有価証券報告書-第124期(2025/04/01-2026/03/31)
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1) TAL Daiichi Life Australia Pty LtdによるChallenger Limitedの株式取得について
当社の豪州子会社であるTAL Daiichi Life Australia Pty Ltd(以下、「TAL」という。) は、傘下に年金保険事業およびファンドマネジメント事業を有する豪州の金融グループであるChallenger Limited(以下「Challenger社」という。)の発行済み株式数19.9%をMS&ADインシュアランス グループ ホールディングス株式会社及び、Apollo Global Management, Inc. 傘下のAP Liberty GP, LLC as general partner of AP Liberty, L.P.より取得いたしました。当取引を通じて、当連結会計年度において、当社の持分法適用会社となりました。概要については以下のとおりであります。
① Challenger社の概要
| 会社名 | Challenger Limited |
| 代表者名 | CEO 兼取締役社長 Nick Hamilton |
| 主たる所在地 | オーストラリア連邦 ニューサウスウェールズ州 シドニー |
| 従業員数(2024 年 12 月現在) | 566 名 |
| 設立年 | 1985 年 |
| 主な事業 | 年金保険事業、ファンドマネジメント事業 |
| 運用資産 | 1,282 億豪ドル(2025 年 12 月 31 日現在) |
| 資本金(2025 年 12 月現在) | 2,552 百万豪ドル |
| 格付(2025 年 11 月現在) | S&P: Challenger Limited — A-(Stable)/ Challenger Life Company — A+(Stable) |
| 上場市場 | オーストラリア証券取引所 |
② 本出資における戦略的意義
豪州においては、今後、高齢化の進行等によってリタイアメント事業の規模拡大が期待されています。そこで、当社は、当事業への参入を通じて、団体保険事業に強みを持つTALの競争優位性を活かしつつ、豪州リタイアメント市場の拡大に伴う収益取込みを企図しております。
また、TALの強みである年金基金との関係性や事務構築ノウハウとChallenger社の有する商品開発やALM・資産運用ノウハウを相互に共有することで、今後期待される市場拡大に機動的に対応できると考えております。
③利益貢献
当社における重要KPI項目である修正利益において、年間で80億円から110億円程度の収益貢献を見込んでおります。
(2) Capulaグループへの出資について
当社は、2025年5月に債券裁定戦略、クライシス・アルファ戦略およびグローバル・マクロ戦略に世界トップクラスの強みをもつ英国の有力オルタナティブ運用会社であるCapula Investment Management LLPおよび Capula Management Limited(以下、両社を合わせて「Capula」という)に対して、約10.3%の追加出資を行いました。当社の連結子会社である第一生命保険株式会社が保有していた約4.7%の持分について現物出資により取得することと合わせた当社の合計持分は、約15%となり、当社からCapulaに取締役を派遣することで、Capulaは、当社の持分法適用会社となりました。概要については以下のとおりであります。
① Capulaの概要
| 会社名 | Capula Investment Management LLP | Capula Management Limited |
| 所在地 | 英国 | ケイマン諸島 |
| 事業内容 | Capula の全ファンドに係る運用業務 | Capula の全ファンドに係る管理業務 |
| 設立年月 | 2005年5月 | 2005年6月 |
| 持分比率(本件出資後) | 15% | 15% |
② 本出資における戦略的意義
当社は、2030年度のグループ企業価値10兆円・利益目標7,000億円に向けて、キャピタル・ライトなアセットマネジメント事業領域におけるインオーガニックな成長機会を模索してまいりました。Capulaへの出資により、事業リスクの分散および共同商品開発を通じたシナジーなどの観点から、当社アセットマネジメント事業の更なる成長に貢献すると期待しております。詳細な内容については下記のとおりです。
a. オルタナティブ分野の取組強化および投資スタイルの多様化
近年のアセットマネジメント業界においては、伝統的アクティブからパッシブへの資金シフトに加え、伝統的運用資産からオルタナティブ資産への資金シフトが進展しております。当社としても、クレジット領域に強みを有する米国キャニオン・パートナーズ・グループへの出資に続き、オルタナティブ市場の成長の取り込みや当社グループ貯蓄商品開発への活用に加え、オルタナティブ投資領域の中における投資スタイル(=事業リスク)の分散を推進していくことは重要であると考えております。
また、Capulaの旗艦ファンドGRVは、市場リスクに依らない絶対収益を追求する投資戦略であり、株式や債券などの伝統的運用資産が持つ市場リスクや、景気動向によって生じる国・企業の信用リスクとは相関が低いという特徴を持ちます。本件出資は、当社アセットマネジメント事業利益の安定成長と事業リスク分散の双方に貢献が期待されます。
