有価証券報告書-第27期(令和1年11月1日-令和2年10月31日)
(経営成績等の状況の概要)
(1) 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行による移動制限、活動制限が実施され、東京オリンピックをはじめ開催が予定されていたイベントのほとんどが中止または延期になる等甚大な打撃を受けました。また、4月には国内での感染拡大を受けた緊急事態宣言が発出され個人消費が急速に減少したことも相まって未曾有の危機に瀕しておりましたが、緊急事態宣言解除後は移動制限、活動制限も段階的に解除されていったことにより各種指標動向も下げ止まりつつあります。しかし、冬の到来によって感染者が増加に転じており、経済活動と感染対策の双方に注力しなければならない厳しい状況が継続しております。
海外においても同様に、中国武漢における都市封鎖を皮切りに欧州、米国、アジア、南米、ロシア、インドと感染拡大の速度や時期は異なるものの、多くの国で移動制限、活動制限が実施され、輸出入、企業活動、個人消費など経済活動全般に停滞が見られました。また、これらの影響は資本市場、商品市場にも波及し、資本市場においてはダウ平均株価が乱高下する事態に見舞われ、商品市場においても原油先物価格が一時史上初のマイナス価格を付けるなど異常事態が頻発しました。その後の各国における過去に類を見ない規模の財政・金融政策の実施により混乱は収束したと考えられますが、欧米諸国での感染者急増を受け、一部の国、地域において、経済活動が再び制限されるなど、予断を許さない状況が続いております。
一方、景気の先行きにつきましては、感染の世界的大流行により引き起こされた行動の変容による生産性の向上が期待されております。しかしながら、経済活動を再開した国、地域においても引き続き感染防止策を徹底するとともに、社会的距離を確保した上での経済活動を余儀なくされることから、個人消費の急激な回復が見込み難いことに加え、総需要低迷の長期化に伴い、企業倒産の拡大および失業者の増加が懸念されます。また、急激な財政・金融政策実施に伴う過剰流動性の副作用として、極めて広範囲において実体経済の回復を伴わない金融資産の高騰が生じており、その抑制や出口戦略といった難題が山積するなど、予断を許さない状況の継続が予想されます。
介護業界におきましては、高齢化率が年々上昇し、介護サービスの需要が益々高まりつつありますが、介護従事者については、有効求人倍率が高い数値で推移しており、人財の確保が経営上の最重要課題となっております。その対応策の一つとして、2019年10月には消費増税による負担増の緩和のため、基本報酬が増額改定されるとともに、介護職員特定処遇改善加算が制定されました。
このような状況の下、当社グループは、ご利用者に品質の高いサービスを提供するため、介護職員の処遇改善および研修体制の充実に努めるとともに、独自に創設した「誰伸び人事制度」の更なる進化に加え、社内求職者紹介制度の積極的な活用、更には、あらゆる世代の従業員が生きがいを持って働き続けられるための定年制度撤廃や全パートタイマーの有期から無期雇用契約への変更等、従業員が働きやすい環境を整備することによって雇用の安定 に努めております。
また、上述の介護職員特定処遇改善加算については、事業所のリーダー層およびリーダー候補層の処遇改善を重視した還元策を導入・実施し、これら中核層の従業員の満足度向上にも努めております。
緊急事態宣言下においては、多くの業界で営業自粛が求められる中、介護業界に関してはご利用者やご家族が健やかな生活を送る上で必要不可欠なサービスであることから、政府、自治体から事業継続要請がなされました。
当社グループにおきましては、福祉サービスがご利用者の生活に必要不可欠なサービスであると改めて強く認識するとともに、特に介護の現場においては高齢のご利用者と直に触れ合うことを前提に、新しい生活様式の趣旨を勘案し、感染リスク、感染拡大リスクを可能な限り抑制するため感染症対策を徹底しつつ、ご利用者に寄り添った介護を継続できるよう最善を尽くしてまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は339億84百万円(前年同期比9.8%増)、営業利益13億53百万円(同20.1%増)、経常利益11億21百万円(同25.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は7億11百万円(同136.8%増)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。なお、セグメント別の各金額は、セグメント間取引等相殺消去前の金額によっております。また、当連結会計年度より、報告セグメントとして記載する事業セグメントの区分を変更するとともに、セグメント共通経費の配賦方法を変更しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)セグメント情報」の「1 報告セグメントの概要」をご参照ください。前年同期比較については、前年同期の数値を変更後の区分で組替えた数値で比較しております。
①在宅系介護事業
当事業におきましては、当連結会計年度において、宮城県に1拠点、東京都に5拠点、京都府に2拠点、大阪府に5拠点、兵庫県に3拠点の計16拠点を出店いたしました。出店に際しては緻密なマーケティングと十分な人材育成をベースに推し進め、早期黒字化を図るとともに、介護職の処遇改善に努めてまいりました。その結果、当連結会計年度の売上高は114億53百万円(前年同期比5.0%増)、セグメント利益は14億73百万円(同16.7%増)となりました。
②施設系介護事業
当事業におきましては、当連結会計年度において、東京都に1施設、千葉県に1施設、兵庫県に1施設の計3施設をオープンいたしました。また、前期および当連結会計年度にオープンした施設の稼働率向上のため、重点的に営業を行ったことが奏功し、当事業の業績は改善しております。その結果、当連結会計年度の売上高は182億28百万円(前年同期比12.2%増)、セグメント利益は8億52百万円(同32.2%増)となりました。今後も引き続き入居者獲得に注力し、収益改善に取組んでまいります。
③その他
