有価証券報告書-第46期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/25 15:06
【資料】
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【項目】
143項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社の経営理念は「全社員の心が豊かになり、健康な身体で物質的にも豊かになる事を追求する。公共面では環境にやさしい企業として世の為、人の為に喜ばれる企業になる。その為には常に利益の出る仕組みを作り続ける企業でなくてはなりません。」としております。この理念では「常に利益の出る仕組み」の創造・実現を通して、物心両面から全社員が豊かになることを当社存在の基本的命題として捉えています。そして、どうすれば「株主の皆様」と「顧客」、そして「社員」の三者を同時に最大限満足させることが出来るのかという「三位一体満足の経営」を行うという見地から、あらゆる考察を行いながら会社経営に取り組んでおります。
このような経営理念に基づき、当社グループでは、顧客の営業上の課題に対して営業戦略・解決策を提供していくとともに、消費者視点に立つことで顧客自身も気が付かなかった価値を提供するなど、顧客の商品・サービスに新しい価値を付加していく価値創造のパートナーとなり、マーケティングで新しい価値を創る企業として進化していくことを目指しております。当社グループは、顧客接点の多い直販であるため顧客ニーズ情報が得られることから、これを柔軟に反映しながらサービスの強化・拡充を図ることができます。この顧客ニーズ情報の多さとサービスの強化・拡充を実現するための協力会社とのネットワーク力が当社の競争力の源泉となっています。当社グループは、これらを活かして顧客のマーケティングパートナーとして、そして営業戦略・解決策を提供する企業としてのポジショニングを構築してまいります。また、持続可能な社会づくりのために、環境面にも十分に配慮した事業展開を実施し、社会にも貢献してまいります。その他、社員に対しては、顧客の課題解決に関与する喜びと社会への貢献を通じて、勤労意欲の高揚や個人の成長、生活の安定・向上につなげてまいります。
以上の経営理念及び方針を遂行することにより、株主の皆様はもとより、顧客、社員、その他社内外の関係者の皆様の満足度を高め、社会から支持されることで経営基盤が安定し業績向上が図れると考えております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループでは「連結経常利益率」を重要な経営指標と捉えております。昨今では資本効率の観点からROEも重視しておりますが、当社グループの経営環境、財政状態を鑑み、経営活動における事業効率性の指標として経常利益率を高めることを優先課題としております。当社グループでは、顧客課題に合わせた戦略が提供できるようサービスの拡充及び複合化を図っており、上流案件及び案件規模を拡大させるとともに、案件規模の拡大による生産性の向上を加速させ、当社グループの競争力及び収益力の向上に取り組み、「連結経常利益率」を10%に高めることを目指してまいります。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、顧客が販売活動として行うセールスプロモーションを企画・運営することを中核のビジネスとし、顧客のセールスプロモーション活動支援を中心として、顧客のセールスプロモーショングッズの企画・製造、物流管理サービスの提供、デジタルを利用した営業支援サービスの提供など、顧客の営業活動全般を支援する現場本位のサービス体制の構築を目指しております。この基本的な中核機能の強化に加え、アライアンスパートナーとの関係構築及び強化、IT化への対応力の更なる強化を行い、サービスの高付加価値化を推進し、当社グループの競争力の強化及び収益性の向上を図ってまいります。また、顧客自身も気が付かなかった価値を提供するなど、顧客の商品・サービスに新しい価値を付加していく価値創造のパートナーとなり、マーケティングで新しい価値を創る企業として進化してまいります。
