有価証券報告書-第29期(2021/11/01-2022/10/31)
当連結会計年度より会計方針を変更しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。
(経営成績等の状況の概要)
(1) 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大第6波への対処として、2022年1月から3月にまん延防止等重点措置が一部地域に適用されましたが、第7波では過去最高の感染者数を記録しながらも、社会活動の継続のため行動制限は課されず、感染者が減少し始めるとGo To Eat事業の再開や全国旅行支援事業が開始されたことから、飲食業や観光業を中心に活気を取り戻しつつもあります。しかし、ウクライナ情勢の深刻化、急激な円安進行等により、資源・エネルギー価格、食料品価格の引き上げが相次いだことによって、景気の回復は勢いを欠いたものとなっております。また、海外においても、経済活動の制限が緩和されてはいるものの、インフレ高進とそれに対応するための金融政策引き締め等の影響を受け、景気の減速が鮮明になっております。
一方、景気の先行きについては、供給網の混乱やウクライナ情勢が長期化の様相を呈しており、インフレの長期化が懸念されております。また、米国を始めとする各国中央銀行による金融政策引き締めの波及効果による、先進国の景気後退リスクの更なる上昇、途上国を中心とした債務不履行リスクの増大が懸念される等、世界経済は様々な下振れリスクに晒されていることから、予断を許さない状況が予想されます。
介護業界においては、高齢化率が年々上昇し、介護サービスの需要が益々高まりつつありますが、介護従事者については、有効求人倍率が高い数値で推移しており、人財の確保が経営上の最重要課題となっております。その対応策の一つとして、2019年10月には消費増税による負担増の緩和のため、基本報酬が増額改定されるとともに、介護職員等特定処遇改善加算が制定されました。また、2021年4月に介護報酬が改定され、基本報酬が増額改定されるとともに、加算報酬が新設されたことから、コストと報酬のバランスを見極めた上で、加算報酬の算定に向けた取り組みを進めております。更に、本年2月からは福祉・介護職員の更なる処遇改善を目的として、政府による「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」に基づき、介護職員処遇改善支援補助金及び福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金(以下、処遇改善支援補助金とします。)が実施されております。本年10月以降は、処遇改善支援補助金に相当する金額が介護報酬に組入れられております。
このような状況の下、当社グループは、ご利用者に品質の高いサービスを提供するため、介護職員の処遇改善及び研修体制の充実に努めるとともに、独自に創設した「誰伸び人事制度」の更なる進化に加え、社内求職者紹介制度の積極的な活用、更には、あらゆる世代の従業員が生きがいを持って働き続けられるための定年制度撤廃や全パートタイマーの有期雇用契約から無期雇用契約への変更等、従業員が働きやすい環境を整備することによって雇用の安定に努めております。
また、上述の介護職員等特定処遇改善加算については、事業所のリーダー層及びリーダー候補層の処遇改善を重視した還元策を導入・実施し、これら中核層の従業員の満足度向上にも努めております。処遇改善支援補助金については、制度趣旨を踏まえ、処遇改善が福祉・介護職員に行き亘るような還元策を導入致しております。
新型コロナウイルス対応の中で、当社グループは、福祉サービスがご利用者の生活に必要不可欠なサービスであると改めて認識し、感染対策を一層強化するとともに人員体制の充実に注力し、サービス提供の継続に努めてまいりました。
しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大第7波以降において、施設系介護事業における入居時期の先送り、在宅系介護事業の一部で利用控えが増加したことにより、売上高の成長率に鈍化が見られ、感染予防、感染対策費用が増大するとともに、サービス提供体制の維持に要する人員確保のコストが大幅に増加いたしました。加えて、ウクライナ情勢の長期化や急激な円安進行によって、既に上昇しつつあった資源・エネルギー価格が一層高騰する中、食料品や消耗品に続き、水道光熱費についても徐々に上昇し、全社的なコストの増大を抑えることができませんでした。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は383億98百万円(前年同期比5.6%増)、営業利益11億7百万円(同26.5%減)、経常利益11億57百万円(同31.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は6億30百万円(同32.7%減)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。なお、セグメント別の各金額は、セグメント間取引等相殺消去前の金額によっております。
① 在宅系介護事業
当事業については、当連結会計年度において、大阪府に4拠点、東京都に6拠点、兵庫県に2拠点、神奈川県に2拠点、京都府に1拠点、福岡県に1拠点、宮城県に1拠点、奈良県に2拠点、滋賀県に2拠点、千葉県に2拠点、広島県に1拠点の計24拠点を出店いたしました。出店に際しては緻密なマーケティングと十分な人財育成をベースに推し進め、早期黒字化を目指すとともに、介護職の処遇改善に努めてまいりました。その結果、当連結会計年度の売上高は134億96百万円(前年同期比9.4%増)、セグメント利益は24億57百万円(同21.2%増)となりました。
② 施設系介護事業
