四半期報告書-第8期第3四半期(平成27年7月1日-平成27年9月30日)

【提出】
2015/11/13 9:38
【資料】
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【項目】
25項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)業績の状況
当第3四半期累計期間における世界のM&A(*)市場は、公表された案件の総額で3兆2,220億ドル(前年同期比で約3割増加)となり、同期間の比較では、2007年以来8年ぶりの高水準となっております。また、日本のM&A市場においても、公表ベースで15兆3,594億円(前年同期比で約5割増加)となり、とりわけ日本企業による海外企業の買収は8兆円を突破しており、既に過去最高であった2012年の1年分を超えております(以上トムソンロイター調べ)。
このような市場環境の下、日本リージョンのアドバイザリー事業ではメガ案件(*)を含む複数の大型案件がクローズしたことから四半期としては過去最高の売上高となり、第3四半期累計期間においては前年同期比約2倍となりました。また、米国リージョンのアドバイザリー事業において、パイプライン(*)は前年同期に比べ大きく積み上がっており、第4四半期以降にクロージング(*)を予定している案件が数多く含まれております。なお、当社は日本企業が関連するM&Aアドバイザーのランキングで2015年第3四半期において、公表金額ベースで第8位にランクインしました(トムソンロイター調べ)。
こうした経営環境下において、クライアントにとって最善のM&A案件を提案・実行する機能を強化し、今後益々増加が予想されるクロスボーダー案件(*)に対応するため、日米両拠点におけるシニアバンカー(*)の積極採用を行うと同時に、増加するクライアントの東南アジアにおけるM&Aニーズに応えるべく、昨年末にシンガポールに現地法人を設立し、シンガポール有数のブティックファーム(*)であるTC Capitalとの業務提携により、既存のインド・中国法人等に加え、アジア全域をカバーできる体制を構築しております。更に、クライアントのニーズに応えるべく、M&Aの戦略立案及びPMI(*)を提供する専門チームを立ち上げ、サービスラインを拡充しております。
なお、セグメント別においては、アドバイザリー事業の売上高は9,795百万円と前年同四半期比36.6%増となり、営業利益は2,132百万円と前年同四半期比約2.2倍の大幅増となりました。一方、アセットマネジメント事業の売上高は、当社子会社である株式会社メザニンが運営するファンドにおいて投資の回収が進んだ結果発生した成功報酬が当期には発生していないため、前年同四半期比で大幅に減少しており、営業損失は217百万円(前年同四半期は1,594百万円の営業利益)となりました。
以上により、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高10,007百万円(前年同四半期比4.2%増)、営業利益1,915百万円(前年同四半期比25.4%減)、経常利益1,946百万円(前年同四半期比23.6%減)、四半期純利益1,220百万円(前年同四半期比19.5%減)となりました。
日本において「コーポレートガバナンスコード」が導入され、欧米のようにM&Aの更なる推進、M&Aアドバイザーの選定プロセスの透明化(利益相反のある金融機関系アドバイザーの回避)が進むことから、今後、独立系である当社の重要性がますます増加するものと確信しております。
注)(*)につきましては下記の用語集を参照願います。
(セグメント別売上) (単位:百万円)
2 0 1 5 年
第3四半期累計
2 0 1 4 年
第3四半期累計
前期比増減率(%)
アドバイザリー
日本5,9513,0062,94598.0
米国3,7584,161△402△9.7
その他85481-
アセットマネジメント2122,435△2,223△91.3
売上高合計10,0079,6074004.2

(メザニンファンド投資残高)
営業投資有価証券営業貸付金合計
当第3四半期末百万円百万円百万円
ファンドによる投資(件数・金額)24,50012,50037,000


(用語集)
以下につきましては、本文中に記載の用語を中心に、関連する用語についても記載しております。
1.M&A・・・Merger and Acquisitionの略。企業買収や合併等の総称。
2.メガ案件・・・報酬金額10億円以上のM&A案件のこと(当社での呼称)。
3.パイプライン・・・受注した進行中のM&A案件のこと。
4.クロスボーダー案件・・・国境を越えて行われる企業のM&A案件のこと。国内企業同士で行われるM&Aに比べて、地理的な距離の問題や、法律、税制や文化、商慣行の相違のためにより難易度の高い案件となることが多い。
5.シニアバンカー・・・M&Aアドバイザーの中でも特に経験豊富で専門性が高く、かつ案件獲得の中心となる人材のこと。
6.ブティックファーム・・・独立系M&Aアドバイザリー専業会社のこと。
7.クロージング・・・M&A案件完了のこと。買収案件の場合、買収契約書の実行を指し、買手から売手に対して買収対価が支払われ、売手は買手に対し買収対象を引き渡す。
8.アセットマネジメント・・・投資家に代わって資産の効率的な運用を行う業務のこと。また、投資家から資金を集い、出資を行うことを目的とした組合をファンド(投資事業組合)という。
9.メザニン・・・メザニン(Mezzanine)とは「中二階」の意味であり、メザニンファイナンスは、シニアローン(通常融資)とエクイティ(普通株式)の中間に位置する資金調達方法をいう。
10.PMI・・・Post Merger Integrationの略。M&Aによる統合効果を確実にするために、M&A初期段階より統合阻害要因等に対し事前検証を行い、M&A実行後においてシナジーを実現し、企業価値を向上させるための統合プロセスのこと。
(2)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
該当事項はありません。