半期報告書-第17期(2024/04/01-2025/03/31)
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1) 経営成績の状況
当中間連結会計期間における我が国経済は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、足踏みがみられながらも緩やかに回復しました。先行きについては、引き続き緩やかな回復が期待されるものの、欧米における高い金利水準の継続に伴う影響など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスク、物価上昇、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。
当社グループの属する情報サービス産業においては、日銀短観(2024年9月調査)におけるソフトウェア投資計画(金融機関を含む全産業)が前年度比14.9%増となる等、DX技術を活用した業務プロセスやビジネスモデルの変革がグローバルで進展する中で、IT投資需要の更なる増加が期待されています。
このような状況の中、当社グループは2024年4月に策定した「グループビジョン2032」の達成に向けたファーストステージとして、当連結会計年度から新たな3か年計画となる中期経営計画(2024-2026)を始動させています。前中期経営計画で実行した各種投資や顧客と関係構築を成果に結びつけるとともに、これまで実行してきた成果を土台に明確な優位性確立に向けた差別化・集中化によりこれからの市場と顧客に選ばれ続ける理由づくりを進め、付加価値を伴った持続的成長を目指してまいります。
当中間連結会計期間の業績は、売上高275,558百万円(前年同期比3.0%増)、営業利益30,509百万円(同0.4%増)、経常利益31,299百万円(同1.7%減)、親会社株主に帰属する中間純利益20,840百万円(同2.6%増)となりました。
売上高については、顧客のデジタル変革需要をはじめとするIT投資ニーズへの的確な対応による事業拡大等により、前年同期を上回りました。営業利益については、近年の事業成長を牽引してきた大型開発案件のピークアウトによる影響がある中においても、増収に伴う増益分に加え、高付加価値ビジネスの提供、生産性向上施策の推進等による効果等により、前年同期比で小幅ながら増益となりました。なお、収益性については、前年同期と同じく不採算案件の影響を受けたこともあり、売上総利益率は27.5%(前年同期比0.1ポイント増)、営業利益率は11.1%(同0.3ポイント減)にとどまりました。また、経常利益については、主に為替変動の影響を背景に前年同期比減益となりましたが、親会社株主に帰属する中間純利益は特別損益の改善により増益となりました。なお、当中間連結会計期間において、特別利益4,558百万円及び特別損失3,770百万円を計上しましたが、この主な内容は、特別利益については政策保有株式の縮減に伴う投資有価証券売却益4,296百万円であり、特別損失については減損損失2,432百万円です。
<営業利益要因別増減分析(前年同期比)>
セグメント別の状況は以下の通りです。なお、各セグメントの売上高にはセグメント間の売上高を含んでいま
す。
①オファリングサービス
当社グループに蓄積したベストプラクティスに基づくサービスを自社投資により構築し、知識集約型ITサービスを提供しています。
当中間連結会計期間の売上高は70,405百万円(前年同期比17.1%増)、営業利益は4,468百万円(同68.0%増)となりました。エンタープライズ系、基盤系、決済分野をはじめとするIT投資が拡大したことや、海外事業の寄与に加え、日本ICS株式会社を中心に前連結会計年度に子会社化した企業の業績が反映されたことから、前年同期比増収増益となり、営業利益率は6.3%(同1.9ポイント増)となりました。
②BPM
ビジネスプロセスに関する課題をIT技術、業務ノウハウ、人材などで高度化・効率化・アウトソーシングを実現・提供しています。
当中間連結会計期間の売上高は20,848百万円(前年同期比0.7%減)、営業利益は2,317百万円(同9.9%増)となりました。一部の既存BPO業務の苦戦が継続する中、引き続き効率化施策の推進によるコスト削減を実施したこと等により前年同期比減収増益となり、営業利益率は11.1%(同1.1ポイント増)となりました。
③金融IT
金融業界に特化した専門的なビジネス・業務ノウハウをベースとして、事業・IT戦略を共に検討・推進し、事業推進を支援しています。
当中間連結会計期間の売上高は50,041百万円(前年同期比7.5%減)、営業利益は6,090百万円(同22.8%減)となりました。クレジットカード系の根幹先顧客および公共系金融機関の大型開発案件のピークアウトによる影響が大きく、前年同期比減収減益となり、営業利益率は12.2%(同2.4ポイント減)となりました。
