、海外経済の減速から輸出・生産は弱含んでいるものの、企業収益は一進一退ながら高水準を維持しており、設備投資は堅調でした。また、個人消費は消費税増税による一時的な影響を受けつつも、雇用や所得環境の着実な改善により緩やかに持ち直しており、堅調な国内需要と政府による経済財政政策と日本銀行による金融緩和政策の効果により、緩やかな景気の拡大基調が期待されておりましたが、新型コロナウイルスが国内外の経済に与える影響により下落傾向が見受けられております。
当社が属する不動産業界においても、低水準の空室率を背景に、当期の賃料は上昇傾向となっており、売買についても、低金利により相対的に安定した利回りを得られるわが国の不動産への投資ニーズは高く、投資需要は底堅い状況が続き、Jリート市場も資産の入替による潜在利益の実現や賃料の緩やかな上昇により収益の向上が見られ、資金流入基調にありましたが、新型コロナウイルスの影響により今後の下振れが懸念されております。特にホテル市場におきましては、一部地域での大量供給や日韓関係の悪化の影響を受けるとともに、新型コロナウイルスの影響により、訪日外国人観光客が大幅に減少しており、ホテル収益の下振れが懸念されます。
クリーンエネルギー事業においては、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)の変更や未稼働案件に対する措置等により、事業化の可否について選別が進む一方、すでに運転が開始されている太陽光発電所が自然災害への耐久性を実証しております。東京証券取引所インフラ市場においても、経済環境に収益が左右されない、安定性の高い商品としてさらなる拡大が期待されます。
主な取組み
当社ではこのような事業環境下において、長期VISION「いちご2030」の初年度がスタートし、従来の心築を軸とした事業モデルをさらに進化させ、サステナブルな社会を実現するための「サステナブルインフラ企業」として、将来を見据えた戦略的な事業展開を通じて、事業優位性のさらなる強化を図っております。
「既存事業の成長と深化」
・ 「心築(しんちく)事業」(注)
不動産市場が活況を呈するなか、引き続き、新たな取組みや不動産取得手法の創意工夫により優良物件を取得しております。当期における取得額は630億円、売却による売上高は606億円となりました。当社の強みである心築による不動産の価値向上が、引き続き、高水準の利益率での物件売却を実現しております。また、保有物件は、高稼働率を維持するとともに、賃料収入が着実に向上しており、ストック収益の成長に寄与しております。
(注)心築(しんちく)について
心築とは、いちごの不動産技術とノウハウを活用し、物件取得後、一つ一つの不動産に心をこめた丁寧な価値向上を図り、現存不動産に新しい不動産価値を創造することをいいます。
・ 「アセットマネジメント事業」
いちごオフィスリート投資法人(証券コード8975、以下「いちごオフィス」という。)、いちごホテルリート投資法人(証券コード3463、以下「いちごホテル」という。)および、いちごグリーンインフラ投資法人(証券コード9282、以下「いちごグリーン」という。)への成長支援を行うとともに、私募ファンド事業の拡大に向けた取組みに注力いたしました。
なお、いちごオフィスについては、これまでの運用成果が評価され、国際不動産投資のベンチマークとして世界中の機関投資家等が採用するFTSE EPRA / NAREIT Global Real Estate Index Seriesに組入れられました。
・ 「クリーンエネルギー事業」
当期は、観測史上最強クラスの勢力で上陸した台風15号や19号が発生いたしましたが、当社が保有・管理する発電所において、発電設備被害はなく、その後も順調に発電しております。本年度は梅雨明けが遅く、こうした台風の影響も受けましたが、当期の太陽光発電事業における実績発電量は予測値を上回っております。また、いちご初の風力発電所「いちご米沢板谷ECO発電所」の建設も順調に進捗しております。当期においては、5発電所、23MWが発電を開始しており、引き続き、太陽光発電所のパイプラインの事業化および風力発電所の発電を推進しております。
ストック収益の成長
0102010_001.jpg「新規事業の創出・生活基盤となる新たなインフラへの参入」
当社は、「サステナブルインフラ企業」として、不動産を人々の暮らしをより豊かにするインフラと捉え、既存事業の成長に併せ、不動産を活かした新規事業の創出により新たな収益ドライバーを育てることで、ストック収益比率のさらなる向上による持続的な成長を図っております。
・ 不動産×ホテル運営「ホテル運営会社「博多ホテルズ」を設立」
当社は、数多くのホテルの保有・運用を通してこれまで培ったノウハウを活用することで、ホテルのさらなる価値向上と収益拡大を図ることが可能であると考え、ホテル運営事業へ参入いたしました。今後は、博多を中心に約700室、7ホテルのフルサービスからカジュアルなホテルまで、グレードやクラスを問わず運営を行ってまいります。そして、自社ブランドの開発だけでなく、異業種からホテル業への参入パートナーとして運営面のプロフェッショナル集団を目指してまいります。
・ 不動産×IT「いちごのAIレベニューマネジメントシステム「PROPERA」の開発」
