有価証券報告書-第60期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、1967年の創設以来、システム開発事業とアウトソーシング事業を柱とするデジタルサービス企業として着実に実績を重ねてまいりました。近年、社会情勢の変化が激しく不確実性が高い時代と言われる中、社会の持続的な成長に対する社会的な責任も高まってきており、企業としてさらなる変革が求められています。
このような環境を踏まえ、第57期において、企業理念、企業ビジョン、行動理念等の見直しを図りました。以下に掲げたコーポレートスローガンのもと、グループ全社一丸となって、企業理念・ビジョンの実現に向け、経営方針に基づき、企業価値のより一層の向上に取り組んでおります。
[コーポレートスローガン]
Design for the future 人とデジタル技術でより良い社会を実現する
[企業理念]
ステークホルダーとともに 社会の持続的な成長に貢献する
[企業ビジョン]
デジタルサービス企業として 価値ある技術・サービスを提供し続ける
[行動理念]
カスタマー・ファースト
[経営方針]
・透明性を高め、企業倫理に基づく公正で健全な企業であり続ける
・市場環境および顧客課題の変化に対し、適時対応する
・デジタルサービス企業として、各事業の発展と維持向上を図るとともに、事業の融合により、企業価値をよ
り一層高める
(2)経営環境
当社グループの属する情報サービス分野においては、生成AIを始めとするテクノロジーへの対応を目的とした投資を背景に、モダナイゼーション需要に伴うサービスがけん引役となり市場が拡大する見通しとなっていますが、生成AIの活用進展によるユーザー企業の内製化加速や、専門技術を有する高度IT人材不足によるサービス提供力の不足やビジネスチャンスの減少が危惧されております。また、「SDGs(持続可能な開発目標)」の達成に向け、社会全体としての取り組みが進んでおり、各企業もビジネスイノベーションを発揮し、事業を通しての社会課題の解決や、ダイバーシティ、働き方改革等に取り組んでいくことが求められております。
当社グループは、システム開発事業、アウトソーシング事業の2つの事業から構成されており、デジタルサービス企業としての強みを活かした取り組みを図っております。
システム開発事業においては、システムの企画、開発から運用までをトータルでサポートするSIサービスを提供しております。なかでも、ローコード開発ツール等を活用したソリューション提供を得意としており、ソリューション・サービス・AIなど先端技術へ拡大し、DXへ展開するべく取り組んでおります。
アウトソーシング事業では、データエントリーサービス、ビジネスプロセッシングサービス、コンタクトセンターサービス等と、業態別に行ってきたサービスで培った技術力と品質を活かし、時代や環境の変化に伴う顧客ニーズに柔軟に対応した複合的なサービスの提供に取り組んでおります。
(3)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題
このような環境の中、当社グループが持続的な成長を続けていくためには、市場の変化や顧客企業の動向を捉え、ステークホルダーの皆様のご期待にも応えられるよう収益力を高めていくとともに、上場企業として高い信頼を得るべく、コンプライアンスの徹底やコーポレート・ガバナンスの強化に努める必要があります。さらには、社会的課題である働き方改革にもより一層取り組むことにより、社員が働きがいを高めて業務に従事できる環境作りも課題となっております。
このような事業環境、課題認識を踏まえ、当社グループでは、「デジタルサービス企業として、価値ある技術・サービスを提供し続ける」ことを目指し、2024年3月期より第8次中期経営計画を進めてまいりました。「ONE sdc -ステークホルダーとともに新たなステージへ- 」を基本メッセージに掲げ、「安定的収益を拡大する」、「社会の持続的な成長に貢献する」の2つをビジョンとして定め、以下の5つの基本方針に基づき、当社グループの優先的に対処すべき課題等に取り組んでまいりました。
①成長事業を拡大する
システム開発事業における業種別戦略の強化によって、既存主要顧客からの高収益案件の継続した受注に加え、関連グループ会社からも案件を獲得し、着実に収益を拡大しております。また、ローコード・Salesforce・クラウドを活用したソリューションビジネスの拡充によって、既存主要顧客をはじめ顧客開拓を進めながら新規案件を受注しております。アウトソーシング事業では、オンサイトビジネス強化、低収益ビジネスの見直し、新たなビジネスモデルへの変革を引き続き推進しております。