その他の事業におきましては、ご利用者の安心・安全・利便・生きがいを提供するため、障がい者(児)通所支援サービス、訪問看護サービス、ダイニング事業、保育事業等において積極的な営業展開を図り、売上伸長に注力いたしました。当連結会計年度において、東京都および大阪府において開設いたしました認可保育所に対して自治体から支給が決定された補助金を営業外収益に計上しております。一方で、新規事業において先行投資に係るコストが発生したことで利益が押し下げられております。その結果、当連結会計年度の売上高は67億56百万円(前年同期比16.6%増)、セグメント利益は5億3百万円(同6.2%減)となりました。
地域別在宅系介護事業所数の推移
地域別施設系介護事業所数の推移
その他の事業所数の推移
(注)当連結会計年度より、事業所数の推移をセグメント別に記載しております。
(2) 財政状態の状況
① 資産
当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べ24億45百万円増加し、362億65百万円となりました。
② 負債
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ17億5百万円増加し、311億45百万円となりました。
③ 純資産
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ7億40百万円増加し、51億19百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度末に比べ16億92百万円増加し、29億25百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況と増減要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により得られた資金は、29億26百万円(前年同期は21億33百万円の収入)となりました。これは主として減価償却費13億90百万円、税金等調整前当期純利益10億51百万円、利息の支払額7億5百万円、法人税等の支払額4億85百万円、未払金の増加4億56百万円、賞与引当金の増加3億45百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、11億57百万円(前年同期は10億40百万円の支出)となりました。これは主として有形固定資産の取得による支出6億74百万円、関係会社株式の取得による支出3億18百万円、差入保証金の差入による支出1億93百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入81百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は、77百万円(前年同期は12億60百万円の支出)となりました。これは主として長期借入金の純増による収入11億32百万円、リース債務の返済による支出9億38百万円、配当金の支払額1億45百万円、自己株式の取得による支出1億25百万円等によるものであります。
(4) 生産、受注及び販売の実績
① 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 「その他」の仕入の主な内容は、福祉用具、食材及び介護用品、並びに教材の仕入等に係るものであります。
3 当連結会計年度より、報告セグメントとして記載する事業セグメントの区分を変更するとともに、セグメント共通経費の配賦方法を変更しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)セグメント情報」の「1 報告セグメントの概要」をご参照ください。前年同期比較については、前年同期の数値を変更後の区分で組替えた数値で比較しております。
4 セグメント間取引については、相殺消去しております。
② 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 当連結会計年度より、報告セグメントとして記載する事業セグメントの区分を変更するとともに、セグメント共通経費の配賦方法を変更しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)セグメント情報」の「1 報告セグメントの概要」をご参照ください。前年同期比較については、前年同期の数値を変更後の区分で組替えた数値で比較しております。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
4 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 生産、受注の状況
該当事項はありません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループは、連結財務諸表作成にあたって、適切な会計方針を選択し、減損会計における将来キャッシュ・フローの見積りを始めとする、固有の見積りや判断が必要な事象については過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるためこれらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループが採用した会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)5 会計方針に関する事項」をご参照ください。
また、新型コロナウイルス感染症の国内における感染状況については、緊急事態宣言が全国で解除されるなど、一時は感染が収束に向かっておりましたが、冬の到来による感染の拡大を抑えるため、2021年1月7日に緊急事態宣言が再発令されるなど依然として収束時期は不透明であります。ここに来てワクチン開発も見込まれておりますが、感染症の影響は少なくとも次期(2021年10月期)いっぱいはあるものと想定しております。このような環境下ではありますが、当社グループが主力とする介護事業は、ご利用者やそのご家族が健やかな生活を送る上で必要不可欠なサービスであることから、これまで、緊急事態宣言下においても、政府、自治体から事業継続が要請されました。そのため、翌連結会計年度以降においても、事業環境が著しく悪化する可能性は極めて低いと仮定し、当該仮定を会計上の見積りに反映しております。
