有価証券報告書-第11期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりとなります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、企業収益や雇用情勢の改善等により、緩やかな回復基調が続きました。
当社グループの属する情報サービス産業は、期中に公表された日銀短観におけるソフトウェア投資計画(全産業+金融機関)がいずれも前年度比増加を示す等、デジタル経営志向を強め、ITの積極活用による経営戦略実現を目指す企業のIT投資動向の強まりを反映し、当連結会計年度の事業環境は好調に推移しました。
このような状況の中、当社グループは、「グループビジョン2026」の達成に向けた土台構築のため、当連結会計年度から新たな3か年の中期経営計画を開始し、スピード感のある構造転換と企業価値向上の実現に向けて諸施策を推進しました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,702百万円増加の370,657百万円(前連結会計年度末366,954百万円)となりました。
流動資産は、176,231百万円(前連結会計年度末162,064百万円)となりました。これは主に現金及び預金が19,558百万円増加したこと等によるものであります。
固定資産は、194,426百万円(前連結会計年度末204,889百万円)となりました。これは主に投資有価証券が11,046百万円減少したこと等によるものであります。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ4,407百万円減少の136,248百万円(前連結会計年度末140,655百万円)となりました。
流動負債は、91,126百万円(前連結会計年度末81,310百万円)となりました。これは主に未払法人税等が3,160百万円増加したこと等によるものであります。
固定負債は、45,121百万円(前連結会計年度末59,344百万円)となりました。これは主に長期借入金が6,984百万円減少したこと等によるものであります。
(純資産合計)
純資産は、234,408百万円(前連結会計年度末226,298百万円)となりました。これは主に利益剰余金が22,405百万円増加したこと等によるものであります。
なお、自己資本比率は、前連結会計年度末の60.4%から62.0%に上昇し、自己資本当期純利益率(ROE)は、前連結会計年度末の9.9%から11.5%と上昇しています。
セグメント別の財政状態は以下のとおりです。
イ.サービスIT
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べて5,422百万円増加し、66,234百万円となりました。
ロ.BPO
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べて622百万円減少し、10,589百万円となりました。
ハ.金融IT
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べて504百万円増加し、17,147百万円となりました。
ニ.産業IT
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べて18,057百万円減少し、71,370百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高420,769百万円(前期比3.7%増)、営業利益38,043百万円(同16.2%増)、経常利益38,603百万円(同17.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益26,034百万円(同26.3%増)となりました。
売上高については、IT投資動向が強まりを見せる分野において顧客ニーズを的確に捉えたこと等が牽引し、前期を上回りました。営業利益については、増収効果に加えて、売上総利益率が22.5%(前期比1.7ポイント増)に向上したことにより売上総利益が増加し、構造転換に向けた対応強化を中心とする販売費及び一般管理費の増加を吸収したことから前期比増益となり、営業利益率は9.0%(前期比0.9ポイント増)となりました。また、経常利益については、主に営業利益の増加を背景として前期比増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益については、上述の要因及び特別損益の改善により前期比増益となりました。なお、当連結会計年度において、特別利益19,051百万円及び特別損失18,876百万円を計上しましたが、この主な内容は、特別利益については投資有価証券売却益17,829百万円であり、特別損失についてはデータセンター移転関連費用8,800百万円及び連結子会社の売却・整理に係る損失2,935百万円です。
なお、当社は、2018年8月に、資本の効率的活用や投資者を意識した経営観点等、グローバルな投資基準に求められる諸要件を満たした、「投資者にとって投資魅力の高い会社」で構成される「JPX日経インデックス400」の構成銘柄に選定されました。
セグメント別の状況は以下のとおりです。当社グループは、構造転換の推進に向けた当社マネジメント体制の変更に伴い、当連結会計年度からセグメント区分を変更しています。なお、各セグメントの売上高はセグメント間の売上高を含んでおり、前期比は前期の数値を変更後のセグメントに組み替えたものを用いています。
イ.サービスIT
当社グループ独自の業務・業種ノウハウを汎用化・テンプレート化した知識集約型ITサービスを提供するビジネス(初期構築・ERP等を含む。)で構成されています。
当連結会計年度の売上高は117,617百万円(前期比16.9%増)、営業利益は8,519百万円(同4.7%増)となりました。決済関連ビジネスの拡大やERP更新需要の強まり等が、事業強化のための先行投資費用増等を吸収したことから、前期比増収増益となりました。営業利益率は、事業強化のための先行投資費用増等により、7.2%(前期比0.8ポイント減)となりました。
ロ.BPO
豊富な業務・ITノウハウを活用し、マーケティング・販促業務や事務・契約業務等のビジネスプロセスアウトソーシングを提供するビジネスで構成されています。
当連結会計年度の売上高は36,231百万円(前期比5.3%減)、営業利益は1,843百万円(同12.6%増)となりました。売上高は概ね安定的に推移したものの、コア事業への集中の一環として一部の連結子会社についてその全株式をグループ外に譲渡した影響が大きく、前期比減収となりましたが、営業利益は取引採算性の見直し等の取組みを強化したことから、前期比増益となり、営業利益率は5.1%(前期比0.8ポイント増)となりました。
ハ.金融IT
金融業界に特化した専門的なビジネス・業務ノウハウをベースとして、事業の高付加価値化及び業務のIT化・ITによる業務運営の支援を行うビジネスで構成されています。
当連結会計年度の売上高は106,436百万円(前期比0.2%減)、営業利益は12,797百万円(同12.9%増)となりました。売上高はクレジットカード系を中心として根幹先顧客におけるIT投資拡大の動きが堅調な中、大型開発案件の反動減の影響等により、前期比微減となりました。営業利益は高付加価値ビジネスの推進及び生産性改善等により、前期比増益となり、営業利益率は12.0%(前期比1.4ポイント増)となりました。
