有価証券報告書-第44期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/29 13:24
【資料】
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【項目】
93項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社の経営理念は「全社員の心が豊かになり、健康な身体で物質的にも豊かになる事を追求する。公共面では環境にやさしい企業として世の為、人の為に喜ばれる企業になる。その為には常に利益の出る仕組みを作り続ける企業でなくてはなりません。」としております。この理念では「常に利益の出る仕組み」の創造・実現を通して、物心両面から全社員が豊かになることを当社存在の基本的命題として捉えるとともに、どうすれば「株主の皆様」と「顧客」、そして「社員」の三者を同時に最大限満足させることが出来るのか、当社経営方針の中核にこの「三位一体満足の経営」を掲げて取り組むという見地で、あらゆる考察を行いながら会社経営に取り組んでおります。
このような経営理念に基づき、当社グループでは、顧客の営業上の課題を見つけ出し営業戦略・解決策を提供する課題解決型事業及び消費財市場において新たな事業の機会を見出し、自ら主体的に「ビジネスモデル」を創ることで顧客の価値創造のパートナーとなり、マーケティングで新しい価値を創る企業として進化していくことを目指しております。顧客の満足度を高めるため、当社の競争力の源泉は、直販であることによる顧客接点の多さから得られる顧客ニーズの情報であり、それを柔軟に反映しながら当社の機能強化や新サービスの創出を図れること、そして、これを実現するための仕入先とのネットワーク力にあります。当社グループは、これらを活かして顧客のマーケティングパートナーとして、そして営業戦略・解決策を提供するカンパニーとしてのポジショニングを構築してまいります。また、持続可能な社会づくりのために、環境面にも十分に配慮した事業展開を実施し、社会にも貢献してまいります。その他社員に対しては、顧客の課題解決に関与する喜びと社会への貢献を通じて、勤労意欲の高揚、個人の成長及び生活の安定と向上につなげてまいります。
以上の経営理念及び方針を遂行することにより、株主の皆様はもとより、顧客、社員、その他社内外の関係者の皆様の満足度を高め、社会から支持されることで経営基盤が安定し業績向上が図れると考えております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループでは「連結売上高」「連結経常利益率」を重要な経営指標と捉えております。当社グループでは、顧客課題に合わせた戦略が提供できるよう機能の拡充及び複合化を図っており、上流案件及び案件規模を拡大させ、まずは「連結売上高」180億円を目指してまいります。また、案件規模の拡大による生産性の向上を加速させ、当社グループの競争力及び収益力の向上に取り組み「連結経常利益率」を10%に高めてまいります。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、顧客が販売活動として行うセールスプロモーションを企画・運営することを中核のビジネスとし、顧客のセールスプロモーション活動支援を中心として、物流管理サービスの提供、ITを利用した営業支援サービスの提供、顧客ブランド製品の企画・製造など、顧客の営業活動全般を支援する現場本位のサービス体制の構築を目指しております。この基本的な中核機能の強化に加え、POP分野の強化による総合的な売り場施策の提案推進による顧客内シェアの拡大、アライアンスパートナーとの関係構築及び強化、IT化への対応力の更なる強化を行い、サービスの高付加価値化を推進し、当社グループの競争力の強化及び収益性の向上を図ってまいります。また、顧客自身も気が付かなかった価値を提供するなど、顧客の商品・サービスに新しい価値を付加していく価値創造のパートナーとなり、マーケティングで新しい価値を創る企業として進化してまいります。
上記を遂行し、当社グループは、40年以上培ってきた「店頭販促のノウハウ」特に「消費者・購買者視点に基づいた販促ノウハウ」と「デジタル」を融合した新しいマーケティング会社としてのポジションを確立し、現実・現場とデジタルのハイブリッド型の企業を目指します。そのためにセールスプロモーション市場の厳しい競争環境に対応すべくデジタルのレップ企業に対しては店頭を中心としたマーケティング機能、広告代理店に対しては、当社の強みとするグッズ制作の機能、プロダクツ領域においてはクリエイティブ機能を差別化のポイントとして、他のソリューション企業とは一線を画した評価を市場から得るべく機能転換を行い、リアル(店頭販促)とデジタルの融合した企業としての顧客認知を確立します。