(2) 財政状態
当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べ24億45百万円増加し、362億65百万円となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ22億57百万円増加し、96億27百万円となりました。これは主として、現金及び預金の増加16億92百万円、売掛金の増加3億35百万円、およびその他の増加2億24百万円によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末に比べ1億88百万円増加し、266億37百万円となりました。これは主として、投資有価証券の増加7億29百万円、建物(純額)の増加4億51百万円、および差入保証金の増加71百万円、ならびにリース資産(純額)の減少12億10百万円によるものであります。
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ17億5百万円増加し、311億45百万円となりました。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ18億94百万円増加し、87億70百万円となりました。これは主として、未払金の増加4億63百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加4億60百万円、預り金の増加4億11百万円、賞与引当金の増加3億48百万円、および前受金の増加2億3百万円によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末に比べ1億89百万円減少し、223億74百万円となりました。これは主として、長期借入金の増加6億81百万円、および繰延税金負債の増加64百万円、ならびにリース債務の減少9億79百万円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ7億40百万円増加し、51億19百万円となりました。これは主として、親会社株主に帰属する当期純利益の計上および配当金の支払いによる利益剰余金の増加5億65百万円、ならびにその他有価証券評価差額金の増加2億82百万円、ならびに自己株式の増加1億19百万円等によるものであります。
(3) 経営成績
①売上高
当連結会計年度は、全セグメントに共通する売上増加要因として、2019年10月の報酬改定および特定処遇改善加算創設がありました。また、在宅系介護事業セグメントおよびその他セグメントの一部事業において、新型コロナウイルス感染症の影響を受けましたが、セグメント全体の業績に対する影響は軽微なものにとどまりました。各セグメント固有の増減要因については、在宅系介護事業セグメントにおいて、主に訪問介護事業所を積極的に開設したことにより売上高が拡大いたしました。施設系介護事業セグメントにおいては、開設数は多くなかったものの、既存施設の入居促進に集中的に取り組んだことが奏功し売上高が拡大いたしました。また、その他のセグメントにおいては、保育事業、障がい児通所支援事業、訪問看護事業等で新規に出店したことから売上高が拡大いたしました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べて30億19百万円増加し、339億84百万円となりました。
②売上原価
当連結会計年度は、在宅系、施設系介護事業セグメント共通の売上原価増加要因として、2019年10月の特定処遇改善加算創設による介護職員の人件費増加がありました。各セグメント固有の増減要因については、在宅系介護事業セグメントにおいて、訪問介護事業所の積極的開設に伴う、当事業の従業員数増加により人件費が増加いたしました。施設系介護事業セグメントにおいては、稼働率改善に伴う、食材仕入および従業員数増加により人件費が増加するとともに、新規施設開設に伴う固定費増加により、売上原価が増加いたしました。また、その他のセグメントにおいては、保育事業、障がい児通所支援事業、訪問看護事業等で新規に出店したことから、これら事業所に係る人件費を始めとする固定費の増加により、売上原価が増加いたしました。これらの結果、当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べて22億8百万円増加し、263億33百万円となりました。その結果、売上総利益は前連結会計年度に比べて8億11百万円増加し、76億50百万円となりました。
③販売費及び一般管理費
当連結会計年度は、各セグメント共通の販売費及び一般管理費増加要因として、各事業部の組織体制強化を目的に、エリアマネージャーを増員したことに加えて、新型コロナウイルス感染症への備えとして、消毒剤、防護具、パーティション設置、PCR検査費用等の発生により、各セグメントに配賦される共通経費の増大がありました。各セグメント固有の増減要因については、在宅系介護事業セグメントにおいて、訪問介護事業所の積極的開設に伴う、初期投資および固定費の増加により、販売費及び一般管理費が増加いたしました。施設系介護事業セグメントにおいては、既存施設の入居促進のためのコストの発生により、販売費及び一般管理費が増加いたしました。また、その他のセグメントにおいては、保育事業、障がい児通所支援事業、訪問看護事業等で新規に出店したことから、これら事業所に係る家賃を始めとした固定費増加に加えて、新規事業および海外事業において、先行投資に係るコストの発生により、販売費及び一般管理費が増加いたしました。これらの結果、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べて5億84百万円増加し、62億96百万円となりました。その結果、営業利益は前連結会計年度に比べて2億26百万円増加し、13億53百万円となりました。
④営業外損益
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べて53百万円増加し、4億86百万円となり、また、当連結会計年度の営業外費用は、前連結会計年度に比べて49百万円増加し、7億18百万円となりました。営業外収益増加の主因は、主に調整額において、各自治体から支給された新型コロナウイルス関連補助金を収益計上したことによって、補助金収入が43百万円増加したことであり、営業外費用増加の主因は、主に施設系介護事業セグメントにおいて、リース資産の利息が28百万円増加したことにより、支払利息が38百万円増加したことであります。その結果、経常利益は前連結会計年度に比べて2億30百万円増加し、11億21百万円となりました。