ニ.産業IT
金融以外の産業各分野に特化した専門的なビジネス・業務ノウハウをベースとして、事業の高付加価値化及び業務のIT化・ITによる業務運営の支援を行うビジネスで構成されています。
当連結会計年度の売上高は189,595百万円(前期比7.4%増)、営業利益は14,777百万円(同28.4%増)となりました。エネルギー系をはじめとして幅広い顧客のIT投資拡大の動き等により、前期比増収増益となり、営業利益率は7.8%(前期比1.3ポイント増)となりました。
ホ.その他
リースなどの情報システムを提供する上での付随的な事業及びその他で構成されています。
当連結会計年度の売上高は8,982百万円(前期比16.0%減)、営業利益は961百万円(同4.8%減)となり、営業利益率は10.7%(前期比1.3ポイント増)となりました。主に、グループのシェアードサービスを担うITサービスフォース株式会社を当社に吸収合併したことに伴い、同社事業に相当する業績について計上するセグメントを第2四半期連結会計期間から変更したことによる影響です。
上述のとおり、当社グループは「グループビジョン2026」の達成に向けた土台構築のため、当連結会計年度から新たな3か年の中期経営計画を開始しました。5つの基本方針である「持続的な利益成長」「社員の自己実現重視」「コア事業への集中」「先行投資型への転換」「グローバル事業の拡大」のもと、スピード感のある構造転換と企業価値向上の実現を目指します。
新中期経営計画の初年度となる2019年3月期については、グループ経営方針に基づき、各種施策に精力的に取り組みました。
当連結会計年度における主な取組み状況は以下のとおりです。
イ.サービス型への構造転換に向けたスタートダッシュ
「クラウド&セキュリティ」のソリューション軸と「コンサルティング&マネージドサービス」のサービス軸を組み合わせたワンストップ型の付加価値提供をコンセプトとする新事業ブランド「Platform Square」を立ち上げ、クラウドとセキュリティ事業を強化することとしました。クラウド及びセキュリティ関連の全ソリューション及び各分野のスペシャリストを「Platform Square」のもとに集結し、人員を増強するとともに、サービスコンサルティングからマネージドサービスまでの多種多様なソリューションを組み合わせることにより、新規サービス創出等を通じた事業拡大を加速しています。
決済関連分野における取組みとしては、株式会社三菱UFJ銀行と共同で「トークンリクエスタ代行サービス」に取り組み、モバイル・デジタルウォレット事業者に展開していくこととしました。同サービスは、スマートフォンのみならず、ウェアラブル端末、IoT機器等の各種デバイスに決済ID情報をトークン化してセキュアに格納するサービスであり、当社の技術が採用されています。今後、株式会社三菱UFJ銀行のペイメント事業に係る専門性と当社のペイメントIT基盤構築・運用で培われた知見という両社の強みを活かして共同でサービス開発を進め、将来的には、様々なデバイスがインターネットに接続されたIoT社会において、決済時の安心を担保するセキュリティインフラの一端を担うことを目指してまいります。また、訪日外国人の日本国内における決済の利便性向上を図る取組みの一つとして、三井住友カード株式会社と提携し、銀聯の国際決済ブランドのQRコード決済である「銀聯QRコード決済」に対応した当社の決済サービス「QR×DRIVE(キューアール・ドライブ)」を共同で提供していくこととしました。この中で当社は、日本初のITプロセッシングサービス事業者として「QR×DRIVE」決済アプリを提供するほか、POSや決済端末、無人精算機等で利用可能なAPI等によるQR決済ゲートウェイサービスを提供してまいります。
ロ.新サービス創出のための積極的な先行投資
最先端技術の獲得とそのグローバル市場への投下の実現に向けた取組みの一つとして、企業間取引向けブロックチェーン関連技術(分散台帳技術/ Distributed Ledger Technology)において世界トップクラスの実績・ブランドを誇る米国スタートアップ企業であるR3 HoldCo LLCと資本・業務提携を行いました。また、ロボットインテグレーション(ロボティクス技術とICT技術の連携)のエンタープライズ領域におけるビジネス化を推進する目的で、ベンチャー投資制度「コーポレートベンチャーキャピタル」からのシード出資や連携を実施してきた自律移動型ロボット開発のベンチャー企業SEQSENSE株式会社に対して、追加出資を行いました。それとともに、これまでの「コーポレートベンチャーキャピタル」を通じたオープンインベーション推進の取組みを踏まえ、技術進歩がめざましく各企業から注目度の高いAI分野においては、特にスピーディな判断とベンチャー企業との密接な連携を可能とすべく、「AI特化コーポレートベンチャーキャピタル」を新設し、出資を実施しています。さらに、大手企業とスタートアップ企業とのビジネスコラボレーションを目指す「TIS共創イノベーション・コンソーシアム」を開始し、イノベーションのエコシステムの早期実現に向けた取組みを加速させています。
また、グループ全体のR&D部門の結集を通じた研究・調査機能の強化や情報発信・連携の強化、研究から事業化への円滑化や事業創造におけるエコシステムの実現を目指し、「グループラボラトリー」機能をコミュニティ型ワークスペースWeWorkに開設しました。
ハ.強みの活きる領域での付加価値・生産性の向上
これまでに培ってきたクレジット基幹業務システム「CreditCube」の技術・ノウハウを最大限に活用し、共通化のメリットと独自性のバランスを考慮した構造による競争力とコスト削減の両立が可能な次世代カードプロセシングサービス「CreditCube+」の提供に向けてファーストユーザーとなる企業との間でプロジェクトを開始する等、準備を進めています。また、電子決済サービス「Alipay(支付宝/アリペイ)」が鉄道改札機で直接利用できるサービスの実現に向けて沖縄都市モノレール株式会社が運行する「ゆいレール」での計6社による実証実験に参画し、決済中継センターの構築、運営、ならびに加盟店とアクワイアラとの精算業務の代行を通じて、訪日外国人旅行者の課題解決への貢献及び事業拡大機会の創出に取り組んでいます。また、株式会社インテックでは、地方銀行向けに豊富な実績を有する統合CRMソリューション「F3(エフキューブ)」をクラウド化するとともに、アンチ・マネー・ロンダリングシステムやローン自動審査サービス等のオプションサービスを新たに開発し、提供を開始する等、高付加価値化の取組みを推進しています。その他、さらなる収益力向上に向けて不採算案件の撲滅やエンハンスメント革新についての取組みを引き続き推進しており、その成果は着実に売上総利益率の向上として表れています。
ニ.ASEANトップクラスのIT企業連合体を目指した成長戦略の推進
