有価証券報告書-第12期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりとなります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、第3四半期累計期間までは緩やかな回復基調が続きましたが、第4四半期になって、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により急速に悪化し始め、先行きも不透明な状況となりました。
当社グループの属する情報サービス産業におけるの当連結会計年度の事業環境は、期中に公表された日銀短観におけるソフトウェア投資計画(全産業+金融機関)がいずれも前年度比増加を示す等、デジタル技術の積極的な活用を通じた経営戦略実現を目指す企業のIT投資動向の強まりを反映して好調に推移しましたが、期末にかけて新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、一部の企業で業況悪化に伴う投資抑制の動きもみられるようになりました。
このような状況の中、当社グループは、「グループビジョン2026」の達成に向けた土台構築のため、当連結会計年度から新たな3か年の中期経営計画を開始し、スピード感のある構造転換と企業価値向上の実現に向けて諸施策を推進しました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ12,242百万円増加の382,899百万円(前連結会計年度末370,657百万円)となりました。
流動資産は、181,543百万円(前連結会計年度末176,231百万円)となりました。これは主に受取手形及び売掛金が9,264百万円増加したこと等によるものであります。
固定資産は、201,356百万円(前連結会計年度末194,426百万円)となりました。これは主に投資有価証券が11,391百万円増加したこと等によるものであります。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,306百万円減少の134,942百万円(前連結会計年度末136,248百万円)となりました。
流動負債は、88,479百万円(前連結会計年度末91,126百万円)となりました。これは主に短期借入金が5,094百万円減少したこと等によるものであります。
固定負債は、46,462百万円(前連結会計年度末45,121百万円)となりました。これは主に長期借入金が1,294百万円増加したこと等によるものであります。
(純資産合計)
純資産は、247,957百万円(前連結会計年度末234,408百万円)となりました。これは主に利益剰余金が22,643百万円増加したこと等によるものであります。
なお、自己資本比率は、前連結会計年度末の62.0%から63.3%に上昇し、自己資本当期純利益率(ROE)は、前連結会計年度末の11.5%から12.5%と上昇しています。
セグメント別の財政状態は以下のとおりです。
イ.サービスIT
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べて24,836百万円増加し、91,071百万円となりました。
ロ.BPO
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べて7,974百万円減少し、2,615百万円となりました。
ハ.金融IT
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べて4,945百万円増加し、22,093百万円となりました。
ニ.産業IT
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べて17,300百万円減少し、54,070百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の業績は、売上高443,717百万円(前期比5.5%増)、営業利益44,839百万円(同17.9%増)、経常利益46,070百万円(同19.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益29,411百万円(同13.0%増)となりました。
売上高については、IT投資動向が強まりを見せる分野において顧客ニーズを的確に捉えたこと等が牽引し、前期を上回りました。営業利益については、増収効果や収益性向上(売上総利益率は前期比1.4ポイント増の23.9%に向上)による売上総利益の増加が構造転換に向けた対応強化およびブランド強化に向けた施策展開による費用を中心とした販売費及び一般管理費の増加を吸収したことから前期比増益となり、営業利益率は10.1%(前期比1.1ポイント増)となりました。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益については、主に営業利益の増加を背景として前期比増益となりました。
なお、当連結会計年度において、特別利益10,696百万円および特別損失12,128百万円を計上しました。特別利益の主な内容は、2019年9月10日付「投資有価証券売却益(特別利益)の計上に関するお知らせ」で公表した投資有価証券売却益5,445百万円および有形固定資産の整理圧縮による固定資産売却益3,178百万円です。特別損失の主な内容は、当社グループの次世代オフィス構築計画を踏まえて計上した、東京地区におけるグループのオフィス移転・集約に係る費用(オフィス再編費用引当金繰入額)および一部既存拠点の整理に係る減損損失の合計4,112百万円、並びに、2020年1月21日付「Sequent Software Inc.の株式取得(子会社化)に関するお知らせ」で公表した被取得企業ののれんに係る減損損失2,254百万円です。
セグメント別の状況は以下の通りです。なお、各セグメントの売上高はセグメント間の売上高を含んでいます。
イ.サービスIT
当社グループ独自の業務・業種ノウハウを汎用化・テンプレート化した知識集約型ITサービスを提供するビジネス(初期構築・ERP等を含む。)で構成されています。
当連結会計年度の売上高は125,518百万円(前期比6.7%増)、営業利益は8,198百万円(同3.8%減)となりました。売上高は決済関連ビジネスの拡大等により前期比増収となりました。営業利益については、事業強化のための先行投資費用の増加に加え、プラットフォーム事業の更なる事業強化に向けた戦略見直しに伴う損失計上等により前期比減益となり、営業利益率は6.5%(前期比0.7ポイント減)となりました。
ロ.BPO
豊富な業務・ITノウハウを活用し、マーケティング・販促業務や事務・契約業務等のビジネスプロセスアウトソーシングを提供するビジネスで構成されています。
当連結会計年度の売上高は33,699百万円(前期比7.0%減)、営業利益は2,622百万円(同42.2%増)となりました。前連結会計年度にコア事業への集中の一環として一部の連結子会社についてその全株式をグループ外に譲渡した影響が大きく、売上高は前期比減収となりましたが、収益性改善の取組み等により前期比増益となり、営業利益率は7.8%(前期比2.7ポイント増)となりました。
ハ.金融IT
金融業界に特化した専門的なビジネス・業務ノウハウをベースとして、事業の高付加価値化及び業務のIT化・ITによる業務運営の支援を行うビジネスで構成されています。
当連結会計年度の売上高は114,472百万円(前期比7.6%増)、営業利益は14,936百万円(同16.7%増)となりました。大型開発案件の反動減の影響はあったものの、根幹先顧客におけるIT投資拡大の動き等を受けて、前期比増収増益となり、営業利益率は13.0%(前期比1.0ポイント増)となりました。
なお、特定顧客向け提供サービスに活用するノウハウが産業系から金融系に変更となったことに伴い、当該顧客との取引は、前連結会計年度は産業IT、当連結会計年度は金融ITに計上されており、増加要因となっています。
ニ.産業IT