また、グループ会社やビジネスパートナー各社との相互連携や情報共有をより一層強化し、グループ間の営業連携や共同開発などを拡大、ビジネスパートナーのサービスを活かした営業活動や事業展開などを推進しております。
②新たな収益基盤を確立する
AIやIoTといったデジタル技術の革新を受けて事業競争力の強化や事業モデルの変革を目指した攻めのIT投資需要が継続する中、社会の持続的な成長に向け、社会課題の解決に繋がる新たな取り組みを図っていくことも求められています。当社においても、「DX推進室」を中心に、外部と共創しながらデジタル技術を活用し、社内外に対して革新的な価値を創出することを引き続き目指しております。併せて、M&A、マイノリティ投資も積極的に進めております。
システム開発事業においては、IoTベンチャー企業と資本業務提携を行い、AI統合ソリューションを共同で開発いたしました。また、当社のノウハウを活用し「プロジェクト運営力育成サービス」も新たに展開を始めました。アウトソーシング事業においても、新たなビジネスモデルへの変革に向けて、業務提携先との連携を拡大するとともに、新サービスの立ち上げに向けた協業を引き続き進めております。
③コンプライアンスを徹底する
当社グループでは、企業倫理に基づく公正で健全な企業であり続けるため、コンプライアンス違反を発生させない体制整備に継続して取り組むとともに、コンプライアンス意識の維持向上のための教育を継続的に実施しております。これによりコンプライアンス意識をより一層向上させ、一人一人が自らリスク回避に取り組み、レベルの高い対応をしていけることを目指してまいります。
④社員の働きがいを高める
人的資本投資の拡充の観点から、第8次中期経営計画において正社員の賃金10%アップを掲げ、達成いたしました。健康経営においてはITS(関東ITソフトウェア健康保険組合)健康優良企業「銀の認定」を取得しました。また、グループ会社がユースエール認定企業や健康優良法人に認定されるなど第三者による評価もいただいております。今後も引き続き健康経営の推進を進めてまいります。また、本社移転等により職場環境の改善を進めるとともに、人事制度等の見直しによって、よりワークライフバランスが実現しやすい環境整備を進めました。人材育成の面では、システム開発事業において自律的な学びのシステムを導入し、等級別ラーニングパスによる継続的なエンジニア育成、リスキリング文化醸成への取り組みを進め全社にも展開中です。さらに、従業員持株会の奨励金を5%から10%に拡充したことで持株会会員数が約80%アップし、活性化に繋がっております。
引き続き、コミュニケーションの活性化、生産性の向上、帰属意識および社員満足度の向上等を通じて働きがいを高めるとともに、優秀な人材の確保を実現し、事業の持続的な成長を目指してまいります。
⑤SDGsを推進する
企業理念として掲げた「ステークホルダーとともに社会の持続的な成長に貢献する」の実現に向けて、SDGsの取り組みにつき、社内への浸透をより一層図るとともに、サステナビリティ基本方針を定め、持続的な企業価値の向上に繋がる各種取り組みを以下のとおり進めております。
気候変動に伴う温室効果ガス排出量削減に向けた国際的な枠組みであるSBT認定の取得に向けScope1-3の温室効果ガス排出量算定を完了し、当該算定結果をもって申請を進め、2025年10月に認定を取得いたしました。2035年目標の達成に向けた取り組みを進めてまいります。また、脱炭素社会等の実現に寄与するESG投資についても毎年継続して行っております。
ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進においては、目標としていた女性管理職比率15%以上を2025年4月に達成いたしました。また、従来より活動していた女性委員会を発展的に解消し、本年1月にはサステナビリティ推進委員会の下、DE&I推進ワーキンググループを立ち上げました。今後も継続して活動してまいります。
また、障がい者雇用支援等をはじめとする地域貢献として、行政と連携し、障がい者の職場実習を通じて参加者の就労支援に貢献したほか、行政が運営する障がい者福祉施設で生産する菓子類を昨年から毎年4月に開催している全社キックオフミーティングで提供する等、継続的な取り組みを実施しております。
これらの取り組みにより、後述の通り、第8次中期経営計画で掲げた数値目標はいずれも達成することができました。
この成果を受け、当社グループの更なる企業価値向上を加速化するため、今般、10年後のありたい姿を定めるとともに、具体的な成果を形として生み出す3ヶ年として、2027年3月期から第9次中期経営計画をスタートさせました。本計画では、「ステークホルダーとともに、広がる価値をカタチに」をスローガンに、ビジョンは、「新たな収益基盤を拡大する」と「社会の持続的な成長に貢献する」を掲げました。後述する第9次中期経営計画の数値目標達成に向けて、「事業戦略」、「財務・IR戦略」、「企業文化」の3つを 重点戦略として定め、各種施策に取り組んでまいります。