④産業IT
金融以外の産業各分野に特化した専門的なビジネス・業務ノウハウをベースとして、事業・IT戦略を共に検討・推進し、事業推進を支援しています。
当中間連結会計期間の売上高は61,295百万円(前年同期比5.1%増)、営業利益は9,022百万円(同6.5%増)となりました。製造系大型開発案件の反動減等の影響があったものの、サービス業、製造業、流通業をはじめとした幅広い業種におけるIT投資拡大の動きが全体を牽引し、前年同期比増収増益となり、営業利益率は14.7%(同0.2ポイント増)となりました。
⑤広域ITソリューション
ITのプロフェッショナルサービスを地域や顧客サイトを含み、広範に提供し、そのノウハウをソリューションとして蓄積・展開して、課題解決や事業推進を支援しています。
当中間連結会計期間の売上高は83,948百万円(前年同期比1.9%減)、営業利益は8,300百万円(同7.9%減)となりました。医療系販売案件の反動減の影響を受けたことに加え、一過性の費用計上等により、前年同期比減収減益となり、営業利益率は9.9%(同0.6ポイント減)となりました。
⑥その他
各種ITサービスを提供する上での付随的な事業等で構成されています。
当中間連結会計期間の売上高は4,785百万円(前年同期比2.8%増)、営業利益は399百万円(同10.7%増)となり、営業利益率は8.3%(同0.6ポイント増)となりました。
前述の通り、当社グループは、当連結会計年度から新たな3か年計画の中期経営計画(2024-2026)を始動させています。「フロンティア開拓」を基本方針に、付加価値を伴った持続的成長を目指すとともに、未来志向で市場開拓と事業領域の拡大を起点としたバリューチェーン全般の質的向上により、社会と顧客の変革の実現を目指してまいります。

■市場戦略/セグメント全体戦略
セグメント毎に特性を踏まえた多様なサービスの展開を通じて事業領域を拡大、持続的成長に向けた事業基盤の継続強化を図ります。各セグメントにおける成長戦略は以下の通りです。
■市場戦略/グローバル戦略
莫大なマーケットポテンシャルを持つアジアを長期ターゲットとして、グローバルパートナーシップを広げながら、ASEANでのビジネス拡大をさせ、2026年度に連結売上高1,000億円を目指します。事業のリストラクチャリング・コンサルティングとITの融合による事業全体の高付加価値化の推進と、テクノロジー投資機能の高度化の両輪によりスピード感もったビジネスを展開します。
■サービス戦略
社会の潮流の変化、革新的な技術の登場により顧客ニーズの多様化が進んでいます。このような中、社会と顧客の変革を支えていくためサービスの拡充と高付加価値化による市場開拓を進めてまいります。金融ITと産業ITは主に業界軸での市場開拓、オファリング、BPM、広域ITは機能軸での市場開拓を進め、それぞれの事業指針に沿ったサービスを展開していきます。
■テクノロジー戦略
要素技術の進化と多様化は目覚ましいものがあり、これら技術への早期適応が競争力に大きく影響するものと認識しています。世の中のテクノロジーの中から当社グループとして重要なものを選定したテクノロジーポートフォリオをもとに、これら技術の先回り研究と現場への早期適用を図るための総合的な施策を展開してまいります。短期では社員の生成AIの利用促進に向けた環境整備、社内の様々な業務でAI活用を前提としたプロセスの再開発、生成AI教育カリキュラムの整備と教育等を進めます。並行してデジタルとリアルの融合が進む中で求められる大量データの転送技術や関連アルゴリズムなど、3年から10年後の事業の差別化の核となる複数の技術とそれらを組み合わせた応用研究を産学連携によって進めてまいります。
■人材戦略
社員と会社の価値交換性の継続的な高度化を実現するために、個の多様化と先鋭化に着目した人材戦略を推進してまいります。多様な個が活躍できる環境・組織風土の整備、新たな労働環境を見据えた次世代の働き方改革の推進、人材データベースのデジタル化による人材ポートフォリオマネジメントの高度化などを通して、社員のエンゲージメント向上に取り組んでまいります。
当社では人材を最重要の経営資本として、人材に対する先行投資を積極的に推進してきました。人材戦略では「働く意義」「働く環境」「報酬」の3つの軸で社員エンゲージメントを高める人材投資を進めており、引き続き、会社と社員と社会の高付加価値化の善循環を強化することで当社のさらなる成長と、成長を実現する内外の優秀人材の確保に努めてまいります。
中期経営計画(2024-2026)では、課題解決力の強化、洞察力の強化、統合力の強化をテーマとして、重点をDXコンサルタント、高度営業人材、ITアーキテクトの拡充に置き、その育成と獲得に向けた投資と仕組みづくりを進めてまいります。
