有価証券報告書-第22期(2025/07/01-2026/06/30)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における売上収益は167,483百万円(前連結会計年度比10.9%減)となりました。
これは、当連結会計年度に連結子会社化した株式会社エイセブホールディングス以下3社の業績寄与があったものの、事業ポートフォリオ最適化に伴い前連結会計年度に実施した英国事業売却による売上収益の剥落影響が大きかったことによるものであります。
売上総利益は、主に英国事業売却の影響により46,239百万円(前連結会計年度比2.5%減)となったものの、高付加価値案件へのシフトや収益性改善施策の推進により、売上総利益率は前連結会計年度比2.4ポイント上昇し、27.6%となりました。
販売費及び一般管理費については、人件費の増加や生産性向上に向けた投資を実施した一方、採用費の適正化をはじめとした効率的なコストマネジメントを推進した結果、営業利益は16,695百万円(前連結会計年度比2.8%増)となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は11,829百万円(前連結会計年度比5.8%減)となりました。なお、前連結会計年度は英国事業売却に伴う税務上の一時的な影響により法人税率が低下していたことから、その反動により当連結会計年度の法人所得税費用が増加し、当期利益は前年を下回りました。
なお、当社では当連結会計年度よりセグメント区分を見直し、これまで「機電・IT領域」としていた区分を「機電領域」と「IT領域」に分割しております。このため、前連結会計年度との比較については、セグメント変更後の区分に組み替えた数値に基づいて行っております。
[機電領域](機械・電機領域の開発・設計・運用保守分野に対する派遣・請負・委託事業)
当連結会計年度においては、半導体関連分野ではAI関連投資の拡大を背景に先端領域を中心として需要が堅調に推移しました。また、防衛・航空機・プラント分野においても、経済安全保障の強化や設備投資を背景に底堅い需要が継続しました。一方で、顧客企業における投資の選別や開発テーマの高度化が進むなど、市場環境は変化しており、高付加価値領域への対応力がより一層求められる状況となりました。
このような状況のもと、従来の未経験者採用に加え経験者採用を強化したことにより在籍エンジニア数は堅調に推移しました。また、採用チャネルを紹介会社依存からダイレクトリクルーティングへシフトし、採用単価の適正化と人材の質の向上を進めるとともに、オンボーディング施策の強化により入社初期の定着率改善を図りました。
加えて、2025年10月に株式会社エイセブホールディングスの株式を取得し、同社及び同社子会社であるエイセブプラス株式会社並びにイーテック株式会社を連結の範囲に含めたことにより稼働人員が増加した結果、売上収益及びセグメント利益は前年を上回りました。
この結果、当セグメントの当連結会計年度における売上収益は66,731百万円(前連結会計年度比10.7%増)、セグメント利益は8,364百万円(前連結会計年度比15.1%増)となりました。
[IT領域](ITインフラ・IT開発に係る設計・構築・運用・保守に対する派遣・請負・委託事業)
当連結会計年度においては、DX需要や企業のIT投資は底堅く推移したものの、一部では投資判断の慎重化も見られました。加えて、生成AIの活用拡大に伴い、開発・運用保守業務の効率化や内製化の動きが進展し、付加価値の高い技術領域や顧客課題解決力が、より競争力を左右する事業環境となりました。
こうした中、営業体制の再構築等により案件獲得が一時的に低迷したことや、前連結会計年度に実施した組織統合の影響により一部で生産性の低下が続いたことから、稼働人数は前年を下回りました。一方で、IT開発におけるAI関連案件の拡大や契約単価の向上、高稼働率の維持に加え、ITインフラにおける採用抑制などコストマネジメントを推進した結果、セグメント利益は前年を上回りました。
この結果、当セグメントの当連結会計年度における売上収益は40,901百万円(前連結会計年度比0.8%減)、セグメント利益は4,099百万円(前連結会計年度比9.1%増)となりました。
[建設領域](建設業界への施工管理技術者やCADオペレーターの派遣事業)
建設領域では、技術者の高齢化や若手人材の不足といった構造的課題が継続する中、建設需要は底堅く推移し、技術者の確保・定着に向けた人材投資や処遇改善の動きが継続しました。また、時間外労働の上限規制への対応が定着する中、生産性向上や現場運営の効率化に向けた取組が引き続き進展しました。
こうした中、組織統合や営業体制の再構築の影響により、稼働人数は前年を下回りました。
また、選ばれる採用及び人材定着に向けた処遇改善を実施するとともに、営業体制の強化、契約単価の向上及びコストマネジメントを推進し、採用力・定着率向上に向けた体質改善を進めました。しかしながら、稼働人数の減少及び処遇改善に伴う売上原価の増加により、セグメント利益は前年を下回りました。
