有価証券報告書-第70期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/25 15:09
【資料】
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【項目】
137項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、企業と生活者を結ぶ情報の橋渡し役として、社会生活の向上と文化の発展に貢献することを経営の基本方針としております。そして、この基本方針のもと、お客さまの課題を提案活動によって解決し、地域の皆様とともに豊かな文化を育て、社会をより楽しく、より美しく、より豊かにすることを目指しております。
また、当社グループは、株主の皆様や取引先をはじめとする様々なステークホルダーに社会的な存在として認められ、共感を得られる経営を目指しており、各ステークスホルダーに対する企業価値を高めることを基本としております。
(2) 経営環境および中長期的な会社の経営戦略
広告業界におきましては、インターネットやスマートフォンの普及、デジタル技術の革新によって、インターネット広告の伸長が目覚ましく、既存メディアを活用した広告は減少傾向にあります。特定サービス産業動態統計調査(経済産業省)によりますと、2020年の国内広告業界の売上高は5兆3,583億円(前年比9.3%減)と4年連続の減少となりました。既存メディア、すなわち、インターネット広告以外の売上高はすべて減少(既存メディア売上高合計4兆2,574億円、前年比16.1%減)となる一方で、インターネット広告売上高は1兆1,008億円(前年比31.9%増)となりました。2020年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響も重なり、既存メディアからインターネットを活用した広告へのシフトがこれまで以上に顕著となりました。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響は広告業界だけではなく、多くの業界に影響を及ぼしたほか、在宅勤務やオンライン会議、時差出勤、社員の分散化など、生活者に対して生活様式の変化をもたらすと同時に、インターネットや動画視聴などメディア接触時間の増加と変化をもたらしました。今後、広告業界におきましては、こうしたニューノーマルな時代に対応した広告提案が求められることは避けられない時代となりました。
多くの業界がデジタル化へシフトしたことによってビッグデータの活用に代表されるように数値データを分析・活用するノウハウを有することが今後有利になってくると考えられます。近年、欧米に見られるように大手コンサルティングファームが広告業界に進出することが国内においても予想され、競合先の多様化が懸念されております。さらに、5Gの到来によって、インターネット回線を通じてより多くの情報量を生活者等へ届けることが可能となり、あらゆるものがインターネットに接続する世界が実現することも現実味を帯びてまいりました。
こうしたデジタル化へのシフトのほかに、当社グループが事業を営むローカルエリアにおきましては、少子高齢化社会が徐々に進行しており、生活者の消費額と連動した印刷物を中心とした広告活動は縮小傾向にあります。当社グループにおきましては、今後売上高を確保するための新たな施策が必要となっております。
このような時代にあっては、お客さまと市場の関係性の中にあるストーリーを構想して、それに即した最も効果的な広告手法を提案する、すなわち、お客さまの企業価値向上に繋がるストーリーを共創することが重要であると考えており、当社グループにおきましては、今後のグループの在り方を『マーケティングデザイン』と称し、日々の営業活動の基本概念としております。そして、コロナ禍も相まった厳しい経営環境を乗り越えていくためには、「既存事業の収益改善」と「新しい事業領域の開発」に取り組むことが不可欠であると考えております。また、私たちの提供するサービスは行政や地域に対しても広がります。地域課題から社会的価値を構想し、実現させていくことも当社グループの活動領域であると考えており、企業理念が示すように、「お客さまの課題を提案活動によって解決し、地域の皆様とともに豊かな文化を育て、社会をより楽しく、より美しく、より豊かにすること」が当社グループの使命であると考えております。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの外注費を除く諸費用は変動が少なく固定的であるため、当社グループにおきましては、売上総利益の確保が営業利益および経常利益の獲得に大きく影響するという事業特性があります。従いまして、営業の成果である売上高と連動した収益性の指標として、売上総利益および売上総利益率を重要な経営指標とし、日々の行動管理・業績管理・人事評価等に連動させ、目標の達成に向けて取り組んでおります。
(4) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
(1)および(2)に記載の、経営方針および経営戦略を実行していくうえで、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の経営課題は以下のとおりであります。
[広告事業]
① 既存事業の事業基盤の再構築
当社グループを取り巻く環境は、デジタル化の進展や少子高齢化の進行によって、お客さまの課題はますます高度化しており、常にお客さまに対して新しいサービスを提供し続けることが重要となっております。
当社グループにおきましては、付加価値の高いサービスの提供に努め、受注案件の利益率向上を図っておりますが、当社グループが持続的成長を遂げるためには、既存事業に関して業務の効率化を図り、コスト削減を含めて既存事業の収益の改善を図ることが必要であると考えております。また、併せて、各部門の役割を明確にし、新しい事業領域へ経営資源を配分することが必要であると考えております。そのためには、組織体系や人材育成を含めた事業基盤の再構築が欠かせないと考えており、当社グループにおきましては、こうした取り組みによる構造改革を速やかに実行してまいります。
また、当社は、2021年6月24日に監査等委員会設置会社に移行しており、そのチェック機能を十分に発揮することで、コーポレートガバナンス・コードに沿った経営を推進し、株主様を始めとするステークホルダーの立場を踏まえて、透明・公正かつ迅速な意思決定を行うことを推進してまいります。