■知財戦略
当社グループのサービスとサービス提供プロセスを強化し、事業規模の拡大と高付加価値化の両立を実現していくため、知財の蓄積と高度利用がますます重要になると考えています。中期経営計画(2024-2026)では、顧客接点情報のフィードバック強化による知財創出の活性化を図ります。価値の高いサービスと満足度の高いサービス提供プロセスが、顧客とのコミュニケーションを良質化させ、既存の知財のアップデートと次なる知財につながる価値の高情報を生み出す善循環を強化していきます。
■財務方針/資本政策に関する基本的な方針
当社は、持続的な企業価値の向上に向けて、中長期の経営視点から、成長投資の推進・財務健全性の確保・株主還元の強化のバランスのもと、資本構成の適正化を推進することを資本政策の基本方針としています。
具体的には、持続的な事業利益の成長・収益性向上によるキャッシュ創出力の強化を図るため、積極的に成長投資を推進し、この一環として事業ポートフォリオの見直しも継続的に検討・実施します。
また、バランスシートマネジメントの強化等を通じて当社の事業構造に合わせた資本構成の適正化を推進することにより、財務健全性を確保した上で資本コストを上回るリターンを持続的に創出します。株主還元については事業成長に応じた強化・充実化を図ります。
上記に基づき、中期経営計画(2024-2026)では、成長投資3年累計1,000億円、総還元性向50%、キャッシュ創出力の向上に応じた資本構成の適正化を図ってまいります。
なお、中期経営計画(2024-2026)に基づく当連結会計年度のグループ経営方針は以下の通りとしています。
・サステナビリティ経営による社会提供価値・企業価値を持続的に成長
・課題解決力の強化による高付加価値化
・積極投資の継続による事業構造の転換等による収益性を拡大
・ASEANトップクラスのIT企業連合体を目指した事業拡大とガバナンス確立
・人材成長と知財活用の強化により付加価値の提供を最大化
当中間連結会計期間における主な取り組み状況等は以下の通りです。
ペイメント事業におけるサービス戦略推進の一環として、2024年4月に、当社はナッジ株式会社と資本業務提携契約を締結し、デジタルネイティブ世代の利用をターゲットとした「ライト版クレジットカードプロセッシングサービス」の提供を開始しました。本取組みにより当社のデジタル決済プラットフォームブランドである「PAYCIERGE(ペイシェルジュ)」のアセット強化を図り、ライトクレジットカード市場におけるトップシェアを目指します。
また、市場戦略のうち、BPMセグメントにおいては、中期経営計画の目標達成確度を高めるために方向性を明確化しました。新しい価値提供モデルへの変革などの構造改革を実現すべく、BPO事業はニーズの高いCX領域へのリソースシフトを推進するほか、今後の中核と位置付けるBPM事業の成長加速に向けてグループ連携を強化し、「BPaaSビジネス(BPO+SaaS)」モデルの推進等、フルバリューチェーンによる提供価値の向上を目指します。
また、経営環境の変化に柔軟に対応した機動的な資本政策を遂行し、株主利益及び資本効率の向上を図る一環として、2024年5月から6月にかけて、総額約6,499百万円(総数2,216,200株)の自己株式を取得しました。なお、自己株式については原則として発行済株式総数の5%を上限として保有し、5%を超過する保有分については消却することとしています。
(2) 財政状態の状況
(資産)
当中間連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ7,992百万円減少の517,463百万円(前連結会計年度末525,456百万円)となりました。これは主に受取手形、売掛金及び契約資産が回収等により15,563百万円減少、建物及び構築物・土地が不動産信託受益権の分割取得等により6,119百万円増加、投資有価証券が株式の新規取得、時価評価等により3,415百万円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当中間連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ15,148百万円減少の185,582百万円(前連結会計年度末200,730百万円)となりました。これは主に流動負債その他に含まれる未払消費税等が納付、契約負債が取崩し等により6,161百万円減少、借入金が返済により4,387百万円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当中間連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べ7,156百万円増加の331,881百万円(前連結会計年度末324,725百万円)となりました。これは主に利益剰余金が11,627百万円増加した一方、自己株式が取得等により6,490百万円増加(純資産は減少)したこと等によるものであります。