上記を遂行し、当社グループは、40年以上培ってきた店頭販促のノウハウなどを生かした従前からのマーケティング会社としての機能に加え、データ分析力を強めたコンサルタントとしてのデジタル領域での新機能を加えることで、消費者・購買者視点に基づいたリアル(店頭販促)とデジタルを融合させたハイブリッド型企業としての機能を備えることであらゆる手段で顧客ターゲット層に合わせたサービスを行える企業を目指します。そのためには顧客が抱える認知度アップ、実売アップ、効率アップといった課題に対し、キャンペーン、PR、イベント、ブランディング、システム化、製品開発などの手段を用い複合的に顧客に解決策を提供し、他のソリューション企業とは一線を画した評価を市場から得るべく、リアル(店頭販促)とデジタルの融合した企業としての顧客認知を確立します。
(4) 会社の対処すべき課題
当社グループは、当社の強みであるセールスプロモーショングッズの企画・供給に加え、キャンペーンやイベントの企画・運営に至るまで、ワンストップで顧客のセールスプロモーション活動をトータルにサポートすることにより、競争力を強化するとともに顧客に対して高付加価値なサービスを提供することを目指しております。これを実現するために、セールスプロモーショングッズ制作やデジタルプロモーション、コンテンツ企画開発などのサービスを提供しておりますが、さらなる競争力の強化及び収益性の向上を図るために、以下の項目を対処すべき課題と認識し、グループ全体で企業価値の向上に取り組んでまいります。
① デジタルマーケティングへの対応強化
デジタルマーケティングの重要性が高まりをみせ、更なる発展が見込まれています。当社グループは、強みである店頭でのセールスプロモーション活動に加え、例えばデジタルコンテンツ等を駆使して店頭への効果的な誘因を行うなどのリアルとデジタルの融合を図るプロモーション活動を強化してまいりました。今後も、デジタルマーケティングによって得られる情報や様々な業種・業界にわたる取引顧客に対応することによって得られる情報・知見を最大限に活用することで、顧客内のシェアの拡大や競争力の強化を図ってまいります。
② コンテンツ・ライセンスビジネスの強化
当社グループは、キャラクター、デザイナー、ブランドなどのコンテンツを活用したセールスプロモーショングッズ等で「モノづくり」を基盤とした当社グループの強みを活かすとともに、総合的なセールスプロモーションを展開することで顧客の囲い込みを行い、複数年契約を獲得するなど業績の安定化を図ってまいりました。今後も、新たなコンテンツの開発やコンテンツホルダーとの関係値の構築・強化を推し進め、コンテンツの多角的展開・事業化を図ってまいります。
③ 品質・安全の強化
当社グループでは、製品リスクを認識し、品質検査専門会社との関係を構築するなどして品質・安全の強化を図っており、モノづくりを基盤とした当社の強みを活かして顧客のセールスプロモーショングッズやOEM製品の品質管理業務の一部を請け負うなどの事業化につなげてまいりました。今後は、優れた協力会社との関係値の構築・強化を推し進め、さらなる品質・安全の安定化及び価格競争力の強化を図ってまいります。
④ 人材の確保及び育成の強化
当社グループの事業においては、人材に多くを依存していることに加え、セールスプロモーション手法の多様化によりさらに高度な専門性が要求されることから、有能な人材の確保及び育成が不可欠となります。当社グループでは、採用及び教育をより計画的に実施し、優秀な人材の確保及び人材育成に努めてまいります。
⑤ 株式会社レッグスとのシナジーの創出・拡大
当社は、株式会社レッグスと資本業務提携契約を締結しており、両社の特性を活かした商材、サービスを提供することによるソリューションの向上、経営資源を共用した事業の効率化等、様々な事業シナジーの創出に取り組んでおります。今後も、互いのシナジー効果の最大化を追求し、収益の拡大に努めてまいります。
⑥ 事業活動を継続できる体制の強化
当社グループは、予期しない自然災害、新型コロナウィルス感染症等の感染症の流行などの緊急事態が発生した場合でも、業務の継続あるいは早期復旧を可能とするために、業務システムは全てクラウド化しており、どこにいても業務を行うことのできる環境を整えております。また、システム障害に対してもSLA(Service Level Agreement)を考慮した製品・サービス選定を行うことや複数のサービスを利用することで障害耐性の強化を図っております。今後も、事業継続計画の策定・定期的な見直しや業務遂行体制の整備を行うなど、事業活動を継続できる体制を強化してまいります。