金融以外の産業各分野に特化した専門的なビジネス・業務ノウハウをベースとして、事業の高付加価値化及び業務のIT化・ITによる業務運営の支援を行うビジネスで構成されています。
当連結会計年度の売上高は202,701百万円(前期比6.9%増)、営業利益は19,159百万円(同29.7%増)となりました。製造業系の根幹先顧客やエネルギー系をはじめ、幅広い業種におけるIT投資拡大の動き等により、前期比増収増益となり、営業利益率は9.5%(前期比1.7ポイント増)となりました。
なお、特定顧客向け提供サービスに活用するノウハウが産業系から金融系に変更となったことに伴い、当該顧客との取引は、前連結会計年度は産業IT、当連結会計年度は金融ITに計上されており、減少要因となっています。
ホ.その他
リースなどの情報システムを提供する上での付随的な事業及びその他で構成されています。
当連結会計年度の売上高は8,806百万円(前期比2.0%減)、営業利益は932百万円(同3.0%減)となり、営業利益率は10.6%(前期比0.1ポイント減)となりました。主に、グループのシェアードサービスを担うITサービスフォース株式会社を当社に吸収合併したことに伴い、前第2四半期連結会計期間から同社事業に相当する業績について計上するセグメントを変更したことによる影響です。
前述の通り、当社グループは「グループビジョン2026」の達成に向けた土台構築のため、前連結会計年度から中期経営計画(2018-2020)を遂行しています。5つの基本方針である「持続的な利益成長」「社員の自己実現重視」「コア事業への集中」「先行投資型への転換」「グローバル事業の拡大」のもと、スピード感のある構造転換と企業価値向上の実現を目指します。
中期経営計画(2018-2020)の2年目である当連結会計年度については、以下のグループ経営方針に基づき、各種施策に精力的に取り組みました。
<2020年3月期 グループ経営方針>イ.事業拡大・構造転換のための積極的な先行投資
ロ.収益性向上のための施策推進・事業ポートフォリオの見直し
ハ.ASEANトップクラスのIT企業連合体を目指した成長戦略の推進
ニ.働きがい向上と人材マネジメントの高度化
ホ.グループ経営の高度化・効率化の実現
当連結会計年度における主な取組み状況は以下のとおりです。なお、この取組みの結果、中期経営計画(2018-2020)で定めた4つの重要な経営指標(戦略ドメイン比率、営業利益、営業利益率、ROE)全てについて、1年前倒しで達成いたしました。
イ.事業拡大・構造転換のための積極的な先行投資
当社グループは、社会課題の視点から顧客に対して先回りしたビジネスへの転換を目指しており、中でも成長エンジンと位置付けるサービス型ビジネスの拡大に向けて、グループの成長・得意領域に対して重点的な投資を行うこととしています。
キャッシュレス化等による市場環境の変化やそれに伴う新たなIT投資が見込まれる決済分野においては、長年に亘り培ってきた知見・ノウハウ等の強みを活かし、トータルブランド「PAYCIERGE(ペイシェルジュ)」のもとでサービス型ビジネスの事業拡大を推進しています。
その一環として、これまでに培ってきたクレジット基幹業務システムの技術・ノウハウを最大限に活用し、共通化のメリットと独自性のバランスを考慮した構造による競争力とコスト削減の両立が可能な「クレジットプロセシングサービス」の提供に向けて準備を進めており、着実に進展しています。
また、キャッシュレス化やIoTの進展による様々なサービスの登場が予想されることから、決済関連のサービス型ビジネスの一つとして、様々な決済手段と店舗・EC・アプリなどの多様なインターフェースを一つのアプリに統合する「デジタルウォレットサービス」を立ち上げ、推進しています。2019年11月には、トヨタ自動車株式会社、トヨタファイナンシャルサービス株式会社、トヨタファイナンス株式会社の3社が提供を開始した電子マネー決済、QRコード決済/バーコード決済といった複数の支払い手段を搭載するスマートフォン決済アプリ「TOYOTA Wallet」の構築を支援し、当社のデジタルウォレットサービスを提供いたしました。
また、2020年1月には、デジタルウォレットサービスの中で決済やカード情報をセキュアに格納する重要技術であるトークナイゼーション技術をもつ米国Fintech企業のSequent Software Inc.の株式を取得し、連結子会社化しました。トークナイゼーション関連ビジネスについては、次世代ネットワーク「5G」を活用したIoT決済の広がりなど、今後の世界的な拡大が見込まれます。この領域で有力な技術を持つ同社を連結子会社化し、技術を早期に当社グループに取り込むことで、デジタルウォレットサービスの拡大加速およびIoT決済への対応を進めてまいります。
Fintech、IoT、AI等の新技術の進展や業界の潮流への対応としては、オープンイノベーションの活性化に積極的に取り組んでおり、米国ベンチャーファンド「Sozo Ventures Ⅱ-S」へ出資する等、スタートアップ企業との連携を加速させています。
また、将来の事業展開に備え、定款第2条の目的事項に「電子決済等代行業および資金移動業に係る業務」を追加したほか、沖縄県の八重山諸島における離島船舶、バス、タクシーによる地域観光型MaaS(Mobility as a Service)をはじめ、様々な実証実験に参画しています。なお、2019年11月より開始された、八重山諸島でのMaaS実証実験については、全国の牽引役となる先駆的な取り組みを行う「先行モデル事業」として、国土交通省の「新モビリティサービス推進事業」に選定されています。
ロ.収益性向上のための施策推進・事業ポートフォリオの見直し
事業競争力の更なる強化に向け、不採算案件の撲滅やエンハンスメント領域の収益性向上のための革新活動を引き続き推進しています。その成果は着実に売上総利益率の向上として表れており、当連結会計年度の売上総利益率はプラットフォーム事業の更なる事業強化に向けた戦略見直しに伴う損失計上等の影響がありながらも、23.9%(前期比1.4ポイント増)となりました。
クラウドおよびセキュリティ領域においては、セキュリティ分野において業界屈指の知見を有する株式会社ラックと業務提携を行い、共同で「セキュリティ・バイ・デザイン」をスピーディに実現する次世代型「クラウド&セキュリティサービスプラットフォーム」の提供を推進しています。加えて、当社グループ内におけるクラウド、セキュリティ、データセンター、ネットワークなどのプラットフォーム事業のさらなる強化に向けて、グループにおける各種プラットフォームサービスの「EINS WAVE(アインスウェーブ)」へのブランド統合等を通じ、「クラウド&セキュリティ」などの成長分野を中心に、当社内に設置する事業戦略推進組織で最適化を進め、更なる競争力強化と成長を目指してまいります。また、この一環として、当社で展開しているEDI事業については、2020年4月より当社の100%子会社である株式会社インテックへ会社分割により承継させました。グループ全体最適経営の実現に向けて、EDI事業を株式会社インテックへ集約し、グループフォーメーションの整備を進めるとともに、EDI事業の競争力強化、事業拡大を図ることで、グループとしての更なる価値向上を図ってまいります。
また当社は、2020年2月に、千代田化工建設株式会社の100%子会社である千代田システムテクノロジーズ株式会社のIT事業を新設分割により承継する会社の株式の一部の取得に合意し、2020年10月より新会社を連結子会社化することといたしました。今後は、千代田化工建設グループのデジタルトランスフォーメーション(DX)に向けた戦略的パートナーシップを構築し、将来的には、新会社を通じて培ったノウハウを活用したITソリューション提供を目指します。
ハ.ASEANトップクラスのIT企業連合体を目指した成長戦略の推進
当社グループは、海外事業戦略において、「ASEANトップクラスのIT企業連合体」の組成を目指し、決済・銀行・ERPを重点事業領域と定めた上で、チャネル(拠点・顧客基盤)とテクノロジー(技術)の2つの観点から有力企業との資本・業務提携等を通じた積極的な事業領域拡大を推進しています。