なお、利益剰余金の増加は、親会社株主に帰属する中間純利益により20,840百万円増加、剰余金の配当により9,213百万円減少した結果です。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前中間連結会計期間に比べ19,312百万円増加(23.3%増)し、102,145百万円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は32,414百万円(前年同期は23,027百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益32,087百万円の計上、及び、資金の増加として、売上債権及び契約資産の減少額16,446百万円などがあった一方、資金の減少として、法人税等の支払額7,830百万円、投資有価証券売却益4,296百万円、及び、未払消費税等の減少4,287百万円などがあったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は10,730百万円(前年同期は26,952百万円の使用)となりました。これは主に、資金の増加として、投資有価証券の売却及び償還による収入5,779百万円の計上などがあった一方、資金の減少として、有形固定資産の取得による支出9,119百万円、投資有価証券の取得による支出4,195百万円、及び、無形固定資産の取得による支出3,030百万円などがあったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は22,509百万円(前年同期は8,014百万円の使用)となりました。これは主に、資金の減少として、配当金の支払額9,213百万円、自己株式の取得による支出7,862百万円、及び、長期借入金の返済による支出3,522百万円などがあったことによるものです。
(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5) 経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(7) 研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1,489百万円です。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(1) 経営成績の状況
当中間連結会計期間における我が国経済は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、足踏みがみられながらも緩やかに回復しました。先行きについては、引き続き緩やかな回復が期待されるものの、欧米における高い金利水準の継続に伴う影響など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスク、物価上昇、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。
当社グループの属する情報サービス産業においては、日銀短観(2024年9月調査)におけるソフトウェア投資計画(金融機関を含む全産業)が前年度比14.9%増となる等、DX技術を活用した業務プロセスやビジネスモデルの変革がグローバルで進展する中で、IT投資需要の更なる増加が期待されています。
このような状況の中、当社グループは2024年4月に策定した「グループビジョン2032」の達成に向けたファーストステージとして、当連結会計年度から新たな3か年計画となる中期経営計画(2024-2026)を始動させています。前中期経営計画で実行した各種投資や顧客と関係構築を成果に結びつけるとともに、これまで実行してきた成果を土台に明確な優位性確立に向けた差別化・集中化によりこれからの市場と顧客に選ばれ続ける理由づくりを進め、付加価値を伴った持続的成長を目指してまいります。
当中間連結会計期間の業績は、売上高275,558百万円(前年同期比3.0%増)、営業利益30,509百万円(同0.4%増)、経常利益31,299百万円(同1.7%減)、親会社株主に帰属する中間純利益20,840百万円(同2.6%増)となりました。
| (単位:百万円) | |||
| 前中間 連結会計期間 | 当中間 連結会計期間 | 前年同期比 | |
| 売上高 | 267,488 | 275,558 | +3.0% |
| 売上原価 | 194,156 | 199,716 | +2.9% |
