有価証券報告書-第40期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/27 9:37
【資料】
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【項目】
101項目

対処すべき課題

現在ではモノやサービスがあふれ、市場の成熟化が進む中で、「モノを作れば売れる」という時代は既に過去のものと認識されております。企業は大量生産されたモノを市場全体に供給するのではなく、多様化した消費者ニーズやライフスタイルを捉え、マーケティングもより細分化して行い、消費者に確実に支持を得るセールスプロモーション活動を行う傾向にあります。また、インターネットインフラの整備や携帯電話の技術躍進に合わせ、ITを活用したセールスプロモーション活動も広がりを見せてきております。このような環境の中、当社グループといたしましては以下の項目を対処すべき課題と認識し、グループ全体で企業価値の向上に取り組んでまいります。
(1) 顧客対応力の強化
大量生産されたモノを市場全体に供給する時代が終わり、消費者ニーズが多様化した現在においては、地域別、顧客層別、小売店舗別にと、企業のセールスプロモーション活動も多様化してまいりました。このような中、当社グループの顧客企業も、状況に応じて短期的にセールスプロモーション活動を行う傾向が強くなってきており、使用するセールスプロモーショングッズは多様化と共に小口化が進んでおります。このような状況の中で、セールスプロモーションの業界に求められていることは、細かい案件に対応できる機動力と提案力、加えて短納期に対応できる生産力と当社グループでは捉えております。当社グループの取引顧客業種は21業種と、様々な業種の最新のセールスプロモーションのノウハウを有すると共に、紙、金属、木材、プラスチック、繊維、電子部品などの幅広い素材の商品を取り扱っております。そのノウハウと調達力を顧客提案に活かすと共に、顧客企業の間で業種間タイアップを強化し、また約600社にのぼる協力仕入先との連携強化を進め、多様化した顧客の要求に対応できる体制を強化してまいります
(2) サービスの高付加価値化推進
当社グループは、顧客企業が販売活動として行うセールスプロモーションを企画・運営することを中核のビジネスとし、特にその活動で使用するセールスプロモーショングッズの企画・供給に強みを持ってサービスを展開しております。しかし、単にセールスプロモーションの企画・運営だけでは、顧客が抱えている根本的な営業上の課題解決にはならないと考え、それに付随する物流管理や在庫管理・入出金管理・顧客管理等、顧客が抱える様々な営業上の課題全般を一貫して解決することを目指しております。当社グループは、これを「マーケティングソリューション」と呼び、顧客のセールスプロモーション活動支援を中心として、物流管理サービスの提供、ITを利用した営業支援サービスの提供、顧客ブランド製品の企画・製造など、顧客の営業活動全般を支援する現場本位のサービス体制の構築を目指しております。これらセールスプロモーションに付随する、物流管理・在庫管理・入出金管理・顧客管理等の機能強化に加え、POP分野の強化による顧客内シェアの拡大、アライアンスパートナーとの関係構築及び強化を行い、サービスの高付加価値化を推進することで、当社グループの競争力の強化及び収益性の向上を図ってまいります。
(3) IT化への対応強化
企業が行うセールスプロモーション活動において、インターネットの普及や携帯電話の高機能化、ブログやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などを通じた消費者間のネットワーク化などを反映して、昨今ではITを活用した販促手法も広がりを見せてきております。当社グループでは、セールスプロモーショングッズの定番ツールであり、当社グループで年間約3億個を販売しております主力商品のポケットティッシュにおいて、ITを絡めた「パケットティッシュ」のサービスを開始しております。「パケットティッシュ」の特徴は、ポケットティッシュの広告面にQRコードを組み合わせており、街頭でポケットティッシュを受取った消費者が、携帯電話でQRコードを読み取り、容易に企業の携帯電話用ホームページにアクセスしてもらう機能を付加しております。これにより、従来のポケットティッシュの使い方に加え、企業ホームページへアクセスしてもらうことでマーケティングの精度向上を狙い、次のセールスプロモーション活動の実施運営につなげるサービスであります。当社グループでは「パケットティッシュ」の製造から、QRコード読み取り後にアクセスされる携帯電話用ホームページの作成、マーケティング分析までを一貫して行う体制を整えており、この当社グループのサービスを顧客企業へ提案してゆくことを引き続き強化してまいります。また、今後につきましては、ますます見込まれる携帯電話の技術躍進とあわせ、IT系企業とのネットワーク強化、コンテンツの拡充に向けた提携、ITを活用したセールスプロモーション活動への対応力強化に努めてまいります。
(注) QRコードは2次元コードの一種であり、株式会社デンソーウェーブ(開発当時 株式会社デンソー)が開発したものであります。QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標であります。
(4) エリアマーケティング力の強化
企業活動の一例として、食品メーカーでは、インスタント食品の「だし」を関東風や関西風に味付けを変えて開発することや、コンビニエンスストアでは冬の人気アイテムである「おでん」の具材やだしを地域別に変えたり、その他投入する商品も地域別に特色を持たせることなどが見られます。企業では全国での標準展開による規模のメリットを追求すると同時に、地域の独自性や異質性に注目し、地域特性に対応した商品開発や営業活動を行う傾向にあります。その地域特性とニーズにきめ細かく対応するには、その地域に密着した情報収集、マーケティング分析が必要となってまいります。当社グループでは一部の中核地方都市に販売拠点を設け、地方都市に大都市圏のセールスプロモーション活動について情報を提供すると共に、エリアマーケティングを強化し、その地域の特性やニーズに合ったセールスプロモーション活動を提案してまいります。また、地方の販売拠点から得られる情報を、企業のエリアマーケティング活動の支援に活用し、顧客の信頼を獲得してまいります。
(5) 人材確保及び育成の強化
当社グループが行うノベルティグッズ等のセールスプロモーショングッズを用いたセールスプロモーションの企画及び販売といった業務の遂行においては、人材に多くを依存しており、また、当社グループのサービス拡充及び強化においても、有能な人材の確保及び育成が不可欠となります。当社グループでは、採用及び教育を計画的に実施し、優秀な人材確保及び人材育成に努めてまいります。
(6) 品質安全の強化
当社グループでは、価格競争力の強化のため一部商品を中国から直接購買を行っておりますが、最近における中国製品の安全性問題を受け中国からの輸入品に対して品質リスクへの意識が高まっております。当社グループでは安全性確保のために海外発注品目を限定し、安全性が確実に確保された商材のみの取り扱いを行ってまいります。また、海外発注時においては外部の品質検査専門会社と提携した品質検査の実施及び検品基準の強化によって、品質管理を強化し安全性の確保に取り組んでまいります。