有価証券報告書-第28期(2025/04/01-2026/03/31)
(3)気候変動
①戦略
ⅰ.シナリオ分析
将来の気候変動のシナリオは、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)に基づき、国際エネルギー機関(IEA)が公表する「IEA NZE 2050」シナリオを参照した「FASHION INDUSTRY CHARTER FOR CLIMATE ACTION」と「A Roadmap to Net-zero Emissions for the Apparel Sector」を使用してシナリオ分析をおこない、気候変動に関連するリスク・機会の抽出をしました。
ⅱ.TCFD提言に基づくリスクと機会の分類
a.移行リスク
政策と法律
技術
市場
評判
b.物理的リスク
急性
慢性
c.機会
資源効率性
エネルギー源
製品/サービス
市場
(注)短期:2026~2027年、中期:2027~2030年、長期:2030~2050年
ⅲ.気候変動のKPIを達成するための取り組み
気候変動のKPIを達成するための取り組みは、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)サステナビリティ全般 ①戦略ⅱ4つの重点取り組み c.環境負荷の軽減による、豊かな地球への貢献」に記載のとおりでございます。
また、上記のほかに以下の取り組みをおこなっております
a.当社拠点へ再生可能エネルギーを導入
当社グループは、「2030カーボンニュートラル宣言」のもと、2030年までに全拠点の使用電力を100%再生可能エネルギー化することを目指してまいりました。その結果、2026年4月時点で、当社のすべての拠点において再生可能エネルギーの導入が完了しています。調達している再生可能エネルギー電力は主に非化石証書によって調達したものになります。ZOZO本社屋では、2021年2月から再生可能エネルギー100%の電力を導入しています。また、2022年1月から物流拠点「ZOZOBASE習志野1」と「ZOZOBASEつくば1」、2022年6月から「ZOZOBASEつくば2」、2023年9月から「ZOZOBASE習志野2」、2023年3月から「ZOZOBASEつくば3」、2024年4月から各オフィス拠点にも、トラッキング付・FIT非化石証書等が付与された、主にバイオマスや太陽光由来の再生可能エネルギーを導入しております。再生可能エネルギー導入による当事業年度のCO2削減量は12,710トンになります。
b.全てのデータセンターで再生可能エネルギーを使用
当社グループのサーバー等を保管しているデータセンターは、100%再生可能エネルギー電力を使用しています。また、クラウドデータセンターを利用し、省エネ化への取り組みも推進しています。
c.サステナビリティ情報コンテンツ「elove by ZOZO」
2022年11月にサステナビリティ情報を発信する常設コンテンツ「elove by ZOZO」を開設しました。「サステナブルなファッションを選択できる顧客体験の提供」を目指し、ファッションブランドのサステナビリティへの取り組みやサステナブルな商品を紹介するほか、ファッションにまつわるTIPS、環境・社会問題など、サステナブルなお買い物をする際に役立つ情報などを紹介しています。
d.リユース事業「ZOZOUSED」における取り組み
ブランド古着のファッションゾーン「ZOZOUSED」では、お客様が使わなくなったファッションアイテムの買取・販売をおこない廃棄物削減に取り組んでいます。また、アイテムを回収する際に使用する資材は、クリーニングすることで繰り返し利用できるリユースバッグを導入しています。

衣料品の再流通プロセスとトレーサビリティの確保
お客様から買い取ったアイテムのうち、販売基準に満たないものについては、適切な処理をおこなう複数の衣料品買取業者に買い取っていただくことで、廃棄を最小限に抑えています。
そのうち、多くのアイテムを引き渡している買取業者においては、当社から買い取ったアイテムを自社運営店舗にて再販売しています。再販売が難しいアイテムについても、需要がある海外への輸出や工業用ウエス(拭布)、車の座席用クッション材などへの再利用を通じて、ほぼ100%のリユース・リサイクルを実現しています。