事業戦略では、事業ポートフォリオ戦略を基盤に、顧客戦略、ソリューション・サービス戦略、リソース戦略を進めてまいります。
事業ポートフォリオ戦略では、組織再編を行い、当社グループのシナジーを最大限発揮できるような事業構成の見直しを目指してまいります。
顧客戦略では、顧客の理解度を徹底的に深め、顧客基盤の拡大を図るとともに、他領域・他業種に展開してまいります。
ソリューション・サービス戦略では、当社のソリューションラインナップを強化しながら、サービスビジネスを本格始動してまいります。
リソース戦略では、組織と個人のケーパビリティを拡大し、リソースを強化してまいります。以上、4つの戦略を着実に進め、目標達成を目指します。
財務・IR戦略については、中期経営計画で定めた各指標の達成に向け、事業戦略の推進により新たな収益基盤の拡大を図るとともに、累進配当方針の継続、利益還元のさらなる拡充により、ROEの改善を図ってまいります。また、M&A及びマイノリティ投資の活用については、本中期経営計画内において、約7~15億円程度の成長投資を実施する計画です。また、後述の通り、キャッシュフローアロケーションを開示する等、さらなる企業価値の向上を目指し、非財務戦略の推進とIR活動の強化によるPERの改善も図ってまいります。
これらの取り組みにより、各指標の達成と「PBR(=ROE×PER)1倍割れ解消の必達とさらなる向上」を目指してまいります。
企業文化では、ステークホルダーに価値創造を提供し続けていくために、以下の活動を行ってまいります。人的資本投資を継続するとともに、人事戦略強化による従業員のモチベーションアップや、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンと健康経営を推進してまいります。また、温室効果ガス削減と地域社会との連携で地球環境持続可能性に貢献してまいります。さらに、コーポレート・ガバナンスの実践による企業価値向上を推進するとともに、AIの活用による業務効率改善とナレッジ活用の強化による従業員のQOL向上を目指します。以上の施策により企業文化の向上と強化を行ってまいります。
キャッシュフローアロケーションについて
当社グループの現預金残高は、2026年3月期末において約32億円となっておりますが、そのうち17億円は経営の安全性も考慮した運転資金等であり、残り15億円を今後の成長投資に向けた余裕資金としております。第9次中期経営計画で想定しているのれん償却等を含む営業キャッシュフローは新たに約15億円を見込んでおり、合計約30億円の余裕資金を以下の目的に応じて充当していく方針です。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、経営の効率性向上による収益性重視の観点から、売上高経常利益率を主たる経営指標と
し、長期目標として8%以上を目指してまいりました。また株主重視、資本コストを意識した経営の観点から
ROEについても重要な経営指標と考えております。
PBR向上のためには資本コストを上回るROE(自己資本利益率)の達成が求められるとの認識のもと、当社グ
ループは、第8次中期経営計画目標をROE8%以上、売上高経常利益率5%以上に設定しておりましたが、2026
年3月期は、両目標とも達成いたしました。また、2025年3月期より新たな財務指標としてDOE(純資産配当
率)を採用しており、2023年3月期実績2.0%の75%増となる3.5%以上を目標に加えておりましたが、こちらも
達成いたしました。
今般、10年後のありたい姿として、2036年3月期に「売上高250億円以上」、「売上高営業利益率10.0%以上」
の企業グループを目指すことを目標に掲げ、長期経営指標の見直しを図りました。
それに向かう第一弾のステージとして、第9次中期経営計画においては、2029年3月期目標として、「売上高
125億円以上」、「売上高営業利益率6.5%以上」、「ROE10.0%以上」、「DOE5.0%以上」を設定し、「PBR1倍割
れ解消の必達とさらなる向上」を目指してまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、1967年の創設以来、システム開発事業とアウトソーシング事業を柱とするデジタルサービス企業として着実に実績を重ねてまいりました。近年、社会情勢の変化が激しく不確実性が高い時代と言われる中、社会の持続的な成長に対する社会的な責任も高まってきており、企業としてさらなる変革が求められています。