この結果、当セグメントの当連結会計年度における売上収益は57,599百万円(前連結会計年度比1.2%増)、セグメント利益は6,968百万円(前連結会計年度比7.6%減)となりました。
[海外領域](日本国外における技術・製造分野に対する派遣・請負や、有料職業紹介などの人材サービス事業)
当連結会計年度においては、エンジニア領域への事業ポートフォリオ集中を目的として、前連結会計年度に英国事業を売却し、中国を中心としたアジア地域へ経営資源を集中することで収益基盤の強化を進めました。一方、英国事業売却による事業規模縮小の影響により、売上収益及びセグメント利益は前年を下回りました。
この結果、当セグメントの当連結会計年度における売上収益は745百万円(前連結会計年度比97.3%減)、セグメント利益は265百万円(前連結会計年度比71.9%減)となりました。
[その他]
株式会社SAMURAI及び株式会社SAMURAI Careerは、オンラインプログラミング学習サービス及び人材紹介事業を展開し、特例子会社である株式会社オープンアップウィズは、障がい者雇用によるグループ内サービスを提供しております。
当連結会計年度においては、オンラインプログラミング学習サービスにおいて収益性を重視した運営方針を継続したものの、プログラミング学習需要が一服したことにより受講者数が伸び悩みました。
この結果、当セグメントの売上収益は内部取引を含めて2,961百万円(前連結会計年度比4.9%減)、セグメント損失は95百万円(前連結会計年度はセグメント利益231百万円)となりました。
② 財政状態の状況
資産・負債・資本
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて6,698百万円増加(5.5%増)し、129,401百万円となりました。主たる変動項目は、現金及び現金同等物の増加2,838百万円、無形資産の増加2,347百万円及びのれんの増加1,211百万円等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて5,273百万円増加(12.0%増)し、49,107百万円となりました。主たる変動項目は、非流動負債の社債及び借入金の増加4,983百万円、繰延税金負債の増加744百万円及びその他の流動負債の減少456百万円等によるものであります。
(資本)
当連結会計年度末の資本は、前連結会計年度末に比べて1,425百万円増加(1.8%増)し、80,293百万円となりました。主たる変動項目は、自己株式の取得3,983百万円及び消却等1,848百万円による自己株式の増加2,135百万円、資本剰余金の減少1,585百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益11,829百万円の計上及び配当金の支払6,897百万円等による利益剰余金の増加4,997百万円等によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ2,838百万円増加し、23,191百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は、以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、17,878百万円の収入(前連結会計年度は14,159百万円の収入)となりました。主な要因は、税引前当期利益の計上16,847百万円、非資金項目である減価償却費及び償却費2,355百万円、前払費用の減少額2,567百万円等が、法人所得税の支払額4,891百万円等による支出を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、2,810百万円の支出(前連結会計年度は5,558百万円の支出)となりました。支出の主な要因は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出2,332百万円、無形資産の取得による支出312百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、12,276百万円の支出(前連結会計年度は9,675百万円の支出)となりました。支出の主な原因は、配当金の支払額6,889百万円、リース負債の返済による支出5,809百万円、自己株式の取得による支出3,983百万円等が、社債の発行による収入4,974百万円を上回ったことであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
(注)1.親会社所有者帰属持分比率:親会社所有者帰属持分/総資産
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
3.株式時価総額は、期末終値株価×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
4.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