海外に輸出されたアイテムは、主にマレーシアの工場に届けられ、現地での選別・加工を経て世界各国に出荷されます。さらに、同社の担当者が毎年マレーシア工場を訪問し、作業環境や再利用状況などを確認することで、アイテムのトレーサビリティの確保に努めています。

「ZOZOUSED」で、お客様から回収したアイテムを二次流通させることにより、新たに生産されるアイテムの製造過程から廃棄焼却までに発生するCO2排出を防ぐことができたと想定した場合、サービス開始時から累計でCO2排出量は約21万トン(※1)の削減。また、当事業年度のCO2排出抑制量をスギの木の吸収量に換算すると約195万本に相当します。(※2)
※1 2012年11月〜2026年3月。新たに生産されるアイテムの製造過程から廃棄焼却までの間に発生するCO2排出を回避したと仮定。回収したアイテム品数を重量に変換(出典:環境省「サステナブルファッション―これからのファッションを持続可能」)し、アイテム1kgあたりのCO2排出量を乗算し算出(出典:環境省「3R 原単位の算出方法」)
※2 スギの木1本あたり約14kgのCO2排出量を吸収すると仮定(出典:関東森林管理局 森林の二酸化炭素吸収力)

また、これまでに「ZOZOUSED」の利用者数(リユース経験者数)は、サービス開始から累計(※)で約570万人にのぼります。当社は今後も、リユース経験者を増やしていくことで、循環型ファッションを確立し、循環の環を拡げていきたいと考えています。
※2012年11月〜2026年3月。リユース経験者の定義は、「ZOZOUSED」サービス商品の購入者・買い替え割サービスの利用者・通常買取サービスの利用者の合計
e.梱包資材パッケージにおける取り組み
当社グループでは多様な商品に合わせて様々な梱包資材を使用しているため、「商品パッケージングの廃棄物・リサイクル」をマテリアリティの一つとして捉えています。今後も循環型社会形成のために、プラスチック素材の資材の素材変更や、FSC認証(※1)取得済の段ボールの使用などのサステナブルな資源の採用、過剰梱包を防ぐため適正サイズの資材を容易に選択できる仕組みの導入など、環境に配慮した取り組みを進めてまいります。
・商品梱包時に使用する緩衝材をプラスチック素材から再生紙100%素材に変更
・FSC認証を取得した段ボールの使用
・梱包袋資材をバイオマスプラスチック25%配合の資材に変更
・過剰梱包を防ぐため適正サイズの資材を容易に選択できる仕組みを導入
・過剰梱包を防ぐため資材の種類を常時10数種類用意し適切なサイズの資材を使用
・繰り返し使用できるZOZOTOWNオリジナルの不織布製のリユースバッグ(※2)の使用
・商品に同梱していた紙の納品書兼領収書を電子化
・商品入荷時に必要のないプラスチックハンガーは出来るだけ控えるようブランド様へアナウンス
※1 FSC認証:環境、社会、経済の便益に適い、きちんと管理された森林から生産された林産物や、その他のリスクの低い林産物を使用した製品を目に見える形で消費者に届ける仕組み
※2 ZOZOTOWNオリジナルの不織布製のリユースバッグ:「買い替え割」サービスにて下取りアイテムをお客様から回収する際は、繰り返し使用できる、ZOZOTOWNオリジナルの不織布製のリユースバッグの使用を推奨しています。現在、一度使用された約94%のリユースバッグをクリーニングしており、その後、平均5~6回再利用しています。(「買い替え割」は当社の登録商標です)
容器包装材使用量
f.ZOZOTOWNの納品書兼領収書を電子化
ZOZOTOWNで注文いただいた際にお客様へお渡しする納品書兼領収書を2021年から全て電子化しています。当事業年度の出荷件数で換算した場合、年間約6,800万枚の納品書兼領収書(紙)を削減したこととなり、その出力と焼却に伴い排出されるはずであった、約393トンのCO2の削減が見込まれます。また社内においても電子契約サービス「クラウドサイン」を導入し契約書などWeb完結型として紙の廃棄削減に取り組んでいます。
g.物流拠点で使用する全ての照明にLEDを導入
物流拠点「ZOZOBASE」では、全ての拠点において使用される電力を100%再生可能エネルギー電力にするほか、全ての照明機材にLED照明を使用し、省エネルギー化、CO2削減に取り組んでいます。
h.空調最適制御システム「EMS-AI」を導入