⑤特別損益
当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度に比べて6百万円減少し、35百万円となり、また、当連結会計年度の特別損失は、前連結会計年度に比べて3億7百万円減少し、1億5百万円となりました。特別損失減少の主因は、在宅系介護事業セグメントにおける減損損失の減少3億53百万円などにより、減損損失が3億7百万円減少したことであります。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べて4億11百万円増加し、7億11百万円となりました。
(4) 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、長期的・継続的な企業価値の向上及び株主資本の効率的活用が重要であると認識しており、売上高伸長率、売上高経常利益率並びにROE(自己資本利益率)を主要な経営指標として位置づけております。
当社グループは、介護事業の市場拡大基調が継続するとの予測に基づき、売上高および市場占有率拡大を優先することが経営指標の持続的向上に寄与するとの判断から、積極的に事業所の開設を進めてまいりました。このような方針の下、当連結会計年度の売上高伸長率は9.8%となり、概ね二桁成長を確保いたしました。また、売上高経常利益率は、前連結会計年度比0.4ポイント改善し3.3%、ROE(自己資本利益率)は、前連結会計年度比7.5ポイント改善し15.0%となりました。今後も引き続き、在宅系介護事業セグメントでは稼働時間の増加、施設系介護事業セグメントでは空床率および入院率の低減を図ることによって、これらの指標を向上させるべく努めてまいります。
(5) 資本の財源及び資金の流動性に関する情報
当連結会計年度に係るキャッシュ・フローにつきましては、「経営成績等の状況の概要 (3) キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。
当社グループの資金需要のうち主なものは、新規開設に係る設備資金(主に、介護施設備品、保育所建設工事等の初期投資)と人件費であります。人件費については自己資金、新規開設に係る設備資金については金融機関からの借入金により賄い、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
(1) 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行による移動制限、活動制限が実施され、東京オリンピックをはじめ開催が予定されていたイベントのほとんどが中止または延期になる等甚大な打撃を受けました。また、4月には国内での感染拡大を受けた緊急事態宣言が発出され個人消費が急速に減少したことも相まって未曾有の危機に瀕しておりましたが、緊急事態宣言解除後は移動制限、活動制限も段階的に解除されていったことにより各種指標動向も下げ止まりつつあります。しかし、冬の到来によって感染者が増加に転じており、経済活動と感染対策の双方に注力しなければならない厳しい状況が継続しております。
海外においても同様に、中国武漢における都市封鎖を皮切りに欧州、米国、アジア、南米、ロシア、インドと感染拡大の速度や時期は異なるものの、多くの国で移動制限、活動制限が実施され、輸出入、企業活動、個人消費など経済活動全般に停滞が見られました。また、これらの影響は資本市場、商品市場にも波及し、資本市場においてはダウ平均株価が乱高下する事態に見舞われ、商品市場においても原油先物価格が一時史上初のマイナス価格を付けるなど異常事態が頻発しました。その後の各国における過去に類を見ない規模の財政・金融政策の実施により混乱は収束したと考えられますが、欧米諸国での感染者急増を受け、一部の国、地域において、経済活動が再び制限されるなど、予断を許さない状況が続いております。
一方、景気の先行きにつきましては、感染の世界的大流行により引き起こされた行動の変容による生産性の向上が期待されております。しかしながら、経済活動を再開した国、地域においても引き続き感染防止策を徹底するとともに、社会的距離を確保した上での経済活動を余儀なくされることから、個人消費の急激な回復が見込み難いことに加え、総需要低迷の長期化に伴い、企業倒産の拡大および失業者の増加が懸念されます。また、急激な財政・金融政策実施に伴う過剰流動性の副作用として、極めて広範囲において実体経済の回復を伴わない金融資産の高騰が生じており、その抑制や出口戦略といった難題が山積するなど、予断を許さない状況の継続が予想されます。
介護業界におきましては、高齢化率が年々上昇し、介護サービスの需要が益々高まりつつありますが、介護従事者については、有効求人倍率が高い数値で推移しており、人財の確保が経営上の最重要課題となっております。その対応策の一つとして、2019年10月には消費増税による負担増の緩和のため、基本報酬が増額改定されるとともに、介護職員特定処遇改善加算が制定されました。
このような状況の下、当社グループは、ご利用者に品質の高いサービスを提供するため、介護職員の処遇改善および研修体制の充実に努めるとともに、独自に創設した「誰伸び人事制度」の更なる進化に加え、社内求職者紹介制度の積極的な活用、更には、あらゆる世代の従業員が生きがいを持って働き続けられるための定年制度撤廃や全パートタイマーの有期から無期雇用契約への変更等、従業員が働きやすい環境を整備することによって雇用の安定 に努めております。
また、上述の介護職員特定処遇改善加算については、事業所のリーダー層およびリーダー候補層の処遇改善を重視した還元策を導入・実施し、これら中核層の従業員の満足度向上にも努めております。
緊急事態宣言下においては、多くの業界で営業自粛が求められる中、介護業界に関してはご利用者やご家族が健やかな生活を送る上で必要不可欠なサービスであることから、政府、自治体から事業継続要請がなされました。