5.有利子負債は連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
④ 生産、受注及び販売の実績
ⅰ.生産実績及び受注実績
当社グループ事業の主体となっている派遣及び請負業務は、生産実績及び受注実績の重要性が乏しいため、記載を省略しております。
ⅱ.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.主な相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合は100分の10未満のため記載を省略しております。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
ⅰ.当連結会計年度の経営成績等
「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
ⅱ.経営成績に重要な影響を与える要因
当社の事業には、景気変動等による人材ビジネス市場規模への影響や競合他社の状況、法的規制等、経営成績に重要な影響を与えうる様々なリスク要因があります。詳細については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
ⅲ.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ2,838百万円増加し、23,191百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資本の財源及び資金の流動性について
当社の運転資金等は原則として営業債権の回収によって賄われておりますが、状況に応じて直接金融並びに間接金融を利用していく方針であります。
資金の流動性につきましては、当社及び一部の連結子会社は、キャッシュマネジメントシステム(CMS)を導入することにより、各社の余剰資金を当社へ集約し、一元管理を行うことで、余剰資金の効率化を図っております。
また、手許流動性確保のために、当座貸越枠及びコミットメントライン契約等の調達手段を備えております。
ⅳ.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、財務的な目標の達成状況を判断するため、各事業区分や事業会社ごとの成長性・収益性を示す指標を重視しております。具体的には、売上収益及び営業利益、その増加率ならびに営業利益率を主要な評価指標として設定し、連結決算において継続的に開示しております。また、エンジニア数及び稼働率を非財務的な客観指標として位置付け、併せて開示しております。
2026年6月期においては、英国事業の売却に伴う連結除外の影響により、売上収益は167,483百万円(前連結会計年度比10.9%減)となった一方、英国事業を除く継続事業の売上収益は前連結会計年度比4.3%増加いたしました。また、事業モデルの変革及び体質改善に向けた投資を進める中、営業利益は16,695百万円(前連結会計年度比2.8%増)となり、営業利益率は10.0%に到達いたしました。
当社グループは、2028年6月期を目標年度とする中期経営方針のもと、持続的な成長に向けて、以下の3つの指標を掲げております。
「収益指標」:2028年6月期における売上収益200,000百万円、営業利益20,000百万円以上及び営業利益率10%以上の達成
「成長指標」:エンジニアの処遇改善、採用チャネルの拡充、AIエージェントへの投資、サポートスタッフの評価制度変更、採用ブランディングの強化、全体最適に則した組織再編及びAIの潮流に沿った事業展開の推進
「還元指標」:配当性向60%以上及び累進配当の実施ならびに事業環境や資本効率等を踏まえた機動的な自己株式の取得
2027年6月期については、持続的な成長の基盤を確立するため、成長投資と収益性の向上を両立させ、売上収益175,000百万円、営業利益17,700百万円及び営業利益率10.1%の達成を目指してまいります。
ⅴ.経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは、継続した企業成長と更なる業容の拡大のため、コーポレート・ガバナンスに対する継続的な取組を行いつつ、技術者派遣を中心とした事業の伸長、社員の採用数及び定着率の向上、社員のスキルアップへの取組強化等が必要であると考えております。
これらに対する問題認識や今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における売上収益は167,483百万円(前連結会計年度比10.9%減)となりました。
これは、当連結会計年度に連結子会社化した株式会社エイセブホールディングス以下3社の業績寄与があったものの、事業ポートフォリオ最適化に伴い前連結会計年度に実施した英国事業売却による売上収益の剥落影響が大きかったことによるものであります。
売上総利益は、主に英国事業売却の影響により46,239百万円(前連結会計年度比2.5%減)となったものの、高付加価値案件へのシフトや収益性改善施策の推進により、売上総利益率は前連結会計年度比2.4ポイント上昇し、27.6%となりました。
