有価証券報告書-第16期(令和1年7月1日-令和2年6月30日)

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2020/09/30 15:00
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158項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度においては、技術革新の移行期にあって当社が主事業としているエンジニアの派遣需要は依然として高い一方、国内においては2019年の夏頃から自動車に掛かる人材ニーズが変化し、残業時間の減少や短期的な予算調整が生じはじめました。また、米中の貿易問題等を起因として停滞していた半導体に掛かる人材ニーズの回復も期待されましたが、第4四半期連結会計期間において新型コロナウイルス感染症が拡大し、世界的に経済活動が制限され、国内製造業に深刻なダメージを与えました。一部では底入れの兆しも見られますが、足もとの実体経済は依然として著しい悪化が続いており、またコロナ禍の終息の目途が立っておらず、先行き不透明な経済環境に晒されています。
このような環境下にあって、社員数の増加により売上高は前期比微増ながらも、コロナ禍において顧客企業の配属時期の延期要請や、休業要請などによる稼働時間や稼働率の低下によって、各利益の額は前期を下回る結果となりました。また、海外領域の英国において、ブレグジットに加え新型コロナウイルス感染の拡大による事業への影響から将来収益を見直し、のれんの減損損失1,165百万円を特別損失で計上しております。これにより、売上高は81,755百万円(前期比0.2%増)、営業利益は4,666百万円(前期比18.4%減)、経常利益は4,771百万円(前期比14.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,335百万円(前期比64.0%減)となりました。
セグメント別の経営成績の概要は、次のとおりです。
[技術系領域](顧客企業の研究開発、設計、生産技術などの技術分野に対する派遣・請負・委託事業)
当連結会計年度においては、注力分野であるIT系領域にて採用数・稼働数が継続的に伸びていることに加え、IT派遣を行う株式会社アクシス・クリエイト他2社の子会社化により、技術社員数は増加しましたが、コロナ禍における休業要請や稼働時間の減少により売上高は想定を下回る8.5%増にとどまりました。2020年6月末時点の当セグメントの社員数は前期末から1,069名増加して7,342名となり、売上高は43,886百万円(前期比8.5%増)となりました。
技術社員の稼働率は新型コロナウイルスの影響がなかった3月末時点においては96.4%でしたが、コロナ禍の影響により一時90%近くまで落ち込みました。その後ある程度の回復が見られたものの6月末の稼働率は93.2%となりました。残業時間の減少や教育期間の確保などが生じており、また販売費及び一般管理費に株式会社アクシス・クリエイトほか2社の子会社化に係る買収費用75百万円を計上しています。また第4四半期連結会計期間において、コロナ禍における社員への支援策として、すべての国内社員に対し一律3万円の特別手当の支給を行ったことで一時的な費用が伴ったことにより、セグメント利益は4,518百万円(前期比10.4%減)となりました。
[製造系領域](顧客企業の製造工程等における請負・受託・派遣の事業)
当連結会計年度においては、採用及び就業管理等の効率化を図るため重点戦略地域に注力して営業を行い、応募者とのマッチング数を増やす施策を推し進めました。しかしながら、国内の製造業の生産調整や新型コロナウイルスの拡大の影響により派遣契約期間満了での終了が若干生じ、2020年6月末時点の当セグメントの社員数は、前期末からは208名減少の2,093名となり、売上高は9,021百万円(前期比9.4%減)となりました。
セグメント利益は、第4四半期連結会計期間において同一労働同一賃金に応じた派遣契約の時間単価の上昇があるものの国内製造の調整局面を背景に請負現場での利益率低下が生じました。また、コロナ禍における社員への支援策として、すべての国内社員に対し一律3万円の特別手当の支給を行ったことで一時的な費用が伴ったことにより、162百万円(前期比70.3%減)となりました。
[海外領域](日本国外における技術・製造分野に対する派遣・請負や、有料職業紹介などの人材サービス事業)
当連結会計年度においては、ブレグジットが議論されEU離脱が決定し、英国子会社の一部事業で影響を受けましたが、食料品やロジスティクスなど内需型の業種における派遣事業が堅調であったため、売上高はポンドベースでは前期比2.5%減にとどまりました。円ベースではポンド下落の影響が大きかったため、売上高は28,845百万円(前期比7.5%減)となりました。また、前連結会計年度の英国における株式取得に係る一時費用の剥落やのれん償却の軽減、及び利益率の高い受注獲得と稼働の注力等により、セグメント利益は298百万円(前年同期比28.8%増)となりました。
[その他]
報告セグメントに含まれない領域として、特例子会社(株式会社ビーネックスウィズ)における障がい者雇用を推進しており、主にグループ間でのフラワーアレンジメント制作物の納品や梱包軽作業などを行っております。グループの社員数の増加に応じて雇用を強化し、業務の拡大に努めております。この結果、当連結会計年度における売上高は内部取引を含めて178百万円(前期比70.1%増)、セグメント損失は229百万円(前期はセグメント損失182百万円)となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて523百万円増加(1.7%増)し、31,730百万円となりました。主たる変動項目は、現金及び預金の増加900百万円、のれんの減少884百万円、流動資産のその他の増加641百万円によるものであります。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて1,560百万円増加(10.1%増)し、16,964百万円となりました。主たる変動項目は、未払消費税等の増加819百万円、未払金の増加664百万円及び短期借入金の増加416百万円によるものであります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて1,036百万円減少(6.6%減)し、14,765百万円となりました。主たる変動項目は、株式の発行による資本金の増加156百万円及び資本剰余金の増加156百万円、子会社株式の追加取得に伴う資本剰余金の減少709百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,335百万円及び剰余金の配当1,489百万円等による利益剰余金の減少139百万円によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ900百万円増加し、11,158百万円となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とその要因は、以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、4,819百万円の収入(前期は5,028百万円の収入)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上による収入3,267百万円、売上債権の減少額による収入754百万円及び非資金項目である減損損失1,165百万円、のれん償却額746百万円、減価償却費463百万円及び投資有価証券評価損307百万円等の損益の調整額が、法人税等の支払額2,371百万円を上回ったことであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,989百万円の支出(前期は1,430百万円の支出)となりました。支出の主な要因は、アクシス・クリエイト他3社の子会社化に伴う支出1,210百万円及び有形固定資産の取得による支出241百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,830百万円の支出(前期は2,748百万円の支出)となりました。支出の主な原因は、配当金の支払額1,489百万円、連結範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出924百万円及び短期借入金の返済による支出547百万円が、短期借入れによる収入1,121百万円を上回ったことであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績及び受注実績
当社グループ事業の主体となっている派遣及び請負業務は、生産実績及び受注実績の重要性が乏しいため、記載を省略しております。
b.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年7月1日
至 2020年6月30日)
前年同期比(%)
販売高(百万円)構成比(%)
技術系領域43,88653.7108.5
製造系領域9,02111.090.6
海外領域28,84535.392.5
報告セグメント計81,753100.0100.2
その他10.051.0
合計81,755100.0100.2