資本・業務提携を通じた関係強化及び連携促進によるグローバル事業の展開加速の一環として、持分法適用関連会社であるインドネシア上場大手IT企業PT Anabatic Technologies Tbkが発行した転換社債型新株予約権付社債を取得しました。それとともに、今後、同社がさらなる企業成長のために推進していくQRコードやブロックチェーン等を活用した新しい決済サービス等の新規事業開発を加速させるべく、当社が主導する形で、当社の資本・業務提携先である上述のR3 HoldCo LLC及びQRコード決済ソリューションの提供等で豊富な実績を有する上海訊聯数据服務有限公司(CardInfoLink)との協業スキームの構築を推進しています。タイにおいては、同じく持分法適用関連会社であり、エンタープライズ向けITソリューション提供のリーディングプレイヤーである上場IT企業MFEC Public Company Limitedの株式を追加取得し、出資比率を高めました。また、ベトナムにおけるQR決済サービス事業等の決済関連事業を共同で推進していくため、ベトナムの大手IT企業TinhVan Technologies JSC.と資本・業務提携契約を締結しました。
ホ.働きがい向上と人材マネジメントの高度化
2018年4月に新設した人事本部がマニフェストを策定するとともに「働きがいの高い会社」を目指す活動方針として公開する等、「働き方改革」及び「健康経営」を通じた多様な社員一人ひとりの成長と会社の持続的な発展の実現に向けて注力しています。マニフェストでは、人事本部が担う3つの使命に沿って「評価・処遇・報酬」「働き方改革・健康経営・ダイバーシティ」「採用・育成・配置」の観点から様々な施策を掲げ、その内容に基づく各施策を順次実施しており、その一環として、当社は職種に基づく基本給・賞与、人事評価等の処遇制度が60歳以降も変わらない「65歳定年制度」の導入を決定しました。こうした健康経営に向けた取組みをグループとして推進した結果、グループの中核2社である当社及び株式会社インテックが、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる法人として、経済産業省と日本健康会議が選定する「健康経営優良法人2019~ホワイト500~(大規模法人部門)」に認定されました。また、当社は、社員が自律的に働く場所と時間を選べる環境を整備するためにテレワークを推進してきた結果、総務省が実施している「テレワーク先駆者百選」において、テレワークの導入・活用を進めている企業として選定されました。
その他、グループフォーメーションの最適化に向けて、収益性の観点から事業ポートフォリオの見直しを推進する一環として、国内においてはBPO関連の連結子会社2社(ACメディカル株式会社及び株式会社興伸)の全株式をグループ外へ譲渡し、海外においては連結子会社である天津堤愛斯海泰信息系統有限公司(中国)の全持分についてグループ外への譲渡に関する契約を締結しました。
また、本社機能の高度化・効率化推進に向けて、当社及び株式会社インテックを中心としたグループ横断的なプロジェクトを立ち上げ、多面的な検討を進めています。この一環として、グループのシェアードサービスを担うITサービスフォース株式会社を当社に吸収合併し、機能集約を図りました。また、経営環境の変化に柔軟に対応した機動的な資本政策を遂行し、株主利益及び資本効率の向上を図る一環として、2018年5月から7月にかけて、計809,100株(取得価額の総額4,209百万円)の自己株式の取得を実施しました。
当社は、2019年1月にグループ基本理念として新たに策定した「OUR PHILOSOPHY」を発表しました。当社グループは、「OUR PHILOSOPHY」をグループの共通の価値観としてすべての活動の基本軸として位置づけ、ゆるぎない企業活動へとつなげていくことを通じ、「デジタル技術を駆使したムーバーとして、未来の景色に鮮やかな彩りをつける」存在を目指してまいります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて19,538百万円増加し、当連結会計年度末には57,083百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は37,558百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益38,778百万円に、資金の増加として、減価償却費12,783百万円、売上債権の減少4,809百万円などがあった一方、資金の減少として、投資有価証券売却損益17,550百万円などがあったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は1,213百万円となりました。これは主に、資金の増加として、投資有価証券の売却及び償還による収入20,897百万円などがあった一方で、資金の減少として、有形固定資産の取得による支出6,657百万円、投資有価証券の取得による支出8,029百万円、無形固定資産の取得による支出8,160百万円などがあったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は16,773百万円となりました。これは主に、資金の増加として、長期借入れによる収入10,049百万円などがあった一方で、資金の減少として、長期借入金の返済による支出15,173百万円、配当金の支払額3,925百万円、自己株式の取得による支出4,673百万円などがあったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
なお、アウトソーシング・ネットワーク及びソフトウェア開発についてのみ記載しております。
(注)1.金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
2.当連結会計年度より、セグメントの変更を行っており、「前年同期比(%)」は、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えて算出しております。
b.受注実績
当連結会計年度におけるソフトウェア開発に係る受注実績は、次のとおりであります。
(注)1.BPOはセグメントの特性によりソフトウェア開発がありません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度より、セグメントの変更を行っており、「前年同期比(%)」は、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えて算出しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度より、セグメントの変更を行っており、「前年同期比(%)」は、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えて算出しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。なお、詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載したとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
イ.財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
ロ.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、当社グループの事業内容とその展開状況、事業環境及び業界動向等を総合的に勘案し、以下のようなものがあります。
イ.システム開発について