当事業については、当連結会計年度において、東京都に2拠点、京都府に1拠点、埼玉県に3拠点、兵庫県に1拠点の計7拠点を出店いたしました。新規出店により売上高としては成長しておりますが、新型コロナウイルス第7波以降に入居ペースの低下が見られ、事前の計画に対する進捗未達が顕著となりました。また、当事業は集団での生活と介護を前提としていることから、集団感染のリスクが相対的に高いため、人件費を含む感染対策費用が他の事業に比べ増大したことが、当事業の利益を大きく圧迫することとなりました。その結果、当連結会計年度の売上高は193億3百万円(前年同期比3.0%増)、セグメント利益は7億24百万円(同31.5%減)となりました。入居ペースの低下に対して、従来とは異なるアプローチの入居促進を開始し、新規の入居者獲得に注力し、収益改善に取組んでまいります。
③その他
その他の事業については、障がい者の雇用確保と活躍の機会の拡大を目的として、軽作業請負事業にて新規事業を開始し1拠点を出店いたしました。既存事業では、障がい者(児)通所支援サービスにて2拠点、ダイニング事業にて5拠点、保育事業にて2拠点の計10拠点を出店いたしました。積極的な営業展開を図り、売上及び利益伸長に注力しましたが、保育事業及び感染対策系の補助金の前連結会計年度からの減少額を補填するに至りませんでした。なお、当連結会計年度において、東京都及び大阪府において開設いたしました認可保育所に対して自治体から支給が決定された補助金を営業外収益に計上しております。その結果、当連結会計年度の売上高は84億88百万円(前年同期比6.2%増)、セグメント利益は8億79百万円(同3.3%減)となりました。
地域別在宅系介護事業所数の推移
地域別施設系介護事業所数の推移
その他の事業所数の推移
(2) 財政状態の状況
① 資産
当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べ12億21百万円減少し、363億78百万円となりました。
② 負債
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ9億23百万円減少し、299億2百万円となりました。
③ 純資産
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ2億98百万円減少し、64億75百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ9億53百万円減少し、18億69百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、11億13百万円(前年同期は26億11百万円の収入)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益10億21百万円、減価償却費14億42百万円、未払金の増加額1億62百万円による資金の増加、及び賞与引当金の減少額1億33百万円、利息の支払額6億29百万円、法人税等の支払額4億40百万円、売上債権の増加額3億22百万円による資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、13億94百万円(前年同期は13億80百万円の支出)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出7億63百万円、差入保証金の差入による支出3億48百万円、無形固定資産の取得による支出1億65百万円による資金の減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、6億79百万円(前年同期は13億34百万円の支出)となりました。これは主として、長期借入れによる収入21億円、短期借入金の純増加額4億円による資金の増加、及び長期借入金の返済による支出19億36百万円、リース債務の返済による支出10億13百万円、配当金の支払額2億28百万円による資金の減少によるものであります。
(4) 生産、受注及び販売の実績
① 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 「その他」の仕入の主な内容は、福祉用具、食材及び介護用品、並びに教材の仕入等に係るものであります。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
② 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
③ 生産、受注の状況
該当事項はありません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループは、連結財務諸表作成にあたって、適切な会計方針を選択し、減損会計における将来キャッシュ・フローの見積りを始めとする、固有の見積りや判断が必要な事象については過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるためこれらの見積りと異なる場合があります。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。
なお、当社グループが採用した会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)6 会計方針に関する事項」をご参照ください。
また、新型コロナウイルス感染症の国内における感染状況については、感染状況の改善を受け、Go To Eat事業の再開や全国旅行支援事業が開始されましたが、足元の新型コロナウイルス感染者が増加傾向にあることに加えて、中国において、いわゆる「ゼロコロナ政策」が見直され、感染者が急増する等予断を許さない状況であります。こうした状況を踏まえ、感染症の影響は少なくとも次期(2023年10月期)いっぱいはあるものと想定しております。このような環境下ではありますが、当社グループが主力とする介護事業は、ご利用者やそのご家族が健やかな生活を送る上で必要不可欠なサービスであることから、翌連結会計年度以降においても、事業環境が著しく悪化する可能性は極めて低いと仮定し、当該仮定を会計上の見積りに反映しております。