販売費及び一般管理費については、人件費の増加や生産性向上に向けた投資を実施した一方、採用費の適正化をはじめとした効率的なコストマネジメントを推進した結果、営業利益は16,695百万円(前連結会計年度比2.8%増)となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は11,829百万円(前連結会計年度比5.8%減)となりました。なお、前連結会計年度は英国事業売却に伴う税務上の一時的な影響により法人税率が低下していたことから、その反動により当連結会計年度の法人所得税費用が増加し、当期利益は前年を下回りました。
なお、当社では当連結会計年度よりセグメント区分を見直し、これまで「機電・IT領域」としていた区分を「機電領域」と「IT領域」に分割しております。このため、前連結会計年度との比較については、セグメント変更後の区分に組み替えた数値に基づいて行っております。
[機電領域](機械・電機領域の開発・設計・運用保守分野に対する派遣・請負・委託事業)
当連結会計年度においては、半導体関連分野ではAI関連投資の拡大を背景に先端領域を中心として需要が堅調に推移しました。また、防衛・航空機・プラント分野においても、経済安全保障の強化や設備投資を背景に底堅い需要が継続しました。一方で、顧客企業における投資の選別や開発テーマの高度化が進むなど、市場環境は変化しており、高付加価値領域への対応力がより一層求められる状況となりました。
このような状況のもと、従来の未経験者採用に加え経験者採用を強化したことにより在籍エンジニア数は堅調に推移しました。また、採用チャネルを紹介会社依存からダイレクトリクルーティングへシフトし、採用単価の適正化と人材の質の向上を進めるとともに、オンボーディング施策の強化により入社初期の定着率改善を図りました。
加えて、2025年10月に株式会社エイセブホールディングスの株式を取得し、同社及び同社子会社であるエイセブプラス株式会社並びにイーテック株式会社を連結の範囲に含めたことにより稼働人員が増加した結果、売上収益及びセグメント利益は前年を上回りました。
この結果、当セグメントの当連結会計年度における売上収益は66,731百万円(前連結会計年度比10.7%増)、セグメント利益は8,364百万円(前連結会計年度比15.1%増)となりました。
[IT領域](ITインフラ・IT開発に係る設計・構築・運用・保守に対する派遣・請負・委託事業)
当連結会計年度においては、DX需要や企業のIT投資は底堅く推移したものの、一部では投資判断の慎重化も見られました。加えて、生成AIの活用拡大に伴い、開発・運用保守業務の効率化や内製化の動きが進展し、付加価値の高い技術領域や顧客課題解決力が、より競争力を左右する事業環境となりました。
こうした中、営業体制の再構築等により案件獲得が一時的に低迷したことや、前連結会計年度に実施した組織統合の影響により一部で生産性の低下が続いたことから、稼働人数は前年を下回りました。一方で、IT開発におけるAI関連案件の拡大や契約単価の向上、高稼働率の維持に加え、ITインフラにおける採用抑制などコストマネジメントを推進した結果、セグメント利益は前年を上回りました。
この結果、当セグメントの当連結会計年度における売上収益は40,901百万円(前連結会計年度比0.8%減)、セグメント利益は4,099百万円(前連結会計年度比9.1%増)となりました。
[建設領域](建設業界への施工管理技術者やCADオペレーターの派遣事業)
建設領域では、技術者の高齢化や若手人材の不足といった構造的課題が継続する中、建設需要は底堅く推移し、技術者の確保・定着に向けた人材投資や処遇改善の動きが継続しました。また、時間外労働の上限規制への対応が定着する中、生産性向上や現場運営の効率化に向けた取組が引き続き進展しました。
こうした中、組織統合や営業体制の再構築の影響により、稼働人数は前年を下回りました。
また、選ばれる採用及び人材定着に向けた処遇改善を実施するとともに、営業体制の強化、契約単価の向上及びコストマネジメントを推進し、採用力・定着率向上に向けた体質改善を進めました。しかしながら、稼働人数の減少及び処遇改善に伴う売上原価の増加により、セグメント利益は前年を下回りました。
この結果、当セグメントの当連結会計年度における売上収益は57,599百万円(前連結会計年度比1.2%増)、セグメント利益は6,968百万円(前連結会計年度比7.6%減)となりました。
[海外領域](日本国外における技術・製造分野に対する派遣・請負や、有料職業紹介などの人材サービス事業)
当連結会計年度においては、エンジニア領域への事業ポートフォリオ集中を目的として、前連結会計年度に英国事業を売却し、中国を中心としたアジア地域へ経営資源を集中することで収益基盤の強化を進めました。一方、英国事業売却による事業規模縮小の影響により、売上収益及びセグメント利益は前年を下回りました。
この結果、当セグメントの当連結会計年度における売上収益は745百万円(前連結会計年度比97.3%減)、セグメント利益は265百万円(前連結会計年度比71.9%減)となりました。
[その他]