| 売上総利益 | 73,332 | 75,841 | +3.4% |
| 売上総利益率 | 27.4% | 27.5% | +0.1P |
| 販売費及び一般管理費 | 42,945 | 45,332 | +5.6% |
| 営業利益 | 30,387 | 30,509 | +0.4% |
| 営業利益率 | 11.4% | 11.1% | △0.3P |
| 経常利益 | 31,835 | 31,299 | △1.7% |
| 親会社株主に帰属する 中間純利益 | 20,307 | 20,840 | +2.6% |
売上高については、顧客のデジタル変革需要をはじめとするIT投資ニーズへの的確な対応による事業拡大等により、前年同期を上回りました。営業利益については、近年の事業成長を牽引してきた大型開発案件のピークアウトによる影響がある中においても、増収に伴う増益分に加え、高付加価値ビジネスの提供、生産性向上施策の推進等による効果等により、前年同期比で小幅ながら増益となりました。なお、収益性については、前年同期と同じく不採算案件の影響を受けたこともあり、売上総利益率は27.5%(前年同期比0.1ポイント増)、営業利益率は11.1%(同0.3ポイント減)にとどまりました。また、経常利益については、主に為替変動の影響を背景に前年同期比減益となりましたが、親会社株主に帰属する中間純利益は特別損益の改善により増益となりました。なお、当中間連結会計期間において、特別利益4,558百万円及び特別損失3,770百万円を計上しましたが、この主な内容は、特別利益については政策保有株式の縮減に伴う投資有価証券売却益4,296百万円であり、特別損失については減損損失2,432百万円です。
<営業利益要因別増減分析(前年同期比)>

セグメント別の状況は以下の通りです。なお、各セグメントの売上高にはセグメント間の売上高を含んでいま
す。
| (単位:百万円) | ||||
| 前中間 連結会計期間 | 当中間 連結会計期間 | 前年同期比 | ||
| オファリング サービス | 売上高 | 60,148 | 70,405 | +17.1% |
| 営業利益 | 2,659 | 4,468 | +68.0% | |
| 営業利益率 | 4.4% | 6.3% | +1.9P | |
| BPM | 売上高 | 20,994 | 20,848 | △0.7% |
| 営業利益 | 2,108 | 2,317 | +9.9% | |
| 営業利益率 | 10.0% | 11.1% | +1.1P | |
| 金融IT | 売上高 | 54,106 | 50,041 | △7.5% |
| 営業利益 | 7,886 | 6,090 | △22.8% | |
| 営業利益率 | 14.6% | 12.2% | △2.4P | |
| 産業IT | 売上高 | 58,326 | 61,295 | +5.1% |
| 営業利益 | 8,470 | 9,022 | +6.5% | |
| 営業利益率 | 14.5% | 14.7% | +0.2P | |
| 広域IT ソリューション | 売上高 | 85,535 | 83,948 | △1.9% |
| 営業利益 | 9,013 | 8,300 | △7.9% | |
| 営業利益率 | 10.5% | 9.9% | △0.6P | |
| その他 | 売上高 | 4,653 | 4,785 | +2.8% |
| 営業利益 | 360 | 399 | +10.7% | |
| 営業利益率 | 7.7% | 8.3% | +0.6P | |
①オファリングサービス
当社グループに蓄積したベストプラクティスに基づくサービスを自社投資により構築し、知識集約型ITサービスを提供しています。
当中間連結会計期間の売上高は70,405百万円(前年同期比17.1%増)、営業利益は4,468百万円(同68.0%増)となりました。エンタープライズ系、基盤系、決済分野をはじめとするIT投資が拡大したことや、海外事業の寄与に加え、日本ICS株式会社を中心に前連結会計年度に子会社化した企業の業績が反映されたことから、前年同期比増収増益となり、営業利益率は6.3%(同1.9ポイント増)となりました。
②BPM
ビジネスプロセスに関する課題をIT技術、業務ノウハウ、人材などで高度化・効率化・アウトソーシングを実現・提供しています。
当中間連結会計期間の売上高は20,848百万円(前年同期比0.7%減)、営業利益は2,317百万円(同9.9%増)となりました。一部の既存BPO業務の苦戦が継続する中、引き続き効率化施策の推進によるコスト削減を実施したこと等により前年同期比減収増益となり、営業利益率は11.1%(同1.1ポイント増)となりました。
③金融IT
金融業界に特化した専門的なビジネス・業務ノウハウをベースとして、事業・IT戦略を共に検討・推進し、事業推進を支援しています。