(2) 財政状態
当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べ12億21百万円減少し、363億78百万円となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ1億29百万円減少し、96億72百万円となりました。これは主として、売掛金の増加3億22百万円、その他の流動資産の増加4億94百万円、及び現金及び預金の減少9億53百万円によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は、固定資産は前連結会計年度末に比べ10億91百万円減少し、267億6百万円となりました。これは主として、リース資産(純額)の減少11億46百万円、投資有価証券の減少10億13百万円、及び建物(純額)の増加4億62百万円、差入保証金の増加2億28百万円、ソフトウエアの増加2億21百万円によるものであります。
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ9億23百万円減少し、299億2百万円となりました。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ2億1百万円増加し、94億28百万円となりました。これは主として、短期借入金の増加4億円、未払金の増加2億81百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加1億11百万円、及び未払法人税等の減少2億47百万円、預り金の減少1億92百万円、賞与引当金の減少1億33百万円によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末に比べ11億24百万円減少し、204億74百万円となりました。これは主として、リース債務の減少10億46百万円、繰延税金負債の減少2億1百万円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ2億98百万円減少し、64億75百万円となりました。これは主として、親会社株主に帰属する当期純利益を6億30百万円計上する一方、配当金を2億28百万円支払ったことによる利益剰余金の増加3億90百万円、及びその他有価証券評価差額金の減少7億19百万円によるものであります。
(3) 経営成績
① 売上高
当連結会計年度は、全セグメントに共通する売上増加要因として、2022年2月から処遇改善臨時特例交付金の交付が開始されました。各セグメント固有の増減要因については、在宅系介護事業セグメントにおいて、主に訪問介護事業所を積極的に開設したことに加え、加算報酬の取得を進めたことにより売上高が拡大いたしました。施設系介護事業セグメントにおいては、新型コロナウイルス第7波以降に入居ペースの低下が見られ、売上高の拡大が鈍化いたしました。また、その他のセグメントにおいては、介護人財の教育事業が好調であったことに加えて、保育事業、障がい児通所支援事業、訪問看護事業等で新規出店を進めたことから売上高が拡大いたしました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べて20億37百万円増加し、383億98百万円となりました。
② 売上原価
当連結会計年度は、在宅系介護事業セグメントにおいて、訪問介護事業所の積極的開設に伴う、当事業の従業員数増加により人件費が増加いたしました。施設系介護事業セグメントにおいても、新規施設開設に伴う従業員数増加、従業員が新型コロナウイルスに感染した際の代替人員の確保による人件費増加により、売上原価が増加いたしました。また、その他のセグメントにおいては、保育事業、障がい児通所支援事業、訪問看護事業等で新規に出店したことから、これら事業所に係る人件費を始めとする固定費の増加により、売上原価が増加いたしました。これらの結果、当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べて15億1百万円増加し、291億27百万円となりました。その結果、売上総利益は前連結会計年度に比べて5億36百万円増加し、92億70百万円となりました。
③ 販売費及び一般管理費
当連結会計年度は、各セグメント共通の販売費及び一般管理費増加要因として、消耗品等の価格や水道光熱費、求人単価の上昇が挙げられます。各セグメント固有の増減要因については、在宅系介護事業セグメントにおいて、訪問介護事業所の積極的開設に伴う、初期投資及び固定費の増加により、販売費及び一般管理費が増加いたしました。施設系介護事業セグメントにおいては、セグメント共通の増加要因の影響がより顕著だったことに加え、入居ペースの鈍化対策として入居促進費用を重点的に投入したことにより、販売費及び一般管理費が増加いたしました。その他のセグメントにおいては、保育事業、障がい児通所支援事業、訪問看護事業等で新規に出店したことから、これら事業所に係る家賃を始めとした固定費増加に加えて、新規事業及び海外事業において、先行投資に係るコストの発生により、販売費及び一般管理費が増加いたしました。また、管理部門において、人財獲得に向けて様々な施策に取り組んだことに加えて、課税仕入れの増大に伴い控除対象外消費税が増加したことから、販売費及び一般管理費が増加いたしました。これらの結果、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べて9億35百万円増加し、81億62百万円となりました。その結果、営業利益は前連結会計年度に比べて3億99百万円減少し、11億7百万円となりました。
④ 営業外損益
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べて2億1百万円減少し、6億83百万円となり、また、当連結会計年度の営業外費用は、前連結会計年度に比べて80百万円減少し、6億33百万円となりました。営業外収益減少の主因は、主に、その他のセグメントにおいて、保育施設の開設が3拠点から2拠点に減少したことに伴い整備補助金が減少したことによって、補助金収入が2億69百万円減少したことであります。その結果、経常利益は前連結会計年度に比べて5億20百万円減少し、11億57百万円となりました。