当社グループにおきましては、福祉サービスがご利用者の生活に必要不可欠なサービスであると改めて強く認識するとともに、特に介護の現場においては高齢のご利用者と直に触れ合うことを前提に、新しい生活様式の趣旨を勘案し、感染リスク、感染拡大リスクを可能な限り抑制するため感染症対策を徹底しつつ、ご利用者に寄り添った介護を継続できるよう最善を尽くしてまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は339億84百万円(前年同期比9.8%増)、営業利益13億53百万円(同20.1%増)、経常利益11億21百万円(同25.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は7億11百万円(同136.8%増)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。なお、セグメント別の各金額は、セグメント間取引等相殺消去前の金額によっております。また、当連結会計年度より、報告セグメントとして記載する事業セグメントの区分を変更するとともに、セグメント共通経費の配賦方法を変更しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)セグメント情報」の「1 報告セグメントの概要」をご参照ください。前年同期比較については、前年同期の数値を変更後の区分で組替えた数値で比較しております。
①在宅系介護事業
当事業におきましては、当連結会計年度において、宮城県に1拠点、東京都に5拠点、京都府に2拠点、大阪府に5拠点、兵庫県に3拠点の計16拠点を出店いたしました。出店に際しては緻密なマーケティングと十分な人材育成をベースに推し進め、早期黒字化を図るとともに、介護職の処遇改善に努めてまいりました。その結果、当連結会計年度の売上高は114億53百万円(前年同期比5.0%増)、セグメント利益は14億73百万円(同16.7%増)となりました。
②施設系介護事業
当事業におきましては、当連結会計年度において、東京都に1施設、千葉県に1施設、兵庫県に1施設の計3施設をオープンいたしました。また、前期および当連結会計年度にオープンした施設の稼働率向上のため、重点的に営業を行ったことが奏功し、当事業の業績は改善しております。その結果、当連結会計年度の売上高は182億28百万円(前年同期比12.2%増)、セグメント利益は8億52百万円(同32.2%増)となりました。今後も引き続き入居者獲得に注力し、収益改善に取組んでまいります。
③その他
その他の事業におきましては、ご利用者の安心・安全・利便・生きがいを提供するため、障がい者(児)通所支援サービス、訪問看護サービス、ダイニング事業、保育事業等において積極的な営業展開を図り、売上伸長に注力いたしました。当連結会計年度において、東京都および大阪府において開設いたしました認可保育所に対して自治体から支給が決定された補助金を営業外収益に計上しております。一方で、新規事業において先行投資に係るコストが発生したことで利益が押し下げられております。その結果、当連結会計年度の売上高は67億56百万円(前年同期比16.6%増)、セグメント利益は5億3百万円(同6.2%減)となりました。
地域別在宅系介護事業所数の推移
| 区分 | 2019年10月期末 | 2020年10月期末 | 増減 | |
| 大阪府 | 訪問介護 | 65 | 71 | 6 |
| 居宅介護支援 | 30 | 30 | ― | |
| デイサービス | 7 | 6 | △1 | |
| その他 | 3 | 3 | ― | |
| 兵庫県 | 訪問介護 | 19 | 21 | 2 |
| 居宅介護支援 | 3 | 4 | 1 | |
| その他 | 2 | 1 | △1 | |
| 京都府 | 訪問介護 | 5 | 7 | 2 |
| 居宅介護支援 | 1 | 1 | ― | |
| デイサービス | 1 | 1 | ― | |
| その他 | 7 | 7 | ― | |
| 東京都 | 訪問介護 | 43 | 47 | 4 |
| 居宅介護支援 | 27 | 26 | △1 | |
| デイサービス | 5 | 5 | ― | |
| その他 | 1 | 1 | ― | |
| 神奈川県 | 訪問介護 | 5 | 4 | △1 |
| 居宅介護支援 | 1 | ― | △1 | |
| 埼玉県 | 訪問介護 | 1 | 1 | ― |
| 居宅介護支援 | 1 | 1 | ― | |
| 愛知県 | 訪問介護 | 7 | 7 | ― |
| 居宅介護支援 | 2 | 2 | ― | |
| デイサービス | 3 | 3 | ― | |
| その他 | 3 | 3 | ― | |
| 福岡県 | 訪問介護 | 6 | 6 | ― |
| 居宅介護支援 | 1 | 1 | ― | |
| デイサービス | 4 | 4 | ― | |
| その他 | 1 | 1 | ― | |
| 広島県 | 訪問介護 | 2 | 2 | ― |
| 宮城県 | 訪問介護 | 3 | 4 | 1 |
| 居宅介護支援 | 2 | 1 | △1 | |
| 合 計 | 261 | 271 | 10 | |
地域別施設系介護事業所数の推移
| 区分 | 2019年10月期末 | 2020年10月期末 | 増減 | |
| 大阪府 | 有料老人ホーム | 11 | 11 | ― |
| グループホーム | 18 | 18 | ― | |
| 兵庫県 | 有料老人ホーム | 5 | 6 | 1 |
| グループホーム | 12 | 12 | ― | |
| 京都府 | 有料老人ホーム | 2 | 2 | ― |
| グループホーム | 12 | 12 | ― | |
| 東京都 | 有料老人ホーム | 10 | 11 | 1 |
| グループホーム | 14 | 14 | ― | |
| 千葉県 | 有料老人ホーム | 2 | 3 | 1 |
| グループホーム | 2 | 2 | ― | |
| 神奈川県 | 有料老人ホーム | 3 | 3 | ― |
| グループホーム | 3 | 3 | ― | |
| 埼玉県 | 有料老人ホーム | 3 | 3 | ― |
| 愛知県 | 有料老人ホーム | 3 | 3 | ― |
| グループホーム | 6 | 6 | ― | |
| 福岡県 | グループホーム | 4 | 4 | ― |
