有価証券報告書-第15期(2022/04/01-2023/03/31)
②戦略
a.カーボンニュートラルに関する考え方
気候変動に関する方針としては、2015年のパリ協定採択以降、各国政府や業界団体・企業が脱炭素社会に向けた意思表明を行っており、気候変動の緩和と適応に向けた動きが加速しております。日本政府においても、2020年10月に「2050年カーボンニュートラル」を宣言し、その実現に向けて各種の政策が進められております。
当行グループは、経済価値と社会価値の両立を目指した「サステナビリティ基本方針」に基づき、世界共通の課題である気候変動対応についても、持続可能な社会の実現にとって重要なものとして当行グループにおける最重要課題の一つと位置づけ、エネルギー安定供給との両立を踏まえつつ、ステークホルダーの皆様と協働しながら地域・お客様の課題解決を通じて、脱炭素社会の実現に貢献して参ります。
2021年度からスタートした第5次中期経営計画においては「GRIT戦略」を推進し、グリーン社会の実現、しなやかで強い安心安全な地域・社会や産業基盤構築を目指すと共に、脱炭素社会に向けた公正な移行(トランジション)の取組について、お客様とのエンゲージメントを通じ当行としても脱炭素の取組支援をして参ります。
お客様起点に立ち、その脱炭素に向けた取組を支援し経営課題の解決を通じて、当行グループとして2050年までの投融資ポートフォリオのGHG排出量ネットゼロの実現を目指して参ります。その過程では、トランジションの対応と2050年カーボンニュートラル達成の両立が重要となっているという認識をしています。そのため、お客様の脱炭素への移行支援やエンゲージメント強化を含むトランジションに向けての取組を推進して参ります。
お客様との建設的なエンゲージメントを通じ、脱炭素に向けた取り組みを支援するため、サステナブルファイナンスやアドバイザリー・コンサルティングサービスを提供すると共に、脱炭素の社会実装に向けては各地域の協議会への参画やナレッジでの支援、水素ファンドやアンモニア関連のスタートアップ等へのリスクマネー供給などに取り組んでおります。今後もお客様とのエンゲージメントを推進しつつ、日本の競争力を維持・強化し、お客様の成長に貢献して参ります。
当行グループは、2050年までの投融資ポートフォリオのGHG排出量ネットゼロの達成方針のもと、そのリスクへの対応と機会について、脱炭素社会(気温上昇幅2.0℃未満のシナリオ)を目指すシナリオを軸にしつつ、気温上昇幅2.0℃以上シナリオを含めて分析を実施し、その分析結果を踏まえた取り組みとして、お客様の脱炭素に向けた支援を実施し、GRIT戦略として5年間に5.5兆円を目途とした投融資を進めて参ります。
b.気候関連機会の分析
2019年度に、2030年から2050年の中長期を対象としてシナリオ分析に着手いたしました。金融機関は、気候変動に伴う将来の不確実性を踏まえ、様々な経済社会像を想定し、それらに応じたポートフォリオの変化や対応策を検討する必要があります。初めのアプローチとして、社会経済シナリオ「共通社会経済経路(SSP:Shared Socioeconomic Pathways)」を利用し、4つの世界観において低炭素・脱炭素社会に向けた技術革新や、政策・規制等による「移行機会」に焦点を当て、事業への影響を分析・評価しております。
c.気候関連リスクの分析
当行グループでは、気候関連金融リスクとして、移行リスクと物理的リスクを認識しております。前者は、主に炭素税の導入や低炭素技術への置換による売上減少や費用増加等に伴う投融資先の信用力の低下として、後者は、主に異常気象による担保価値の毀損やサプライチェーンの混乱等を通じた投融資先の信用力の低下として、与信コストの増加を通じて当行グループの経営戦略に影響を与える可能性があると認識しております。
今次分析として、移行リスクについては電力セクター(国内外のエネルギープロジェクト等に関するストラクチャードファイナンス案件を含む)、物理的リスクについては水災に伴う担保価値毀損を対象としたシナリオ分析に取り組みました。この分析結果は、現在のポートフォリオ残高を維持した場合でも、財務影響は長期的な視点で受容しうる水準に収まることを示唆しております。
