有価証券報告書-第26期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/23 15:22
【資料】
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【項目】
94項目

業績等の概要

(1) 業績
■ 過去最高益を更新
当連結会計年度(平成28年4月1日~平成29年3月31日)の当社グループの経営成績は、売上高は19,069百万円(前期比29.0%増)、営業利益9,046百万円(同29.2%増)、経常利益9,070百万円(同27.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益6,174百万円(同27.6%増)と、すべてにおいて前連結会計年度を27.5%~29.2%上回り、7期連続で過去最高益を更新することとなりました。
当社グループは前連結会計年度から「平成31年3月期までに連結経常利益100億円を達成しよう」という中期経営目標を掲げております。これに基づき当連結会計年度は当初の通期業績予想における連結経常利益を80億円としておりましたが、堅調なM&Aニーズと積極的な営業展開により当連結会計年度において連結経常利益90億円を達成することができました。
当連結会計年度において、当社グループは過去最多となる524件(譲渡・譲受は別カウント)のM&A仲介を成約いたしました。これは、前連結会計年度実績の420件から104件(+24.8%)の増加となっております。
また、前連結会計年度に引続き当連結会計年度においても、第1四半期から第4四半期までの全ての四半期においてそれぞれ前年同四半期を上回る案件成約件数となっており、年間を通じて終始好調な案件成約状況を維持したことにより、上記実績となりました。
■ 当連結会計年度の営業の取組
当連結会計年度におきまして当社グループは、より多くの経営者の方々にM&Aによるソリューションを提供すべく、M&Aマーケットにおけるカバー率の向上とカバー領域の拡大のための取組みを以下のとおり実施いたしました。
A.カバー率の向上
当社グループは会計事務所、地域金融機関、証券会社等から構成されるM&A情報ネットワークを構築しており、この情報ネットワークから安定的に譲渡希望情報を開発できることが当社グループの優位性の1つの柱となっております。
当連結会計年度においては、この①情報ネットワークによる案件アプローチに加えて、②ダイレクトコンタクトによる案件アプローチ、③業種に特化した案件アプローチに注力いたしました。
②のダイレクトコンタクトによる案件アプローチにつきましては、当連結会計年度よりダイレクトマーケティングチャネルを部に昇格させ積極的に取組みました。
当社グループのセミナーにご参加いただいたお客様や当社のウェブサイトを閲覧しお問い合わせいただいたお客様等を有機的かつ中長期的にフォローするシステムを構築し、それら経営者の方々のニーズが顕在化した際にタイムリーに対応すべく活動しております。
③の業種に特化したアプローチにつきましては、前連結会計年度において調剤薬局、IT、設備工事等の業種に専門特化した業界再編チャネルを部に昇格したことに続き、当連結会計年度においては医療介護分野に専門特化した医療介護チャネルを部に昇格させ積極的に取組みました。
今後とも、「業界再編」と医療介護分野に関しては「ヘルスケア」をキーワードに取扱業種を更に拡大させ、各業種に専門特化することでより専門性の高い知見、経験、ノウハウをお客様に提供すべく取組んでまいります。
B.カバー領域の拡大
中小企業の後継者問題解決のためのM&Aという当社グループのメインテーマに加えて更にカバー領域を拡大強化すべく取組んでおります。
具体的には、ミッドキャップ(中堅企業)案件の受託を強化すべく、ファンド会社とのM&Aや中堅企業に対する成長戦略コンサルティングの実施、更には次項に記載の合弁会社の設立によりミッドキャップ(中堅企業)案件の受託を強化いたしました。
逆に、小規模案件に対しては、インターネットによるマッチングシステムを構築することにより対応し、更には、上場企業案件やアセアン諸国を中心とする海外案件への領域拡大にも注力しております。これらにより、従来からの中小企業案件に留まらない、取扱規模と取扱地域の両軸からのカバー領域の拡大に注力しております。
■ 青山財産ネットワークスとの合弁会社設立によるミッドキャップ(中堅企業)案件への取組
当連結会計年度において、当社グループは、株式会社青山財産ネットワークスとの合弁会社「株式会社事業承継ナビゲーター」を設立いたしました。
同族承継や財産コンサルティングのプロフェッショナル集団である青山財産ネットワークスと当社グループが連携することにより、経営者の方々の「経営の承継」と「財産の承継」をワンストップで解決できる体制を強化いたしました。
事業承継ナビゲーターの設立により、比較的に長いスパンでいくつかの選択肢の中からベストな事業承継プランを選択したいというミッドキャップ(中堅企業)の経営者の方々のニーズに応えるべく営業活動を行っております。
■ 企業評価に特化した専門子会社の本格稼働による営業効率の改善と専門性の追求
M&Aニーズの増加と当社グループのコンサルタントの増員に伴い、当社グループは年間600件超の譲渡案件を受託するに至っております。
これらの受託案件の企業評価額を適切かつタイムリーに算定することにより、売り手オーナーと譲受企業の価額合意形成に資することは極めて重要であります。
当社グループは企業評価に特化した専門子会社である株式会社企業評価総合研究所を当連結会計年度より本格稼働いたしました。
これにより、当社グループの営業効率の更なる向上の追求と、圧倒的な経験値のデータベース化による専門ノウハウの構築に取組んでまいります。
■ 営業拠点の拡充
平成28年4月に福岡営業所、シンガポール・オフィスを新設いたしました。
福岡営業所開設を機に平成28年7月から九州全域において集中的にセミナー展開し、地域に密着した営業活動を展開した結果、当連結会計年度における九州・沖縄案件の成約実績は前年比約3倍となりました。
福岡営業所は、次期において支店に昇格させ、更に九州全域における当社グループのプレゼンスの向上を図るべく積極的に営業活動を展開いたします。
1947年から49年生まれの団塊の世代の経営者の方々は2017年には68歳から70歳となります。また、人口減少や高齢化を背景に様々な業界で再編の動きが加速しています。これらの環境のもと、上記の取組みにより過去最高の業績を達成することができました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ、6,676百万円(294.5%)増加し、当連結会計年度末には8,943百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は7,769百万円と前年同期に比べ 3,328百万円(75.0%)の増加となりました。
収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益9,070百万円であり、支出の主な内訳は、法人税等の支払額2,354百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は1,462百万円(前年同期は5,210百万円の支出)となりました。
これは、主に定期預金の払戻による収入が11,902百万円あったこと及び定期預金の預入による支出が10,200百万円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は2,555百万円と前年同期に比べ1,057百万円(70.6%)の増加となりました。
これは主に長期借入れによる収入が5,000百万円あったこと、自己株式の取得による支出が4,960百万円あったこと及び配当金の支払額が2,291百万円あったこと等によるものであります。