有価証券報告書-第25期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/29 13:29
【資料】
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【項目】
127項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
①会社の経営の基本方針
当社グループは、「技術者の地位向上と業界最高の収入を実現し創造的個人経営者集団を形成させる」を経営理念として掲げ、知識に基づく知恵を扱う「技術商社」として優れた日本の「匠」とともに、豊かな感性と柔らかな発想を兼ね備えた人材を育成し、社会に貢献することを使命としています。
当社グループは1996年の創業以来、高度なスキルが必要とされる「機械設計」「電気・電子設計」「ソフトウエア開発」の3分野を得意領域として、研究開発部門及び設計部門等の上流工程の各プロセスへのアウトソーシング事業を通じて、日本のものづくりの一翼を担ってまいりました。
経営理念に基づき、技術力だけではなく創造性豊かで経営マインドを持った技術者を育成し、派遣という形態を主体として各種メーカー、情報関連企業など様々な企業にサービスを提供し、自社を含めた日本の技術者のステータスを上げることを経営の基本としております。今後は、技術提供の量や質面での顧客満足を達成するだけではなく、適正な収益確保を可能にする営業体制構築を図り、自社及び顧客両者の満足度を高めていきます。
また、「新入社員研修」「新入社員海外研修」「中途社員研修」「技術分野・レベル別研修」「管理職研修」「営業マン研修」「国内外留学」「テクノロジストの表彰制度」等、常に社員のスキルアップ及びモチベーションアップを重視したフォロー体制を目指しております。
②目標とする経営指標
当社グループが目標とする経営指標としましては、一層の経営基盤強化実現のため連結売上総利益率30%以上、連結売上高経常利益率10%以上の達成であります。それにより株主資本の充実を図り、株主の皆様方への利益還元に努めてまいります。
③中長期的な会社の経営戦略
当社グループの顧客企業である国内製造業では、米国を中心に欧州、アジアの経済動向の変化に、より迅速にかつ柔軟に対応出来る組織力が重要視されており、個々人の技術スキル及び語学力の向上もさることながら、新たな付加価値を生み出す創造力が求められております。
このような状況の中、大手メーカーが当社グループの提供する知財リースに対し、メーカーの正社員が持ち得ない多業種に亘る複数社の就業経験とそれらに携わる業者を含めた人脈等のノウハウに必要性を感じると考えております。これらの期待に応えるべく、今後も顧客企業へ質の高い技術開発支援を継続してご提供し続けられるよう、テクノロジストの育成と営業力強化等、より一層の企業価値の向上に努めてまいります。
また、ワクチンが急速に広まり、世界では新型コロナウイルス感染症の収束に向けて明るい兆しがみえてきておりますが、日本国内においては、その期間の長さが不透明であることから、2022年3月期については、当社の業務領域へも少なからず影響が出るものと予想しております。
このような状況の中、当社ではコロナ禍の影響を考慮し、経営方針を業容拡大と共に中長期的成長の最大化に集中していくことを意識しております。
当社グループでは、2021年4月入社の新卒として創業以来最多となる100名の技術系人員を採用しました。2022年3月期以降も早期にテクノロジスト700人体制を構築すべく、継続して優秀な人材の獲得に注力します。
採用活動はWebを中心に切り替え、日本全国の理工系学部の学生をターゲットにWebを活用した会社説明会やSNSを通じた応募者とのコミュニケーション接点を大幅に増やす施策を継続しつつ、これまでの採用活動をデータ分析し、採用施策の効率化をしてまいります。
また、技術職知財リース事業の伸長を睨んで教育体制の強化も継続し、優秀なテクノロジスト育成と技術領域のさらなる拡大に努めてまいります。
AIなどの先進技術における新規顧客の獲得と新たな収益源の開拓を見据え、コロナ禍の中でもWebを活用した営業施策を推進し、でも継続して努めてまいります。
さらに、連結子会社である株式会社ジェイテックアドバンストテクノロジにおいては、注力していた特定技能の外国人材活用及び採用活動は、コロナ禍による影響を受け鈍化が予想されますが、国内の技術職人材の採用強化及び教育体制の充実を継続し、今後の需要拡大に備えた体制を整えてまいります。
(2) 経営環境及び対処すべき課題等
当社グループは技術職知財リース事業を中核としており、採用、人材育成、営業が事業の持続的発展の主軸であると認識しております。当社のコア・コンピタンスである知財力の継続的強化に取り組み、収益力のさらなる向上を実現するため、当社グループが対処すべき課題は、以下のとおりであります。
①優秀なテクノロジストの採用
当社グループの中核である技術職知財リース事業においては、即戦力かつ高度な技術力を備えた人材が常に求められております。このような顧客ニーズに応えるため、多種多様な技術を持つ人材を採用できるよう、採用体制の強化に努めます。新卒採用については、すべての採用活動をWebに切り替え、日本全国の優秀な人材の確保に努めるとともに、国内各拠点及び従業員のネットワークを活用し、多様な採用ルートを引き続き構築してまいります。これにより、多くの有望な新卒社員の安定的採用や中途採用の増加につなげるとともに、成長分野のテクノロジスト採用もさらに強化してまいります。
②人材育成とキャリアサポート
技術が日進月歩で発展している中、顧客満足度の高い技術ソリューションを提供し続けるために、テクノロジストの技術力向上とキャリアサポートは常に重要な課題であります。きめ細かな分野別・テーマ別技術研修の他に、IoTやAIなど先進技術における需要拡大に対応した教育体制の強化と当連結会計年度に導入したテクノロジスト個々の効率的かつ実践的な学習を支援する独自開発の技術教育プラットフォームを活用し、テクノロジストの技術面での習熟をサポートしてまいります。また、社内受託開発チームでの多様なプロジェクトを経験する中でスキルとチームワークを磨く場を設け、技術力・人間力を兼ね備えたバイタリティ溢れる人材の育成に努めてまいります。さらに、スキルや経験に沿った報酬制度の導入、定期的な面談やフォローアップ研修、メンタルヘルスケア、社員同士によるコミュニケーションの醸成、テクノロジストの評価・表彰制度の整備等により、テクノロジストのモチベーションと働く満足度を継続的に高め、定着率のさらなる向上を図ってまいります。
③営業力の強化
当社グループの主要顧客である建築関連、自動車関連においては、コロナ禍の中でも引き続き顧客のフォロー活動を実施し、顧客の幅広いニーズに対応できる地力をさらに蓄積すべく営業力を強化してまいります。また、前年に引き続きIoTやAIなど先進技術の需要も視野に入れ、コロナ禍の影響が継続する状況下であっても、Webを活用した営業活動も一層強化することで新規顧客の獲得に取り組みます。さらに、幅広い業種にわたる顧客基盤を構築し、収益源の多角化を進めます。
④コーポレート・ガバナンスの強化とコンプライアンスの徹底
当社グループでは、コーポレート・ガバナンスの強化及びコンプライアンスの徹底は、経営の最重要課題であり社会的責務であると認識しております。
取締役会の機能強化を図り、経営の健全性及び透明性の確保のため、経営の意思決定、業務執行等に対する適正な監視・監督体制を常に維持しております。また、内部統制室を中心とした内部管理体制を整備し、定期的なコンプライアンス教育の実施等のほか、代表取締役、監査等委員会、会計監査人、内部統制室の間で適切な情報交換を行い、コーポレート・ガバナンスの強化とコンプライアンスの徹底に努めてまいります。