⑤ 特別損益
当連結会計年度は関連会社株式の売却により特別利益を計上しましたが、少額のため影響は軽微でありました。また、当連結会計年度の特別損失は、前連結会計年度に比べて72百万円減少し、1億37百万円となりました。特別損失減少の主因は、減損損失が71百万円減少したことであります。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べて3億6百万円減少し、6億30百万円となりました。
(4) 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、長期的・継続的な企業価値の向上及び株主資本の効率的活用が重要であると認識しており、売上高伸長率、売上高経常利益率並びにROE(自己資本利益率)を主要な経営指標として位置づけております。
当社グループは、介護事業の市場拡大基調が継続するとの予測に基づき、売上高及び市場占有率拡大を優先することが経営指標の持続的向上に寄与するとの判断から、積極的に事業所の開設を進めてまいりました。このような方針の下、当連結会計年度の売上高伸長率は5.6%となりました。また、売上高経常利益率は、前連結会計年度比1.6ポイント悪化し3.0%、ROE(自己資本利益率)は、前連結会計年度比6.3ポイント悪化し9.5%となりました。今後も引き続き、在宅系介護事業セグメントでは稼働時間の増加、施設系介護事業セグメントでは空床率及び入院率の低減を図ることによって、これらの指標を向上させるべく努めてまいります。
(5) 資本の財源及び資金の流動性に関する情報
当連結会計年度に係るキャッシュ・フローにつきましては、「経営成績等の状況の概要 (3)キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。
当社グループの資金需要のうち、主なものは、新規開設に係る設備資金(主に、介護施設備品、保育所建設工事等の初期投資)と人件費であります。人件費については自己資金、新規開設に係る設備資金については金融機関からの借入金により賄い、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
(経営成績等の状況の概要)
(1) 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大第6波への対処として、2022年1月から3月にまん延防止等重点措置が一部地域に適用されましたが、第7波では過去最高の感染者数を記録しながらも、社会活動の継続のため行動制限は課されず、感染者が減少し始めるとGo To Eat事業の再開や全国旅行支援事業が開始されたことから、飲食業や観光業を中心に活気を取り戻しつつもあります。しかし、ウクライナ情勢の深刻化、急激な円安進行等により、資源・エネルギー価格、食料品価格の引き上げが相次いだことによって、景気の回復は勢いを欠いたものとなっております。また、海外においても、経済活動の制限が緩和されてはいるものの、インフレ高進とそれに対応するための金融政策引き締め等の影響を受け、景気の減速が鮮明になっております。
一方、景気の先行きについては、供給網の混乱やウクライナ情勢が長期化の様相を呈しており、インフレの長期化が懸念されております。また、米国を始めとする各国中央銀行による金融政策引き締めの波及効果による、先進国の景気後退リスクの更なる上昇、途上国を中心とした債務不履行リスクの増大が懸念される等、世界経済は様々な下振れリスクに晒されていることから、予断を許さない状況が予想されます。
介護業界においては、高齢化率が年々上昇し、介護サービスの需要が益々高まりつつありますが、介護従事者については、有効求人倍率が高い数値で推移しており、人財の確保が経営上の最重要課題となっております。その対応策の一つとして、2019年10月には消費増税による負担増の緩和のため、基本報酬が増額改定されるとともに、介護職員等特定処遇改善加算が制定されました。また、2021年4月に介護報酬が改定され、基本報酬が増額改定されるとともに、加算報酬が新設されたことから、コストと報酬のバランスを見極めた上で、加算報酬の算定に向けた取り組みを進めております。更に、本年2月からは福祉・介護職員の更なる処遇改善を目的として、政府による「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」に基づき、介護職員処遇改善支援補助金及び福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金(以下、処遇改善支援補助金とします。)が実施されております。本年10月以降は、処遇改善支援補助金に相当する金額が介護報酬に組入れられております。
このような状況の下、当社グループは、ご利用者に品質の高いサービスを提供するため、介護職員の処遇改善及び研修体制の充実に努めるとともに、独自に創設した「誰伸び人事制度」の更なる進化に加え、社内求職者紹介制度の積極的な活用、更には、あらゆる世代の従業員が生きがいを持って働き続けられるための定年制度撤廃や全パートタイマーの有期雇用契約から無期雇用契約への変更等、従業員が働きやすい環境を整備することによって雇用の安定に努めております。
また、上述の介護職員等特定処遇改善加算については、事業所のリーダー層及びリーダー候補層の処遇改善を重視した還元策を導入・実施し、これら中核層の従業員の満足度向上にも努めております。処遇改善支援補助金については、制度趣旨を踏まえ、処遇改善が福祉・介護職員に行き亘るような還元策を導入致しております。
新型コロナウイルス対応の中で、当社グループは、福祉サービスがご利用者の生活に必要不可欠なサービスであると改めて認識し、感染対策を一層強化するとともに人員体制の充実に注力し、サービス提供の継続に努めてまいりました。
しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大第7波以降において、施設系介護事業における入居時期の先送り、在宅系介護事業の一部で利用控えが増加したことにより、売上高の成長率に鈍化が見られ、感染予防、感染対策費用が増大するとともに、サービス提供体制の維持に要する人員確保のコストが大幅に増加いたしました。加えて、ウクライナ情勢の長期化や急激な円安進行によって、既に上昇しつつあった資源・エネルギー価格が一層高騰する中、食料品や消耗品に続き、水道光熱費についても徐々に上昇し、全社的なコストの増大を抑えることができませんでした。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は383億98百万円(前年同期比5.6%増)、営業利益11億7百万円(同26.5%減)、経常利益11億57百万円(同31.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は6億30百万円(同32.7%減)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。なお、セグメント別の各金額は、セグメント間取引等相殺消去前の金額によっております。
① 在宅系介護事業
当事業については、当連結会計年度において、大阪府に4拠点、東京都に6拠点、兵庫県に2拠点、神奈川県に2拠点、京都府に1拠点、福岡県に1拠点、宮城県に1拠点、奈良県に2拠点、滋賀県に2拠点、千葉県に2拠点、広島県に1拠点の計24拠点を出店いたしました。出店に際しては緻密なマーケティングと十分な人財育成をベースに推し進め、早期黒字化を目指すとともに、介護職の処遇改善に努めてまいりました。その結果、当連結会計年度の売上高は134億96百万円(前年同期比9.4%増)、セグメント利益は24億57百万円(同21.2%増)となりました。
② 施設系介護事業
当事業については、当連結会計年度において、東京都に2拠点、京都府に1拠点、埼玉県に3拠点、兵庫県に1拠点の計7拠点を出店いたしました。新規出店により売上高としては成長しておりますが、新型コロナウイルス第7波以降に入居ペースの低下が見られ、事前の計画に対する進捗未達が顕著となりました。また、当事業は集団での生活と介護を前提としていることから、集団感染のリスクが相対的に高いため、人件費を含む感染対策費用が他の事業に比べ増大したことが、当事業の利益を大きく圧迫することとなりました。その結果、当連結会計年度の売上高は193億3百万円(前年同期比3.0%増)、セグメント利益は7億24百万円(同31.5%減)となりました。入居ペースの低下に対して、従来とは異なるアプローチの入居促進を開始し、新規の入居者獲得に注力し、収益改善に取組んでまいります。
③その他
その他の事業については、障がい者の雇用確保と活躍の機会の拡大を目的として、軽作業請負事業にて新規事業を開始し1拠点を出店いたしました。既存事業では、障がい者(児)通所支援サービスにて2拠点、ダイニング事業にて5拠点、保育事業にて2拠点の計10拠点を出店いたしました。積極的な営業展開を図り、売上及び利益伸長に注力しましたが、保育事業及び感染対策系の補助金の前連結会計年度からの減少額を補填するに至りませんでした。なお、当連結会計年度において、東京都及び大阪府において開設いたしました認可保育所に対して自治体から支給が決定された補助金を営業外収益に計上しております。その結果、当連結会計年度の売上高は84億88百万円(前年同期比6.2%増)、セグメント利益は8億79百万円(同3.3%減)となりました。
地域別在宅系介護事業所数の推移
| 区分 | 2021年10月期末 | 2022年10月期末 | 増減 | |
| 大阪府 | 訪問介護 | 73 | 77 | 4 |
| 居宅介護支援 | 30 | 32 | 2 | |
| デイサービス | 6 | 6 | ― | |
| その他 | 3 | 3 | ― | |
| 兵庫県 | 訪問介護 | 24 | 26 | 2 |
| 居宅介護支援 | 4 | 4 | ― | |
| その他 | 1 | 1 | ― | |
| 京都府 | 訪問介護 | 8 | 9 | 1 |
| 居宅介護支援 | 1 | 1 | ― | |
| デイサービス | 1 | 1 | ― | |
| その他 | 7 | 7 | ― | |
| 奈良県 | 訪問介護 | ― | 2 | 2 |
| 滋賀県 | 訪問介護 | ― | 2 | 2 |
| 東京都 | 訪問介護 | 50 | 55 | 5 |
| 居宅介護支援 | 27 | 34 | 7 | |
| デイサービス | 5 | 5 | ― | |
| その他 | ― | ― | ― | |
| 神奈川県 | 訪問介護 | 4 | 5 | 1 |
| 千葉県 | 訪問介護 | 1 | 2 | 1 |
| 居宅介護支援 | 1 | 1 | ― | |
| 埼玉県 | 訪問介護 | 1 | 1 | ― |
| 居宅介護支援 | 1 | 1 | ― | |
| 愛知県 | 訪問介護 | 8 | 8 | ― |
| 居宅介護支援 | 3 | 3 | ― | |
| デイサービス | 3 | 3 | ― | |
| その他 | 3 | 3 | ― | |
| 福岡県 | 訪問介護 | 7 | 8 | 1 |
| 居宅介護支援 | 1 | 2 | 1 | |
| デイサービス | 4 | 4 | ― | |
| その他 | 1 | 1 | ― | |
| 広島県 | 訪問介護 | 2 | 3 | 1 |
| 宮城県 | 訪問介護 | 4 | 3 | △1 |
| 居宅介護支援 | 1 | 1 | ― | |
| 合 計 | 285 | 314 | 29 | |
地域別施設系介護事業所数の推移
| 区分 | 2021年10月期末 | 2022年10月期末 | 増減 | |