b. 共同商品開発等のシナジーの追求
CapulaはGRVを筆頭に、グローバル債券運用やデリバティブを用いたヘッジ戦略においてグローバルレベルでトップクラスの卓越したノウハウを有しております。
また、Capulaが得意とする債券裁定やテールリスクヘッジ等の戦略は当社グループが得意とするクオンツ運用と親和性が高く、新商品開発等のシナジーが期待されます。
③ 利益貢献
当社における重要KPI項目である修正利益において、年間で50億円程度の収益貢献を見込んでおります。
(3) OCEAN LIFE INSURANCE PUBLIC COMPANY LIMITEDとの資本関係の解消について
当社は、2025年5月に当社の連結子会社である第一生命インターナショナルホールディングス合同会社が保有するタイの生命保険会社OCEAN LIFE INSURANCE PUBLIC COMPANY LIMITED(以下、「オーシャンライフ社」)の全株式、約24.0%をオーシャンライフ社の支配株主である創業者一族に譲渡いたしました。概要については以下のとおりであります。
① オーシャンライフ社の概要
| 会社名 | OCEAN LIFE INSURANCE PUBLIC COMPANY LIMITED |
| 代表者名 | Kirati Assakul 会長/Nusara (Assakul) Banyatpiyaphod CEO |
| 主たる所在地 | 170 / 74 - 83 Ocean Tower 1 Bldg., Rachadapisek Rd., Klongtoey, Bangkok, Thailand |
| 上場有無 | 非上場 |
| 資本金 | 2,598 百万タイバーツ(2024年9月末時点) |
| 純資産 | 17,566 百万タイバーツ(2024年9月末時点) |
| 設立年 | 1949 年 |
| 主な事業 | 生命保険事業 |
② 本取引を実施した理由
当社は2008年のオーシャンライフ社への出資を含む戦略的業務提携を開始して以来、15年以上に渡りオーシャンライフ社の企業価値向上、タイ生命保険市場の発展への貢献、タイに進出している日系企業への団体保険商品の提供等に取り組んでまいりましたが、コロナの影響以降、タイ全体における人口減少や少子高齢化により市場の大幅な拡大が見込みづらい状況であることに加えて、他地域と比較して相対的な取組み優先度が低下したことを踏まえ、タイ事業を売却いたしました。売却したことで戻る資本は資本効率の最適化に向けた事業ポートフォリオの再編に活用し、既存海外保険事業を通じたオーガニック戦略と、良質なM&A等のインオーガニック戦略によって、さらなる海外保険事業の成長に取り組んでまいります。
なお、資本関係の解消後においても、オーシャンライフ社とは良好な関係を継続してまいります。
(4) M&G plc.との長期的な戦略的パートナーシップ締結及び同社への出資について
当社は、2025年5月にM&G plc.(以下、「M&G社」という。)と生命保険分野および資産運用における長期的な戦略的パートナーシップ(以下「本パートナーシップ」)を締結いたしました。また、当社は、M&G社の生命保険事業および資産運用事業の特性と成長可能性を評価し、M&G社の発行済株式の約15%も取得する予定であり、2026年4月1日付けで、関係当局の許認可を取得した上で、M&G社の議決権約 15%の取得を完了しました。加えて、当取引においては、一定の条件が満たされた場合には、当社は、M&G社株式を少なくとも15%保有している期間中、M&G社の取締役1名を指名する権利を有しております。今後、当社からM&G 社への取締役の指名及び派遣を行うことで、M&G社は、当社の持分法適用会社になる見込みであります。概要については以下のとおりであります。
① M&G社の概要
| 会社名 | M&G plc. |
| グループ代表者 | Andrea Rossi |
| 本拠地 | 英国,ロンドン |
| 設立 | 1931年 |
| 上場/未上場 | 上場(ロンドン証券取引所) |
| 格付け(持株会社) | A(S&P) |
| 総資産(2025年度末) | 1,906億ポンド |
| 調整後営業利益(2025年度) | 8.38億ポンド |
| 進出国数 | 27ヶ国 |
② 本出資における戦略的意義
世界的に著名なアクティブ運用会社かつアセットオーナーであるM&G社は、欧州における当社の優先的な資産運用パートナーとなります。本パートナーシップを通じて、事業成長、販売チャネルの拡大および商品開発の機会に焦点を当て、当社およびM&G社双方にとって多大な新規ビジネス機会の創出を目指してまいります。
③ 本パートナーシップの内容
a. M&G社が運用するファンドへ、今後5年間で少なくとも60億米ドルの新規ビジネス機会の創出を見込み、そのうち少なくとも30億米ドルは、M&G社が市場をリードする高アルファ戦略(パブリックおよびプライベート市場を含む)への投資となる予定であります。
b. 上記60億米ドルのうち半分は、当社グループ傘下企業からの運用委託を通じて実現する見込みで、残り半分は、当社によるM&G社商品の販売などによる機会から生まれる見込みであります。
c. 同様に、当社においても今後5年間で少なくとも20億米ドルの新規ビジネス機会の創出を見込み、これは当社グループ傘下企業が提供する資産運用商品へのM&G社からの投資や同商品の販売、あるいは両社で共同開発した保険商品の販売を通じて実現される予定であります。