当社が開発したAIレベニューマネジメント(売上管理)システム「PROPERA」は、コンサルティングと業務支援、アルゴリズムとAIを融合し、宿泊施設が本来持つポテンシャルを最大限発揮します。現状の統計プロセスを基にした過去データの複数要因の解析や、予測能力の高い機械学習により、365日の過去データを、状況予測を含めた最適な手法で状況の変化に柔軟に対応し、最善の宿泊施設の価格設定を提案します。「PROPERA」の活用により、当社は、ホテルの年間収益を約10~40%向上させており、今後はより多くの宿泊施設に提供してまいります。
・ 不動産×食・観光「PPP事業「よこすかポートマーケット」運営事業者選定」
当社は、横須賀市の掲げる「観光立市よこすか」の実現に向け、よこすかポートマーケットの既存建物を活用し、公民が連携してサービスの提供を行うPPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)の公募により運営事業者に選定されました。本マーケットの運営事業は、資本生産性の高いノンアセット事業として、地域の活性化、雇用の創出、および持続的な発展に全力を尽くしてまいります。
・ 不動産×アニメ「新作アニメーション「ぶらどらぶ」製作および関連事業」
当社は、既存事業とのビジネスシナジーのある新規事業の立ち上げとして2019年4月に「いちごアニメーション株式会社」を設立し、押井守総監督、西村純二監督による新作アニメーション「ぶらどらぶ」への独占出資を行っております。
日本のアニメは、日本の経済成長や雇用創出に繋がる国家戦略「クールジャパン政策」の代表であり、当社では、アニメ界のさらなる発展を目指すとともに、制作現場の意思を尊重することで、よりクオリティの高いアニメを国内外に発信してまいります。また、当社が秋葉原駅より徒歩4分に保有する「AKIBAカルチャーズZONE」では、すでにイベントやCD販売を行っており、今後もグッズ販売等「ぶらどらぶ」との様々な連動により、AKIBAカルチャーズZONEを日本のアニメ文化を代表する世界的なランドマークへ発展させてまいります。
・ 不動産×ゲーム「仮想×現実のリアルワールドゲーム「TSUBASA+(ツバサ プラス)」へ出資」
当社は、既存事業とのビジネスシナジーのある新規事業の立ち上げとしてスマートフォンのGPS機能を活用した「TSUBASA+」へ出資を行っております。
「TSUBASA+」は、世界中にあるスタジアムやグラウンド、様々なスポットに出現する「キャプテン翼」に登場するキャラクターや、世界中で実際に活躍するサッカー選手たちを仲間にしていくリアルワールドゲームです。当社は、「TSUBASA+」内で、当社保有の不動産の位置にバーチャル(仮想)スタジアムを設定する等、周囲の地域の活性化とスポーツ支援を図ってまいります。
「借入の長期化・固定化・無担保化、グリーンボンドの発行、JPX400への継続的組入、優待制度の導入、いちごSNS」
・ 当社の心築をよりサステナブルな事業とするため、借入期間の長期化とコスト削減、包括的な金利ヘッジによる金利上昇リスクの低減、無担保資金の調達等の幅広い財務施策の推進により、財務基盤のさらなる安定化を進展させております。
・ 当社は、地球に優しく安全性に優れたクリーンエネルギー事業を積極的に推進しており、太陽光発電所の建設および運営を目的としたグリーンボンド(私募債)を発行いたしました。
・ 資本の効率的活用や投資家を意識した経営観点等、グローバルな投資基準に求められる諸要件を満たす会社で構成される「JPX日経インデックス400」に、2019年においても選定され、4年連続の選定となりました。また、2019年8月の選定にあたっては、上位200社にランキングされ、本選定により中期経営計画「Power Up 2019」に掲げたすべての計画の実現を果たすことが出来ました。
・ 当社は、2019年度シーズンよりJリーグの「トップパートナー」に就任し、Jリーグとともに豊かさ溢れる地域社会に取組むとともに、当社およびいちごオフィス、いちごホテル、いちごグリーンの株主・投資主様を対象とした「いちごJリーグ株主・投資主優待」制度を導入いたしました。本優待制度は、次の2つの日本初となります:①株主・投資主の合同優待 ②Jリーグの全55クラブ(2019年度)の全試合が対象。
・ 当社では、いちごSNS(Facebook、Instagram等ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を運用し、いちごのニュースや日頃の活動をお知らせしております。その他、企業価値向上を目的とした各種いちごブランディングを継続的に推進しております。
業績の詳細
当連結会計年度の業績は、売上高87,360百万円(前期比4.6%増)、営業利益27,721百万円(同5.5%増)、経常利益24,395百万円(同5.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益8,201百万円(同46.7%減)となりました。
