有価証券報告書-第21期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/03/30 15:51
【資料】
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【項目】
128項目

対処すべき課題

当社グループは、対処すべき課題であった制作品質の維持・改善のための制作体制の強化、労働環境の改善を図るため、当連結会計年度より制作作品の絞り込みを行い、充実を図ってまいりました。しかしながら、アニメーション制作市場における需要増による調達コストの増加に起因する不安定な収益の改善には至っていないことから、従来より保有するアニメーションに係る権利の管理・運用を行うライセンス事業に注力し、収益拡大を推進する経営方針の見直しを行い、令和元年8月1日付で、アニメーション制作事業及び一部の作品に係る著作権その他の知的財産権の管理・運用事業を分割する経営上の重要な契約を締結しております。
ライセンス事業では、配信サービスでの運用が市場を席巻しております。そのような環境下で当社グループが管理する権利の多くがマニア向けのコンテンツであることから、ネット配信の黎明期より事業を行ってきたこともあり、配信サービスでの活用を更に進めております。また、長年行っております商品化での遊技機においては、遊技機規制の中、継続できる優良コンテンツとしての魅力を維持すべく、権利の維持管理に注力してまいります。
当社グループは、「魂を震わすコンテンツを創造する」という経営理念のもと、全世界の人々に対して革新的かつ先端的な次世代デジタルコンテンツをめざし、GONZOブランドにより様々なジャンルのアニメーションを世界に向けて発信しております。クオリティの高い作品を発信することで日本市場におけるプレゼンスを確立し、更には海外市場への展開を行い、アニメーションを通して喜びと感動を与えていきたいと引き続き考えております。
経営指標としては、アニメーションビジネスは不確定要素が多く、作品により予想と結果が著しく乖離する場合があり、当社グループでは、権利運用の市場環境の変化に対応した作品別収支の分析をもとに、業績予想の達成を実現するための事業展開に努めております。このため、特定の指標をもって経営目標とすることはしておりません。
このような状況の下、当社グループは対処すべき当面の課題としては、主に下記の2点があります。
(1) 新たな取引先の新規開拓、アニメーションに係る権利の運用手法の新規開発
ライセンス事業においては、持続的な成長のため、新たな取引先の開拓や権利の新たな運用事業の開発が事業継続のためには重要と考えております。管理している権利のみならず、コンテンツビジネス発展に繋がる様々な試みができるビジネス環境を整備し、人材教育を行ってまいります。
(2) 働き方改革と生産性の向上
働き方改革による労働時間の抑制、有給休暇の取得促進など労働時間短縮による効率化が求められており、従来の労働形態や勤務時間など人材確保の観点から検討、改善が必要と考えております。生産性向上のため、柔軟な勤務体系、テレワークや在宅勤務の検討、評価基準の見直し、規程の整備などに取り組んでまいります。