| 大阪府 | 有料老人ホーム | 12 | 12 | ― |
| グループホーム | 19 | 19 | ― | |
| 兵庫県 | 有料老人ホーム | 7 | 7 | ― |
| グループホーム | 12 | 13 | 1 | |
| 京都府 | 有料老人ホーム | 2 | 3 | 1 |
| グループホーム | 12 | 12 | ― | |
| 東京都 | 有料老人ホーム | 11 | 13 | 2 |
| グループホーム | 14 | 14 | ― | |
| 千葉県 | 有料老人ホーム | 3 | 3 | ― |
| グループホーム | 2 | 2 | ― | |
| 神奈川県 | 有料老人ホーム | 3 | 3 | ― |
| グループホーム | 3 | 3 | ― | |
| 埼玉県 | 有料老人ホーム | 3 | 3 | ― |
| グループホーム | ― | 3 | 3 | |
| 愛知県 | 有料老人ホーム | 3 | 3 | ― |
| グループホーム | 6 | 6 | ― | |
| 福岡県 | グループホーム | 4 | 4 | ― |
| 広島県 | 有料老人ホーム | 1 | 1 | ― |
| グループホーム | 3 | 3 | ― | |
| 宮城県 | グループホーム | 1 | 1 | ― |
| 合 計 | 121 | 128 | 7 | |
その他の事業所数の推移
| 区分 | 2021年10月期末 | 2022年10月期末 | 増減 | |
| 大阪府 | 訪問看護 | 5 | 6 | 1 |
| 障がい児通所支援 | 14 | 15 | 1 | |
| 認可保育所 | 5 | 6 | 1 | |
| 介護人財の教育 | 8 | 9 | 1 | |
| ダイニング | 17 | 18 | 1 | |
| その他 | 9 | 10 | 1 | |
| 兵庫県 | 訪問看護 | 2 | 2 | ― |
| 障がい児通所支援 | 2 | 2 | ― | |
| 介護人財の教育 | 3 | 3 | ― | |
| ダイニング | 7 | 7 | ― | |
| その他 | 2 | 2 | ― | |
| 京都府 | 訪問看護 | 2 | 2 | ― |
| 介護人財の教育 | 2 | 2 | ― | |
| ダイニング | 1 | 2 | 1 | |
| その他 | 1 | 1 | ― | |
| 奈良県 | 介護人財の教育 | 1 | 1 | ― |
| 滋賀県 | 介護人財の教育 | 1 | 1 | ― |
| 東京都 | 訪問看護 | 1 | 0 | △1 |
| 障がい児通所支援 | 3 | 3 | ― | |
| 認可保育所 | 4 | 5 | 1 | |
| 介護人財の教育 | 8 | 7 | △1 | |
| ダイニング | 16 | 19 | 3 | |
| その他 | 7 | 7 | ― | |
| 千葉県 | 介護人財の教育 | 1 | 1 | ― |
| ダイニング | 3 | 3 | ― | |
| 神奈川県 | 介護人財の教育 | 1 | 2 | 1 |
| ダイニング | 3 | 3 | ― | |
| 埼玉県 | 介護人財の教育 | 1 | 1 | ― |
| ダイニング | 3 | 3 | ― | |
| 愛知県 | 介護人財の教育 | 4 | 4 | ― |
| ダイニング | 3 | 3 | ― | |
| 岐阜県 | 介護人財の教育 | 1 | 1 | ― |
| 福岡県 | 訪問看護 | 1 | 1 | ― |
| 介護人財の教育 | 1 | 1 | ― | |
| 広島県 | ダイニング | 1 | 1 | ― |
| 合 計 | 144 | 154 | 10 | |
(2) 財政状態の状況
① 資産
当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べ12億21百万円減少し、363億78百万円となりました。
② 負債
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ9億23百万円減少し、299億2百万円となりました。
③ 純資産
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ2億98百万円減少し、64億75百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ9億53百万円減少し、18億69百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、11億13百万円(前年同期は26億11百万円の収入)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益10億21百万円、減価償却費14億42百万円、未払金の増加額1億62百万円による資金の増加、及び賞与引当金の減少額1億33百万円、利息の支払額6億29百万円、法人税等の支払額4億40百万円、売上債権の増加額3億22百万円による資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、13億94百万円(前年同期は13億80百万円の支出)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出7億63百万円、差入保証金の差入による支出3億48百万円、無形固定資産の取得による支出1億65百万円による資金の減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、6億79百万円(前年同期は13億34百万円の支出)となりました。これは主として、長期借入れによる収入21億円、短期借入金の純増加額4億円による資金の増加、及び長期借入金の返済による支出19億36百万円、リース債務の返済による支出10億13百万円、配当金の支払額2億28百万円による資金の減少によるものであります。
(4) 生産、受注及び販売の実績