物流拠点「ZOZOBASE習志野1」では、庫内の温度制御が自動で最適化される「EMS-AI」を導入し、省エネルギー化、CO2削減に取り組んでいます。
i.物流拠点間の輸送を最小化
物流拠点「ZOZOBASE」では、研究開発組織であるZOZO研究所がサステナブルな物流を目指し、拠点間輸送を最小化する適正在庫配置研究をおこない、拠点間輸送に伴うCO2の削減へ取り組んでいます。
j.リサイクル素材100%のパレットを導入
物流拠点「ZOZOBASE」では、荷物を運ぶ際に100%リサイクル素材のパレットを使用しております。また、アウターなどの保管に伴うプラスチックハンガーの使用を減らす取り組みとして、品質を損なわない範囲で平置き保管を推奨、また取引先ブランドへプラスチックハンガーを極力使用しない納品を依頼し、廃棄量の削減に取り組んでおります。
k.幹線輸送における積載効率の向上
物流拠点「ZOZOBASE」では、遠方(北海道・九州地方など)へ商品配送をおこなう際、当社拠点で梱包をおこなわず、幹線輸送後に各地域エリアにあるヤマト運輸のリレーションセンターで個別梱包・配送をしています。これにより幹線輸送における積載効率の向上を図り、輸送に伴うCO2の削減へ取り組んでいます。
l.「置き配」サービスの推奨
当社はヤマト運輸が提供する、玄関前などの受け取り方法が選択可能なサービス「EAZY」を国内で初導入し、注文完了画面などで推奨しております。このようなサービスを通じて再配達を防ぐことにより、配送時のCO2の削減へ取り組んでいます。
m.「注文のおまとめ」機能の導入
当社では複数回に分けて商品を注文した際に、1つの注文としてまとめて配送する「注文のおまとめ」機能を導入しています。発送前の注文が複数ある場合、おまとめ可能な注文は自動的にまとめられ、ご指定のお届け先へ配送されます。これにより商品のお届けの際に使用する梱包資材や配送回数は減少し、配送に伴うCO2の削減へ取り組んでいます。
n.「ゆっくり配送」の導入
「ゆっくり配送」は、商品注文日の7日後から10日後までに発送する新たな配送の選択肢で、注文から発送までのリードタイムが通常配送に比べ最大で6日長くなります。働き方改革関連法の施行による「2024年問題」への対応として、2024年4月に試験導入を実施したところ、「注文のおまとめ」促進による配送件数の削減効果を確認できたことから、CO2排出量の低減等のさらなる効果を見込み2024年8月から本格導入しました。
o.環境に配慮された資材の使用
物流拠点「ZOZOBASE」では、お客様へ商品を配送する際に使用する梱包資材にFSC認証段ボールやバイオマス素材の袋資材を採用しているほか、商品を保護するための緩衝材においても再生紙を使用しており環境配慮に努めています。
①戦略
ⅰ.シナリオ分析
将来の気候変動のシナリオは、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)に基づき、国際エネルギー機関(IEA)が公表する「IEA NZE 2050」シナリオを参照した「FASHION INDUSTRY CHARTER FOR CLIMATE ACTION」と「A Roadmap to Net-zero Emissions for the Apparel Sector」を使用してシナリオ分析をおこない、気候変動に関連するリスク・機会の抽出をしました。
ⅱ.TCFD提言に基づくリスクと機会の分類
a.移行リスク
政策と法律
| 内容 | 時間軸 | 対応計画 | 財務影響 |
| 炭素税など新たな環境に対する租税の負担 | 中期・長期 | ・再エネ電力の導入 ・物流拠点で使用する全ての照明にLEDを導入 ・空調最適制御システム「EMS-AI」を導入 ・ネットゼロ達成に向けた活動の推進 | 小 |
| 素材(梱包資材・販売製品)に対する規制強化 | 中期・長期 | ・環境配慮素材の使用率向上 ・新素材の開発・開発支援 ・取引先への啓蒙 | 中 |
| 配送(入出荷)に対する規制強化 | 短期・中期 | ・適正在庫配置研究による拠点間輸送の最小化 ・幹線輸送における積載効率の向上 ・「置き配」サービスの推奨 ・「注文のおまとめ」機能の導入 ・ヤマト運輸㈱との協働 | 小・中 |
| グリーンウォッシュに対する販売規制強化 | 中期・長期 | ・グリーンウォッシュに対する規制遵守の徹底 ・取引先への啓蒙 ・取引先へ環境監査を実施 | 中 |