このような環境を踏まえ、第57期において、企業理念、企業ビジョン、行動理念等の見直しを図りました。以下に掲げたコーポレートスローガンのもと、グループ全社一丸となって、企業理念・ビジョンの実現に向け、経営方針に基づき、企業価値のより一層の向上に取り組んでおります。
[コーポレートスローガン]
Design for the future 人とデジタル技術でより良い社会を実現する
[企業理念]
ステークホルダーとともに 社会の持続的な成長に貢献する
[企業ビジョン]
デジタルサービス企業として 価値ある技術・サービスを提供し続ける
[行動理念]
カスタマー・ファースト
[経営方針]
・透明性を高め、企業倫理に基づく公正で健全な企業であり続ける
・市場環境および顧客課題の変化に対し、適時対応する
・デジタルサービス企業として、各事業の発展と維持向上を図るとともに、事業の融合により、企業価値をよ
り一層高める
(2)経営環境
当社グループの属する情報サービス分野においては、生成AIを始めとするテクノロジーへの対応を目的とした投資を背景に、モダナイゼーション需要に伴うサービスがけん引役となり市場が拡大する見通しとなっていますが、生成AIの活用進展によるユーザー企業の内製化加速や、専門技術を有する高度IT人材不足によるサービス提供力の不足やビジネスチャンスの減少が危惧されております。また、「SDGs(持続可能な開発目標)」の達成に向け、社会全体としての取り組みが進んでおり、各企業もビジネスイノベーションを発揮し、事業を通しての社会課題の解決や、ダイバーシティ、働き方改革等に取り組んでいくことが求められております。
当社グループは、システム開発事業、アウトソーシング事業の2つの事業から構成されており、デジタルサービス企業としての強みを活かした取り組みを図っております。
システム開発事業においては、システムの企画、開発から運用までをトータルでサポートするSIサービスを提供しております。なかでも、ローコード開発ツール等を活用したソリューション提供を得意としており、ソリューション・サービス・AIなど先端技術へ拡大し、DXへ展開するべく取り組んでおります。
アウトソーシング事業では、データエントリーサービス、ビジネスプロセッシングサービス、コンタクトセンターサービス等と、業態別に行ってきたサービスで培った技術力と品質を活かし、時代や環境の変化に伴う顧客ニーズに柔軟に対応した複合的なサービスの提供に取り組んでおります。
(3)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題
このような環境の中、当社グループが持続的な成長を続けていくためには、市場の変化や顧客企業の動向を捉え、ステークホルダーの皆様のご期待にも応えられるよう収益力を高めていくとともに、上場企業として高い信頼を得るべく、コンプライアンスの徹底やコーポレート・ガバナンスの強化に努める必要があります。さらには、社会的課題である働き方改革にもより一層取り組むことにより、社員が働きがいを高めて業務に従事できる環境作りも課題となっております。
このような事業環境、課題認識を踏まえ、当社グループでは、「デジタルサービス企業として、価値ある技術・サービスを提供し続ける」ことを目指し、2024年3月期より第8次中期経営計画を進めてまいりました。「ONE sdc -ステークホルダーとともに新たなステージへ- 」を基本メッセージに掲げ、「安定的収益を拡大する」、「社会の持続的な成長に貢献する」の2つをビジョンとして定め、以下の5つの基本方針に基づき、当社グループの優先的に対処すべき課題等に取り組んでまいりました。
①成長事業を拡大する
システム開発事業における業種別戦略の強化によって、既存主要顧客からの高収益案件の継続した受注に加え、関連グループ会社からも案件を獲得し、着実に収益を拡大しております。また、ローコード・Salesforce・クラウドを活用したソリューションビジネスの拡充によって、既存主要顧客をはじめ顧客開拓を進めながら新規案件を受注しております。アウトソーシング事業では、オンサイトビジネス強化、低収益ビジネスの見直し、新たなビジネスモデルへの変革を引き続き推進しております。
また、グループ会社やビジネスパートナー各社との相互連携や情報共有をより一層強化し、グループ間の営業連携や共同開発などを拡大、ビジネスパートナーのサービスを活かした営業活動や事業展開などを推進しております。
②新たな収益基盤を確立する
AIやIoTといったデジタル技術の革新を受けて事業競争力の強化や事業モデルの変革を目指した攻めのIT投資需要が継続する中、社会の持続的な成長に向け、社会課題の解決に繋がる新たな取り組みを図っていくことも求められています。当社においても、「DX推進室」を中心に、外部と共創しながらデジタル技術を活用し、社内外に対して革新的な価値を創出することを引き続き目指しております。併せて、M&A、マイノリティ投資も積極的に進めております。