d. 当社は、M&G社の保険商品を日本およびアジア地域で販売することも検討しており、両社は新商品の共同開発にも取り組んでいく方針であります。
e. 両社は、欧州および日本における生命保険分野での協業も検討しております。
f. さらに、両社はそれぞれの資産配分ニーズおよび成長戦略に沿って、新たな資産運用機能への共同投資の機会も追求してまいります。
④ M&G社の株式取得方法
市場からの買い付け等
⑤ 利益貢献
M&G社は、配当利回りが高く、年間で160億円のキャッシュ生成を見込んでおります。
(5) Protective Life CorporationによるPortfolio Holding, Inc.の買収について
当社の米国子会社であるProtective Life Corporationは、米国で損害保険事業を展開するPortfolio Holding, Inc.(以下、「Portfolio社」という。)を買収することを決定し、買収契約を締結しました。なお、当該買収取引は、2026年1月1日付けで、米国監督当局から当該買収に係る必要な許認可等を取得し、子会社化に関する手続きを完了しております。概要については以下のとおりであります。
① Portfolio社の概要
| 会社名 | Portfolio Holding, Inc. |
| 設立 | 1990 年 |
| 代表者名 | President & CEO, Jeremy Lux |
| 主たる所在地 | アメリカ合衆国 カリフォルニア州 レイクフォレスト |
| フィー収入等(2024年度実績) | 207 百万米ドル |
| 従業員数 | 約 450 名 |
② 本買収における戦略的意義
当社は、北米事業を海外事業の中核と位置付け、プロテクティブ社を米国における成長プラットフォームとして事業拡大を進めております。本件、Portfolio社の買収は、フィー収入型ビジネスの拡充およびアセットプロテクション事業の成長加速を通じて、当社グループの収益基盤強化に資するものと考えております。
詳細は以下のとおりです。
a. フィー収入型ビジネスの拡充による収益構造の安定化
Portfolio社は、ディーラー参加型の再保険スキームを通じたフィー収入型ビジネスモデルを有しており、安定的な収益基盤を有しております。本件買収により、プロテクティブ社におけるフィー収入比率の向上が見込まれ、収益の安定性が一層高まると考えております。
b. アセットプロテクション事業の成長加速
Portfolio社は、米国全土でアセットプロテクション商品の販売および再保険管理サービスを提供しております。特に、販売網においては、プロテクティブ社が持つアセットプロテクション事業との高い地域補完性を有しており、当該事業の規模拡大及び、顧客基盤強化を実現することができ、より一層、成長を加速させることができると考えております。
⑤ 利益貢献
当社における重要KPI項目である修正利益において、次期中期経営計画以降、中長期的に50百万米ドルから100百万米ドル程度の収益貢献を見込んでおります。
(6) Protective Life CorporationによるObsidian Insurance Holdings, Inc.の買収について
当社の米国子会社であるProtective Life Corporationは、米国で損害保険事業を展開するObsidian Insurance Holdings, Inc. (以下、「Obsidian社」という)およびその関連会社を買収することを決定し、買収契約を締結いたしました。
今後、関係当局からの認可等を前提として、プロテクティブ社における2027年3月期第4四半期中または2028年3月期第1四半期中を目処に買収手続きの完了を予定しております。
① Obsidian社の概要
| 会社名 | Obsidian Insurance Holdings, Inc. |
| 設立 | 2020年 |
| 代表者名 | CEO, William Jewett |
| 主たる所在地 | アメリカ合衆国 ニューヨーク州 ニューヨーク |
| フィー収入等(2025年度実績) | 1.0十億米ドル |
| 従業員数 | 63名 |
② 本買収における戦略的意義
当社は、北米事業を海外事業の中核と位置付け、プロテクティブ社を米国における成長プラットフォームとして事業拡大を進めております。今回買収するObsidian社は、2020年に米国で創業したハイブリッド型のフロンティング保険会社(注)1で、元受として保険のリスクの一部を自社で引受けながら、代理店から引受けたリスクを再保険会社に出再することによるフィービジネスを展開しております。一般的な損害保険では対応しにくい専門分野に特化した保険商品・サービスを提供しており、強固な経営体制の下、規律ある引受けを通じて、安定的な事業基盤を確立してきました。本件買収は、プロテクティブ社にとっては新規の事業ライン獲得であり、事業分散・収益安定化に寄与するものと考えております。
③ 利益貢献
当社における重要KPI項目である修正利益において、中長期的に100百万米ドルから150百万米ドル程度の収益貢献を見込んでおります。
(注)1 従来のフロンティング保険会社が引受リスクを全額出再してフィー収入を収益源とするのに対し、ハイブリッド型のフロンティング保険会社は、当該ビジネスモデルを維持しつつも、リスクの一部を自社で引受け、引受利益の獲得も目指す保険会社を指しております。