有価証券報告書-第24期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/27 13:22
【資料】
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【項目】
147項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「イノベーションと創造性に満ちた取り組みで、クライアントの業績発展を支援する活動を通じて、豊かな社会の実現に貢献します。」を合言葉に、常に、真摯な姿勢と熱意をもって、最良なサービス提供に努めることで、クライアント企業のコミュニケーション戦略実現のパートナーとして信頼される企業を目指してまいります。さらに、広告事業の枠にとらわれない、新たなビジネスモデルやサービスの開発に挑戦していきたいと考えております。
また、行動規範に①法令遵守②株主重視③顧客満足④従業員尊重の4つを掲げ、当社グループを取り巻くステークホルダーの要求を満たしながら、企業価値の最大化に努めてまいります。
(2)経営戦略等
当社グループは、パチンコホール広告分野において、広告サービスの付加価値と生産性の向上を不断に追求し、厳しい環境下においても安定的な収益性を確保していくとともに、常に新たな事業機会を模索し、積極的な事業開発に取り組むことにより、グループの持続的な成長を実現していきたいと考えております。
持続的な成長を実現するため取り組むべき戦略課題のうち、主なものは以下のとおりであります。
①パチンコホール広告以外の分野における市場開拓
広告事業においては、これまで主力であったパチンコホール広告分野における市場の需要が持続的に減少する中で、収益性を安定させることが急務であります。そのため、パチンコホール広告以外の分野における市場開拓をよりスピーディーに進めることで、特定業界に過度に依存しない収益の多様化を目指してまいります。
②パチンコホール広告分野におけるインターネットメディアの市場浸透
近年、パチンコホール業界においても、パチンコユーザーをターゲットとするインターネットメディアの活用が注目されております。こうしたクライアントのニーズに応えるため、パチンコユーザーに特化した自社開発メディアの充実、各種インターネット広告ツールを提供する外部パートナーとのアライアンスによる、パチンコホール向けサービスの開発や提供等に加えて、これまで当社が得意としてきた紙媒体広告とインターネット広告の複合によるプロモーション戦略の最適化策を提供することで、クライアントの集客戦略を支援してまいります。
③事業領域の拡大
事業開発については、主として、現在の当社グループの主力事業である広告事業の隣接分野(次世代メディア、アミューズメント関連マーケティング等)に関する調査研究を強化し、グループの持続的成長の実現に向けた事業領域の拡大に取り組んでまいります。また、他業界の有力企業との事業提携によるサービスラインの拡充も積極的に推進してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが重要視している経営指標と、その実績は以下のとおりです。
経営指標目標値2018年3月期(実績)2019年3月期(実績)
売上高営業利益率
(生産性と付加価値の向上)
10.0%以上5.6%5.8%
ROE
(資本効率の向上)
30.0%以上9.2%7.9%

引き続き「生産性」、「付加価値」及び「資本効率」を重視した経営を推進してまいります。

(4)経営環境と事業上及び財務上の対処すべき課題
次期の経営環境につきましては、パチンコ業界における依存症対策の一環として、この先新規に発売、設置される遊技機の射幸性がこれまでと比較して大幅に抑制されることから、当社の主要クライアントであるパチンコ経営企業においては、収益性の悪化が見込まれております。そのため新規出店の抑制や新台入替の減少等、設備投資の抑制が続くことから、これらの投資に付随して発生する広告需要は、引き続き低迷するものと予想しております。
そうした厳しい環境を踏まえ、当社グループでは次の3点を対処すべき課題と認識し、全社一丸となって課題に取り組んでまいります。
①パチンコホール以外の広告分野における市場開拓と収益の多様化
当社グループでは、パチンコホール以外の広告分野における市場開拓をより積極的に進めることで、特定業界に過度に依存しない収益の多様化を目指してまいります。
具体的には、プリンティング事業、デザイン受託事業や、地元密着型企業へのWebソリューションの提供、フィットネス検索サイト「FIT Search」を軸としたフィットネス業界広告分野における市場深耕、さらにはインターネット求人広告の拡販を強化し、グループ全体の収益構造の転換を図ってまいります。
まずは、昨今のパチンコ業界における従来主流であった紙媒体広告からインターネット広告への急激なシフトについても迅速に適応し、インターネットメディアやツールの販売構成比を高めてまいります。自社開発メディアである「パチ7」のコンテンツの更なる充実によるメディア価値の向上や、パチンコユーザー専用DSPツールである「Pachi Ad」の拡販等に加えて、2017年12月にニフティ社より取得したパチンコユーザーサイト「777」を再構築し、収益性の向上を目指してまいります。
さらに、パチンコホール広告需要の持続的な減退に備え、個別の収益性を勘案した販売アイテムの整理を継続的に進め、厳格な案件別デザインコストの管理を実施することにより、社内オペレーションの一層の効率化とコストダウンを実現してまいります。同時に、必要に応じて事業全体のダウンサイジングを図ることで、厳しい経営環境に適応した収益構造を構築してまいります。
②パチンコホール広告における効率化と省力化
パチンコホール広告分野においては、DSP広告「Pachi Ad」や自社オンラインメディア「パチ7」の広告効果を更に高め、インターネット広告のさらなる拡販に注力する一方で、パチンコホール広告分野全体のオペレーションについては、過去に主力であった紙媒体広告を中心に、効率化、省力化を目指してまいります。
③東南アジアにおける電子カジノ運営事業の収益性改善と事業拡大
電子カジノ運営事業においては、シンガポール連結子会社GDLH社を起点として、カンボジア国内で運営受託している既存2拠点の収益性改善に取り組むと同時に、引き続き新たな電子カジノ運営受託案件の開拓に注力し、次なる収益の柱を構築してまいります。