チャネルの観点では、2020年3月に、当社の持分法適用関連会社であるタイ王国のMFEC Public Company Limited(以下、「MFEC」という。)の連結子会社化を目的として、同社株式をタイ王国の証券取引法および現地法令に基づく公開買付けにより取得することといたしました。MFECは、タイ国内のエンタープライズ向けITソリューション提供のリーディングプレイヤーです。当社は、MFECのタイ国内における高いプレゼンス、サービスクオリティ等を高く評価し、2014年4月に資本・業務提携をし、それ以降、時間をかけながら相互理解のもとで幅広い分野で協業スキームの構築や追加出資を通じて関係強化を図ってまいりました。MFECを連結子会社化することで、MFECの事業構造転換の加速および当社グループの海外事業の規模拡大を実現し、当社グループの企業価値向上に向けて取り組んでまいります。テクノロジーの観点では、最先端技術の獲得とそのグローバル市場への投下の実現に向けた取組みの一つとして、シンガポールのスタートアップ企業SQREEM Technologies PTE.LTD.と資本・業務提携を行いました。同社は、世界最大規模の行動パターン・データ・アグリゲーターで、膨大なデータを基に独自のAI技術を利用したデジタルマーケティング、データ分析分野で急成長を遂げている企業です。今後、同社が持つ高度なAI技術と、当社グループが金融機関、製造業等の様々な業界で培ってきた業務知識を活かし、日本およびASEANにおいて、AIを利用したデータ分析でのリーディングカンパニーとなることを目指して協業を推進しています。更に、前述のとおりSequent Software Inc.を当社の連結子会社に、またコード決済ソリューションの提供等で豊富な実績を有する上海訊聯数据服務有限公司(CardInfoLink)を当社の持分法適用会社にするなど、積極的に取り組んでいます。
また、東南アジアトップクラスのスーパーアプリケーションを提供するGrab Holdings Inc.(本社:シンガポール、以下、「Grab社」という。)と戦略的パートナーシップを目指すために、1.5億ドル(約165億円)を出資し、資本業務提携いたしました。東南アジア最大のデジタルペイメントプラットフォームを展開するGrab社と提携することで、グローバル市場に向け最適な決済ソリューションを展開するという当社の目標を更に前進させることになります。Grab社との関係を一層強化し、東南アジアにおける金融・決済領域の協業拡大を目指すとともに、GrabPayなどのキャッシュレスペイメントの利便性を高めるために、東南アジアおよび日本でのデジタルペイメントのインフラ強化および新たな決済技術の開発にも共同で取り組んでまいります。
ニ.働きがい向上と人材マネジメントの高度化
当社では、多様な社員一人ひとりの成長と会社の持続的な発展を実現する「働きがいの高い会社」を目指す方針を掲げ、「働き方改革」および「健康経営」の各種施策に取り組んでいます。
その一環として、2019年4月より新たに、終日テレワークを主とする働き方「テレワーカー」や「勤務間インターバル制度」「スマートワーク手当」等の人事制度を開始する等、社員の健康に配慮し多様な働き方を可能にする環境づくりを推進しています。当社は従前から時間外労働の削減や年休取得率の向上、各種勤務制度の整備などに継続的に取り組み、4年連続で厚生労働省より「くるみん」認定を取得していましたが、こうした積極的な取り組みを通じて、仕事と子育ての両立支援の制度の導入や利用が進んだことが評価され、「くるみん」取得企業の中からより高い水準の取り組みを行っている企業に与えられる「プラチナくるみん」認定を新たに取得しました。また、2020年4月から、人事評価および勤務制度などの処遇が定年後の65歳以降も正社員と同様になる70歳までの「再雇用制度」を導入することといたしました。今後も若手・ベテランに関わらず、意欲のある社員がその能力を最大限に発揮し活躍できる環境を提供し、社員にとって働きがいの高い会社を目指してまいります。
加えて、当社および株式会社インテックは、経済産業省と日本健康会議が選定する「健康経営優良法人2020~ホワイト500~」に、昨年に続き認定されました。グループで働く社員が生き生きと働ける会社を目指し、引き続き「健康経営」を推進することで、グループで働く一人ひとりの人生の質を向上し、「心身の健康」「働きがいの向上」「生活力の向上」を実現する施策を推進してまいります。
ホ.グループ経営の高度化・効率化の実現
当社グループは、共通の価値観としてすべての活動の基本軸と位置づけるグループ基本理念「OUR PHILOSOPHY」を2019年1月に発表しました。これを受けて、ゆるぎない企業活動ならびにグループ一体経営を強力に推進するための基礎として、グループの全役職員への浸透に向けて「OUR PHILOSOPHY」に関する研修を精力的に実施しています。また、コーポレートサステナビリティに関する取組みをより一層強化しており、その一環として、新たに「環境方針」「持続可能な調達方針」「ダイバーシティ&インクルージョン方針」を制定しました。
グループ経営管理の高度化・効率化の実現に向けて、「本社系機能高度化プロジェクト“G20”」を引き続き推進しています。新たなグループ基幹システムは2020年4月の始動に向けて構築プロジェクトが予定通りに進捗し、グループシェアードサービスについても、今後の推進体制を整備するとともに対象業務や展開スケジュールを定める等、順調に進捗しました。なお、いずれも予定通り2020年4月から始動しており、グループ一体経営のさらなる進展に寄与し始めています。
また、企業価値向上を支える経営基盤強化の一環として、「ビジネス機会の拡大」「人材採用力の向上」「働く誇りの向上」の実現を目指して戦略的なブランド活動を強力に推進することとしました。この方針に基づき、当第3四半期連結会計期間から翌連結会計年度にかけてコミュニケーションプランに基づく集中投資を実施し、早期の認知度獲得を図ります。この一環として、2020年2月から3月にかけて、主に東名阪エリアでテレビCMをオンエアしました。
加えて、グループの働き方改革の推進と、グループ間コミュニケーションの促進を目的として、東京地区におけるグループのオフィス移転・集約を実施し、2021年度に豊洲に新拠点を開設することとしました。これにより東京地区は、当社および株式会社インテックの事業機能を集約する豊洲オフィスと、両社の本社機能を集約する西新宿オフィスの2つの基幹オフィスのもと、事業におけるグループの一体感の強化と中期経営計画の目標である構造転換を加速させるとともに、グループガバナンスの強化を図ります。またこれに伴い、既存オフィスの一部について売却を決定する等、資産整理も進めています。
その他、経営環境の変化に柔軟に対応した機動的な資本政策を遂行し、株主利益および資本効率の向上を図る一環として、2019年5月から7月にかけて、計749,800株(取得価額の総額4,139百万円)の自己株式の取得を実施しました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて2,399百万円減少し、当連結会計年度末には54,684百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は38,569百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益44,638百万円に、資金の増加として、減価償却費12,020百万円などがあった一方、資金の減少として、法人税等の支払額15,207百万円などがあったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は26,437百万円となりました。これは主に、資金の増加として、有形固定資産の売却による収入14,863百万円などがあった一方で、資金の減少として、投資有価証券の取得による支出28,587百万円、無形固定資産の取得による支出9,997百万円などがあったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は14,544百万円となりました。これは主に、資金の増加として、長期借入れによる収入3,500百万円などがあった一方で、資金の減少として、長期借入金の返済による支出7,185百万円、配当金の支払額6,767百万円、自己株式の取得による支出4,153百万円などがあったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