当社グループは顧客企業の各種情報システムや受託開発業務を行っております。業務の推進にあたっては、品質マネジメントシステムに基づき、専任組織による提案審査やプロジェクト工程に応じたレビューを徹底し、継続的な品質管理の高度化や生産性の向上に取り組むとともに、階層別教育を充実化することで管理能力や技術力の向上を図っております。また、グループ生産革新委員会を通じ、品質強化及び生産革新の施策をグループ全体で徹底しております。しかしながら、システム開発が高度化・複雑化・短納期化する中、顧客の要件変更への対応等によって計画通りの品質を確保できない場合や開発期間内に完了しない場合、プロジェクト完遂のための追加対応に伴って費用が想定を大きく上回る可能性があります。また、システム開発にあたっては、生産能力の確保、生産効率化、技術力活用等のために多くの会社に業務の一部を委託しています。国内外で優良な協力会社の確保等に努めていますが、生産性や品質が期待に満たない場合には円滑なプロジェクト運営が実現できなくなることや顧客による損害賠償リスク等により、当社グループの事業及び業績等に影響が生じる可能性があります。
ロ.システム運用について
当社グループはデータセンター等の大型IT設備を用いて、24時間365日稼働のアウトソーシング事業やクラウドサービス等を行っております。その事業展開にあたっては、初期の設備投資から、安定的に維持、運用するための継続的な設備投資まで多額の資金を要します。事業計画の進捗を管理し、資金回収を行っておりますが、想定を超える需要の低迷等により、稼働状況が著しく低水準で推移した場合は、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、システム運用業務においては、品質マネジメントシステムに基づき、継続的な運用品質の改善を行っておりますが、オペレーション上の人的ミスや機器・設備の故障等によって障害が発生し、顧客と合意した水準でのサービスの提供が実現できない場合、また想定を超えてデータセンター等の顧客利用状況の変化が生じた場合、当社グループの事業及び業績等に影響が生じる可能性があります。
ハ.投資について
当社グループでは事業伸長や先端技術の獲得を目的にベンチャーを含む国内外の企業への出資やサービス開発のためのソフトウェア投資を行っております。投資の決定にあたっては事業計画に基づき、十分な検討を行い、実行後も定期的な事業計画の進捗確認を実施しております。しかしながら、事業環境の予期せぬ変化等により、計画した成果が得られず、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
ニ.人材について
当社グループの事業は人材に大きく依存しており、顧客に専門的で高付加価値を提供する優秀な人材の確保、育成に大きく影響されます。当社グループでは多様な人材が活躍できる風土、人事制度、オフィス環境の整備等を通じて優秀な人材の確保に努めるとともに、資格取得支援、研修制度の体系化のほか、教育日数を目標化する等、人材の育成に注力しております。しかしながら、優秀な人材の確保、育成が想定通りに進まない場合は、当社グループの事業及び業績等に影響が生じる可能性があります。
ホ.技術革新について
情報サービス産業においては、情報技術の進化とそれに伴う市場ニーズの変化に迅速に対応することが求められます。当社グループでは情報技術や生産、開発技術等の調査、研究を不断に進め、その対応を強化しております。しかしながら、広範な領域において、技術革新が急速に進展し、その対応が適切でなかった場合、当社グループの事業及び業績等に影響が生じる可能性があります。
c.資本の財源及び資金の流動性
イ.資金需要
当社グループの資金需要について、営業活動においては、材料・外注費及び人件費などの運転資金が主な内容になります。投資活動においては、当連結会計年度から開始した3か年の中期経営計画の中で掲げる最大800億円想定の投資戦略に基づき、サービス型ビジネス推進のためのソフトウェア投資をはじめとする先行投資やM&A等、構造転換推進のための成長投資を積極化させる方針です。その他、経常的な設備の更新のための増設、改修等を目的とした設備投資を予定しています。
ロ.財務政策
当社グループは、必要となる資金につきましては、内部資金より充当し、不足が生じた場合は有利子負債の調達を実施することを基本としております。借入金、社債等の調達については、調達コストの抑制の観点から格付「A」の維持を考慮し、自己資本比率は50%以上を確保、D/Eレシオは0.5倍程度まで許容することを前提としております。
なお、自己株式については、自己株式の保有は原則として発行済株式総数の5%を上限とし、5%を超過する保有分については消却することとしています。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
システムの複雑化・大規模化、サービス化の進展、グローバル化の流れ、更には急速に進む技術革新等、経営環境が大きく変動する中、当社グループはIT業界のリーディングカンパニーとして、豊かな未来社会実現の一翼を担う企業グループを目指しております。
当社グループでは、中期経営計画(2018-2020)の基本方針である「持続的な利益成長」「社員の自己実現重視」「継続的なスピードある構造転換」を達成するために、最終年度となる2021年3月期の重要経営指標を以下の通り定め、目標としています。その初年度である2019年3月期では、グループ経営方針に基づき、各種施策に精力的に取り組んだ結果、すべての指標において当連結会計年度の目標を大きく上回る成果となり、中期経営計画の目標達成に向けて順調に進捗しております。
(注)2021年3月期計画値は、中期経営計画(2018-2020)策定時の数値。
e.セグメントごとの財政状況及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度のセグメントごとの財政状態及び経営成績の状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりとなります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、企業収益や雇用情勢の改善等により、緩やかな回復基調が続きました。
当社グループの属する情報サービス産業は、期中に公表された日銀短観におけるソフトウェア投資計画(全産業+金融機関)がいずれも前年度比増加を示す等、デジタル経営志向を強め、ITの積極活用による経営戦略実現を目指す企業のIT投資動向の強まりを反映し、当連結会計年度の事業環境は好調に推移しました。
このような状況の中、当社グループは、「グループビジョン2026」の達成に向けた土台構築のため、当連結会計年度から新たな3か年の中期経営計画を開始し、スピード感のある構造転換と企業価値向上の実現に向けて諸施策を推進しました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,702百万円増加の370,657百万円(前連結会計年度末366,954百万円)となりました。
流動資産は、176,231百万円(前連結会計年度末162,064百万円)となりました。これは主に現金及び預金が19,558百万円増加したこと等によるものであります。