(4) 会社の対処すべき課題
現在ではモノやサービスがあふれ、市場の成熟化が進む中で、「モノを作れば売れる」という時代は既に過去のものと認識されております。企業は大量生産されたモノを市場全体に供給するのではなく、多様化した消費者ニーズやライフスタイルを捉え、マーケティングもより細分化して行い、消費者に確実に支持を得るセールスプロモーション活動を行う傾向にあります。このような環境の中、当社グループといたしましては以下の項目を対処すべき課題と認識し、グループ全体で企業価値の向上に取り組んでまいります。
① 顧客対応力の強化
消費者ニーズの多様化に伴い、地域別、顧客層別、小売店舗別にと、顧客のセールスプロモーション活動も多様化してまいりました。このような状況の中で、セールスプロモーション業界に求められていることは、細かい案件に対応できる機動力と提案力、加えて短納期に対応できる生産力であると捉えております。当社グループは、流通・小売業、自動車・関連品、金融・保険など20業種を超える様々な取引顧客に対して、紙、金属、木材、プラスチック、繊維、電子部品などの幅広い素材を取り扱ってきた豊富な経験に基づくノウハウと、数・分野ともに幅広い協力仕入先との連携を活かし、多様な顧客ニーズに対応できる体制を強化してまいります。
② サービスの高付加価値化推進
当社グループは、単に顧客企業のセールスプロモーション活動の企画・運営を行うだけではなく、顧客の営業上の課題に対して営業戦略・解決策を提供し、または顧客自身も気がつかなかった新たな事業の機会を見出し自ら主体的に「ビジネスモデル」を作ることで、顧客の営業活動全般を支援する現場本位のサービスを行う体制の構築を目指しております。これらを実現するために、グッズ制作やIT、ライセンスなど16種の機能を展開しておりますが、特にPOP分野、デジタルマーケティングの強化による顧客内シェアの拡大やアライアンスパートナーとの関係構築及び強化を行い、または各種機能を複合的に展開する統合プロモーションを実現するなど、サービスの高付加価値化を推進することで、競争力の強化及び収益性の向上を図ってまいります。
③ デジタルマーケティングへの対応強化
デジタルを活用したセールスプロモーション手法の急速な拡大に対応するために、最新のテクノロジーへの理解を深め、SNS等を活用したプロモーション開発や、各種プロモーションから得られるデータの効果測定の分析力を強化していきます。当社グループは、強みである店頭でのセールスプロモーション活動に加え、モバイルコンテンツ等の機能を駆使して店頭への効果的な誘引を行うリアルとデジタルの融合を図り、他のセールスプロモーション会社にない付加価値を提供してまいります。
④ エリアマーケティング力の強化
顧客においては、全国での標準展開による規模のメリットを追求すると同時に、地域の独自性や異質性に注目し、地域特性に対応した商品開発や営業活動を行う傾向にあることから、その地域特性とニーズに対するきめ細かい対応が求められています。当社グループは、中核地方都市における販売拠点を増加し、大都市圏における最新のセールスプロモーション手法を地方都市においても展開できるようにし、その地域の特性やニーズに合ったセールスプロモーションを提案してまいります。
⑤ コンテンツ・ライセンスビジネスの強化
当社グループは、キャラクター、デザイナー、ブランドなどのコンテンツを活用したセールスプロモーショングッズ等で「モノづくり」を基盤とした当社グループの強みを活かすとともに、総合的なセールスプロモーションを展開することで顧客の囲い込みを行い、複数年契約を獲得するなど業績の安定化を図ってまいりました。今後も、新たなコンテンツの開発やコンテンツホルダーとの関係値の構築・強化を推し進め、コンテンツの多角的展開・事業化を図ってまいります。
⑥ 人材確保及び育成の強化
当社グループの事業においては、人材に多くを依存していることに加え、セールスプロモーション手法の多様化によりさらに高度な専門性が要求されることから、有能な人材の確保及び育成が不可欠となります。当社グループでは、採用及び教育をより計画的に実施し、優秀な人材の確保及び人材育成に努めてまいります。
⑦ 品質・安全の強化
当社グループでは、価格競争力の強化のため一部商品について中国やASEAN諸国から輸入を行っておりますが、これらの製品の品質リスクを認識し、品質・安全の強化を図ってまいります。具体的には、現地の品質検査専門会社と協力関係を強化することにより、現地において自社のコントロール下で生産管理を実施できる環境を整備いたしましたが、今後は、機能強化を図ることで国内での生産管理負荷を軽減するとともに、工場からの直接購買の増加により安定した収益の確保を目指します。