技術
| 内容 | 時間軸 | 対応計画 | 財務影響 |
| 環境配慮型オペレーションへの変更によるコスト上昇 | 短期・中期 長期 | ・物流オペレーションの効率化 ・物流拠点で使用する全ての照明にLEDを導入 ・空調最適制御システム「EMS-AI」を導入 | 小 |
| 環境配慮型の生産方式や素材の変更によるコスト上昇 | 短期・中期 長期 | ・環境配慮型の生産方式や素材の開発・イノベーションの推進 | 中 |
市場
| 内容 | 時間軸 | 対応計画 | 財務影響 |
| 環境に関する意識と消費行動の変化により環境配慮されていない商品の需要低下 | 中期 | ・顧客の意識に対応する商品開発 ・環境配慮された商品の展開を拡大 | 中 |
| 環境配慮型製品への移行に伴う製品価格の高騰 | 短期・中期 | ・新素材の開発・開発支援 | 中 |
| 電力や原油などのエネルギー価格の高騰 | 短期・中期 | ・再エネ電力の導入 ・省エネルギー設備の導入 ・ネットゼロ達成に向けた活動の推進 | 小 |
評判
| 内容 | 時間軸 | 対応計画 | 財務影響 |
| 環境課題に関する対応が不十分なことによるレピュテーションリスクや企業価値低下 | 短期・中期 | ・国際基準に準拠して環境課題に対応 | 中 |
| 環境課題に関する対応が不十分なことによる取引先からの取引停止 | 中期・長期 | ・国際基準に準拠して環境課題に対応 | 中 |
| 環境課題に関する対応が不十分なことによる投資家からの評価の低下 | 短期・中期 | ・国際基準に準拠して環境課題に対応 | 中 |
b.物理的リスク
急性
| 内容 | 時間軸 | 対応計画 | 財務影響 |
| 自然災害や気候変化による製品の製造や調達コスト、製品単価の上昇 | 中期・長期 | ・ブランド古着のファッションゾーン「ZOZOUSED」の推進強化 | 大 |
| 自然災害による事業所、物流拠点、データセンター、販売製品の損害 | 中期・長期 | ・拠点の分散化 ・BCP対策強化 ・取引先の事業継続体制の調査 | 大 |
| 感染症リスク(新型コロナウイルス感染症等)による消費者需要の変化 | 短期・中期 長期 | ・OMOプラットフォーム「ZOZOMO」の推進強化 ・計測テクノロジー(ZOZOSUIT、ZOZOMAT、ZOZOGLASS)の推進強化 ・アパレル以外のカテゴリー拡大(ZOZOCOSME) | 小 |
| 異常気象への対応のための設備投資によるコスト上昇 | 短期・中期 長期 | ・オペレーションの自動化 ・物流拠点で使用する全ての照明にLEDを導入 ・空調最適制御システム「EMS-AI」を導入 | 小 |
慢性
| 内容 | 時間軸 | 対応計画 | 財務影響 |
| 温暖化による冬物重衣料の需要低下 | 中期・長期 | ・アパレル以外のカテゴリー拡大(ZOZOCOSME) ・テクノロジーの収益化 | 小 |
| 気温上昇、海面上昇などにより原料の枯渇 | 中期・長期 | ・ブランド古着のファッションゾーン「ZOZOUSED」の推進強化 | 小 |
c.機会
資源効率性
| 内容 | 時間軸 | 対応計画 | 財務影響 |
| ペーパーレス化など資源の効率化 | 短期 | ・ZOZOTOWNの納品書兼領収書を電子化 ・電子契約サービスを導入し契約書をWeb完結型に変更 | 小 |
| 梱包資材の改良・適正化・再利用 | 短期 | ・プラスチック素材の緩衝材を再生紙100%の緩衝材に変更 ・過剰梱包を防ぐため、複数サイズの配送用資材を用意し、商品に合わせて梱包 ・梱包する際に適正サイズの資材を容易に選択できる仕組みを導入 ・繰り返し利用できるリユースバッグを導入 ・FSC認証段ボールやバイオマス素材の袋資材を採用 | 小 |
| 輸送配送の効率化 | 短期・中期 | ・適正在庫配置研究による拠点間輸送の最小化 ・幹線輸送における積載効率の向上 ・「置き配」サービスの推奨 ・「注文のおまとめ」機能の導入 ・ヤマト運輸㈱との協働 | 中 |
エネルギー源
| 内容 | 時間軸 | 対応計画 | 財務影響 |
| 環境配慮型オペレーション(省エネ化など)を構築することによりエネルギー消費量の削減 | 中期・長期 | ・物流オペレーションの効率化 ・物流拠点で使用する全ての照明にLEDを導入 ・空調最適制御システム「EMS-AI」を導入 | 中 |