株式会社SAMURAI及び株式会社SAMURAI Careerは、オンラインプログラミング学習サービス及び人材紹介事業を展開し、特例子会社である株式会社オープンアップウィズは、障がい者雇用によるグループ内サービスを提供しております。
当連結会計年度においては、オンラインプログラミング学習サービスにおいて収益性を重視した運営方針を継続したものの、プログラミング学習需要が一服したことにより受講者数が伸び悩みました。
この結果、当セグメントの売上収益は内部取引を含めて2,961百万円(前連結会計年度比4.9%減)、セグメント損失は95百万円(前連結会計年度はセグメント利益231百万円)となりました。
② 財政状態の状況
資産・負債・資本
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて6,698百万円増加(5.5%増)し、129,401百万円となりました。主たる変動項目は、現金及び現金同等物の増加2,838百万円、無形資産の増加2,347百万円及びのれんの増加1,211百万円等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて5,273百万円増加(12.0%増)し、49,107百万円となりました。主たる変動項目は、非流動負債の社債及び借入金の増加4,983百万円、繰延税金負債の増加744百万円及びその他の流動負債の減少456百万円等によるものであります。
(資本)
当連結会計年度末の資本は、前連結会計年度末に比べて1,425百万円増加(1.8%増)し、80,293百万円となりました。主たる変動項目は、自己株式の取得3,983百万円及び消却等1,848百万円による自己株式の増加2,135百万円、資本剰余金の減少1,585百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益11,829百万円の計上及び配当金の支払6,897百万円等による利益剰余金の増加4,997百万円等によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ2,838百万円増加し、23,191百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は、以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、17,878百万円の収入(前連結会計年度は14,159百万円の収入)となりました。主な要因は、税引前当期利益の計上16,847百万円、非資金項目である減価償却費及び償却費2,355百万円、前払費用の減少額2,567百万円等が、法人所得税の支払額4,891百万円等による支出を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、2,810百万円の支出(前連結会計年度は5,558百万円の支出)となりました。支出の主な要因は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出2,332百万円、無形資産の取得による支出312百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、12,276百万円の支出(前連結会計年度は9,675百万円の支出)となりました。支出の主な原因は、配当金の支払額6,889百万円、リース負債の返済による支出5,809百万円、自己株式の取得による支出3,983百万円等が、社債の発行による収入4,974百万円を上回ったことであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 2022年6月期 | 2023年6月期 | 2024年6月期 | 2025年6月期 | 2026年6月期 | |
| 親会社所有者帰属持分比率(%) | 65.6 | 64.0 | 62.8 | 64.2 | 62.0 |
| 時価ベースの親会社所有者帰属持分比率(%) | 137.3 | 178.8 | 156.4 | 121.1 | 125.9 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 0.1 | 0.1 | 0.1 | 0.4 | 0.6 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 94.2 | 132.2 | 114.2 | 77.0 | 87.4 |
(注)1.親会社所有者帰属持分比率:親会社所有者帰属持分/総資産
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
3.株式時価総額は、期末終値株価×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
4.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
5.有利子負債は連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