長期VISION「いちご2030」初年度は、堅固なストック収益と好調なフロー収益により、営業利益および経常利益はそれぞれ前期比で増加し、過去最高益を更新いたしました。一方、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、当社が属する不動産業界においても、ホテル宿泊需要の大幅な減少や各種テナント様の業況悪化が散見されております。このような環境下において、当社の保有する販売用不動産の販売可能価額を検証した結果、テナント様の業況悪化が顕著なホテルや商業等の一部について、販売可能価額が当社の帳簿価額を下回ったことから、当該販売用不動産につき低価法を適用することとし、当該評価損7,487百万円を含む8,065百万円を特別損失に計上いたしました。
これにより、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比で減少いたしましたが、当社のバランスシートにおける将来リスクは軽減され、信頼性の高い財務基盤を引き続き維持しております。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
・アセットマネジメント(AM)
いちごホテルにおける物件売却益の成果報酬や私募ファンドの新規受託によりスポット運用フィーが増加したこと、ベース運用フィーが堅調に推移したこと等によりセグメント売上高3,949百万円(前期比14.2%増)、セグメント利益2,526百万円(同15.1%増)となりました。
・心築(しんちく)
当社の強みである心築により不動産の価値向上を実現し、保有物件における賃料収入の着実な向上が、ストック収益に寄与しております。また、引き続き、高い利益率による物件売却を実現できたことから、セグメント売上高は80,517百万円(前期比4.0%増)、セグメント利益は23,971百万円(同5.7%増)となりました。
・クリーンエネルギー
7月から8月にかけて例年より日照不足が続いたものの、前連結会計年度に竣工した発電所の売電収入が寄与したこと等により、セグメント売上高は3,796百万円(前期比4.0%増)となりましたが、発電所の減価償却費の増加や当社グループ全体の成長投資費用の増加等により、セグメント利益1,272百万円(前期比6.7%減)となりました。
なお、当連結会計年度において5発電所が稼働し、翌期以降は通期で収益への貢献が見込まれております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、40,826百万円となり、前期末の45,029百万円と比較して4,202百万円の減少となりました。各キャッシュ・フローとそれらの要因は以下のとおりであります。
・営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは11,892百万円(前年同期は21,762百万円)となりました。税金等調整前当期純利益16,545百万円、営業投資有価証券の減少額11,682百万円等により40,990百万円の資金が増加した一方、物件の仕入れ等の先行投資にかかる販売用不動産および前渡金等の増加額が17,600百万円、法人税等の支払額9,430百万円、利息の支払額2,068百万円があったこと等によるものです。
・投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において、投資活動によるキャッシュ・フローは△10,263百万円(前年同期は△15,602百万円)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出11,244百万円、投資有価証券の取得による支出2,361百万円、無形固定資産の取得による支出562百万円があった一方、定期預金等の払戻による収入2,063百万円、投資有価証券の売却による収入111百万円があったことによるものです。
・財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において、財務活動によるキャッシュ・フローは9,537百万円(前年同期は4,346百万円)となりました。これは主に、短期借入金の純増減額426百万円、社債の発行による収入5,828百万円、長期借入れによる収入49,957百万円、長期借入金の返済による支出26,475百万円、長期ノンリコースローンの借入れによる収入5,300百万円、長期ノンリコースローンの返済による支出17,701百万円、配当金の支払額3,416百万円、自己株式の取得による支出2,999百万円があったことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社で行う事業につきましては、生産実績を定義することが困難であるため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社は、受注生産を行っていないため、受注実績の記載はしておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年3月1日
至 2020年2月29日)
前年同期比(%)
アセットマネジメント(百万円)3,04824.9
心築(百万円)80,5164.0
クリーンエネルギー(百万円)3,7964.0