システム開発事業においては、IoTベンチャー企業と資本業務提携を行い、AI統合ソリューションを共同で開発いたしました。また、当社のノウハウを活用し「プロジェクト運営力育成サービス」も新たに展開を始めました。アウトソーシング事業においても、新たなビジネスモデルへの変革に向けて、業務提携先との連携を拡大するとともに、新サービスの立ち上げに向けた協業を引き続き進めております。
③コンプライアンスを徹底する
当社グループでは、企業倫理に基づく公正で健全な企業であり続けるため、コンプライアンス違反を発生させない体制整備に継続して取り組むとともに、コンプライアンス意識の維持向上のための教育を継続的に実施しております。これによりコンプライアンス意識をより一層向上させ、一人一人が自らリスク回避に取り組み、レベルの高い対応をしていけることを目指してまいります。
④社員の働きがいを高める
人的資本投資の拡充の観点から、第8次中期経営計画において正社員の賃金10%アップを掲げ、達成いたしました。健康経営においてはITS(関東ITソフトウェア健康保険組合)健康優良企業「銀の認定」を取得しました。また、グループ会社がユースエール認定企業や健康優良法人に認定されるなど第三者による評価もいただいております。今後も引き続き健康経営の推進を進めてまいります。また、本社移転等により職場環境の改善を進めるとともに、人事制度等の見直しによって、よりワークライフバランスが実現しやすい環境整備を進めました。人材育成の面では、システム開発事業において自律的な学びのシステムを導入し、等級別ラーニングパスによる継続的なエンジニア育成、リスキリング文化醸成への取り組みを進め全社にも展開中です。さらに、従業員持株会の奨励金を5%から10%に拡充したことで持株会会員数が約80%アップし、活性化に繋がっております。
引き続き、コミュニケーションの活性化、生産性の向上、帰属意識および社員満足度の向上等を通じて働きがいを高めるとともに、優秀な人材の確保を実現し、事業の持続的な成長を目指してまいります。
⑤SDGsを推進する
企業理念として掲げた「ステークホルダーとともに社会の持続的な成長に貢献する」の実現に向けて、SDGsの取り組みにつき、社内への浸透をより一層図るとともに、サステナビリティ基本方針を定め、持続的な企業価値の向上に繋がる各種取り組みを以下のとおり進めております。
気候変動に伴う温室効果ガス排出量削減に向けた国際的な枠組みであるSBT認定の取得に向けScope1-3の温室効果ガス排出量算定を完了し、当該算定結果をもって申請を進め、2025年10月に認定を取得いたしました。2035年目標の達成に向けた取り組みを進めてまいります。また、脱炭素社会等の実現に寄与するESG投資についても毎年継続して行っております。
ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進においては、目標としていた女性管理職比率15%以上を2025年4月に達成いたしました。また、従来より活動していた女性委員会を発展的に解消し、本年1月にはサステナビリティ推進委員会の下、DE&I推進ワーキンググループを立ち上げました。今後も継続して活動してまいります。
また、障がい者雇用支援等をはじめとする地域貢献として、行政と連携し、障がい者の職場実習を通じて参加者の就労支援に貢献したほか、行政が運営する障がい者福祉施設で生産する菓子類を昨年から毎年4月に開催している全社キックオフミーティングで提供する等、継続的な取り組みを実施しております。
これらの取り組みにより、後述の通り、第8次中期経営計画で掲げた数値目標はいずれも達成することができました。
この成果を受け、当社グループの更なる企業価値向上を加速化するため、今般、10年後のありたい姿を定めるとともに、具体的な成果を形として生み出す3ヶ年として、2027年3月期から第9次中期経営計画をスタートさせました。本計画では、「ステークホルダーとともに、広がる価値をカタチに」をスローガンに、ビジョンは、「新たな収益基盤を拡大する」と「社会の持続的な成長に貢献する」を掲げました。後述する第9次中期経営計画の数値目標達成に向けて、「事業戦略」、「財務・IR戦略」、「企業文化」の3つを 重点戦略として定め、各種施策に取り組んでまいります。
事業戦略では、事業ポートフォリオ戦略を基盤に、顧客戦略、ソリューション・サービス戦略、リソース戦略を進めてまいります。
事業ポートフォリオ戦略では、組織再編を行い、当社グループのシナジーを最大限発揮できるような事業構成の見直しを目指してまいります。