(注)1 主な相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合は100分の10未満のため記載を省略しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
(1)固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、事業用資産等について継続的に収支の把握を行っている管理会計上の区分に基づきグルーピングを行っており、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しています。
固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
(2)投資有価証券及び関係会社株式
当社グループでは、その他有価証券のうち、取得原価に比べ時価又は実質価額が著しく下落したものについては、回復可能性があると判断される場合を除き、減損処理を行っております。
時価のあるものについては、決算日現在の時価が取得原価に比べて50%以上下落した場合には回復可能性はないものと判断し、30%以上50%未満下落した場合には、個別銘柄ごとに株価の推移、市場環境の動向、最高値・最安値と購入価格との乖離状況、発行会社の業績の推移等を総合的に勘案し、回復可能性を判断しております。
時価のないものについては、発行会社の実質価額が取得原価に比べて50%以上低下した場合には、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合を除き、減損処理を行っております。
経営者は、回復可能性の判断が適切なものであると判断しておりますが、回復可能性ありと判断している有価証券についても、将来、時価の下落又は投資先の財政状態及び経営成績の悪化により、減損損失が発生する可能性があります。
(3)繰延税金資産
当社グループでは、回収可能性がないと判断される繰延税金資産に対して評価性引当額を設定し、適切な繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は各社、各納税主体で十分な課税所得を計上するか否かによって判断されるため、その評価には、実績情報とともに将来に関する情報が考慮されております。
経営者は、当該計上額が適切なものであると判断しておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化に伴う各社、各納税主体の経営悪化により、繰延税金資産に対する評価性引当額を追加で設定する可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当連結会計年度の経営成績等
売上高
当連結会計年度における売上高は、81,755百万円となり、前連結会計年度比で158百万円増加いたしました。売上高の状況とそれらの変動要因につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。
売上原価
当連結会計年度における売上原価は、65,946百万円となり、前連結会計年度比で1,241百万円増加いたしました。海外領域において利益重視の受注方針により原価率が改善したものの、技術系領域及び製造系領域において稼働率が低迷したこと、また2020年4月より施行の同一労働同一賃金により技術社員一人当たりの原価が上昇したことから、前連結会計年度比で売上原価率が悪化いたしました。
この結果、売上総利益は、前連結会計年度比で1,082百万円減少し、15,808百万円となりました。
販売費及び一般管理費
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、11,142百万円となり、前連結会計年度比で28百万円減少いたしました。当連結会計年度においてもM&Aに伴うのれん償却額や取得関連費用が発生しましたが、前連結会計年度よりも小規模であったこと及び採用求人費を抑えたことから、販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は13.6%と、前連結会計年度比で0.1ポイント改善しております。
この結果、営業利益は、前連結会計年度比で1,053百万円減少し、4,666百万円となりました。
営業外損益
当連結会計年度における営業外収益は、281百万円となり、前連結会計年度比で196百万円増加いたしました。主な要因は、休業補償金の計上によるものであります。営業外費用は、176百万円となり、前連結会計年度比で21百万円減少いたしました。主な要因は、為替差損の減少及び持分法投資損失の計上、非支配株主に係る売建プット・オプション負債の評価損によるものであります。
この結果、経常利益は、前連結会計年度比で835百万円減少し、4,771百万円となりました。
b.経営成績に重要な影響を与える要因
当社の事業には、景気変動等による人材ビジネス市場規模への影響や競合他社の状況、法的規制等、経営成績に重要な影響を与えうる様々なリスク要因があります。詳細については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
c.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ900百万円増加し、11,158百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資金需要について
当社の運転資金等は原則として売上債権の回収によって賄われておりますが、状況に応じて直接金融並びに間接金融を利用していく方針であります。
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は売上高およびEBITDAを重要な経営指標と位置付けておりますが、2019年8月に公表した「2022年6月期EBITDA 100億円に到達」の達成については、このたび期間目標を見送り、「EBITDA100億円、EBITDA率10%」を改めて中期的な目標としております。なお、到達目標時期については、2021年6月期末を目途に公表を予定しております。
e.経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは、継続した企業成長と更なる業容の拡大のため、コーポレート・ガバナンスに対する継続的な取り組みを行いつつ、技術者派遣を中心とした事業の伸長、社員の採用数及び定着率の向上、社員のスキルアップへの取組み強化等が必要であると考えております。
これらに対する問題認識や今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりです。

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