固定資産は、194,426百万円(前連結会計年度末204,889百万円)となりました。これは主に投資有価証券が11,046百万円減少したこと等によるものであります。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ4,407百万円減少の136,248百万円(前連結会計年度末140,655百万円)となりました。
流動負債は、91,126百万円(前連結会計年度末81,310百万円)となりました。これは主に未払法人税等が3,160百万円増加したこと等によるものであります。
固定負債は、45,121百万円(前連結会計年度末59,344百万円)となりました。これは主に長期借入金が6,984百万円減少したこと等によるものであります。
(純資産合計)
純資産は、234,408百万円(前連結会計年度末226,298百万円)となりました。これは主に利益剰余金が22,405百万円増加したこと等によるものであります。
なお、自己資本比率は、前連結会計年度末の60.4%から62.0%に上昇し、自己資本当期純利益率(ROE)は、前連結会計年度末の9.9%から11.5%と上昇しています。
セグメント別の財政状態は以下のとおりです。
イ.サービスIT
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べて5,422百万円増加し、66,234百万円となりました。
ロ.BPO
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べて622百万円減少し、10,589百万円となりました。
ハ.金融IT
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べて504百万円増加し、17,147百万円となりました。
ニ.産業IT
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べて18,057百万円減少し、71,370百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高420,769百万円(前期比3.7%増)、営業利益38,043百万円(同16.2%増)、経常利益38,603百万円(同17.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益26,034百万円(同26.3%増)となりました。
売上高については、IT投資動向が強まりを見せる分野において顧客ニーズを的確に捉えたこと等が牽引し、前期を上回りました。営業利益については、増収効果に加えて、売上総利益率が22.5%(前期比1.7ポイント増)に向上したことにより売上総利益が増加し、構造転換に向けた対応強化を中心とする販売費及び一般管理費の増加を吸収したことから前期比増益となり、営業利益率は9.0%(前期比0.9ポイント増)となりました。また、経常利益については、主に営業利益の増加を背景として前期比増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益については、上述の要因及び特別損益の改善により前期比増益となりました。なお、当連結会計年度において、特別利益19,051百万円及び特別損失18,876百万円を計上しましたが、この主な内容は、特別利益については投資有価証券売却益17,829百万円であり、特別損失についてはデータセンター移転関連費用8,800百万円及び連結子会社の売却・整理に係る損失2,935百万円です。
なお、当社は、2018年8月に、資本の効率的活用や投資者を意識した経営観点等、グローバルな投資基準に求められる諸要件を満たした、「投資者にとって投資魅力の高い会社」で構成される「JPX日経インデックス400」の構成銘柄に選定されました。
セグメント別の状況は以下のとおりです。当社グループは、構造転換の推進に向けた当社マネジメント体制の変更に伴い、当連結会計年度からセグメント区分を変更しています。なお、各セグメントの売上高はセグメント間の売上高を含んでおり、前期比は前期の数値を変更後のセグメントに組み替えたものを用いています。
イ.サービスIT
当社グループ独自の業務・業種ノウハウを汎用化・テンプレート化した知識集約型ITサービスを提供するビジネス(初期構築・ERP等を含む。)で構成されています。
当連結会計年度の売上高は117,617百万円(前期比16.9%増)、営業利益は8,519百万円(同4.7%増)となりました。決済関連ビジネスの拡大やERP更新需要の強まり等が、事業強化のための先行投資費用増等を吸収したことから、前期比増収増益となりました。営業利益率は、事業強化のための先行投資費用増等により、7.2%(前期比0.8ポイント減)となりました。
ロ.BPO
豊富な業務・ITノウハウを活用し、マーケティング・販促業務や事務・契約業務等のビジネスプロセスアウトソーシングを提供するビジネスで構成されています。
当連結会計年度の売上高は36,231百万円(前期比5.3%減)、営業利益は1,843百万円(同12.6%増)となりました。売上高は概ね安定的に推移したものの、コア事業への集中の一環として一部の連結子会社についてその全株式をグループ外に譲渡した影響が大きく、前期比減収となりましたが、営業利益は取引採算性の見直し等の取組みを強化したことから、前期比増益となり、営業利益率は5.1%(前期比0.8ポイント増)となりました。
ハ.金融IT
金融業界に特化した専門的なビジネス・業務ノウハウをベースとして、事業の高付加価値化及び業務のIT化・ITによる業務運営の支援を行うビジネスで構成されています。
当連結会計年度の売上高は106,436百万円(前期比0.2%減)、営業利益は12,797百万円(同12.9%増)となりました。売上高はクレジットカード系を中心として根幹先顧客におけるIT投資拡大の動きが堅調な中、大型開発案件の反動減の影響等により、前期比微減となりました。営業利益は高付加価値ビジネスの推進及び生産性改善等により、前期比増益となり、営業利益率は12.0%(前期比1.4ポイント増)となりました。
ニ.産業IT
金融以外の産業各分野に特化した専門的なビジネス・業務ノウハウをベースとして、事業の高付加価値化及び業務のIT化・ITによる業務運営の支援を行うビジネスで構成されています。
当連結会計年度の売上高は189,595百万円(前期比7.4%増)、営業利益は14,777百万円(同28.4%増)となりました。エネルギー系をはじめとして幅広い顧客のIT投資拡大の動き等により、前期比増収増益となり、営業利益率は7.8%(前期比1.3ポイント増)となりました。
ホ.その他
リースなどの情報システムを提供する上での付随的な事業及びその他で構成されています。
当連結会計年度の売上高は8,982百万円(前期比16.0%減)、営業利益は961百万円(同4.8%減)となり、営業利益率は10.7%(前期比1.3ポイント増)となりました。主に、グループのシェアードサービスを担うITサービスフォース株式会社を当社に吸収合併したことに伴い、同社事業に相当する業績について計上するセグメントを第2四半期連結会計期間から変更したことによる影響です。
上述のとおり、当社グループは「グループビジョン2026」の達成に向けた土台構築のため、当連結会計年度から新たな3か年の中期経営計画を開始しました。5つの基本方針である「持続的な利益成長」「社員の自己実現重視」「コア事業への集中」「先行投資型への転換」「グローバル事業の拡大」のもと、スピード感のある構造転換と企業価値向上の実現を目指します。