なお、アウトソーシング・ネットワーク及びソフトウェア開発についてのみ記載しております。
(注)金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度におけるソフトウェア開発に係る受注実績は、次のとおりであります。
(注)1.BPOはセグメントの特性によりソフトウェア開発がありません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
b.セグメントごとの財政状況及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度のセグメントごとの財政状態及び経営成績の状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
c.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「第2.事業の状況 2 事業等のリスク」に記載したとおりであります。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
システムの複雑化・大規模化、サービス化の進展、グローバル化の流れ、更には急速に進む技術革新等、経営環境が大きく変動する中、当社グループはIT業界のリーディングカンパニーとして、豊かな未来社会実現の一翼を担う企業グループを目指しております。
当社グループでは、中期経営計画(2018-2020)の基本方針である「持続的な利益成長」「社員の自己実現重視」「継続的なスピードある構造転換」を達成するために、最終年度となる2021年3月期の重要経営指標を以下の通り定め、目標としています。2020年3月期では、全ての指標において当連結会計年度の目標を大きく上回り、中期経営計画(2018-2020)で定めた4つの重要な経営指標について1年前倒しで達成しました。
(注1)2019年11月上期決算発表時点の修正計画。
(注2)2021年3月期中計値は、中期経営計画(2018-2020)策定時の数値。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
イ.資金需要
当社グループの資金需要について、営業活動においては、材料・外注費及び人件費などの運転資金が主な内容になります。投資活動においては、当連結会計年度から開始した3か年の中期経営計画の中で掲げる最大800億円想定の投資戦略に基づき、サービス型ビジネス推進のためのソフトウェア投資をはじめとする先行投資やM&A等、構造転換推進のための成長投資を積極化させる方針です。その他、経常的な設備の更新のための増設、改修等を目的とした設備投資を予定しています。
ロ.財務政策
当社グループは、必要となる資金につきましては、内部資金より充当し、不足が生じた場合は有利子負債の調達を実施することを基本としております。借入金、社債等の調達については、調達コストの抑制の観点から格付「A」の維持を考慮し、自己資本比率は50%以上を確保、D/Eレシオは0.5倍程度まで許容することを前提としております。
なお、自己株式については、自己株式の保有は原則として発行済株式総数の5%を上限とし、5%を超過する保有分については消却することとしています。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、認識している特に重要な見積りを伴う会計方針は、以下のとおりです 。
なお、当社グループは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が2021年3月期の第2四半期中に収束に向かい、経済活動が徐々に回復し、第3四半期から当社グループの事業環境が正常化する仮定のもと会計上の見積りを会計処理に反映しており、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が重要な会計上の見積りの仮定に当連結会計年度及び翌連結会計年度以降も重要な影響を与えないと判断しております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大による影響は不確定要素が多く、翌連結会計年度の当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(工事進行基準の進捗率)
当社グループでは、受注制作のソフトウェアのうち、当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる契約においては工事進行基準を適用しており、進捗率の見積りは原価比例法を採用しております。当社グループでは、工事収益総額、工事原価総額、及び当連結会計年度末時点における工事進捗度を合理的に見積もり、これに応じて当期の工事収益及び工事原価を計上しておりますが、見積りが実際の発生と異なる可能性があります。
(受注損失引当金の算定)
当社グループでは、受注契約に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末時点で将来の損失が見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積もることが可能なものについては、翌連結会計年度以降に発生が見込まれる損失額を計上しております。当該損失額は、将来の起こりうる結果を総合的に勘案して算定しておりますが、受注損失引当金の算定において使用される仮定は、見積りの変化によって影響を受ける可能性があります。当社グループでは、受注損失引当金が適切かどうかを常に確認しており、発生が見込まれる損失額について、必要十分な金額を引当計上していると考えていますが、実際の発生は、見積りと異なることがあり、受注損失引当金の計上金額が大きく修正される可能性があります。
(のれん、持分法適用会社に関するのれん相当額及び固定資産の減損)
当社グループでは、減損の兆候が生じているのれん、持分法適用会社に関するのれん相当額及び固定資産について、減損の認識の判定を実施しております。減損の認識の判定における回収可能価額の算定において、将来のキャッシュ・フロー、割引率等について仮定を設定しています。これらの仮定については、経営者の最善の見積りと判断により決定していますが、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりとなります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、第3四半期累計期間までは緩やかな回復基調が続きましたが、第4四半期になって、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により急速に悪化し始め、先行きも不透明な状況となりました。
当社グループの属する情報サービス産業におけるの当連結会計年度の事業環境は、期中に公表された日銀短観におけるソフトウェア投資計画(全産業+金融機関)がいずれも前年度比増加を示す等、デジタル技術の積極的な活用を通じた経営戦略実現を目指す企業のIT投資動向の強まりを反映して好調に推移しましたが、期末にかけて新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、一部の企業で業況悪化に伴う投資抑制の動きもみられるようになりました。