当中間連結会計期間の売上高は50,041百万円(前年同期比7.5%減)、営業利益は6,090百万円(同22.8%減)となりました。クレジットカード系の根幹先顧客および公共系金融機関の大型開発案件のピークアウトによる影響が大きく、前年同期比減収減益となり、営業利益率は12.2%(同2.4ポイント減)となりました。
④産業IT
金融以外の産業各分野に特化した専門的なビジネス・業務ノウハウをベースとして、事業・IT戦略を共に検討・推進し、事業推進を支援しています。
当中間連結会計期間の売上高は61,295百万円(前年同期比5.1%増)、営業利益は9,022百万円(同6.5%増)となりました。製造系大型開発案件の反動減等の影響があったものの、サービス業、製造業、流通業をはじめとした幅広い業種におけるIT投資拡大の動きが全体を牽引し、前年同期比増収増益となり、営業利益率は14.7%(同0.2ポイント増)となりました。
⑤広域ITソリューション
ITのプロフェッショナルサービスを地域や顧客サイトを含み、広範に提供し、そのノウハウをソリューションとして蓄積・展開して、課題解決や事業推進を支援しています。
当中間連結会計期間の売上高は83,948百万円(前年同期比1.9%減)、営業利益は8,300百万円(同7.9%減)となりました。医療系販売案件の反動減の影響を受けたことに加え、一過性の費用計上等により、前年同期比減収減益となり、営業利益率は9.9%(同0.6ポイント減)となりました。
⑥その他
各種ITサービスを提供する上での付随的な事業等で構成されています。
当中間連結会計期間の売上高は4,785百万円(前年同期比2.8%増)、営業利益は399百万円(同10.7%増)となり、営業利益率は8.3%(同0.6ポイント増)となりました。
前述の通り、当社グループは、当連結会計年度から新たな3か年計画の中期経営計画(2024-2026)を始動させています。「フロンティア開拓」を基本方針に、付加価値を伴った持続的成長を目指すとともに、未来志向で市場開拓と事業領域の拡大を起点としたバリューチェーン全般の質的向上により、社会と顧客の変革の実現を目指してまいります。

■市場戦略/セグメント全体戦略
セグメント毎に特性を踏まえた多様なサービスの展開を通じて事業領域を拡大、持続的成長に向けた事業基盤の継続強化を図ります。各セグメントにおける成長戦略は以下の通りです。
| オファリングサービス | ・多様なキャッシュレスニーズに対応しながら、新たに社会課題領域に金融・決済の強みを持つ事業主体として事業領域を拡大 ・投資マネジメント高度化により収益力を向上 |
| BPM | ・一部BPO業務の市場縮小が進む中、ニーズの高いCX領域の拡大や他セグメントと連携したサービス拡充など、事業ポートフォリオを見直し成長路線へ回帰 |
| 金融IT | ・大型プロジェクト完遂によるピークアウトを迎えるが、顧客との共創事業創出やモダナイゼーションビジネス展開し新規顧客を獲得、顧客基盤の分散を図りながら次なる成長基盤を確立 |
| 産業IT | ・製造業・エネルギー・社会インフラを中心に顧客深耕とサービス展開を推進 ・ERP、モダナイゼーションなど多様なサービスを強みに既存顧客の発展と新規顧客の獲得を進める |
| 広域ITソリューション | ・5つの注力領域(行政、医療、金融、産業、インフラ)において顧客密着で培った独自のITソリューションを全国展開 |
■市場戦略/グローバル戦略
莫大なマーケットポテンシャルを持つアジアを長期ターゲットとして、グローバルパートナーシップを広げながら、ASEANでのビジネス拡大をさせ、2026年度に連結売上高1,000億円を目指します。事業のリストラクチャリング・コンサルティングとITの融合による事業全体の高付加価値化の推進と、テクノロジー投資機能の高度化の両輪によりスピード感もったビジネスを展開します。
■サービス戦略
社会の潮流の変化、革新的な技術の登場により顧客ニーズの多様化が進んでいます。このような中、社会と顧客の変革を支えていくためサービスの拡充と高付加価値化による市場開拓を進めてまいります。金融ITと産業ITは主に業界軸での市場開拓、オファリング、BPM、広域ITは機能軸での市場開拓を進め、それぞれの事業指針に沿ったサービスを展開していきます。
■テクノロジー戦略
要素技術の進化と多様化は目覚ましいものがあり、これら技術への早期適応が競争力に大きく影響するものと認識しています。世の中のテクノロジーの中から当社グループとして重要なものを選定したテクノロジーポートフォリオをもとに、これら技術の先回り研究と現場への早期適用を図るための総合的な施策を展開してまいります。短期では社員の生成AIの利用促進に向けた環境整備、社内の様々な業務でAI活用を前提としたプロセスの再開発、生成AI教育カリキュラムの整備と教育等を進めます。並行してデジタルとリアルの融合が進む中で求められる大量データの転送技術や関連アルゴリズムなど、3年から10年後の事業の差別化の核となる複数の技術とそれらを組み合わせた応用研究を産学連携によって進めてまいります。