新中期経営計画の初年度となる2019年3月期については、グループ経営方針に基づき、各種施策に精力的に取り組みました。
| 中期経営計画(2018-2020) 基本方針 | 2019年3月期 グループ経営方針 |
| 「持続的な利益成長」 「社員の自己実現重視」 「継続的なスピードある構造転換」 | ・サービス型への構造転換に向けたスタートダッシュ ・新サービス創出のための積極的な先行投資 ・強みの活きる領域での付加価値・生産性の向上 ・ASEANトップクラスのIT企業連合体を目指した成長戦略の推進 ・働きがい向上と人材マネジメントの高度化 |
当連結会計年度における主な取組み状況は以下のとおりです。
イ.サービス型への構造転換に向けたスタートダッシュ
「クラウド&セキュリティ」のソリューション軸と「コンサルティング&マネージドサービス」のサービス軸を組み合わせたワンストップ型の付加価値提供をコンセプトとする新事業ブランド「Platform Square」を立ち上げ、クラウドとセキュリティ事業を強化することとしました。クラウド及びセキュリティ関連の全ソリューション及び各分野のスペシャリストを「Platform Square」のもとに集結し、人員を増強するとともに、サービスコンサルティングからマネージドサービスまでの多種多様なソリューションを組み合わせることにより、新規サービス創出等を通じた事業拡大を加速しています。
決済関連分野における取組みとしては、株式会社三菱UFJ銀行と共同で「トークンリクエスタ代行サービス」に取り組み、モバイル・デジタルウォレット事業者に展開していくこととしました。同サービスは、スマートフォンのみならず、ウェアラブル端末、IoT機器等の各種デバイスに決済ID情報をトークン化してセキュアに格納するサービスであり、当社の技術が採用されています。今後、株式会社三菱UFJ銀行のペイメント事業に係る専門性と当社のペイメントIT基盤構築・運用で培われた知見という両社の強みを活かして共同でサービス開発を進め、将来的には、様々なデバイスがインターネットに接続されたIoT社会において、決済時の安心を担保するセキュリティインフラの一端を担うことを目指してまいります。また、訪日外国人の日本国内における決済の利便性向上を図る取組みの一つとして、三井住友カード株式会社と提携し、銀聯の国際決済ブランドのQRコード決済である「銀聯QRコード決済」に対応した当社の決済サービス「QR×DRIVE(キューアール・ドライブ)」を共同で提供していくこととしました。この中で当社は、日本初のITプロセッシングサービス事業者として「QR×DRIVE」決済アプリを提供するほか、POSや決済端末、無人精算機等で利用可能なAPI等によるQR決済ゲートウェイサービスを提供してまいります。
ロ.新サービス創出のための積極的な先行投資
最先端技術の獲得とそのグローバル市場への投下の実現に向けた取組みの一つとして、企業間取引向けブロックチェーン関連技術(分散台帳技術/ Distributed Ledger Technology)において世界トップクラスの実績・ブランドを誇る米国スタートアップ企業であるR3 HoldCo LLCと資本・業務提携を行いました。また、ロボットインテグレーション(ロボティクス技術とICT技術の連携)のエンタープライズ領域におけるビジネス化を推進する目的で、ベンチャー投資制度「コーポレートベンチャーキャピタル」からのシード出資や連携を実施してきた自律移動型ロボット開発のベンチャー企業SEQSENSE株式会社に対して、追加出資を行いました。それとともに、これまでの「コーポレートベンチャーキャピタル」を通じたオープンインベーション推進の取組みを踏まえ、技術進歩がめざましく各企業から注目度の高いAI分野においては、特にスピーディな判断とベンチャー企業との密接な連携を可能とすべく、「AI特化コーポレートベンチャーキャピタル」を新設し、出資を実施しています。さらに、大手企業とスタートアップ企業とのビジネスコラボレーションを目指す「TIS共創イノベーション・コンソーシアム」を開始し、イノベーションのエコシステムの早期実現に向けた取組みを加速させています。
また、グループ全体のR&D部門の結集を通じた研究・調査機能の強化や情報発信・連携の強化、研究から事業化への円滑化や事業創造におけるエコシステムの実現を目指し、「グループラボラトリー」機能をコミュニティ型ワークスペースWeWorkに開設しました。
ハ.強みの活きる領域での付加価値・生産性の向上
これまでに培ってきたクレジット基幹業務システム「CreditCube」の技術・ノウハウを最大限に活用し、共通化のメリットと独自性のバランスを考慮した構造による競争力とコスト削減の両立が可能な次世代カードプロセシングサービス「CreditCube+」の提供に向けてファーストユーザーとなる企業との間でプロジェクトを開始する等、準備を進めています。また、電子決済サービス「Alipay(支付宝/アリペイ)」が鉄道改札機で直接利用できるサービスの実現に向けて沖縄都市モノレール株式会社が運行する「ゆいレール」での計6社による実証実験に参画し、決済中継センターの構築、運営、ならびに加盟店とアクワイアラとの精算業務の代行を通じて、訪日外国人旅行者の課題解決への貢献及び事業拡大機会の創出に取り組んでいます。また、株式会社インテックでは、地方銀行向けに豊富な実績を有する統合CRMソリューション「F3(エフキューブ)」をクラウド化するとともに、アンチ・マネー・ロンダリングシステムやローン自動審査サービス等のオプションサービスを新たに開発し、提供を開始する等、高付加価値化の取組みを推進しています。その他、さらなる収益力向上に向けて不採算案件の撲滅やエンハンスメント革新についての取組みを引き続き推進しており、その成果は着実に売上総利益率の向上として表れています。
ニ.ASEANトップクラスのIT企業連合体を目指した成長戦略の推進
資本・業務提携を通じた関係強化及び連携促進によるグローバル事業の展開加速の一環として、持分法適用関連会社であるインドネシア上場大手IT企業PT Anabatic Technologies Tbkが発行した転換社債型新株予約権付社債を取得しました。それとともに、今後、同社がさらなる企業成長のために推進していくQRコードやブロックチェーン等を活用した新しい決済サービス等の新規事業開発を加速させるべく、当社が主導する形で、当社の資本・業務提携先である上述のR3 HoldCo LLC及びQRコード決済ソリューションの提供等で豊富な実績を有する上海訊聯数据服務有限公司(CardInfoLink)との協業スキームの構築を推進しています。タイにおいては、同じく持分法適用関連会社であり、エンタープライズ向けITソリューション提供のリーディングプレイヤーである上場IT企業MFEC Public Company Limitedの株式を追加取得し、出資比率を高めました。また、ベトナムにおけるQR決済サービス事業等の決済関連事業を共同で推進していくため、ベトナムの大手IT企業TinhVan Technologies JSC.と資本・業務提携契約を締結しました。
ホ.働きがい向上と人材マネジメントの高度化