このような状況の中、当社グループは、「グループビジョン2026」の達成に向けた土台構築のため、当連結会計年度から新たな3か年の中期経営計画を開始し、スピード感のある構造転換と企業価値向上の実現に向けて諸施策を推進しました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ12,242百万円増加の382,899百万円(前連結会計年度末370,657百万円)となりました。
流動資産は、181,543百万円(前連結会計年度末176,231百万円)となりました。これは主に受取手形及び売掛金が9,264百万円増加したこと等によるものであります。
固定資産は、201,356百万円(前連結会計年度末194,426百万円)となりました。これは主に投資有価証券が11,391百万円増加したこと等によるものであります。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,306百万円減少の134,942百万円(前連結会計年度末136,248百万円)となりました。
流動負債は、88,479百万円(前連結会計年度末91,126百万円)となりました。これは主に短期借入金が5,094百万円減少したこと等によるものであります。
固定負債は、46,462百万円(前連結会計年度末45,121百万円)となりました。これは主に長期借入金が1,294百万円増加したこと等によるものであります。
(純資産合計)
純資産は、247,957百万円(前連結会計年度末234,408百万円)となりました。これは主に利益剰余金が22,643百万円増加したこと等によるものであります。
なお、自己資本比率は、前連結会計年度末の62.0%から63.3%に上昇し、自己資本当期純利益率(ROE)は、前連結会計年度末の11.5%から12.5%と上昇しています。
セグメント別の財政状態は以下のとおりです。
イ.サービスIT
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べて24,836百万円増加し、91,071百万円となりました。
ロ.BPO
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べて7,974百万円減少し、2,615百万円となりました。
ハ.金融IT
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べて4,945百万円増加し、22,093百万円となりました。
ニ.産業IT
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べて17,300百万円減少し、54,070百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の業績は、売上高443,717百万円(前期比5.5%増)、営業利益44,839百万円(同17.9%増)、経常利益46,070百万円(同19.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益29,411百万円(同13.0%増)となりました。
売上高については、IT投資動向が強まりを見せる分野において顧客ニーズを的確に捉えたこと等が牽引し、前期を上回りました。営業利益については、増収効果や収益性向上(売上総利益率は前期比1.4ポイント増の23.9%に向上)による売上総利益の増加が構造転換に向けた対応強化およびブランド強化に向けた施策展開による費用を中心とした販売費及び一般管理費の増加を吸収したことから前期比増益となり、営業利益率は10.1%(前期比1.1ポイント増)となりました。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益については、主に営業利益の増加を背景として前期比増益となりました。
なお、当連結会計年度において、特別利益10,696百万円および特別損失12,128百万円を計上しました。特別利益の主な内容は、2019年9月10日付「投資有価証券売却益(特別利益)の計上に関するお知らせ」で公表した投資有価証券売却益5,445百万円および有形固定資産の整理圧縮による固定資産売却益3,178百万円です。特別損失の主な内容は、当社グループの次世代オフィス構築計画を踏まえて計上した、東京地区におけるグループのオフィス移転・集約に係る費用(オフィス再編費用引当金繰入額)および一部既存拠点の整理に係る減損損失の合計4,112百万円、並びに、2020年1月21日付「Sequent Software Inc.の株式取得(子会社化)に関するお知らせ」で公表した被取得企業ののれんに係る減損損失2,254百万円です。
セグメント別の状況は以下の通りです。なお、各セグメントの売上高はセグメント間の売上高を含んでいます。
イ.サービスIT
当社グループ独自の業務・業種ノウハウを汎用化・テンプレート化した知識集約型ITサービスを提供するビジネス(初期構築・ERP等を含む。)で構成されています。
当連結会計年度の売上高は125,518百万円(前期比6.7%増)、営業利益は8,198百万円(同3.8%減)となりました。売上高は決済関連ビジネスの拡大等により前期比増収となりました。営業利益については、事業強化のための先行投資費用の増加に加え、プラットフォーム事業の更なる事業強化に向けた戦略見直しに伴う損失計上等により前期比減益となり、営業利益率は6.5%(前期比0.7ポイント減)となりました。
ロ.BPO
豊富な業務・ITノウハウを活用し、マーケティング・販促業務や事務・契約業務等のビジネスプロセスアウトソーシングを提供するビジネスで構成されています。
当連結会計年度の売上高は33,699百万円(前期比7.0%減)、営業利益は2,622百万円(同42.2%増)となりました。前連結会計年度にコア事業への集中の一環として一部の連結子会社についてその全株式をグループ外に譲渡した影響が大きく、売上高は前期比減収となりましたが、収益性改善の取組み等により前期比増益となり、営業利益率は7.8%(前期比2.7ポイント増)となりました。
ハ.金融IT
金融業界に特化した専門的なビジネス・業務ノウハウをベースとして、事業の高付加価値化及び業務のIT化・ITによる業務運営の支援を行うビジネスで構成されています。
当連結会計年度の売上高は114,472百万円(前期比7.6%増)、営業利益は14,936百万円(同16.7%増)となりました。大型開発案件の反動減の影響はあったものの、根幹先顧客におけるIT投資拡大の動き等を受けて、前期比増収増益となり、営業利益率は13.0%(前期比1.0ポイント増)となりました。
なお、特定顧客向け提供サービスに活用するノウハウが産業系から金融系に変更となったことに伴い、当該顧客との取引は、前連結会計年度は産業IT、当連結会計年度は金融ITに計上されており、増加要因となっています。
ニ.産業IT
金融以外の産業各分野に特化した専門的なビジネス・業務ノウハウをベースとして、事業の高付加価値化及び業務のIT化・ITによる業務運営の支援を行うビジネスで構成されています。
当連結会計年度の売上高は202,701百万円(前期比6.9%増)、営業利益は19,159百万円(同29.7%増)となりました。製造業系の根幹先顧客やエネルギー系をはじめ、幅広い業種におけるIT投資拡大の動き等により、前期比増収増益となり、営業利益率は9.5%(前期比1.7ポイント増)となりました。
なお、特定顧客向け提供サービスに活用するノウハウが産業系から金融系に変更となったことに伴い、当該顧客との取引は、前連結会計年度は産業IT、当連結会計年度は金融ITに計上されており、減少要因となっています。
ホ.その他
リースなどの情報システムを提供する上での付随的な事業及びその他で構成されています。
当連結会計年度の売上高は8,806百万円(前期比2.0%減)、営業利益は932百万円(同3.0%減)となり、営業利益率は10.6%(前期比0.1ポイント減)となりました。主に、グループのシェアードサービスを担うITサービスフォース株式会社を当社に吸収合併したことに伴い、前第2四半期連結会計期間から同社事業に相当する業績について計上するセグメントを変更したことによる影響です。