| 広島県 | 有料老人ホーム | 1 | 1 | ― |
| グループホーム | 2 | 2 | ― | |
| 宮城県 | グループホーム | 1 | 1 | ― |
| 合 計 | 114 | 117 | 3 | |
その他の事業所数の推移
| 区分 | 2019年10月期末 | 2020年10月期末 | 増減 | |
| 大阪府 | 訪問看護 | 3 | 4 | 1 |
| 障がい児通所支援 | 10 | 12 | 2 | |
| 認可保育所 | 2 | 3 | 1 | |
| 介護人材の教育 | 8 | 8 | ― | |
| ダイニング | 13 | 14 | 1 | |
| その他 | 6 | 8 | 2 | |
| 兵庫県 | 訪問看護 | 1 | 2 | 1 |
| 障がい児通所支援 | 1 | 2 | 1 | |
| 介護人材の教育 | 2 | 2 | ― | |
| ダイニング | 5 | 6 | 1 | |
| その他 | 1 | 2 | 1 | |
| 京都府 | 訪問看護 | 2 | 2 | ― |
| 介護人材の教育 | 1 | 1 | ― | |
| ダイニング | 1 | 1 | ― | |
| その他 | 1 | 1 | ― | |
| 奈良県 | 介護人材の教育 | 1 | 1 | ― |
| 滋賀県 | 介護人材の教育 | 1 | 1 | ― |
| 東京都 | 訪問看護 | 1 | 1 | ― |
| 障がい児通所支援 | 2 | 2 | ― | |
| 認可保育所 | 2 | 3 | 1 | |
| 介護人材の教育 | 5 | 5 | ― | |
| ダイニング | 12 | 14 | 2 | |
| その他 | 7 | 7 | ― | |
| 千葉県 | 介護人材の教育 | ― | 1 | 1 |
| ダイニング | 3 | 3 | ― | |
| 神奈川県 | 介護人材の教育 | 1 | 1 | ― |
| ダイニング | 3 | 3 | ― | |
| 埼玉県 | 介護人材の教育 | 1 | 1 | ― |
| ダイニング | 3 | 3 | ― | |
| 愛知県 | 介護人材の教育 | 3 | 4 | 1 |
| ダイニング | 3 | 3 | ― | |
| 三重県 | 介護人材の教育 | 1 | ― | △1 |
| 岐阜県 | 介護人材の教育 | 1 | 1 | ― |
| 福岡県 | 訪問看護 | 1 | 1 | ― |
| 介護人材の教育 | 1 | 1 | ― | |
| 広島県 | ダイニング | 1 | 1 | ― |
| 合 計 | 110 | 125 | 15 | |
(注)当連結会計年度より、事業所数の推移をセグメント別に記載しております。
(2) 財政状態の状況
① 資産
当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べ24億45百万円増加し、362億65百万円となりました。
② 負債
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ17億5百万円増加し、311億45百万円となりました。
③ 純資産
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ7億40百万円増加し、51億19百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度末に比べ16億92百万円増加し、29億25百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況と増減要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により得られた資金は、29億26百万円(前年同期は21億33百万円の収入)となりました。これは主として減価償却費13億90百万円、税金等調整前当期純利益10億51百万円、利息の支払額7億5百万円、法人税等の支払額4億85百万円、未払金の増加4億56百万円、賞与引当金の増加3億45百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、11億57百万円(前年同期は10億40百万円の支出)となりました。これは主として有形固定資産の取得による支出6億74百万円、関係会社株式の取得による支出3億18百万円、差入保証金の差入による支出1億93百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入81百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は、77百万円(前年同期は12億60百万円の支出)となりました。これは主として長期借入金の純増による収入11億32百万円、リース債務の返済による支出9億38百万円、配当金の支払額1億45百万円、自己株式の取得による支出1億25百万円等によるものであります。
(4) 生産、受注及び販売の実績
① 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年11月1日 至 2020年10月31日) | |
| 仕入高(千円) | 前年同期比(%) | |
| 在宅系介護事業 | 85,370 | 93.2 |
| 施設系介護事業 | 157,562 | 96.4 |
| その他 | 1,194,582 | 111.8 |
| 合計 | 1,437,515 | 108.6 |
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 「その他」の仕入の主な内容は、福祉用具、食材及び介護用品、並びに教材の仕入等に係るものであります。
3 当連結会計年度より、報告セグメントとして記載する事業セグメントの区分を変更するとともに、セグメント共通経費の配賦方法を変更しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)セグメント情報」の「1 報告セグメントの概要」をご参照ください。前年同期比較については、前年同期の数値を変更後の区分で組替えた数値で比較しております。
4 セグメント間取引については、相殺消去しております。
