有価証券報告書-第26期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/30 12:29
【資料】
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【項目】
145項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「イノベーションと創造性に満ちた取り組みで、クライアントの業績発展を支援する活動を通じて、豊かな社会の実現に貢献します。」を合言葉に、常に、真摯な姿勢と熱意をもって、最良なサービス提供に努めることで、クライアント企業のコミュニケーション戦略実現のパートナーとして信頼される企業を目指してまいります。さらに、広告事業の枠にとらわれない、新たなビジネスモデルやサービスの開発に挑戦していきたいと考えております。
また、行動規範に①法令遵守②株主重視③顧客満足④従業員尊重の4つを掲げ、当社グループを取り巻くステークホルダーの要求を満たしながら、企業価値の最大化に努めてまいります。
(2)経営戦略等
当社グループは、主力のパチンコホール広告分野において、広告サービスの付加価値と生産性の向上を不断に追求し、厳しい環境下においても最大限の収益を確保していくと同時に、特定業種への依存度が高い現状を改善し収益の多様化を実現させるため、常に新たな事業機会を模索し、積極的な事業開発に取り組むことにより、グループの持続的な成長を実現していきたいと考えております。
なお、持続的な成長を実現するため取り組むべき戦略課題のうち、主なものは以下のとおりであります。
①パチンコホール広告以外の分野における市場開拓
広告事業においては、これまで主力であったパチンコホール広告分野における市場の需要が持続的に減少する中で、収益性を安定させることが急務であります。そのため、パチンコホール広告以外の分野における市場開拓をよりスピーディーに進めることで、特定業種に過度に依存しない収益の多様化を目指してまいります。
②集客施設におけるデジタルメディアの市場浸透
広告メディア、コンテンツのデジタル化が急速に進展する中、クライアントのニーズに応えるため、各種集客施設のユーザーにそれぞれ特化した自社開発メディアの充実、各種インターネット広告ツールを提供する外部パートナーとのアライアンスによる、クライアント向けサービスの開発や提供等に加えて、これまで当社が得意としてきた紙媒体広告とインターネット広告に加え、映像、動画等デジタルコンテンツの複合によるプロモーション戦略の最適化策を提供することで、クライアントの集客戦略を支援してまいります。
③事業領域の拡大
事業開発については、主として、現在の当社グループの主力事業である広告事業の隣接分野(デジタルメディア、各種集客施設のエリアマーケティング等)に関する調査研究を強化し、グループの持続的成長の実現に向けた事業領域の拡大に取り組んでまいります。また、他業界の有力企業との事業提携によるサービスラインの拡充も積極的に推進してまいります。
(3)経営環境と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
次期の経営環境につきましては、 新型コロナウイルス感染症の影響により、主力の広告事業における主要顧客である全国のパチンコホール施設において、当期に急減した広告需要の回復は緩やかなものになると想定しております。また、目下、新たな顧客開拓と各種広告の拡販を進めているフィットネス施設を始めとした集客施設においても、集客広告の需要回復には相応の時間を要すると想定しております。
なお、当期における業績変動の分析の結果、緊急事態宣言を始めとする政府や業界団体等の新型コロナ感染症対策の諸施策が、業績に与えるインパクトが顕著であることが明らかとなりましたが、新型コロナウイルス感染拡大の終息時期及び、これに対応する政府等の諸施策の内容やその実施の有無についての予測は困難であります。
そうした厳しい環境を踏まえ、当社グループでは次の3点を対処すべき課題と認識し、取り組んでまいります。
①パチンコホール施設以外の広告分野における市場開拓と収益の多様化
当社グループでは、パチンコホール施設以外の広告分野における市場開拓をより積極的に進めることで、特定業界に過度に依存しない収益の多様化を目指してまいります。
具体的にはフィットネス検索サイト「FIT Search」を軸としたフィットネス業界広告分野における市場深耕、さらには2021年3月に株式取得した株式会社プレスエーが運営するフィットネス施設送客支援サイト「IDEAL」による送客支援のサービスを発展させ、フィットネス分野以外の集客施設への送客支援に活用し、グループ全体の収益構造の転換を図ってまいります。
②デジタル・アド分野における新サービス提供と従業員の教育
「アフター・コロナ」の社会環境の下では、昨今の様々なサービスのオンライン化によるインターネットメディアの需要増加が予測されます。これに対応するため、動画作成サービスの提供をはじめ、当社がこれまで取り組んできたインターネット広告のノウハウを活かしたサービスで、新しい業種におけるクライアント開拓を推進し、収益源の分散を実現してまいります。また、デジタル・アド分野における急激なテクノロジーの進化に適応した広告サービスの開発と、それを扱う従業員の教育に一層力を注いでまいります。
③働き方改革の推進と人事制度の刷新
当社グループではコロナ禍において、従業員の健康と事業継続の態勢確保及び業務の効率化のため、テレワークの導入を推進して参りました。さらには、これまで重視してきた対面営業のスタイルから、デジタルツールを使用した新しい営業スタイルへの転換を図って参りました。今後も柔軟な思考で時代に合わせた働き方を推進する一方で、従業員の勤労意欲と生産性を高める人事制度への刷新に取り組んで参ります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが重要視している経営指標と、その実績は以下のとおりです。
経営指標中期的な目標値2020年3月期(実績)2021年3月期(実績)
売上高営業利益率
(生産性と付加価値の向上)
10.0%以上4.1%△4.0%
ROE
(資本効率の向上)
10.0%以上0.6%△6.2%

当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症の影響による広告需要の急減により、実績は中期目標値を大幅に下回る結果となりました。
引き続き「生産性」、「付加価値」及び「資本効率」を重視した経営を推進してまいります。