① 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2021年11月1日 至 2022年10月31日) | |
| 仕入高(千円) | 前年同期比(%) | |
| 在宅系介護事業 | 76,088 | 96.7 |
| 施設系介護事業 | 108,597 | 78.4 |
| その他 | 1,286,036 | 100.2 |
| 合計 | 1,470,723 | 98.1 |
(注) 1 「その他」の仕入の主な内容は、福祉用具、食材及び介護用品、並びに教材の仕入等に係るものであります。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
② 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2021年11月1日 至 2022年10月31日) | ||
| 販売高(千円) | 前年同期比(%) | ||
| 在宅系介護事業 | 13,496,451 | 109.4 | |
| 施設系介護事業 | 19,303,745 | 103.0 | |
| その他 | 5,597,931 | 106.0 | |
| 合計 | 38,398,128 | 105.6 | |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2020年11月1日 至 2021年10月31日) | 当連結会計年度 (自 2021年11月1日 至 2022年10月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 大阪府国民健康保険団体連合会 | 8,170,278 | 22.5 | 8,574,513 | 22.3 |
| 東京都国民健康保険団体連合会 | 4,868,528 | 13.4 | 5,115,384 | 13.3 |
③ 生産、受注の状況
該当事項はありません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループは、連結財務諸表作成にあたって、適切な会計方針を選択し、減損会計における将来キャッシュ・フローの見積りを始めとする、固有の見積りや判断が必要な事象については過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるためこれらの見積りと異なる場合があります。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。
なお、当社グループが採用した会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)6 会計方針に関する事項」をご参照ください。
また、新型コロナウイルス感染症の国内における感染状況については、感染状況の改善を受け、Go To Eat事業の再開や全国旅行支援事業が開始されましたが、足元の新型コロナウイルス感染者が増加傾向にあることに加えて、中国において、いわゆる「ゼロコロナ政策」が見直され、感染者が急増する等予断を許さない状況であります。こうした状況を踏まえ、感染症の影響は少なくとも次期(2023年10月期)いっぱいはあるものと想定しております。このような環境下ではありますが、当社グループが主力とする介護事業は、ご利用者やそのご家族が健やかな生活を送る上で必要不可欠なサービスであることから、翌連結会計年度以降においても、事業環境が著しく悪化する可能性は極めて低いと仮定し、当該仮定を会計上の見積りに反映しております。
(2) 財政状態
当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べ12億21百万円減少し、363億78百万円となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ1億29百万円減少し、96億72百万円となりました。これは主として、売掛金の増加3億22百万円、その他の流動資産の増加4億94百万円、及び現金及び預金の減少9億53百万円によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は、固定資産は前連結会計年度末に比べ10億91百万円減少し、267億6百万円となりました。これは主として、リース資産(純額)の減少11億46百万円、投資有価証券の減少10億13百万円、及び建物(純額)の増加4億62百万円、差入保証金の増加2億28百万円、ソフトウエアの増加2億21百万円によるものであります。
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ9億23百万円減少し、299億2百万円となりました。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ2億1百万円増加し、94億28百万円となりました。これは主として、短期借入金の増加4億円、未払金の増加2億81百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加1億11百万円、及び未払法人税等の減少2億47百万円、預り金の減少1億92百万円、賞与引当金の減少1億33百万円によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末に比べ11億24百万円減少し、204億74百万円となりました。これは主として、リース債務の減少10億46百万円、繰延税金負債の減少2億1百万円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ2億98百万円減少し、64億75百万円となりました。これは主として、親会社株主に帰属する当期純利益を6億30百万円計上する一方、配当金を2億28百万円支払ったことによる利益剰余金の増加3億90百万円、及びその他有価証券評価差額金の減少7億19百万円によるものであります。
(3) 経営成績
① 売上高