製品/サービス
| 内容 | 時間軸 | 対応計画 | 財務影響 |
| 環境配慮型サービス(リユース、受注生産など)の開発や提供による競争優位性獲得 | 中期・長期 | ・ブランド古着のファッションゾーン「ZOZOUSED」の推進強化 | 大 |
| 環境配慮型物流オペレーションを構築することにより競争優位性獲得 | 中期・長期 | ・ブランド古着のファッションゾーン「ZOZOUSED」の推進強化 ・物流に関する取り組み強化 ・㈱プロロジスとの協働 | 大 |
市場
| 内容 | 時間軸 | 対応計画 | 財務影響 |
| 環境需要に対応した製品やサービスの提供による新規顧客獲得や既存顧客の利用拡大 | 中期・長期 | ・ブランド古着のファッションゾーン 「ZOZOUSED」の推進強化 | 大 |
| ステークホルダーとの連携やテクノロジーの開発により新たな市場の創出 | 短期・中期・長期 | ・ボディーマネージメントサービス「ZOZOFIT」の推進強化 ・サステナブル情報コンテンツ「elove by ZOZO」の推進強化 | 中 |
| 感染症リスクの増加による消費者行動の変化に伴う成長機会の拡大 | 短期・中期・長期 | ・OMOプラットフォーム「ZOZOMO」の推進強化 ・計測テクノロジー(ZOZOSUIT、ZOZOMAT、ZOZOGLASS)の推進強化 ・アパレル以外のカテゴリー拡大(ZOZOCOSME) | 小 |
(注)短期:2026~2027年、中期:2027~2030年、長期:2030~2050年
ⅲ.気候変動のKPIを達成するための取り組み
気候変動のKPIを達成するための取り組みは、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)サステナビリティ全般 ①戦略ⅱ4つの重点取り組み c.環境負荷の軽減による、豊かな地球への貢献」に記載のとおりでございます。
また、上記のほかに以下の取り組みをおこなっております
a.当社拠点へ再生可能エネルギーを導入
当社グループは、「2030カーボンニュートラル宣言」のもと、2030年までに全拠点の使用電力を100%再生可能エネルギー化することを目指してまいりました。その結果、2026年4月時点で、当社のすべての拠点において再生可能エネルギーの導入が完了しています。調達している再生可能エネルギー電力は主に非化石証書によって調達したものになります。ZOZO本社屋では、2021年2月から再生可能エネルギー100%の電力を導入しています。また、2022年1月から物流拠点「ZOZOBASE習志野1」と「ZOZOBASEつくば1」、2022年6月から「ZOZOBASEつくば2」、2023年9月から「ZOZOBASE習志野2」、2023年3月から「ZOZOBASEつくば3」、2024年4月から各オフィス拠点にも、トラッキング付・FIT非化石証書等が付与された、主にバイオマスや太陽光由来の再生可能エネルギーを導入しております。再生可能エネルギー導入による当事業年度のCO2削減量は12,710トンになります。
b.全てのデータセンターで再生可能エネルギーを使用
当社グループのサーバー等を保管しているデータセンターは、100%再生可能エネルギー電力を使用しています。また、クラウドデータセンターを利用し、省エネ化への取り組みも推進しています。
c.サステナビリティ情報コンテンツ「elove by ZOZO」
2022年11月にサステナビリティ情報を発信する常設コンテンツ「elove by ZOZO」を開設しました。「サステナブルなファッションを選択できる顧客体験の提供」を目指し、ファッションブランドのサステナビリティへの取り組みやサステナブルな商品を紹介するほか、ファッションにまつわるTIPS、環境・社会問題など、サステナブルなお買い物をする際に役立つ情報などを紹介しています。
d.リユース事業「ZOZOUSED」における取り組み
ブランド古着のファッションゾーン「ZOZOUSED」では、お客様が使わなくなったファッションアイテムの買取・販売をおこない廃棄物削減に取り組んでいます。また、アイテムを回収する際に使用する資材は、クリーニングすることで繰り返し利用できるリユースバッグを導入しています。

