有価証券報告書-第51期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/23 16:51
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【項目】
112項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、前半は積極的な財政・金融政策を受けた雇用情勢の改善等から緩やかな回復基調を辿りました。一方後半は、中国、ブラジルといった新興国の成長鈍化、原油価格の低下を受けた円高の進行などの要因により、景気の回復に陰りが見えてきております。
当社が属する情報サービス産業につきましては、本年4月に経済産業省が発表した平成28年2月の特定サービス産業動態統計(確報)によれば、売上高は前年同月比で2.5%増と5ヵ月連続で前年同期比の増加が続いております。また、売上高全体の半分を占める「受注ソフトウェア」も、大手企業が収益の堅調を背景に情報化投資を継続しており、前年同月比で2.5%増と平成25年11月から連続して前年同期比の増加が続いております。
このような状況のもと当社グループは、3ヵ年中期経営計画「中期経営計画2015」の基本方針である「既存事業の収益性向上と安定化」、「ポートフォリオの多様化」、「経営基盤の整備、改革」に取り組んでおります。不採算プロジェクトの抑制につきましては、中期経営計画の重要課題として掲げ、発生防止に向けて組織的に取り組んだ結果、不採算プロジェクトにかかるコストが大幅に減少し、利益につきましては前年同期を上回ることができました。その一方で、官庁系・運輸系の既存顧客がシステムリプレース等の端境期にあたり、需要が減少したことで、売上高は前年同期を下回る結果となりました。
以上のような状況により、当社グループの当連結会計年度の受注高は16,368百万円(前年同期比384百万円増、2.4%増)、売上高は15,988百万円(同393百万円減、2.4%減)、営業利益は63百万円(同60百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は66百万円(前年同期は78百万円の損失)となりました。
セグメント別の業績を示すと、次のとおりであります。
① システム開発事業
受注高は10,962百万円(前年同期比151百万円減、1.4%減)、売上高は10,716百万円(同771百万円減、6.7%減)、営業利益は217百万円(同210百万円増)となりました。
当期は、官庁系・運輸系の既存顧客からのシステム更新等の大型案件が端境期にあたり、これら顧客からの需要の減退が予想されたことから、他分野での受注を拡大すべく積極的に営業活動を推し進めた結果、公共系では監視制御案件の拡大、メディア系においては新規の大型案件、流通系では既存案件の拡大などの受注を獲得いたしました。運輸系においても新規案件の獲得があったものの、既存案件の減少を補うまでにはいたらず、受注・売上高ともに前年同期を下回る結果となりました。損益面につきましては、プロジェクト管理を一層強化し、不採算プロジェクトの発生防止を徹底したことなどにより、前年同期から大幅な利益改善をはかることができました。
② SI事業
受注高は1,896百万円(前年同期比164百万円減、8.0%減)、売上高は1,926百万円(同161百万円減、7.7%減)、営業利益は143百万円(同9百万円増、7.2%増)となりました。
既存顧客に対する提案活動を積極的に推し進めたことなどにより、既存顧客のグローバル展開案件、ERP系の新規案件などの獲得に成功いたしました。しかしながら、当初見込んでいた大型案件や既存顧客の改修案件などの受注獲得が伸び悩み、受注・売上高ともに前年同期比で減少する結果となりました。損益面につきましては、収益改善がはかられ、前年同期を上回ることができました。
③ プラットフォーム事業
受注高は2,051百万円(前年同期比1,085百万円増、112.4%増)、売上高は1,724百万円(同759百万円増、78.7%増)、営業損失は111百万円(前年同期は142百万円の損失)となりました。
期初に受注したインフラ構築系の大型案件により、受注・売上高ともに前年同期から大幅な増となりました。損益面につきましては、売上高の増加に伴い、前年同期から損失を縮小させることができました。
③ その他
その他に含まれる事業は、主に運用・保守、機器販売・ライセンス販売等であります。
受注高は1,458百万円(前年同期比385百万円減、20.9%減)、売上高は1,620百万円(同220百万円減、12.0%減)、営業損失は86百万円(前年同期は8百万円の損失)となりました。
当期は、運用・保守系が堅調に推移したものの、機器およびライセンス等の製品販売が伸び悩み、その他全体としては受注・売上高・利益のいずれも前期を下回る結果となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の収支は、前連結会計年度では247百万円の収入であったものが344百万円減少し、当連結会計年度では96百万円の支出となりました。
各キャッシュ・フローにおける収支の状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
a. 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動による資金の収支は、前連結会計年度では192百万円の収入であったものが798百万円減少し、606百万円の支出となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益が前連結会計年度に比べ63百万円の増益となったことに加え、非資金項目である減価償却費の増加が増収に寄与したものの、売上債権が増加したことなどによるものであります。
b. 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動による資金の収支は、前連結会計年度では45百万円の支出であったものが150百万円増加し、当連結会計年度では105百万円の収入となりました。
これは主に、前連結会計年度まで開発を進めていた社内基幹システムの完成に伴い、無形固定資産の取得による支出が減少したことによるものであります。
c. 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動による資金の収支は、前連結会計年度では101百万円の収入であったものが303百万円増加し、404百万円の収入となりました。
これは主に、長期借入金の調達によるものであります。