有価証券報告書-第41期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/26 9:43
【資料】
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【項目】
101項目

対処すべき課題

現在ではモノやサービスがあふれ、市場の成熟化が進む中で、「モノを作れば売れる」という時代は既に過去のものと認識されております。企業は大量生産されたモノを市場全体に供給するのではなく、多様化した消費者ニーズやライフスタイルを捉え、マーケティングもより細分化して行い、消費者に確実に支持を得るセールスプロモーション活動を行う傾向にあります。また、インターネットインフラの整備や携帯端末の技術躍進に合わせ、ITを活用したセールスプロモーション活動も急速に拡大しております。このような環境の中、当社グループといたしましては以下の項目を対処すべき課題と認識し、グループ全体で企業価値の向上に取り組んでまいります。
(1) 顧客対応力の強化
大量生産されたモノを市場全体に供給する時代が終わり、消費者ニーズが多様化した現在においては、地域別、顧客層別、小売店舗別にと、企業のセールスプロモーション活動も多様化してまいりました。このような中、当社グループの顧客企業も、状況に応じてセールスプロモーション活動を行う傾向が強くなってきており、使用するセールスプロモーショングッズは多様化と共に小口化が進んでおります。このような状況の中で、セールスプロモーションの業界に求められていることは、細かい案件に対応できる機動力と提案力、加えて短納期に対応できる生産力と当社グループでは捉えております。当社グループの取引顧客業種は21業種と、様々な業種の最新のセールスプロモーションのノウハウを有すると共に、紙、金属、木材、プラスチック、繊維、電子部品などの幅広い素材の商品を取り扱っております。そのノウハウと調達力を顧客提案に活かすと共に、顧客企業の間で業種間タイアップを強化し、また約600社にのぼる協力仕入先との連携強化を進め、多様化した顧客の要求に対応できる体制を強化してまいります。
(2) サービスの高付加価値化推進
当社グループは、顧客企業が販売活動として行うセールスプロモーションを企画・運営することを中核のビジネスとし、特にその活動で使用するセールスプロモーショングッズの企画・供給に強みを持ってサービスを展開しております。しかし、単にセールスプロモーションの企画・運営だけでは顧客が抱えている根本的な営業上の課題解決にはならないと考え、それに付随する物流管理や在庫管理・入出金管理・顧客管理等、顧客が抱える様々な営業上の課題を見つけ出し、ソリューションを提供することを目指しております。当社グループは、これを「マーケティングソリューション」と呼び、顧客のセールスプロモーション活動支援を中心として、物流管理サービスの提供、ITを利用した営業支援サービスの提供、顧客ブランド製品の企画・製造など、顧客の営業活動全般を支援する現場本位のサービス体制の構築を目指しております。これらセールスプロモーションに付随する、物流管理・在庫管理・入出金管理・顧客管理等の機能強化に加え、POP分野、WEBマーケティングの強化による顧客内シェアの拡大、アライアンスパートナーとの関係構築及び強化を行い、サービスの高付加価値化を推進することで、当社グループの競争力の強化及び収益性の向上を図ってまいります。
(3) WEBマーケティングへの対応強化
企業が行うセールスプロモーション活動において、インターネットの普及や携帯端末の高機能化、ブログやSNSなどを通じた消費者間のネットワーク化などを反映して、WEB、SNS、ITを活用した販促手法が急速に拡大しております。当社グループは、強みである店頭におけるプロモーション活動とWEB、SNS、ITを活用したWEBマーケティングとを連動させるO2Oビジネスを強化してまいります。また、ネット広告における配信技術や広告流通の技術をもつアドテクノロジー企業との戦略的提携を推進し、当社グループが得意とするセールスプロモーションのノウハウとアドテクノロジーとを融合させ、両社の強みを最大化した施策を提供してまいります。さらに、データ・マネジメント・プラットフォーム(インターネット上の様々なサーバーに構築されるビックデータや自社サイトのログデータなどを一元管理、分析して広告配信などのアクションプランを最適化するためのプラットフォーム)を中心核に置き、セールスプロモーションに関わる店頭情報、WEB情報、消費者動向の分析を進め、これを全体戦略に反映していくことでセールスプロモーションの精度を向上させてまいります。
(4) エリアマーケティング力の強化
企業活動の一例として、食品メーカーでは、インスタント食品の「だし」を関東風や関西風に味付けを変えて開発することや、コンビニエンスストアでは冬の人気アイテムである「おでん」の具材やだしを地域別に変えたり、その他投入する商品も地域別に特色を持たせることなどが見られます。企業では全国での標準展開による規模のメリットを追求すると同時に、地域の独自性や異質性に注目し、地域特性に対応した商品開発や営業活動を行う傾向にあります。その地域特性とニーズにきめ細かく対応するには、その地域に密着した情報収集、マーケティング分析が必要となってまいります。当社グループでは一部の中核地方都市に販売拠点を設け、地方都市に大都市圏のセールスプロモーション活動について情報を提供すると共に、エリアマーケティングを強化し、その地域の特性やニーズに合ったセールスプロモーション活動を提案してまいります。また、地方の販売拠点から得られる情報を、企業のエリアマーケティング活動の支援に活用し、顧客の信頼を獲得してまいります。
(5) コンテンツ・ライセンスビジネスの強化
当社グループは、強みであるキャラクター、デザイナー、ブランドなどのコンテンツを中核とした総合的なセールスプロモーション機能を強化してまいります。具体的には、有力コンテンツを軸にWEBメディア、POP、SNS、プロダクツ、商品開発、SCM(サプライチェーンマネジメント)などの機能を顧客に包括的に供給いたします。特に、POP、プロダクツ、商品開発、SCM領域で「モノづくり」を基盤とした当社グループの強みを活かすとともに、総合的なセールスプロモーションを展開することで、顧客の囲い込みを行い、複数年契約の獲得による業績の安定化を図ります。
(6) 人材確保及び育成の強化
当社グループが行うセールスプロモーションの企画及び提案を中心に顧客と共に営業上の課題を見つけ出し、ソリューションを提供するといった業務の遂行においては、人材に多くを依存しており、セールスプロモーション手法の多様化により、特に高度な専門性が要求されることから有能な人材の確保及び育成が不可欠となります。当社グループでは、採用及び教育をより計画的に実施し、優秀な人材の確保及び人材育成に努めてまいります。
(7) 品質・安全の強化
当社グループでは、価格競争力の強化のため一部商品について中国から直接購買を行っておりますが、中国製品の品質リスクを認識し、品質・安全の強化を図ってまいります。具体的には、人材の派遣等により中国東莞市の品質検査専門会社と協力関係を強化し、生産管理を現地で自社のコントロールの下に実施できる環境を整備いたしました。今後、海外発注時においては、当該拠点の管理の下、外部の品質検査専門会社と提携した品質検査の実施及び検品基準の強化によって、品質管理を強化し安全性の確保に取り組んでまいります。また、当社グループでは安全性確保のために海外発注品目を限定し、安全性が確実に確保された商材のみの取り扱いを行ってまいります。