② 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年11月1日 至 2020年10月31日) | ||
| 販売高(千円) | 前年同期比(%) | ||
| 在宅系介護事業 | 11,453,607 | 105.0 | |
| 施設系介護事業 | 18,228,409 | 112.2 | |
| その他 | 4,302,290 | 112.8 | |
| 合計 | 33,984,307 | 109.8 | |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 当連結会計年度より、報告セグメントとして記載する事業セグメントの区分を変更するとともに、セグメント共通経費の配賦方法を変更しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)セグメント情報」の「1 報告セグメントの概要」をご参照ください。前年同期比較については、前年同期の数値を変更後の区分で組替えた数値で比較しております。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年11月1日 至 2019年10月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年11月1日 至 2020年10月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 大阪府国民健康保険 団体連合会 | 7,181,579 | 23.2 | 7,669,820 | 22.6 |
| 東京都国民健康保険 団体連合会 | 4,376,746 | 14.1 | 4,667,081 | 13.7 |
4 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 生産、受注の状況
該当事項はありません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループは、連結財務諸表作成にあたって、適切な会計方針を選択し、減損会計における将来キャッシュ・フローの見積りを始めとする、固有の見積りや判断が必要な事象については過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるためこれらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループが採用した会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)5 会計方針に関する事項」をご参照ください。
また、新型コロナウイルス感染症の国内における感染状況については、緊急事態宣言が全国で解除されるなど、一時は感染が収束に向かっておりましたが、冬の到来による感染の拡大を抑えるため、2021年1月7日に緊急事態宣言が再発令されるなど依然として収束時期は不透明であります。ここに来てワクチン開発も見込まれておりますが、感染症の影響は少なくとも次期(2021年10月期)いっぱいはあるものと想定しております。このような環境下ではありますが、当社グループが主力とする介護事業は、ご利用者やそのご家族が健やかな生活を送る上で必要不可欠なサービスであることから、これまで、緊急事態宣言下においても、政府、自治体から事業継続が要請されました。そのため、翌連結会計年度以降においても、事業環境が著しく悪化する可能性は極めて低いと仮定し、当該仮定を会計上の見積りに反映しております。
(2) 財政状態
当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べ24億45百万円増加し、362億65百万円となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ22億57百万円増加し、96億27百万円となりました。これは主として、現金及び預金の増加16億92百万円、売掛金の増加3億35百万円、およびその他の増加2億24百万円によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末に比べ1億88百万円増加し、266億37百万円となりました。これは主として、投資有価証券の増加7億29百万円、建物(純額)の増加4億51百万円、および差入保証金の増加71百万円、ならびにリース資産(純額)の減少12億10百万円によるものであります。
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ17億5百万円増加し、311億45百万円となりました。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ18億94百万円増加し、87億70百万円となりました。これは主として、未払金の増加4億63百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加4億60百万円、預り金の増加4億11百万円、賞与引当金の増加3億48百万円、および前受金の増加2億3百万円によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末に比べ1億89百万円減少し、223億74百万円となりました。これは主として、長期借入金の増加6億81百万円、および繰延税金負債の増加64百万円、ならびにリース債務の減少9億79百万円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ7億40百万円増加し、51億19百万円となりました。これは主として、親会社株主に帰属する当期純利益の計上および配当金の支払いによる利益剰余金の増加5億65百万円、ならびにその他有価証券評価差額金の増加2億82百万円、ならびに自己株式の増加1億19百万円等によるものであります。
(3) 経営成績
①売上高