合計(百万円)87,3604.6

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2018年3月1日
至 2019年2月28日)
当連結会計年度
(自 2019年3月1日
至 2020年2月29日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
投資法人みらい12,50715.0--
合同会社えごころ、合同会社えんけい8,38610.0--
ワナカ特定目的会社--13,01514.9
東京レジ・アイリス・1合同会社
東京レジ・アイリス・2合同会社
東京レジ・アイリス・3合同会社
東京レジ・アイリス・4合同会社
--16,35818.7

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.販売実績が総販売実績の100分の10未満の相手先については記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針および見積り
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社は、この連結財務諸表の作成にあたって、販売用不動産の評価、固定資産及び有価証券の減損、減価償却資産の耐用年数の設定、税効果会計等に関して、過去の実績や当該取引の状況に応じて、合理的と考えられる見積りおよび判断を行い、その結果を資産・負債や収益・費用の金額に反映して連結財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(財政状態の分析)
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は333,726百万円となり、前連結会計年度末と比較して14,382百万円増加(前期比4.5%増)いたしました。
これは主に、販売用不動産の減少93,032百万円、現金及び預金の減少9,158百万円に対し、有形固定資産の増加111,222百万円があったことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は232,119百万円となり、前連結会計年度末と比較して15,634百万円増加(前期比7.2%増)いたしました。
これは主に、借入金の増加24,121百万円、ノンリコースローンの減少12,401百万円があったことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は101,607百万円となり、前連結会計年度末と比較して1,251百万円減少(前期比1.2%減)いたしました。
これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上8,201百万円、剰余金の配当3,419百万円、自己株式の取得による減少2,999百万円があったことによるものです。なお、自己資本比率は30.1%(前期比0.8ポイント減少)となりました。
(経営成績の分析)
(売上高)
連結売上高は、順調な物件の売却による売却益の獲得、新規取得物件や心築活動による賃貸収入の増加、いちごホテルにおける物件売却益の成果報酬や私募ファンドの新規受託によるスポット運用フィーの増加、新たに竣工した発電所の稼働による売電収入増等により87,360百万円(前期比4.6%増)となり、前期比で増加となりました。
売上高の主な内訳は、不動産販売収入60,602百万円、不動産賃貸収入19,126百万円、不動産フィー収入3,114百万円および売電収入3,796百万円であります。
(営業利益)
過年度における一部の資産区分変更等により心築不動産の減価償却費が807百万円増加し、事業拡大や新規事業への成長投資等により販売費及び一般管理費も940百万円増加いたしましたが、前述のとおり不動産販売収入、不動産賃貸収入、売電収入が増加したことにより、営業利益は過去最高益の27,721百万円(前期比5.5%増)となりました。
(営業外損益)
営業外収益は150百万円(前期比1.7%増)となりました。
主な内訳は、受取配当金78百万円、受取保険金35百万円であります。
営業外費用は、デリバティブ評価損が減少した一方、物件の取得・売却に係る融資関連費用等が増加し、3,476百万円(前期比3.8%増)となりました。
主な内訳は、支払利息2,293百万円、融資関連費用538百万円、デリバティブ評価損336百万円であります。
(特別損益)
特別利益は、215百万円(前期は2百万円)となりました。
主な内訳は、関係会社株式交換益169百万円、投資有価証券売却益11百万円であります。
特別損失は、8,065百万円となりました。
主な内訳は、販売用不動産評価損7,487百万円、減損損失319百万円、投資有価証券評価損229百万円であります。
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、当社が属する不動産業界においても、ホテル宿泊需要の大幅な減少や各種テナント様の業況悪化が散見されております。このような環境下において、当社の保有する販売用不動産の販売可能価額を検証した結果、テナント様の業況悪化が顕著なホテルや商業等の一部について、販売可能価額が当社の帳簿価額を下回ったことから、当該販売用不動産につき低価法を適用することとし、当該評価損7,487百万円を含む8,065百万円を特別損失に計上いたしました。