衣料品の再流通プロセスとトレーサビリティの確保
お客様から買い取ったアイテムのうち、販売基準に満たないものについては、適切な処理をおこなう複数の衣料品買取業者に買い取っていただくことで、廃棄を最小限に抑えています。
そのうち、多くのアイテムを引き渡している買取業者においては、当社から買い取ったアイテムを自社運営店舗にて再販売しています。再販売が難しいアイテムについても、需要がある海外への輸出や工業用ウエス(拭布)、車の座席用クッション材などへの再利用を通じて、ほぼ100%のリユース・リサイクルを実現しています。
海外に輸出されたアイテムは、主にマレーシアの工場に届けられ、現地での選別・加工を経て世界各国に出荷されます。さらに、同社の担当者が毎年マレーシア工場を訪問し、作業環境や再利用状況などを確認することで、アイテムのトレーサビリティの確保に努めています。

「ZOZOUSED」で、お客様から回収したアイテムを二次流通させることにより、新たに生産されるアイテムの製造過程から廃棄焼却までに発生するCO2排出を防ぐことができたと想定した場合、サービス開始時から累計でCO2排出量は約21万トン(※1)の削減。また、当事業年度のCO2排出抑制量をスギの木の吸収量に換算すると約195万本に相当します。(※2)
※1 2012年11月〜2026年3月。新たに生産されるアイテムの製造過程から廃棄焼却までの間に発生するCO2排出を回避したと仮定。回収したアイテム品数を重量に変換(出典:環境省「サステナブルファッション―これからのファッションを持続可能」)し、アイテム1kgあたりのCO2排出量を乗算し算出(出典:環境省「3R 原単位の算出方法」)
※2 スギの木1本あたり約14kgのCO2排出量を吸収すると仮定(出典:関東森林管理局 森林の二酸化炭素吸収力)

また、これまでに「ZOZOUSED」の利用者数(リユース経験者数)は、サービス開始から累計(※)で約570万人にのぼります。当社は今後も、リユース経験者を増やしていくことで、循環型ファッションを確立し、循環の環を拡げていきたいと考えています。
※2012年11月〜2026年3月。リユース経験者の定義は、「ZOZOUSED」サービス商品の購入者・買い替え割サービスの利用者・通常買取サービスの利用者の合計
e.梱包資材パッケージにおける取り組み
当社グループでは多様な商品に合わせて様々な梱包資材を使用しているため、「商品パッケージングの廃棄物・リサイクル」をマテリアリティの一つとして捉えています。今後も循環型社会形成のために、プラスチック素材の資材の素材変更や、FSC認証(※1)取得済の段ボールの使用などのサステナブルな資源の採用、過剰梱包を防ぐため適正サイズの資材を容易に選択できる仕組みの導入など、環境に配慮した取り組みを進めてまいります。
・商品梱包時に使用する緩衝材をプラスチック素材から再生紙100%素材に変更
・FSC認証を取得した段ボールの使用
・梱包袋資材をバイオマスプラスチック25%配合の資材に変更
・過剰梱包を防ぐため適正サイズの資材を容易に選択できる仕組みを導入
・過剰梱包を防ぐため資材の種類を常時10数種類用意し適切なサイズの資材を使用
・繰り返し使用できるZOZOTOWNオリジナルの不織布製のリユースバッグ(※2)の使用
・商品に同梱していた紙の納品書兼領収書を電子化
・商品入荷時に必要のないプラスチックハンガーは出来るだけ控えるようブランド様へアナウンス
※1 FSC認証:環境、社会、経済の便益に適い、きちんと管理された森林から生産された林産物や、その他のリスクの低い林産物を使用した製品を目に見える形で消費者に届ける仕組み
※2 ZOZOTOWNオリジナルの不織布製のリユースバッグ:「買い替え割」サービスにて下取りアイテムをお客様から回収する際は、繰り返し使用できる、ZOZOTOWNオリジナルの不織布製のリユースバッグの使用を推奨しています。現在、一度使用された約94%のリユースバッグをクリーニングしており、その後、平均5~6回再利用しています。(「買い替え割」は当社の登録商標です)
容器包装材使用量
| 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | ||
| 段ボール | 容器包装材使用量(kg) | 9,190,662 | 8,795,579 | 10,020,249 |