前述の通り、当社グループは「グループビジョン2026」の達成に向けた土台構築のため、前連結会計年度から中期経営計画(2018-2020)を遂行しています。5つの基本方針である「持続的な利益成長」「社員の自己実現重視」「コア事業への集中」「先行投資型への転換」「グローバル事業の拡大」のもと、スピード感のある構造転換と企業価値向上の実現を目指します。
中期経営計画(2018-2020)の2年目である当連結会計年度については、以下のグループ経営方針に基づき、各種施策に精力的に取り組みました。
<2020年3月期 グループ経営方針>イ.事業拡大・構造転換のための積極的な先行投資
ロ.収益性向上のための施策推進・事業ポートフォリオの見直し
ハ.ASEANトップクラスのIT企業連合体を目指した成長戦略の推進
ニ.働きがい向上と人材マネジメントの高度化
ホ.グループ経営の高度化・効率化の実現
当連結会計年度における主な取組み状況は以下のとおりです。なお、この取組みの結果、中期経営計画(2018-2020)で定めた4つの重要な経営指標(戦略ドメイン比率、営業利益、営業利益率、ROE)全てについて、1年前倒しで達成いたしました。
イ.事業拡大・構造転換のための積極的な先行投資
当社グループは、社会課題の視点から顧客に対して先回りしたビジネスへの転換を目指しており、中でも成長エンジンと位置付けるサービス型ビジネスの拡大に向けて、グループの成長・得意領域に対して重点的な投資を行うこととしています。
キャッシュレス化等による市場環境の変化やそれに伴う新たなIT投資が見込まれる決済分野においては、長年に亘り培ってきた知見・ノウハウ等の強みを活かし、トータルブランド「PAYCIERGE(ペイシェルジュ)」のもとでサービス型ビジネスの事業拡大を推進しています。
その一環として、これまでに培ってきたクレジット基幹業務システムの技術・ノウハウを最大限に活用し、共通化のメリットと独自性のバランスを考慮した構造による競争力とコスト削減の両立が可能な「クレジットプロセシングサービス」の提供に向けて準備を進めており、着実に進展しています。
また、キャッシュレス化やIoTの進展による様々なサービスの登場が予想されることから、決済関連のサービス型ビジネスの一つとして、様々な決済手段と店舗・EC・アプリなどの多様なインターフェースを一つのアプリに統合する「デジタルウォレットサービス」を立ち上げ、推進しています。2019年11月には、トヨタ自動車株式会社、トヨタファイナンシャルサービス株式会社、トヨタファイナンス株式会社の3社が提供を開始した電子マネー決済、QRコード決済/バーコード決済といった複数の支払い手段を搭載するスマートフォン決済アプリ「TOYOTA Wallet」の構築を支援し、当社のデジタルウォレットサービスを提供いたしました。
また、2020年1月には、デジタルウォレットサービスの中で決済やカード情報をセキュアに格納する重要技術であるトークナイゼーション技術をもつ米国Fintech企業のSequent Software Inc.の株式を取得し、連結子会社化しました。トークナイゼーション関連ビジネスについては、次世代ネットワーク「5G」を活用したIoT決済の広がりなど、今後の世界的な拡大が見込まれます。この領域で有力な技術を持つ同社を連結子会社化し、技術を早期に当社グループに取り込むことで、デジタルウォレットサービスの拡大加速およびIoT決済への対応を進めてまいります。
Fintech、IoT、AI等の新技術の進展や業界の潮流への対応としては、オープンイノベーションの活性化に積極的に取り組んでおり、米国ベンチャーファンド「Sozo Ventures Ⅱ-S」へ出資する等、スタートアップ企業との連携を加速させています。
また、将来の事業展開に備え、定款第2条の目的事項に「電子決済等代行業および資金移動業に係る業務」を追加したほか、沖縄県の八重山諸島における離島船舶、バス、タクシーによる地域観光型MaaS(Mobility as a Service)をはじめ、様々な実証実験に参画しています。なお、2019年11月より開始された、八重山諸島でのMaaS実証実験については、全国の牽引役となる先駆的な取り組みを行う「先行モデル事業」として、国土交通省の「新モビリティサービス推進事業」に選定されています。
ロ.収益性向上のための施策推進・事業ポートフォリオの見直し
事業競争力の更なる強化に向け、不採算案件の撲滅やエンハンスメント領域の収益性向上のための革新活動を引き続き推進しています。その成果は着実に売上総利益率の向上として表れており、当連結会計年度の売上総利益率はプラットフォーム事業の更なる事業強化に向けた戦略見直しに伴う損失計上等の影響がありながらも、23.9%(前期比1.4ポイント増)となりました。
クラウドおよびセキュリティ領域においては、セキュリティ分野において業界屈指の知見を有する株式会社ラックと業務提携を行い、共同で「セキュリティ・バイ・デザイン」をスピーディに実現する次世代型「クラウド&セキュリティサービスプラットフォーム」の提供を推進しています。加えて、当社グループ内におけるクラウド、セキュリティ、データセンター、ネットワークなどのプラットフォーム事業のさらなる強化に向けて、グループにおける各種プラットフォームサービスの「EINS WAVE(アインスウェーブ)」へのブランド統合等を通じ、「クラウド&セキュリティ」などの成長分野を中心に、当社内に設置する事業戦略推進組織で最適化を進め、更なる競争力強化と成長を目指してまいります。また、この一環として、当社で展開しているEDI事業については、2020年4月より当社の100%子会社である株式会社インテックへ会社分割により承継させました。グループ全体最適経営の実現に向けて、EDI事業を株式会社インテックへ集約し、グループフォーメーションの整備を進めるとともに、EDI事業の競争力強化、事業拡大を図ることで、グループとしての更なる価値向上を図ってまいります。
また当社は、2020年2月に、千代田化工建設株式会社の100%子会社である千代田システムテクノロジーズ株式会社のIT事業を新設分割により承継する会社の株式の一部の取得に合意し、2020年10月より新会社を連結子会社化することといたしました。今後は、千代田化工建設グループのデジタルトランスフォーメーション(DX)に向けた戦略的パートナーシップを構築し、将来的には、新会社を通じて培ったノウハウを活用したITソリューション提供を目指します。
ハ.ASEANトップクラスのIT企業連合体を目指した成長戦略の推進
当社グループは、海外事業戦略において、「ASEANトップクラスのIT企業連合体」の組成を目指し、決済・銀行・ERPを重点事業領域と定めた上で、チャネル(拠点・顧客基盤)とテクノロジー(技術)の2つの観点から有力企業との資本・業務提携等を通じた積極的な事業領域拡大を推進しています。
チャネルの観点では、2020年3月に、当社の持分法適用関連会社であるタイ王国のMFEC Public Company Limited(以下、「MFEC」という。)の連結子会社化を目的として、同社株式をタイ王国の証券取引法および現地法令に基づく公開買付けにより取得することといたしました。MFECは、タイ国内のエンタープライズ向けITソリューション提供のリーディングプレイヤーです。当社は、MFECのタイ国内における高いプレゼンス、サービスクオリティ等を高く評価し、2014年4月に資本・業務提携をし、それ以降、時間をかけながら相互理解のもとで幅広い分野で協業スキームの構築や追加出資を通じて関係強化を図ってまいりました。MFECを連結子会社化することで、MFECの事業構造転換の加速および当社グループの海外事業の規模拡大を実現し、当社グループの企業価値向上に向けて取り組んでまいります。テクノロジーの観点では、最先端技術の獲得とそのグローバル市場への投下の実現に向けた取組みの一つとして、シンガポールのスタートアップ企業SQREEM Technologies PTE.LTD.と資本・業務提携を行いました。同社は、世界最大規模の行動パターン・データ・アグリゲーターで、膨大なデータを基に独自のAI技術を利用したデジタルマーケティング、データ分析分野で急成長を遂げている企業です。今後、同社が持つ高度なAI技術と、当社グループが金融機関、製造業等の様々な業界で培ってきた業務知識を活かし、日本およびASEANにおいて、AIを利用したデータ分析でのリーディングカンパニーとなることを目指して協業を推進しています。更に、前述のとおりSequent Software Inc.を当社の連結子会社に、またコード決済ソリューションの提供等で豊富な実績を有する上海訊聯数据服務有限公司(CardInfoLink)を当社の持分法適用会社にするなど、積極的に取り組んでいます。