当連結会計年度は、全セグメントに共通する売上増加要因として、2022年2月から処遇改善臨時特例交付金の交付が開始されました。各セグメント固有の増減要因については、在宅系介護事業セグメントにおいて、主に訪問介護事業所を積極的に開設したことに加え、加算報酬の取得を進めたことにより売上高が拡大いたしました。施設系介護事業セグメントにおいては、新型コロナウイルス第7波以降に入居ペースの低下が見られ、売上高の拡大が鈍化いたしました。また、その他のセグメントにおいては、介護人財の教育事業が好調であったことに加えて、保育事業、障がい児通所支援事業、訪問看護事業等で新規出店を進めたことから売上高が拡大いたしました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べて20億37百万円増加し、383億98百万円となりました。
② 売上原価
当連結会計年度は、在宅系介護事業セグメントにおいて、訪問介護事業所の積極的開設に伴う、当事業の従業員数増加により人件費が増加いたしました。施設系介護事業セグメントにおいても、新規施設開設に伴う従業員数増加、従業員が新型コロナウイルスに感染した際の代替人員の確保による人件費増加により、売上原価が増加いたしました。また、その他のセグメントにおいては、保育事業、障がい児通所支援事業、訪問看護事業等で新規に出店したことから、これら事業所に係る人件費を始めとする固定費の増加により、売上原価が増加いたしました。これらの結果、当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べて15億1百万円増加し、291億27百万円となりました。その結果、売上総利益は前連結会計年度に比べて5億36百万円増加し、92億70百万円となりました。
③ 販売費及び一般管理費
当連結会計年度は、各セグメント共通の販売費及び一般管理費増加要因として、消耗品等の価格や水道光熱費、求人単価の上昇が挙げられます。各セグメント固有の増減要因については、在宅系介護事業セグメントにおいて、訪問介護事業所の積極的開設に伴う、初期投資及び固定費の増加により、販売費及び一般管理費が増加いたしました。施設系介護事業セグメントにおいては、セグメント共通の増加要因の影響がより顕著だったことに加え、入居ペースの鈍化対策として入居促進費用を重点的に投入したことにより、販売費及び一般管理費が増加いたしました。その他のセグメントにおいては、保育事業、障がい児通所支援事業、訪問看護事業等で新規に出店したことから、これら事業所に係る家賃を始めとした固定費増加に加えて、新規事業及び海外事業において、先行投資に係るコストの発生により、販売費及び一般管理費が増加いたしました。また、管理部門において、人財獲得に向けて様々な施策に取り組んだことに加えて、課税仕入れの増大に伴い控除対象外消費税が増加したことから、販売費及び一般管理費が増加いたしました。これらの結果、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べて9億35百万円増加し、81億62百万円となりました。その結果、営業利益は前連結会計年度に比べて3億99百万円減少し、11億7百万円となりました。
④ 営業外損益
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べて2億1百万円減少し、6億83百万円となり、また、当連結会計年度の営業外費用は、前連結会計年度に比べて80百万円減少し、6億33百万円となりました。営業外収益減少の主因は、主に、その他のセグメントにおいて、保育施設の開設が3拠点から2拠点に減少したことに伴い整備補助金が減少したことによって、補助金収入が2億69百万円減少したことであります。その結果、経常利益は前連結会計年度に比べて5億20百万円減少し、11億57百万円となりました。
⑤ 特別損益
当連結会計年度は関連会社株式の売却により特別利益を計上しましたが、少額のため影響は軽微でありました。また、当連結会計年度の特別損失は、前連結会計年度に比べて72百万円減少し、1億37百万円となりました。特別損失減少の主因は、減損損失が71百万円減少したことであります。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べて3億6百万円減少し、6億30百万円となりました。
(4) 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、長期的・継続的な企業価値の向上及び株主資本の効率的活用が重要であると認識しており、売上高伸長率、売上高経常利益率並びにROE(自己資本利益率)を主要な経営指標として位置づけております。
当社グループは、介護事業の市場拡大基調が継続するとの予測に基づき、売上高及び市場占有率拡大を優先することが経営指標の持続的向上に寄与するとの判断から、積極的に事業所の開設を進めてまいりました。このような方針の下、当連結会計年度の売上高伸長率は5.6%となりました。また、売上高経常利益率は、前連結会計年度比1.6ポイント悪化し3.0%、ROE(自己資本利益率)は、前連結会計年度比6.3ポイント悪化し9.5%となりました。今後も引き続き、在宅系介護事業セグメントでは稼働時間の増加、施設系介護事業セグメントでは空床率及び入院率の低減を図ることによって、これらの指標を向上させるべく努めてまいります。
(5) 資本の財源及び資金の流動性に関する情報
当連結会計年度に係るキャッシュ・フローにつきましては、「経営成績等の状況の概要 (3)キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。
当社グループの資金需要のうち、主なものは、新規開設に係る設備資金(主に、介護施設備品、保育所建設工事等の初期投資)と人件費であります。人件費については自己資金、新規開設に係る設備資金については金融機関からの借入金により賄い、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。