低価法の速やかな適用により、当社のバランスシートにおける将来リスクは軽減され、信頼性の高い財務基盤を引き続き維持しております。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税、住民税及び事業税は7,990百万円となりました。また、当連結会計年度において法人税等調整額を△584百万円計上しました。
これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は8,201百万円となり、前期比46.7%の減少となりました。
(3)資金の源泉および流動性についての分析
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(4)資金需要及び財務政策
当社の事業活動における資金需要の主なものは、不動産の取得および太陽光発電設備の建設に係る資金であります。
財務政策の状況につきましては、低金利環境を背景に収益力向上と財務安定性のさらなる強化を目的として、調達金利の低減、返済期日分散、借入期間の長期化、アモチ(借入期間中の約定返済)の縮減等、借入条件の改善、および資金調達手法の多様化に積極的に努めてまいりました。
当期においては、安定した資金調達体制の構築、および信用力強化を目的とした無担保資金の調達を前期に引き続き積極的に行っております。2019年6月には借入期間10年の100億円無担保コミットメントライン(借入枠)を設定し、前期設定分の100億円と併せ、合計200億円の無担保コミットメントラインを設定いたしました。更に2019年9月には、30億円の無担保社債(私募債)を発行いたしました。
これらコミットメントライン、無担保私募債発行による調達資金は、流動性の確保、および今後の不動産取得において有効活用してまいります。
<2019年6月設定 無担保コミットメントラインの概要>① 資金使途 販売用不動産の取得資金
② コミットメント枠 10,000百万円
③ 借入先 株式会社みずほ銀行をアレンジャー兼エージェントとしたシンジケート団
株式会社みずほ銀行、株式会社東日本銀行、他
④ 引出期間 2019年6月28日から2022年6月30日(3年間)
⑤ 最終返済期日 2029年6月29日
⑥ 担保 無担保
⑦ 契約締結日 2019年6月28日
<2019年9月発行 無担保社債(私募債)の概要>① 発行体 いちご株式会社
② 発行価額 3,000百万円
③ 払込日 2019年9月27日
④ 発行年限 5年
⑤ 私募債引受人 みずほ証券株式会社
⑥ 財務代理人 株式会社みずほ銀行
また、当社は「サステナブルインフラ企業」として、100%連結子会社であるいちごECOエナジー株式会社を通じ、地球に優しく安全性に優れたクリーンエネルギー事業の積極的な推進を目的として、2019年7月に無担保のグリーンボンド(私募債)29億円を発行いたしました。
<2019年7月発行 グリーンボンド(私募債)の概要>① 発行体 いちごECOエナジー株式会社
② 発行価額 2,900百万円
③ 払込日 2019年7月31日
④ 発行年限 10年
⑤ 総額引受人 株式会社三井住友銀行
※本グリーンボンドは、趣旨にご賛同いただきました株式会社三井住友銀行、株式会社第四銀行、株式会社りそな銀行、株式会社きらぼし銀行により資金が拠出されました。
(5)経営上の目標の達成状況について
IoTやIT技術の目覚ましい進歩が見られる昨今、ネットワーク化により付加価値が生み出され、産業のあり方も転換点を迎えております。この大きな変化をビジネスチャンスとして捉え、より中長期的な価値創造に向けたビジネスモデルの進化を推進すべく、従来の3か年の中期経営計画に代え、長期VISION「いちご2030」を策定いたしました。
長期VISION「いちご2030」初年度は、堅固なストック収益と好調なフロー収益により、営業利益および経常利益はそれぞれ前期比で増加し、過去最高益を更新いたしました。一方、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、当社が属する不動産業界においても、ホテル宿泊需要の大幅な減少や各種テナント様の業況悪化が散見されております。このような環境下において、当社の保有する販売用不動産の販売可能価額を検証した結果、テナント様の業況悪化が顕著なホテルや商業等の一部について、販売可能価額が当社の帳簿価額を下回ったことから、当該販売用不動産につき低価法を適用することとし、当該評価損7,487百万円を含む8,065百万円を特別損失に計上いたしました。
これにより、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比で減少いたしましたが、当社のバランスシートにおける将来リスクは軽減され、信頼性の高い財務基盤を引き続き維持しております。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。