また、東南アジアトップクラスのスーパーアプリケーションを提供するGrab Holdings Inc.(本社:シンガポール、以下、「Grab社」という。)と戦略的パートナーシップを目指すために、1.5億ドル(約165億円)を出資し、資本業務提携いたしました。東南アジア最大のデジタルペイメントプラットフォームを展開するGrab社と提携することで、グローバル市場に向け最適な決済ソリューションを展開するという当社の目標を更に前進させることになります。Grab社との関係を一層強化し、東南アジアにおける金融・決済領域の協業拡大を目指すとともに、GrabPayなどのキャッシュレスペイメントの利便性を高めるために、東南アジアおよび日本でのデジタルペイメントのインフラ強化および新たな決済技術の開発にも共同で取り組んでまいります。
ニ.働きがい向上と人材マネジメントの高度化
当社では、多様な社員一人ひとりの成長と会社の持続的な発展を実現する「働きがいの高い会社」を目指す方針を掲げ、「働き方改革」および「健康経営」の各種施策に取り組んでいます。
その一環として、2019年4月より新たに、終日テレワークを主とする働き方「テレワーカー」や「勤務間インターバル制度」「スマートワーク手当」等の人事制度を開始する等、社員の健康に配慮し多様な働き方を可能にする環境づくりを推進しています。当社は従前から時間外労働の削減や年休取得率の向上、各種勤務制度の整備などに継続的に取り組み、4年連続で厚生労働省より「くるみん」認定を取得していましたが、こうした積極的な取り組みを通じて、仕事と子育ての両立支援の制度の導入や利用が進んだことが評価され、「くるみん」取得企業の中からより高い水準の取り組みを行っている企業に与えられる「プラチナくるみん」認定を新たに取得しました。また、2020年4月から、人事評価および勤務制度などの処遇が定年後の65歳以降も正社員と同様になる70歳までの「再雇用制度」を導入することといたしました。今後も若手・ベテランに関わらず、意欲のある社員がその能力を最大限に発揮し活躍できる環境を提供し、社員にとって働きがいの高い会社を目指してまいります。
加えて、当社および株式会社インテックは、経済産業省と日本健康会議が選定する「健康経営優良法人2020~ホワイト500~」に、昨年に続き認定されました。グループで働く社員が生き生きと働ける会社を目指し、引き続き「健康経営」を推進することで、グループで働く一人ひとりの人生の質を向上し、「心身の健康」「働きがいの向上」「生活力の向上」を実現する施策を推進してまいります。
ホ.グループ経営の高度化・効率化の実現
当社グループは、共通の価値観としてすべての活動の基本軸と位置づけるグループ基本理念「OUR PHILOSOPHY」を2019年1月に発表しました。これを受けて、ゆるぎない企業活動ならびにグループ一体経営を強力に推進するための基礎として、グループの全役職員への浸透に向けて「OUR PHILOSOPHY」に関する研修を精力的に実施しています。また、コーポレートサステナビリティに関する取組みをより一層強化しており、その一環として、新たに「環境方針」「持続可能な調達方針」「ダイバーシティ&インクルージョン方針」を制定しました。
グループ経営管理の高度化・効率化の実現に向けて、「本社系機能高度化プロジェクト“G20”」を引き続き推進しています。新たなグループ基幹システムは2020年4月の始動に向けて構築プロジェクトが予定通りに進捗し、グループシェアードサービスについても、今後の推進体制を整備するとともに対象業務や展開スケジュールを定める等、順調に進捗しました。なお、いずれも予定通り2020年4月から始動しており、グループ一体経営のさらなる進展に寄与し始めています。
また、企業価値向上を支える経営基盤強化の一環として、「ビジネス機会の拡大」「人材採用力の向上」「働く誇りの向上」の実現を目指して戦略的なブランド活動を強力に推進することとしました。この方針に基づき、当第3四半期連結会計期間から翌連結会計年度にかけてコミュニケーションプランに基づく集中投資を実施し、早期の認知度獲得を図ります。この一環として、2020年2月から3月にかけて、主に東名阪エリアでテレビCMをオンエアしました。
加えて、グループの働き方改革の推進と、グループ間コミュニケーションの促進を目的として、東京地区におけるグループのオフィス移転・集約を実施し、2021年度に豊洲に新拠点を開設することとしました。これにより東京地区は、当社および株式会社インテックの事業機能を集約する豊洲オフィスと、両社の本社機能を集約する西新宿オフィスの2つの基幹オフィスのもと、事業におけるグループの一体感の強化と中期経営計画の目標である構造転換を加速させるとともに、グループガバナンスの強化を図ります。またこれに伴い、既存オフィスの一部について売却を決定する等、資産整理も進めています。
その他、経営環境の変化に柔軟に対応した機動的な資本政策を遂行し、株主利益および資本効率の向上を図る一環として、2019年5月から7月にかけて、計749,800株(取得価額の総額4,139百万円)の自己株式の取得を実施しました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて2,399百万円減少し、当連結会計年度末には54,684百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は38,569百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益44,638百万円に、資金の増加として、減価償却費12,020百万円などがあった一方、資金の減少として、法人税等の支払額15,207百万円などがあったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は26,437百万円となりました。これは主に、資金の増加として、有形固定資産の売却による収入14,863百万円などがあった一方で、資金の減少として、投資有価証券の取得による支出28,587百万円、無形固定資産の取得による支出9,997百万円などがあったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は14,544百万円となりました。これは主に、資金の増加として、長期借入れによる収入3,500百万円などがあった一方で、資金の減少として、長期借入金の返済による支出7,185百万円、配当金の支払額6,767百万円、自己株式の取得による支出4,153百万円などがあったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
なお、アウトソーシング・ネットワーク及びソフトウェア開発についてのみ記載しております。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| サービスIT(百万円) | 104,715 | 108.2 | |
| BPO(百万円) | 20,964 | 91.4 | |
| 金融IT(百万円) | 112,676 | 108.8 | |
| 産業IT(百万円) | 179,159 | 102.5 | |
| 報告セグメント計(百万円) | 417,516 | 104.9 | |
| その他(百万円) | - | - | |
| 合計(百万円) | 417,516 | 104.9 | |