② デジタルメディア提案力の強化
2020年の国内広告業界のインターネット広告売上高は1兆1,008億円(前年比31.9%増)となり(経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」)、当社グループ商勢圏におきましてもデジタル化の波が着実に押し寄せるなか、コロナ禍において、各企業におけるマーケティング活動のデジタル領域へのシフトは一層加速いたしました。当社グループの事業領域である総合コミュニケーションサービス業におきましては、質の高いサービスの提供だけでは競争に勝つことはできず、当社グループの事業領域を広げ、お客さまの事業や商品についてお客さまとともに考え、お客さまの成長に貢献できる真のパートナーになることが不可欠となっております。
当社グループにおきましては、これまでマーケティングコミュニケーション推進室が取り組んできたデジタルメディア提案力の強化をより一層深化させるため、同推進室をデジタルデザイン室として企画制作局内に再配置し、インターネット広告のほかSNSやCRMを活用した企画立案の強化に取り組んでまいります。また、デジタルデザイン室が中心となって、お客さまのデジタル化支援策、すなわち、デジタル技術を活用した新たな事業価値や顧客体験の創造につながるサービスの開発に取り組んでまいります。
③ 地域創生の推進
昨今、少子高齢化の進展や人口減少、東京一極集中の是正などの課題に対応し、将来にわたって活力ある地域社会を構築していくため「地域創生」をテーマにした事業が各地域において推進されております。
また、当社グループは、地域密着主義で培ったきめ細かな対応と、四国中国エリアに福岡、東京を加えた拠点ネットワーク、70年の実績に基づくノウハウによってお客さまの様々なニーズに応え、時代に即した提案活動によって質の高いコミュニケーション効果の創造に努めてまいりました。しかしながら、前述したような広告業界の転換期にあっては、急速な変化に対応したマーケティング戦略の立案が求められております。
当社グループにおきましては、グループ内に蓄積された地域情報のほか、地元に密着した広告会社としてのディレクション力とマーケティング力を最大限に活用し、商品開発、地域産品や観光資源のブランディング、地域産品の販路拡大などに取り組み、地域創生事業を推進してまいります。
④ 課題解決型営業の推進
当社グループは、四国エリア(香川・愛媛・徳島・高知)、中国エリア(岡山・広島)、福岡・東京に拠点を配し、多様化するお客さまのニーズにお応えし、質の高いコミュニケーションサービスの提供に努めてまいりました。前述したように、デジタル化へのシフトが加速している中にあっては、当社グループ商勢圏におきましても、体験や感性などデジタル化できない付加価値を提供するサービスは存続する一方で、デジタル化できることはデジタル化されていく傾向が顕著になると予想されます。
当社グループにおきましては、お客さまの経営課題の解決策をお客さまとともに考える課題解決型営業をこれまで以上に推進することはもちろんのこと、その解決策にデジタル領域も加えることによって、より具体的で高度化した提案活動に取り組んでまいります。また、業務提携先との連携をより一層強化し、受注領域の拡大と提供サービスの拡充を図ってまいります。
⑤ 人材への投資
当社グループの競争力の源泉は人材であり、当社グループにとって最も重要な経営資源であります。お客さまにご満足いただけるコミュニケーションサービスを提供するためには、優秀な人材の確保と育成が不可欠であり、また、高度化するお客さまのニーズに対応するためには専門的な知識を持った人材の獲得も重要な経営課題であります。
当社グループにおきましては、人材の獲得競争が厳しさを増すなか、適正な人員の確保と優秀な人材の育成を図るため、社内研修や教育制度の強化に加え、継続的な採用活動に取り組んでまいります。
また、社員の「健康」や「働き方」は企業の業績や存続に関係する重要な経営課題であります。当社グループにおきましては、職場環境の整備やモバイルパソコンの導入、グループウェアの機能拡充、クラウド型人材管理ツールの導入などによって、従業員の働く環境の改善を図るとともに、人材への投資を強化してまいりました。今後につきましても、時間外労働の削減に努め、「定時退社日の運用推進」「残業時間の削減」「有給休暇取得率の向上」「仕事と育児の両立支援」などに取り組み、当社グループ各拠点に即した諸施策を推進してまいります。
[ヘルスケア事業]
① 労働力の確保
当社グループにおきましては、小規模の地域密着型の通所介護サービスを香川県高松市において提供しており、ヘルスケア事業として区分しております。ヘルスケア事業におきましては、介護保険法の改正ならびに介護報酬の改定、介護市場における競争激化、有資格者を含めた従業員確保などの課題がありますが、なかでも、介護サービス需要の拡大に伴い懸念される労働力不足の問題は重要な経営課題と認識しております。
当社グループにおきましては、従業員の定着率の向上のため、従業員の処遇改善の充実、キャリアパス制度の適切な運営、実践に即した教育研修の実施などに取り組んでまいります。
[その他]
① 新型コロナウイルス感染症への対策
近時、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、政府や都道府県知事から外出自粛が要請される事態に至っております。当社グループにおきましては、お客さまの新型コロナウイルス感染症拡大に対する予防措置に連動した集客イベントの中止・延期のほか、広告出稿の自粛による売上高の減少が懸念される状況にあります。
当社グループにおきましては、厳しい状況が上半期中は続くと見込まれますが、そのような中にあっても、お客さまに対し、今、私たちができる事は何かを考え、出来る限りの情報提供や提案をとおしてお客様の課題解決に取り組んでまいります。
また、当社グループにおきましては、社員の時差出勤、リモートワーク等を活用した状況に応じた柔軟な勤務、3つの密(密閉・密集・密接)の回避、職場内感染防止行動の徹底(手洗い・マスク着用・換気等)を推奨し、今後とも感染防止に努めてまいります。

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