④ 生産、受注及び販売の実績
ⅰ.生産実績及び受注実績
当社グループ事業の主体となっている派遣及び請負業務は、生産実績及び受注実績の重要性が乏しいため、記載を省略しております。
ⅱ.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年7月1日 至 2026年6月30日) | 前期比増減(%) | |
| 販売高(百万円) | 構成比(%) | ||
| 機電領域 | 66,731 | 39.8 | 10.7 |
| IT領域 | 40,901 | 24.4 | △0.8 |
| 建設領域 | 57,599 | 34.4 | 1.2 |
| 海外領域 | 745 | 0.4 | △97.3 |
| 報告セグメント計 | 165,977 | 99.1 | △10.8 |
| その他 | 1,505 | 0.9 | △18.5 |
| 合計 | 167,483 | 100.0 | △10.9 |
(注)1.主な相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合は100分の10未満のため記載を省略しております。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
ⅰ.当連結会計年度の経営成績等
「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
ⅱ.経営成績に重要な影響を与える要因
当社の事業には、景気変動等による人材ビジネス市場規模への影響や競合他社の状況、法的規制等、経営成績に重要な影響を与えうる様々なリスク要因があります。詳細については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
ⅲ.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ2,838百万円増加し、23,191百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資本の財源及び資金の流動性について
当社の運転資金等は原則として営業債権の回収によって賄われておりますが、状況に応じて直接金融並びに間接金融を利用していく方針であります。
資金の流動性につきましては、当社及び一部の連結子会社は、キャッシュマネジメントシステム(CMS)を導入することにより、各社の余剰資金を当社へ集約し、一元管理を行うことで、余剰資金の効率化を図っております。
また、手許流動性確保のために、当座貸越枠及びコミットメントライン契約等の調達手段を備えております。
ⅳ.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、財務的な目標の達成状況を判断するため、各事業区分や事業会社ごとの成長性・収益性を示す指標を重視しております。具体的には、売上収益及び営業利益、その増加率ならびに営業利益率を主要な評価指標として設定し、連結決算において継続的に開示しております。また、エンジニア数及び稼働率を非財務的な客観指標として位置付け、併せて開示しております。
2026年6月期においては、英国事業の売却に伴う連結除外の影響により、売上収益は167,483百万円(前連結会計年度比10.9%減)となった一方、英国事業を除く継続事業の売上収益は前連結会計年度比4.3%増加いたしました。また、事業モデルの変革及び体質改善に向けた投資を進める中、営業利益は16,695百万円(前連結会計年度比2.8%増)となり、営業利益率は10.0%に到達いたしました。
当社グループは、2028年6月期を目標年度とする中期経営方針のもと、持続的な成長に向けて、以下の3つの指標を掲げております。
「収益指標」:2028年6月期における売上収益200,000百万円、営業利益20,000百万円以上及び営業利益率10%以上の達成
「成長指標」:エンジニアの処遇改善、採用チャネルの拡充、AIエージェントへの投資、サポートスタッフの評価制度変更、採用ブランディングの強化、全体最適に則した組織再編及びAIの潮流に沿った事業展開の推進
「還元指標」:配当性向60%以上及び累進配当の実施ならびに事業環境や資本効率等を踏まえた機動的な自己株式の取得
2027年6月期については、持続的な成長の基盤を確立するため、成長投資と収益性の向上を両立させ、売上収益175,000百万円、営業利益17,700百万円及び営業利益率10.1%の達成を目指してまいります。
ⅴ.経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは、継続した企業成長と更なる業容の拡大のため、コーポレート・ガバナンスに対する継続的な取組を行いつつ、技術者派遣を中心とした事業の伸長、社員の採用数及び定着率の向上、社員のスキルアップへの取組強化等が必要であると考えております。
これらに対する問題認識や今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。