2018年4月に新設した人事本部がマニフェストを策定するとともに「働きがいの高い会社」を目指す活動方針として公開する等、「働き方改革」及び「健康経営」を通じた多様な社員一人ひとりの成長と会社の持続的な発展の実現に向けて注力しています。マニフェストでは、人事本部が担う3つの使命に沿って「評価・処遇・報酬」「働き方改革・健康経営・ダイバーシティ」「採用・育成・配置」の観点から様々な施策を掲げ、その内容に基づく各施策を順次実施しており、その一環として、当社は職種に基づく基本給・賞与、人事評価等の処遇制度が60歳以降も変わらない「65歳定年制度」の導入を決定しました。こうした健康経営に向けた取組みをグループとして推進した結果、グループの中核2社である当社及び株式会社インテックが、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる法人として、経済産業省と日本健康会議が選定する「健康経営優良法人2019~ホワイト500~(大規模法人部門)」に認定されました。また、当社は、社員が自律的に働く場所と時間を選べる環境を整備するためにテレワークを推進してきた結果、総務省が実施している「テレワーク先駆者百選」において、テレワークの導入・活用を進めている企業として選定されました。
その他、グループフォーメーションの最適化に向けて、収益性の観点から事業ポートフォリオの見直しを推進する一環として、国内においてはBPO関連の連結子会社2社(ACメディカル株式会社及び株式会社興伸)の全株式をグループ外へ譲渡し、海外においては連結子会社である天津堤愛斯海泰信息系統有限公司(中国)の全持分についてグループ外への譲渡に関する契約を締結しました。
また、本社機能の高度化・効率化推進に向けて、当社及び株式会社インテックを中心としたグループ横断的なプロジェクトを立ち上げ、多面的な検討を進めています。この一環として、グループのシェアードサービスを担うITサービスフォース株式会社を当社に吸収合併し、機能集約を図りました。また、経営環境の変化に柔軟に対応した機動的な資本政策を遂行し、株主利益及び資本効率の向上を図る一環として、2018年5月から7月にかけて、計809,100株(取得価額の総額4,209百万円)の自己株式の取得を実施しました。
当社は、2019年1月にグループ基本理念として新たに策定した「OUR PHILOSOPHY」を発表しました。当社グループは、「OUR PHILOSOPHY」をグループの共通の価値観としてすべての活動の基本軸として位置づけ、ゆるぎない企業活動へとつなげていくことを通じ、「デジタル技術を駆使したムーバーとして、未来の景色に鮮やかな彩りをつける」存在を目指してまいります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて19,538百万円増加し、当連結会計年度末には57,083百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は37,558百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益38,778百万円に、資金の増加として、減価償却費12,783百万円、売上債権の減少4,809百万円などがあった一方、資金の減少として、投資有価証券売却損益17,550百万円などがあったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は1,213百万円となりました。これは主に、資金の増加として、投資有価証券の売却及び償還による収入20,897百万円などがあった一方で、資金の減少として、有形固定資産の取得による支出6,657百万円、投資有価証券の取得による支出8,029百万円、無形固定資産の取得による支出8,160百万円などがあったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は16,773百万円となりました。これは主に、資金の増加として、長期借入れによる収入10,049百万円などがあった一方で、資金の減少として、長期借入金の返済による支出15,173百万円、配当金の支払額3,925百万円、自己株式の取得による支出4,673百万円などがあったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
なお、アウトソーシング・ネットワーク及びソフトウェア開発についてのみ記載しております。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| サービスIT(百万円) | 96,824 | 111.6 | |
| BPO(百万円) | 22,941 | 129.9 | |
| 金融IT(百万円) | 103,577 | 92.0 | |
| 産業IT(百万円) | 174,733 | 105.0 | |
| 報告セグメント計(百万円) | 398,077 | 103.8 | |
| その他(百万円) | - | - | |
| 合計(百万円) | 398,077 | 103.8 | |
(注)1.金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
2.当連結会計年度より、セグメントの変更を行っており、「前年同期比(%)」は、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えて算出しております。
b.受注実績
当連結会計年度におけるソフトウェア開発に係る受注実績は、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| サービスIT | 47,513 | 111.1 | 13,746 | 113.2 |
| 金融IT | 69,173 | 97.5 | 24,572 | 105.4 |
| 産業IT | 121,610 | 115.3 | 37.230 | 115.4 |
| 合計 | 238,298 | 108.7 | 75,549 | 111.6 |
(注)1.BPOはセグメントの特性によりソフトウェア開発がありません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度より、セグメントの変更を行っており、「前年同期比(%)」は、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えて算出しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前年同期比(%) |
| サービスIT(百万円) | 104,154 | 111.1 |
| BPO(百万円) | 33,134 | 94.9 |
| 金融IT(百万円) | 106,103 | 99.7 |
| 産業IT(百万円) | 172,949 | 104.4 |
| 報告セグメント計(百万円) | 416,342 | 103.9 |
| その他(百万円) | 4,427 | 90.4 |