■人材戦略
社員と会社の価値交換性の継続的な高度化を実現するために、個の多様化と先鋭化に着目した人材戦略を推進してまいります。多様な個が活躍できる環境・組織風土の整備、新たな労働環境を見据えた次世代の働き方改革の推進、人材データベースのデジタル化による人材ポートフォリオマネジメントの高度化などを通して、社員のエンゲージメント向上に取り組んでまいります。
当社では人材を最重要の経営資本として、人材に対する先行投資を積極的に推進してきました。人材戦略では「働く意義」「働く環境」「報酬」の3つの軸で社員エンゲージメントを高める人材投資を進めており、引き続き、会社と社員と社会の高付加価値化の善循環を強化することで当社のさらなる成長と、成長を実現する内外の優秀人材の確保に努めてまいります。
中期経営計画(2024-2026)では、課題解決力の強化、洞察力の強化、統合力の強化をテーマとして、重点をDXコンサルタント、高度営業人材、ITアーキテクトの拡充に置き、その育成と獲得に向けた投資と仕組みづくりを進めてまいります。
■知財戦略
当社グループのサービスとサービス提供プロセスを強化し、事業規模の拡大と高付加価値化の両立を実現していくため、知財の蓄積と高度利用がますます重要になると考えています。中期経営計画(2024-2026)では、顧客接点情報のフィードバック強化による知財創出の活性化を図ります。価値の高いサービスと満足度の高いサービス提供プロセスが、顧客とのコミュニケーションを良質化させ、既存の知財のアップデートと次なる知財につながる価値の高情報を生み出す善循環を強化していきます。
■財務方針/資本政策に関する基本的な方針
当社は、持続的な企業価値の向上に向けて、中長期の経営視点から、成長投資の推進・財務健全性の確保・株主還元の強化のバランスのもと、資本構成の適正化を推進することを資本政策の基本方針としています。
具体的には、持続的な事業利益の成長・収益性向上によるキャッシュ創出力の強化を図るため、積極的に成長投資を推進し、この一環として事業ポートフォリオの見直しも継続的に検討・実施します。
また、バランスシートマネジメントの強化等を通じて当社の事業構造に合わせた資本構成の適正化を推進することにより、財務健全性を確保した上で資本コストを上回るリターンを持続的に創出します。株主還元については事業成長に応じた強化・充実化を図ります。
上記に基づき、中期経営計画(2024-2026)では、成長投資3年累計1,000億円、総還元性向50%、キャッシュ創出力の向上に応じた資本構成の適正化を図ってまいります。
なお、中期経営計画(2024-2026)に基づく当連結会計年度のグループ経営方針は以下の通りとしています。
・サステナビリティ経営による社会提供価値・企業価値を持続的に成長
・課題解決力の強化による高付加価値化
・積極投資の継続による事業構造の転換等による収益性を拡大
・ASEANトップクラスのIT企業連合体を目指した事業拡大とガバナンス確立
・人材成長と知財活用の強化により付加価値の提供を最大化
当中間連結会計期間における主な取り組み状況等は以下の通りです。
ペイメント事業におけるサービス戦略推進の一環として、2024年4月に、当社はナッジ株式会社と資本業務提携契約を締結し、デジタルネイティブ世代の利用をターゲットとした「ライト版クレジットカードプロセッシングサービス」の提供を開始しました。本取組みにより当社のデジタル決済プラットフォームブランドである「PAYCIERGE(ペイシェルジュ)」のアセット強化を図り、ライトクレジットカード市場におけるトップシェアを目指します。
また、市場戦略のうち、BPMセグメントにおいては、中期経営計画の目標達成確度を高めるために方向性を明確化しました。新しい価値提供モデルへの変革などの構造改革を実現すべく、BPO事業はニーズの高いCX領域へのリソースシフトを推進するほか、今後の中核と位置付けるBPM事業の成長加速に向けてグループ連携を強化し、「BPaaSビジネス(BPO+SaaS)」モデルの推進等、フルバリューチェーンによる提供価値の向上を目指します。
また、経営環境の変化に柔軟に対応した機動的な資本政策を遂行し、株主利益及び資本効率の向上を図る一環として、2024年5月から6月にかけて、総額約6,499百万円(総数2,216,200株)の自己株式を取得しました。なお、自己株式については原則として発行済株式総数の5%を上限として保有し、5%を超過する保有分については消却することとしています。
