有価証券報告書-第46期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/27 15:35
【資料】
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【項目】
150項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、広告業を通して「地域社会への貢献」を理念に、地域経済の活性化のために社会貢献することで発展し続けていくことを目指しております。そのためには、持続的な成長と安定的な収益確保の両立を重視しております。これらを通して企業価値を高め、長期に亘って地域社会、顧客、株主、従業員を含むステークホルダーの期待に応えてまいりたいと考えております。当社が定める経営原則及び理念等は以下のとおりです。
① 経営原則
我々は、あらゆる地域で、ローカルな事業を営み、グローバルな企業を目指します。
セールスプロモーション事業とメディア事業を通じ、地域住民の豊かさと、顧客の事業展開に尽くし「地域社会への貢献」につとめます。
企業の成長に必要で適正な利潤を得ることにより、従業員と株主に、個人の目的を達成する喜びを与えます。
② 理念
地域社会への貢献
③ 社是
人が命・人が宝・人が財産
機会損失の排除
④ 社訓
飲水不忘掘井人
当社は、1978年5月に中日新聞の広告代理店として設立し、広告セールスプロモーション事業を展開してまいりました。1994年に地域フリーマガジン『Kanisan club』を創刊し、自社媒体(メディア)を有する広告会社に業態転換いたしました。以来、新規創刊や増刷及びVC※契約などにより発行部数及び発行エリアを拡大することで、自社メディア事業を強化し収益基盤を安定させることを経営方針としてまいりました。
※ VC契約とは
Voluntary Chain(ボランタリー・チェーン)契約。お互いの経営を尊重し発行元責任を持ちつつ、全世代の読者に安心・安全な各戸配布型の無料情報誌を、ハッピーメディア(R)「地域みっちゃく生活情報誌(R)」ブランドで発行します。この契約により、当社はVC加盟契約先企業より、商標使用料及びシステム使用料を得ております。VC契約を推進する目的は、当社のフリーマガジンの考え方(地域密着・厳格な掲載基準・正確な配布部数・レスポンス重視)に賛同する企業と共同してフリーマガジン事業を全国展開することで、広告事業を通じて地域経済の活性化に貢献するとともに、全国規模の良質なフリーメディア広告インフラを迅速に整備することです。
(2)経営環境・経営戦略等
当社グループは、「地域経済への貢献」という理念に基づき、1994年のフリーメディア事業開始以降、全国のご家庭に、地域の生活情報が満載の安心安全なフリーメディアをお届けすることを経営目標としています。
当社主力のメディア広告事業を取り巻く経営環境は、フリーマガジン発行事業において、広告業界における安価なインターネット広告へのシフト、いわゆるデジタルシフトが続く中、旧来の紙の広告メディアにおいて雑誌や新聞の長期的な減少が継続しており、当社主力のフリーマガジン広告においても広告出稿の減少が続いている状況です。こうした中、当社グループは、紙の広告メディアのもつ優位性にこだわり、地域フリーマガジンの発行エリア拡大を図るとともに県内世帯到達率を高めることで、行政機関を含め、発行エリアの飲食・教育・美容や不動産等の広告主を網羅するエリア広告として定着を図るべく取り組んでまいりました。当連結会計年度末時点の状況は31都道府県134誌、月間総発行部数は1,108万部となっており、地域住民を購読対象とした毎月各戸配布型の無料の紙メディアとして競合他社に対する競争優位性を確立していると考えております。
当社グループは、次期(第47期)のスローガンを「Data Driven(データドリブン)」とし、実践データとAIで反響のでる広告を作る集団を目指します。また、経営テーマを「全員経営」とすることで従業員一人ひとりが経営者の感覚を持ち、「Data Driven」と「実践知」の集積と機動により付加価値を高め、地域経済の活性化や地域課題の解決を継続して推進します。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 事業の拡大と収益力の向上
当社グループは、前述のとおり地域フリーマガジンの直営およびVC加盟社における発行エリアの全国展開をすすめるとともに、「フリモ」アプリの情報量や利便性の向上、求人情報「まちJOB」や全国各地の特選お取り寄せ「フリモール」の強化など、ポスティング型紙媒体とWebの共創による自社メディア価値の向上に加えて、官公庁営業の強化による行政との地域課題解決にかかる諸施策の協働や、地域広告主の経営課題解決に資する「DX商材」の充実などを図ることで、地域経済の活性化や課題解決を通じた当社グループの収益力の向上を図ってまいります。
② DX化の強化推進
当社グループは、メディア広告事業の地域フリーマガジンを国内全ての都道府県において発行する目標に対し、新規顧客の開拓と既存顧客へのアプローチを図るためには営業人員の増強が必要な中、慢性的に不足しているのが現状であり、デジタルトランスフォーメーション推進による業務効率の向上が最優先課題であると考えております。この課題に対応するため、当社グループは主に営業人員の事務負担軽減を主軸とした営業支援システムの開発やフリモWEB版・「フリモ」アプリのアクセス解析、マーケティング・オートメーションツールやRPA(Robotics Process Automation)の活用等により更なる生産性向上を図るとともに、前述のポスティング型紙媒体とWebの共創や、地域広告主の経営課題解決に資する「DX商材」の充実などを図ることで、地域のDX化の取り組みを更に推進してまいります。
③ コストの削減
当社グループの主力商品である地域フリーマガジンは、印刷用紙代や配布コストの上昇に晒されております。それに対応すべく当社グループは、継続的にコスト削減を徹底しており、具体的には印刷会社に発注する印刷用紙代を含む印刷費用の洗い直し、配布の内製化に加え、拠点運営経費等の販売費及び一般管理費の削減等を行ってまいります。
④ 人的リソースの確保及び育成
当社グループは、経営上の目標を達成するためには地域・社会の広告ニーズを的確に捉えた提案力を備えた営業戦力となる人材を育成することが急務であり、こうした戦力強化に必要な優秀人材を確保するため、新卒採用に加え中途社員の採用を随時実施しております。当社は従業員育成のスピードアップと組織力を向上するため、各種研修やOJTを中心とした徹底した社員教育を実施するとともに、公的資格取得の支援制度を実施しております。従業員評価の適正化を図るため目標設定及び人事査定方法の明確化の実施による事業貢献の向上と、成長戦略に沿った最適な労働分配を図るための戦略的な人材開発を実現してまいります。
⑤ CSV活動
当社グループは、「地域社会への貢献」の理念のもと、主要な地域フリーマガジン発行エリアにおけるCSV(Creating Shared Value)活動として、2018~19年に愛知県で実施した「交通事故死亡者数全国ワースト脱却キャンペーン」や、2018年11月に岐阜県12誌で実施した「児童虐待防止運動、189(いちはやく)認知度向上キャンペーン」に継続して取り組み、2024年11月には「♯にっぽんオレンジシンボル運動」として全国に拡大させるなど、全国の拠点で広告事業を営む当社グループだからこそ可能なCSV活動を展開しております。当社グループは、地域フリーマガジンの媒体特性(高い県内世帯カバー率)を活かした社会課題、地域課題解決の取り組みを主体的に実施してまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは経営上の目標を示す客観的な指標(KPI)として、月間発行部数、売上高、営業利益、売上高営業利益率を目標数字として業績管理しております。当社グループは当面の目標としていた地域フリーマガジンの月間発行部数1,000万部を達成し、今後、全国5,000万世帯にお届けすること、上場基準が高い東京証券取引所プライム市場の数値基準を可能な限り早期に達成することを、業績や市場評価にかかる中期的な数値目標と認識しており、その目標達成のための中期的な目標として、営業利益1,000,000千円、売上高営業利益率10%を目指します。