| 合計(百万円) | 420,769 | 103.7 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度より、セグメントの変更を行っており、「前年同期比(%)」は、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えて算出しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。なお、詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載したとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
イ.財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
ロ.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、当社グループの事業内容とその展開状況、事業環境及び業界動向等を総合的に勘案し、以下のようなものがあります。
イ.システム開発について
当社グループは顧客企業の各種情報システムや受託開発業務を行っております。業務の推進にあたっては、品質マネジメントシステムに基づき、専任組織による提案審査やプロジェクト工程に応じたレビューを徹底し、継続的な品質管理の高度化や生産性の向上に取り組むとともに、階層別教育を充実化することで管理能力や技術力の向上を図っております。また、グループ生産革新委員会を通じ、品質強化及び生産革新の施策をグループ全体で徹底しております。しかしながら、システム開発が高度化・複雑化・短納期化する中、顧客の要件変更への対応等によって計画通りの品質を確保できない場合や開発期間内に完了しない場合、プロジェクト完遂のための追加対応に伴って費用が想定を大きく上回る可能性があります。また、システム開発にあたっては、生産能力の確保、生産効率化、技術力活用等のために多くの会社に業務の一部を委託しています。国内外で優良な協力会社の確保等に努めていますが、生産性や品質が期待に満たない場合には円滑なプロジェクト運営が実現できなくなることや顧客による損害賠償リスク等により、当社グループの事業及び業績等に影響が生じる可能性があります。
ロ.システム運用について
当社グループはデータセンター等の大型IT設備を用いて、24時間365日稼働のアウトソーシング事業やクラウドサービス等を行っております。その事業展開にあたっては、初期の設備投資から、安定的に維持、運用するための継続的な設備投資まで多額の資金を要します。事業計画の進捗を管理し、資金回収を行っておりますが、想定を超える需要の低迷等により、稼働状況が著しく低水準で推移した場合は、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、システム運用業務においては、品質マネジメントシステムに基づき、継続的な運用品質の改善を行っておりますが、オペレーション上の人的ミスや機器・設備の故障等によって障害が発生し、顧客と合意した水準でのサービスの提供が実現できない場合、また想定を超えてデータセンター等の顧客利用状況の変化が生じた場合、当社グループの事業及び業績等に影響が生じる可能性があります。
ハ.投資について
当社グループでは事業伸長や先端技術の獲得を目的にベンチャーを含む国内外の企業への出資やサービス開発のためのソフトウェア投資を行っております。投資の決定にあたっては事業計画に基づき、十分な検討を行い、実行後も定期的な事業計画の進捗確認を実施しております。しかしながら、事業環境の予期せぬ変化等により、計画した成果が得られず、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
ニ.人材について
当社グループの事業は人材に大きく依存しており、顧客に専門的で高付加価値を提供する優秀な人材の確保、育成に大きく影響されます。当社グループでは多様な人材が活躍できる風土、人事制度、オフィス環境の整備等を通じて優秀な人材の確保に努めるとともに、資格取得支援、研修制度の体系化のほか、教育日数を目標化する等、人材の育成に注力しております。しかしながら、優秀な人材の確保、育成が想定通りに進まない場合は、当社グループの事業及び業績等に影響が生じる可能性があります。
ホ.技術革新について
情報サービス産業においては、情報技術の進化とそれに伴う市場ニーズの変化に迅速に対応することが求められます。当社グループでは情報技術や生産、開発技術等の調査、研究を不断に進め、その対応を強化しております。しかしながら、広範な領域において、技術革新が急速に進展し、その対応が適切でなかった場合、当社グループの事業及び業績等に影響が生じる可能性があります。
c.資本の財源及び資金の流動性
イ.資金需要
当社グループの資金需要について、営業活動においては、材料・外注費及び人件費などの運転資金が主な内容になります。投資活動においては、当連結会計年度から開始した3か年の中期経営計画の中で掲げる最大800億円想定の投資戦略に基づき、サービス型ビジネス推進のためのソフトウェア投資をはじめとする先行投資やM&A等、構造転換推進のための成長投資を積極化させる方針です。その他、経常的な設備の更新のための増設、改修等を目的とした設備投資を予定しています。
ロ.財務政策
当社グループは、必要となる資金につきましては、内部資金より充当し、不足が生じた場合は有利子負債の調達を実施することを基本としております。借入金、社債等の調達については、調達コストの抑制の観点から格付「A」の維持を考慮し、自己資本比率は50%以上を確保、D/Eレシオは0.5倍程度まで許容することを前提としております。
なお、自己株式については、自己株式の保有は原則として発行済株式総数の5%を上限とし、5%を超過する保有分については消却することとしています。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
システムの複雑化・大規模化、サービス化の進展、グローバル化の流れ、更には急速に進む技術革新等、経営環境が大きく変動する中、当社グループはIT業界のリーディングカンパニーとして、豊かな未来社会実現の一翼を担う企業グループを目指しております。
当社グループでは、中期経営計画(2018-2020)の基本方針である「持続的な利益成長」「社員の自己実現重視」「継続的なスピードある構造転換」を達成するために、最終年度となる2021年3月期の重要経営指標を以下の通り定め、目標としています。その初年度である2019年3月期では、グループ経営方針に基づき、各種施策に精力的に取り組んだ結果、すべての指標において当連結会計年度の目標を大きく上回る成果となり、中期経営計画の目標達成に向けて順調に進捗しております。
| 中期経営計画 重要な経営指標 | 2021年3月期 | 2019年3月期 | |
| 計画値 | 計画値 | 実績値 | |
| 戦略ドメイン比率 | 50% | 40% | 42% |
| 営業利益 | 430億円 | 350億円 | 380億円 |
| 営業利益率 | 10.0% | 8.5% | 9.0% |
| 自己資本当期純利益率(ROE) | 12.0% | 10.2% | 11.5% |
(注)2021年3月期計画値は、中期経営計画(2018-2020)策定時の数値。
e.セグメントごとの財政状況及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度のセグメントごとの財政状態及び経営成績の状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。