有価証券報告書-第27期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/29 9:40
【資料】
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【項目】
142項目

対処すべき課題

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営方針、経営環境及び経営戦略
当社グループは「人と技術の力で、驚きがあふれるセカイを」のビジョンのもと、「リレーションエンジニアリングで、人と企業の間にうれしい「つながり」をつくる」ことをミッションに、お客様との間に、お客様とそのお客様との間に、一緒に働く仲間との間に、すべての行動の先にWOW(うれしい驚きの瞬間)があることを目指し、事業展開しております。
近年は人々が受け取る情報量が爆発的に増加しており、企業が顧客の心を動かすためには、最新のデジタルテクノロジーを駆使し「最適な情報を最適なタイミングで届ける」ことが重要となっています。当社グループは現在、ユーザー企業様のこれらのご要望に対応するためWEBCASの機能拡充やAIツールをはじめとする外部システム連携を強化しておりますが、今後はより一層、人々に「絶妙なタイミングで期待以上の情報と出会う驚き」を与え、「企業と顧客の間にうれしいつながり」を創り出していきたいと考えております。
このような経営方針・環境のもと、当社グループは「グループシナジーの創出」「カスタマーサクセスの推進」「M&A及び資本業務提携の推進」を戦略の柱に掲げて邁進しております。
① グループシナジーの創出
当社グループは、企業と顧客のコミュニケーション課題を解決するためのコミュニケーションプラットフォームを提供しています。
最適な情報を最適なタイミングで届けることで、企業と顧客が良好な関係を築くことが重要との認識から、企業のマーケティングとカスタマーサクセスの強化を志向するお客様に対し、資本業務提携や子会社化を契機に、デジタルマーケティングの戦略立案及び運用支援に関するサービスの提供や、データ分析・活用促進によるメール配信等の効率化、さらにはコネクティCDPを基盤とした統合的なデジタル・マーケティングツールの共同開発を目指します。
② カスタマーサクセスの推進
第1に、機能改善の短期化を図ります。部署横断(営業・新製品企画・導入・開発等)による機能改善チームを結成し、クライアントへの価値提供の観点から、顧客要望リストの棚卸しを定期的に実施し、設定した優先順位に基づき、短期の機能改善サイクルを運用、定着化を図ります。
第2に、既存顧客へのアップセル及びクロスセルを強化します。カスタマーサクセス部門の更なる強化と共に、営業支援システムの全面刷新を機に、活用事例や顧客の声を分析し、新規用途の開発及び提案を実現し、定着化を目指します。さらには、当社WEBCAS、コネクティCMS・CDP、戦略立案及び運用支援コンサルティング、データ分析サービス・ツール提供等、当社グループ間もしくは資本提携先との相互クロスセルの更なる実現を目指します。
③ M&A及び資本業務提携の推進
マーケティング及びカスタマーサクセス領域をターゲットとして、当社グループが提供可能なサービス拡大のため、M&A及び資本業務提携の推進を継続します。また、大規模Web開発等、既存事業セグメントのリソース拡充を目的としたM&Aも視野に入れ推進します。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは「カスタマーサクセスの本格稼働」「グループシナジーの創出」「M&Aの推進による更なる成長」を戦略の柱とし、その達成状況を判断するための客観的な指標として、売上高、クラウドサービス売上高、EBITDA及び営業利益を重要指標として掲げております。
これら重要指標を達成することで、企業価値の向上と株主への利益還元を目指します。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題
① 収益力の更なる向上
当社グループは、月額課金型で安定的に売上を計上でき利益率も高いクラウドサービスに注力するとともに、既存顧客を成功へ導く重要な役割として、顧客情報の活用等により導入初期段階の課題を解決し、継続的な運用サポートを提供するカスタマーサクセス体制を構築しました。今後、顧客の利用状況等を様々な角度から分析し更なる改善に繋げて行くことにより、解約率の低下とARPUを向上させることにより収益の安定と向上を図ってまいります。また、グループ会社製品との連携サービスや新製品の提供により更なる収益向上を図ってまいります。