(注)金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度におけるソフトウェア開発に係る受注実績は、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| サービスIT | 53,741 | 113.1 | 15,309 | 111.4 |
| 金融IT | 73,249 | 105.9 | 28,400 | 115.6 |
| 産業IT | 119,339 | 98.1 | 35,566 | 95.5 |
| 合計 | 246,330 | 103.4 | 79,277 | 104.9 |
(注)1.BPOはセグメントの特性によりソフトウェア開発がありません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| サービスIT(百万円) | 111,377 | 106.9 |
| BPO(百万円) | 30,688 | 92.6 |
| 金融IT(百万円) | 114,204 | 107.6 |
| 産業IT(百万円) | 183,292 | 106.0 |
| 報告セグメント計(百万円) | 439,563 | 105.6 |
| その他(百万円) | 4,153 | 93.8 |
| 合計(百万円) | 443,717 | 105.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
b.セグメントごとの財政状況及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度のセグメントごとの財政状態及び経営成績の状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
c.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「第2.事業の状況 2 事業等のリスク」に記載したとおりであります。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
システムの複雑化・大規模化、サービス化の進展、グローバル化の流れ、更には急速に進む技術革新等、経営環境が大きく変動する中、当社グループはIT業界のリーディングカンパニーとして、豊かな未来社会実現の一翼を担う企業グループを目指しております。
当社グループでは、中期経営計画(2018-2020)の基本方針である「持続的な利益成長」「社員の自己実現重視」「継続的なスピードある構造転換」を達成するために、最終年度となる2021年3月期の重要経営指標を以下の通り定め、目標としています。2020年3月期では、全ての指標において当連結会計年度の目標を大きく上回り、中期経営計画(2018-2020)で定めた4つの重要な経営指標について1年前倒しで達成しました。
| 中期経営計画 重要な経営指標 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | |||
| 計画 | 実績 | 計画(注1) | 実績値 | 中計値(注2) | ||
| 戦略ドメイン比率 | 40% | 42% | 45% | 50% | 50% | |
| 営業利益 | 350億円 | 380億円 | 420億円 | 448億円 | 430億円 | |
| 営業利益率 | 8.5% | 9.0% | 9.6% | 10.1% | 10% | |
| ROE | 10.2% | 11.5% | 12.1% | 12.5% | 12% | |
(注1)2019年11月上期決算発表時点の修正計画。
(注2)2021年3月期中計値は、中期経営計画(2018-2020)策定時の数値。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
イ.資金需要
当社グループの資金需要について、営業活動においては、材料・外注費及び人件費などの運転資金が主な内容になります。投資活動においては、当連結会計年度から開始した3か年の中期経営計画の中で掲げる最大800億円想定の投資戦略に基づき、サービス型ビジネス推進のためのソフトウェア投資をはじめとする先行投資やM&A等、構造転換推進のための成長投資を積極化させる方針です。その他、経常的な設備の更新のための増設、改修等を目的とした設備投資を予定しています。
ロ.財務政策
当社グループは、必要となる資金につきましては、内部資金より充当し、不足が生じた場合は有利子負債の調達を実施することを基本としております。借入金、社債等の調達については、調達コストの抑制の観点から格付「A」の維持を考慮し、自己資本比率は50%以上を確保、D/Eレシオは0.5倍程度まで許容することを前提としております。
なお、自己株式については、自己株式の保有は原則として発行済株式総数の5%を上限とし、5%を超過する保有分については消却することとしています。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、認識している特に重要な見積りを伴う会計方針は、以下のとおりです 。
なお、当社グループは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が2021年3月期の第2四半期中に収束に向かい、経済活動が徐々に回復し、第3四半期から当社グループの事業環境が正常化する仮定のもと会計上の見積りを会計処理に反映しており、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が重要な会計上の見積りの仮定に当連結会計年度及び翌連結会計年度以降も重要な影響を与えないと判断しております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大による影響は不確定要素が多く、翌連結会計年度の当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(工事進行基準の進捗率)
当社グループでは、受注制作のソフトウェアのうち、当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる契約においては工事進行基準を適用しており、進捗率の見積りは原価比例法を採用しております。当社グループでは、工事収益総額、工事原価総額、及び当連結会計年度末時点における工事進捗度を合理的に見積もり、これに応じて当期の工事収益及び工事原価を計上しておりますが、見積りが実際の発生と異なる可能性があります。
(受注損失引当金の算定)
当社グループでは、受注契約に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末時点で将来の損失が見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積もることが可能なものについては、翌連結会計年度以降に発生が見込まれる損失額を計上しております。当該損失額は、将来の起こりうる結果を総合的に勘案して算定しておりますが、受注損失引当金の算定において使用される仮定は、見積りの変化によって影響を受ける可能性があります。当社グループでは、受注損失引当金が適切かどうかを常に確認しており、発生が見込まれる損失額について、必要十分な金額を引当計上していると考えていますが、実際の発生は、見積りと異なることがあり、受注損失引当金の計上金額が大きく修正される可能性があります。
(のれん、持分法適用会社に関するのれん相当額及び固定資産の減損)
当社グループでは、減損の兆候が生じているのれん、持分法適用会社に関するのれん相当額及び固定資産について、減損の認識の判定を実施しております。減損の認識の判定における回収可能価額の算定において、将来のキャッシュ・フロー、割引率等について仮定を設定しています。これらの仮定については、経営者の最善の見積りと判断により決定していますが、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。