当連結会計年度は、全セグメントに共通する売上増加要因として、2019年10月の報酬改定および特定処遇改善加算創設がありました。また、在宅系介護事業セグメントおよびその他セグメントの一部事業において、新型コロナウイルス感染症の影響を受けましたが、セグメント全体の業績に対する影響は軽微なものにとどまりました。各セグメント固有の増減要因については、在宅系介護事業セグメントにおいて、主に訪問介護事業所を積極的に開設したことにより売上高が拡大いたしました。施設系介護事業セグメントにおいては、開設数は多くなかったものの、既存施設の入居促進に集中的に取り組んだことが奏功し売上高が拡大いたしました。また、その他のセグメントにおいては、保育事業、障がい児通所支援事業、訪問看護事業等で新規に出店したことから売上高が拡大いたしました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べて30億19百万円増加し、339億84百万円となりました。
②売上原価
当連結会計年度は、在宅系、施設系介護事業セグメント共通の売上原価増加要因として、2019年10月の特定処遇改善加算創設による介護職員の人件費増加がありました。各セグメント固有の増減要因については、在宅系介護事業セグメントにおいて、訪問介護事業所の積極的開設に伴う、当事業の従業員数増加により人件費が増加いたしました。施設系介護事業セグメントにおいては、稼働率改善に伴う、食材仕入および従業員数増加により人件費が増加するとともに、新規施設開設に伴う固定費増加により、売上原価が増加いたしました。また、その他のセグメントにおいては、保育事業、障がい児通所支援事業、訪問看護事業等で新規に出店したことから、これら事業所に係る人件費を始めとする固定費の増加により、売上原価が増加いたしました。これらの結果、当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べて22億8百万円増加し、263億33百万円となりました。その結果、売上総利益は前連結会計年度に比べて8億11百万円増加し、76億50百万円となりました。
③販売費及び一般管理費
当連結会計年度は、各セグメント共通の販売費及び一般管理費増加要因として、各事業部の組織体制強化を目的に、エリアマネージャーを増員したことに加えて、新型コロナウイルス感染症への備えとして、消毒剤、防護具、パーティション設置、PCR検査費用等の発生により、各セグメントに配賦される共通経費の増大がありました。各セグメント固有の増減要因については、在宅系介護事業セグメントにおいて、訪問介護事業所の積極的開設に伴う、初期投資および固定費の増加により、販売費及び一般管理費が増加いたしました。施設系介護事業セグメントにおいては、既存施設の入居促進のためのコストの発生により、販売費及び一般管理費が増加いたしました。また、その他のセグメントにおいては、保育事業、障がい児通所支援事業、訪問看護事業等で新規に出店したことから、これら事業所に係る家賃を始めとした固定費増加に加えて、新規事業および海外事業において、先行投資に係るコストの発生により、販売費及び一般管理費が増加いたしました。これらの結果、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べて5億84百万円増加し、62億96百万円となりました。その結果、営業利益は前連結会計年度に比べて2億26百万円増加し、13億53百万円となりました。
④営業外損益
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べて53百万円増加し、4億86百万円となり、また、当連結会計年度の営業外費用は、前連結会計年度に比べて49百万円増加し、7億18百万円となりました。営業外収益増加の主因は、主に調整額において、各自治体から支給された新型コロナウイルス関連補助金を収益計上したことによって、補助金収入が43百万円増加したことであり、営業外費用増加の主因は、主に施設系介護事業セグメントにおいて、リース資産の利息が28百万円増加したことにより、支払利息が38百万円増加したことであります。その結果、経常利益は前連結会計年度に比べて2億30百万円増加し、11億21百万円となりました。
⑤特別損益
当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度に比べて6百万円減少し、35百万円となり、また、当連結会計年度の特別損失は、前連結会計年度に比べて3億7百万円減少し、1億5百万円となりました。特別損失減少の主因は、在宅系介護事業セグメントにおける減損損失の減少3億53百万円などにより、減損損失が3億7百万円減少したことであります。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べて4億11百万円増加し、7億11百万円となりました。
(4) 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、長期的・継続的な企業価値の向上及び株主資本の効率的活用が重要であると認識しており、売上高伸長率、売上高経常利益率並びにROE(自己資本利益率)を主要な経営指標として位置づけております。
当社グループは、介護事業の市場拡大基調が継続するとの予測に基づき、売上高および市場占有率拡大を優先することが経営指標の持続的向上に寄与するとの判断から、積極的に事業所の開設を進めてまいりました。このような方針の下、当連結会計年度の売上高伸長率は9.8%となり、概ね二桁成長を確保いたしました。また、売上高経常利益率は、前連結会計年度比0.4ポイント改善し3.3%、ROE(自己資本利益率)は、前連結会計年度比7.5ポイント改善し15.0%となりました。今後も引き続き、在宅系介護事業セグメントでは稼働時間の増加、施設系介護事業セグメントでは空床率および入院率の低減を図ることによって、これらの指標を向上させるべく努めてまいります。
(5) 資本の財源及び資金の流動性に関する情報
当連結会計年度に係るキャッシュ・フローにつきましては、「経営成績等の状況の概要 (3) キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。
当社グループの資金需要のうち主なものは、新規開設に係る設備資金(主に、介護施設備品、保育所建設工事等の初期投資)と人件費であります。人件費については自己資金、新規開設に係る設備資金については金融機関からの借入金により賄い、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。