顧客戦略では、顧客の理解度を徹底的に深め、顧客基盤の拡大を図るとともに、他領域・他業種に展開してまいります。
ソリューション・サービス戦略では、当社のソリューションラインナップを強化しながら、サービスビジネスを本格始動してまいります。
リソース戦略では、組織と個人のケーパビリティを拡大し、リソースを強化してまいります。以上、4つの戦略を着実に進め、目標達成を目指します。
財務・IR戦略については、中期経営計画で定めた各指標の達成に向け、事業戦略の推進により新たな収益基盤の拡大を図るとともに、累進配当方針の継続、利益還元のさらなる拡充により、ROEの改善を図ってまいります。また、M&A及びマイノリティ投資の活用については、本中期経営計画内において、約7~15億円程度の成長投資を実施する計画です。また、後述の通り、キャッシュフローアロケーションを開示する等、さらなる企業価値の向上を目指し、非財務戦略の推進とIR活動の強化によるPERの改善も図ってまいります。
これらの取り組みにより、各指標の達成と「PBR(=ROE×PER)1倍割れ解消の必達とさらなる向上」を目指してまいります。
企業文化では、ステークホルダーに価値創造を提供し続けていくために、以下の活動を行ってまいります。人的資本投資を継続するとともに、人事戦略強化による従業員のモチベーションアップや、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンと健康経営を推進してまいります。また、温室効果ガス削減と地域社会との連携で地球環境持続可能性に貢献してまいります。さらに、コーポレート・ガバナンスの実践による企業価値向上を推進するとともに、AIの活用による業務効率改善とナレッジ活用の強化による従業員のQOL向上を目指します。以上の施策により企業文化の向上と強化を行ってまいります。
キャッシュフローアロケーションについて
当社グループの現預金残高は、2026年3月期末において約32億円となっておりますが、そのうち17億円は経営の安全性も考慮した運転資金等であり、残り15億円を今後の成長投資に向けた余裕資金としております。第9次中期経営計画で想定しているのれん償却等を含む営業キャッシュフローは新たに約15億円を見込んでおり、合計約30億円の余裕資金を以下の目的に応じて充当していく方針です。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、経営の効率性向上による収益性重視の観点から、売上高経常利益率を主たる経営指標と
し、長期目標として8%以上を目指してまいりました。また株主重視、資本コストを意識した経営の観点から
ROEについても重要な経営指標と考えております。
PBR向上のためには資本コストを上回るROE(自己資本利益率)の達成が求められるとの認識のもと、当社グ
ループは、第8次中期経営計画目標をROE8%以上、売上高経常利益率5%以上に設定しておりましたが、2026
年3月期は、両目標とも達成いたしました。また、2025年3月期より新たな財務指標としてDOE(純資産配当
率)を採用しており、2023年3月期実績2.0%の75%増となる3.5%以上を目標に加えておりましたが、こちらも
達成いたしました。
| 第58期 2024年3月期 | 第59期 2025年3月期 | 第60期 2026年3月期 | |
| 売上高経常利益率 (%) | 6.0 | 5.0 | 6.1 (中計目標5%以上) |
| ROE(自己資本利益率) (%) | 7.9 | 6.6 | 8.3 (中計目標8%以上) |
| DOE(純資産配当率) (%) | 3.2 | 3.4 | 4.0 (中計目標3.5%以上) |
今般、10年後のありたい姿として、2036年3月期に「売上高250億円以上」、「売上高営業利益率10.0%以上」
の企業グループを目指すことを目標に掲げ、長期経営指標の見直しを図りました。
それに向かう第一弾のステージとして、第9次中期経営計画においては、2029年3月期目標として、「売上高
125億円以上」、「売上高営業利益率6.5%以上」、「ROE10.0%以上」、「DOE5.0%以上」を設定し、「PBR1倍割
れ解消の必達とさらなる向上」を目指してまいります。
| 第61期 2027年3月期 (見通し) | 第63期 2029年3月期 (第9次中計目標) | 第70期 2036年3月期 (長期目標) | |
| 売上高 | 104億円 | 125億円以上 | 250億円以上 |
| 売上高営業利益率 (%) | 6.1 | 6.5%以上 | 10.0%以上 |
| ROE(自己資本利益率) (%) | 8.4 | 10.0%以上 | ― |
| DOE(純資産配当率) (%) | 4.2 | 5.0%以上 | - ― |