(2) 財政状態の状況
| (単位:百万円) | |||
| 前連結会計年度 (2024年3月31日) | 当中間連結会計期間 (2024年9月30日) | 増減額 | |
| 流動資産 | 291,556 | 279,025 | △12,531 |
| 固定資産 | 233,899 | 238,438 | 4,538 |
| 資産合計 | 525,456 | 517,463 | △7,992 |
| 流動負債 | 140,277 | 133,651 | △6,625 |
| 固定負債 | 60,453 | 51,930 | △8,522 |
| 負債合計 | 200,730 | 185,582 | △15,148 |
| 純資産合計 | 324,725 | 331,881 | 7,156 |
(資産)
当中間連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ7,992百万円減少の517,463百万円(前連結会計年度末525,456百万円)となりました。これは主に受取手形、売掛金及び契約資産が回収等により15,563百万円減少、建物及び構築物・土地が不動産信託受益権の分割取得等により6,119百万円増加、投資有価証券が株式の新規取得、時価評価等により3,415百万円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当中間連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ15,148百万円減少の185,582百万円(前連結会計年度末200,730百万円)となりました。これは主に流動負債その他に含まれる未払消費税等が納付、契約負債が取崩し等により6,161百万円減少、借入金が返済により4,387百万円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当中間連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べ7,156百万円増加の331,881百万円(前連結会計年度末324,725百万円)となりました。これは主に利益剰余金が11,627百万円増加した一方、自己株式が取得等により6,490百万円増加(純資産は減少)したこと等によるものであります。
なお、利益剰余金の増加は、親会社株主に帰属する中間純利益により20,840百万円増加、剰余金の配当により9,213百万円減少した結果です。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前中間連結会計期間に比べ19,312百万円増加(23.3%増)し、102,145百万円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は32,414百万円(前年同期は23,027百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益32,087百万円の計上、及び、資金の増加として、売上債権及び契約資産の減少額16,446百万円などがあった一方、資金の減少として、法人税等の支払額7,830百万円、投資有価証券売却益4,296百万円、及び、未払消費税等の減少4,287百万円などがあったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は10,730百万円(前年同期は26,952百万円の使用)となりました。これは主に、資金の増加として、投資有価証券の売却及び償還による収入5,779百万円の計上などがあった一方、資金の減少として、有形固定資産の取得による支出9,119百万円、投資有価証券の取得による支出4,195百万円、及び、無形固定資産の取得による支出3,030百万円などがあったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は22,509百万円(前年同期は8,014百万円の使用)となりました。これは主に、資金の減少として、配当金の支払額9,213百万円、自己株式の取得による支出7,862百万円、及び、長期借入金の返済による支出3,522百万円などがあったことによるものです。
(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5) 経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(7) 研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1,489百万円です。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。