有価証券報告書-第24期(2024/01/01-2024/12/31)

【提出】
2025/03/31 16:00
【資料】
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【項目】
136項目

研究開発活動

(1)研究活動
当社グループの創薬研究では、Cullgenを中心に革新的な新規開発候補化合物(NCE)の開発を目指しております。Cullgenは、がん、疼痛、及び自己免疫疾患に対する酵素及び非酵素タンパク質を標的とした複数の新規化合物を含む創薬パイプラインの拡充のための研究開発を進めております。
2023年6月に、Cullgenはアステラス製薬と、革新的なタンパク質分解誘導剤創出に向けた共同研究及び独占的オプション契約を締結いたしました。本戦略的提携において、両社は新規E3リガンドを活用したCullgen独自の技術プラットフォームuSMITE™とアステラス製薬の創薬及び商業化能力を融合し、複数の標的タンパク質分解誘導剤の創出を目指します。Cullgenとアステラス製薬は臨床開発対象の化合物を見出すための共同研究を行い、アステラス製薬は見出された分解剤の開発及び商業化を担います。乳がんやその他の固形がんを対象として、アステラス製薬が同定したリードプログラムである細胞周期タンパク質に対する分解誘導剤候補化合物も含むアステラス製薬との共同研究は、順調に進展しております。
(2)開発活動
■アイスーリュイ[中国語:艾思瑞®、英語:ETUARY®(一般名:ピルフェニドン)]-北京コンチネント
北京コンチネントは、アイスーリュイの適応を以下の疾患に拡大する臨床試験を進めております。
・糖尿病腎症(DKD):第1相完了、今後の進め方を中国当局と継続協議中
・結合組織疾患(CTD-ILD)を伴う間質性肺疾患(全身性硬化症(強皮症、SSc-ILD)と
皮膚筋炎(DM-ILD)):第3相臨床試験継続中
・じん肺治療薬(Pneumoconiosis,PD):第3相臨床試験継続中
■ニンテダニブ[英語:Nintedanib]-北京コンチネント
ニンテダニブはIPF、全身性硬化症関連間質性肺疾患(SSc-ILD)及び進行性線維性間質性肺疾患(PF-ILD)を適応症に持つ治療薬です。2024年5月に、北京コンチネントが製造販売の権利を獲得いたしました。
■F351(一般名:ヒドロニドン)-北京コンチネント及びGYRE
F351は肝線維症向け治療薬候補として、当社グループの医薬品ポートフォリオにおける重要な新薬候補であり、世界の主要医薬品市場への参入に向けた戦略の非常に重要なものとなります。F351は、ブロックバスターと期待さ
れる新薬候補です。
北京コンチネントは2024年10月、中国におけるB型慢性肝炎に起因する肝線維症患者を対象とした第3相臨床試験を完了いたしました。2025年第2四半期にトップラインデータを公表する予定です。
GYREは、MASH(代謝機能障害関連脂肪肝炎)起因の肝線維症適応に向け、グローバル展開を視野に入れております。
■F573(急性肝不全(ALF)・慢性肝不全の急性増悪(ACLF)治療薬)-北京コンチネント
急性肝不全(ALF)や慢性肝不全の急性増悪(ACLF)の治療薬として、F573の第2相臨床試験を実施しており、2026年12月末までに第2相臨床試験を完了する予定です。
■F230(肺動脈性肺高血圧症治療薬)-北京コンチネント
F230は、肺動脈性肺高血圧症の治療薬であり、2024年5月に、北京コンチネントは中国においてINDの承認を受けました。第1相臨床試験は2025年に開始する予定です。
■F528(慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬)-北京コンチネント
F528は、複数の炎症性サイトカインを抑制する新規の抗炎症剤であり、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の進行を軽減
する可能性のある新薬候補として2026年にIND申請を予定しております。
■CG001419(TRK分解剤)-Cullgen
CG001419は、業界初の選択的かつ強力な標的タンパク質分解誘導剤を活用した経口剤として開発を進めておりま
す。2023年7月に、同社初となるTRK分解剤の抗がん剤候補として第1/2相臨床試験を中国にて開始いたしました。また、2025年1月に急性及び慢性疼痛を対象とした第1相臨床試験をオーストラリアにて開始いたしました。
■CG009301(悪性血液腫瘍(白血病)治療薬)-Cullgen
CG009301は、GSPT1 タンパク質を標的とした新規の分解薬であり、2024年10月に国家薬品監督管理局(NMPA)によりINDが承認されました。今後速やかに臨床試験へ移行いたします。
■オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)のジェネリック-北京コンチネント
北京コンチネントは、オーファンドラッグの販売ラインナップ拡充のため、2024年6月に慢性肝疾患による血小板減少症の治療薬であるアバトロンボパグマレイン酸塩錠の販売承認を取得し、2025年1月にはITP(慢性特発性血小板減少症)を対象に適応症拡大の承認を受けました。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの研究開発費は、全体では2,811,801千円となりました。