| 容器包装材の再生素材の割合(%) | 100 | 100 | 100 | |
| 出荷袋 ※バイオマス配合プラスチック素材 | 容器包装材使用量(kg) | 1,106,101 | 1,213,225 | 1,357,719 |
| 容器包装材の再生素材の割合(%) | 25 | 25 | 25 | |
| 出荷袋 ※紙素材 | 容器包装材使用量(kg) | 218,411 | 244,952 | 343,581 |
| 容器包装材の再生素材の割合(%) | 0 | 0 | 0 | |
| 販売費及び一般管理費に対する割合(%) | 2.2 | 1.9 | 1.8 | |
f.ZOZOTOWNの納品書兼領収書を電子化
ZOZOTOWNで注文いただいた際にお客様へお渡しする納品書兼領収書を2021年から全て電子化しています。当事業年度の出荷件数で換算した場合、年間約6,800万枚の納品書兼領収書(紙)を削減したこととなり、その出力と焼却に伴い排出されるはずであった、約393トンのCO2の削減が見込まれます。また社内においても電子契約サービス「クラウドサイン」を導入し契約書などWeb完結型として紙の廃棄削減に取り組んでいます。
g.物流拠点で使用する全ての照明にLEDを導入
物流拠点「ZOZOBASE」では、全ての拠点において使用される電力を100%再生可能エネルギー電力にするほか、全ての照明機材にLED照明を使用し、省エネルギー化、CO2削減に取り組んでいます。
h.空調最適制御システム「EMS-AI」を導入
物流拠点「ZOZOBASE習志野1」では、庫内の温度制御が自動で最適化される「EMS-AI」を導入し、省エネルギー化、CO2削減に取り組んでいます。
i.物流拠点間の輸送を最小化
物流拠点「ZOZOBASE」では、研究開発組織であるZOZO研究所がサステナブルな物流を目指し、拠点間輸送を最小化する適正在庫配置研究をおこない、拠点間輸送に伴うCO2の削減へ取り組んでいます。
j.リサイクル素材100%のパレットを導入
物流拠点「ZOZOBASE」では、荷物を運ぶ際に100%リサイクル素材のパレットを使用しております。また、アウターなどの保管に伴うプラスチックハンガーの使用を減らす取り組みとして、品質を損なわない範囲で平置き保管を推奨、また取引先ブランドへプラスチックハンガーを極力使用しない納品を依頼し、廃棄量の削減に取り組んでおります。
k.幹線輸送における積載効率の向上
物流拠点「ZOZOBASE」では、遠方(北海道・九州地方など)へ商品配送をおこなう際、当社拠点で梱包をおこなわず、幹線輸送後に各地域エリアにあるヤマト運輸のリレーションセンターで個別梱包・配送をしています。これにより幹線輸送における積載効率の向上を図り、輸送に伴うCO2の削減へ取り組んでいます。
l.「置き配」サービスの推奨
当社はヤマト運輸が提供する、玄関前などの受け取り方法が選択可能なサービス「EAZY」を国内で初導入し、注文完了画面などで推奨しております。このようなサービスを通じて再配達を防ぐことにより、配送時のCO2の削減へ取り組んでいます。
m.「注文のおまとめ」機能の導入
当社では複数回に分けて商品を注文した際に、1つの注文としてまとめて配送する「注文のおまとめ」機能を導入しています。発送前の注文が複数ある場合、おまとめ可能な注文は自動的にまとめられ、ご指定のお届け先へ配送されます。これにより商品のお届けの際に使用する梱包資材や配送回数は減少し、配送に伴うCO2の削減へ取り組んでいます。
n.「ゆっくり配送」の導入
「ゆっくり配送」は、商品注文日の7日後から10日後までに発送する新たな配送の選択肢で、注文から発送までのリードタイムが通常配送に比べ最大で6日長くなります。働き方改革関連法の施行による「2024年問題」への対応として、2024年4月に試験導入を実施したところ、「注文のおまとめ」促進による配送件数の削減効果を確認できたことから、CO2排出量の低減等のさらなる効果を見込み2024年8月から本格導入しました。
o.環境に配慮された資材の使用
物流拠点「ZOZOBASE」では、お客様へ商品を配送する際に使用する梱包資材にFSC認証段ボールやバイオマス素材の袋資材を採用しているほか、商品を保護するための緩衝材においても再生紙を使用しており環境配慮に努めています。