② 販路の拡大
小規模である当社グループが、販売力を強化するにあたって、自社の営業人員のみで対処するのには限界があります。当社グループ製品やサービスのコンサルティングから導入サポートまで一貫して行えるパートナーの育成や、他企業との業務提携にも引き続き取り組んでまいります。
③ ブランド力の強化
ソフトウェアプロダクトの販売を主力事業とする当社グループにとって、一定の市場シェアを確保することは非常に重要であり、そのためのブランド力強化は大きな課題です。従来のインターネット上のリスティング広告に加え、ニュースサイトやポータルサイト、雑誌などへの広告掲載、社名変更やイメージキャラクターの採用、経営者や社員の露出度を高めることによる認知度の向上など、多角的にブランド力向上を進めてまいります。
④ 新技術の研究開発
IT・ソフトウェアやマーケティングに関する技術は日進月歩で次々に新しい技術が生まれており、既存の技術も変化しています。これらの技術トレンドを素早く察知し当社グループの事業への影響を見極め必要に応じて対応していく必要がございます。顧客の満足度を高めるべく、今後もソフトウェアプロダクトの機能向上、提供インフラの維持向上を図ります。
⑤ ソフトウェアプロダクトの品質強化
クライアント企業からの信頼の維持、ソフトウェアの不具合に対応するための業務を削減することによる業務効率化の推進、及び今後の海外展開に耐えうる品質の確保を目的に、テストの強化などを通じ、ソフトウェアプロダクトの品質強化を図ります。
⑥ 人材の活用及び女性の活躍の機会の更なる拡大
当社グループは、持続的な成長を担う人材の確保と育成が重要な課題であると認識しております。今後も、社員教育制度の拡充に努めるとともに、多様な人材が活躍できる企業風土の醸成に努めてまいります。
なお、当社は2022年3月末現在で全社員118名のうち男性57.6%、女性42.4%となっております。また、女性の役職登用者は、現在28名(うち管理職2名)となり、役職者のうち38.89%が女性ということになります。このように当社では積極的に女性の採用、役職者登用を推進しております。また、国内の人材だけではなく、2021年1月に中国で新卒者の採用活動を行い2名の内定を出しました。コロナ禍の影響で現時点では入国できておりませんが、これまでも中国、韓国、インドなどの採用実績があり、今後も外国人の採用を進めてまいります。中途採用につきましては、単なる欠員補充にとどまらず、管理職の採用も行っており、2021年3月以降3名の実績があります。このように当社は多様性を重要視し、企業価値の向上に努めております。なお、今後の採用目標(2022年度)については、前年実績(2021年度)と同等もしくはそれ以上を掲げております。今年度より、これまでOJT主体であった社内教育について教育研修専任のチームを立ち上げ、新卒者及び中途採用の教育研修に向けた体制を構築しました。また、中国からの新卒者採用を行い、入社前に日本の生活習慣や文化をレクチャーするなど仕事を行う上での適宜必要な研修メニューを加えております。このように、国籍や性別などにとらわれることなく、一貫して教育が受けられる体制を整え、個性を尊重しそれぞれの成長を目指しています。また、リモートワークを推進し、コロナ収束後も開発部門は基本的にリモートワーク主体など、柔軟な働き方を実践してまいります。このように、個々の持つ才能や強みを活かし、より成長できる、働きやすい環境作りを実践しております。また、その実施状況につきましては、適時当社ホームページ(https://www.wow-world.co.jp/)にて公表してまいります。
⑦ 新型コロナウイルス感染症による影響
新型コロナウイルス感染症拡大による緊急時対応のテレワークへの関心の高まりなどを背景に、今後IT投資がより加速することが予想されます。一方で、感染症拡大の長期化に対する懸念や企業活動の更なる制約により、景気の先行きについては予断を許さない状況にあります。当社グループといたしましては、現時点で新型コロナウイルス感染症拡大による大きな影響は見られておりませんが、先行きについては不透明であることから、現時点で入手し得る適正かつ合理的であると判断する一定の条件に基づき事業計画を策定しており、今後の事業環境の推移を注視し、見直しが必要と判断した場合には適時開示してまいります。