気候関連金融リスクを分析するための手法やデータは発展途上と認識しております。今後とも、その動向を注視しつつ、必要に応じて分析手法の高度化への取組を進めてまいりたいと考えております。
(注)NGFS:Network for Greening the Financial Systemの略称、IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Changeの略称。
a.カーボンニュートラルに関する考え方
気候変動に関する方針としては、2015年のパリ協定採択以降、各国政府や業界団体・企業が脱炭素社会に向けた意思表明を行っており、気候変動の緩和と適応に向けた動きが加速しております。日本政府においても、2020年10月に「2050年カーボンニュートラル」を宣言し、その実現に向けて各種の政策が進められております。
当行グループは、経済価値と社会価値の両立を目指した「サステナビリティ基本方針」に基づき、世界共通の課題である気候変動対応についても、持続可能な社会の実現にとって重要なものとして当行グループにおける最重要課題の一つと位置づけ、エネルギー安定供給との両立を踏まえつつ、ステークホルダーの皆様と協働しながら地域・お客様の課題解決を通じて、脱炭素社会の実現に貢献して参ります。
2021年度からスタートした第5次中期経営計画においては「GRIT戦略」を推進し、グリーン社会の実現、しなやかで強い安心安全な地域・社会や産業基盤構築を目指すと共に、脱炭素社会に向けた公正な移行(トランジション)の取組について、お客様とのエンゲージメントを通じ当行としても脱炭素の取組支援をして参ります。
お客様起点に立ち、その脱炭素に向けた取組を支援し経営課題の解決を通じて、当行グループとして2050年までの投融資ポートフォリオのGHG排出量ネットゼロの実現を目指して参ります。その過程では、トランジションの対応と2050年カーボンニュートラル達成の両立が重要となっているという認識をしています。そのため、お客様の脱炭素への移行支援やエンゲージメント強化を含むトランジションに向けての取組を推進して参ります。
お客様との建設的なエンゲージメントを通じ、脱炭素に向けた取り組みを支援するため、サステナブルファイナンスやアドバイザリー・コンサルティングサービスを提供すると共に、脱炭素の社会実装に向けては各地域の協議会への参画やナレッジでの支援、水素ファンドやアンモニア関連のスタートアップ等へのリスクマネー供給などに取り組んでおります。今後もお客様とのエンゲージメントを推進しつつ、日本の競争力を維持・強化し、お客様の成長に貢献して参ります。
当行グループは、2050年までの投融資ポートフォリオのGHG排出量ネットゼロの達成方針のもと、そのリスクへの対応と機会について、脱炭素社会(気温上昇幅2.0℃未満のシナリオ)を目指すシナリオを軸にしつつ、気温上昇幅2.0℃以上シナリオを含めて分析を実施し、その分析結果を踏まえた取り組みとして、お客様の脱炭素に向けた支援を実施し、GRIT戦略として5年間に5.5兆円を目途とした投融資を進めて参ります。
b.気候関連機会の分析
2019年度に、2030年から2050年の中長期を対象としてシナリオ分析に着手いたしました。金融機関は、気候変動に伴う将来の不確実性を踏まえ、様々な経済社会像を想定し、それらに応じたポートフォリオの変化や対応策を検討する必要があります。初めのアプローチとして、社会経済シナリオ「共通社会経済経路(SSP:Shared Socioeconomic Pathways)」を利用し、4つの世界観において低炭素・脱炭素社会に向けた技術革新や、政策・規制等による「移行機会」に焦点を当て、事業への影響を分析・評価しております。
c.気候関連リスクの分析
当行グループでは、気候関連金融リスクとして、移行リスクと物理的リスクを認識しております。前者は、主に炭素税の導入や低炭素技術への置換による売上減少や費用増加等に伴う投融資先の信用力の低下として、後者は、主に異常気象による担保価値の毀損やサプライチェーンの混乱等を通じた投融資先の信用力の低下として、与信コストの増加を通じて当行グループの経営戦略に影響を与える可能性があると認識しております。
今次分析として、移行リスクについては電力セクター(国内外のエネルギープロジェクト等に関するストラクチャードファイナンス案件を含む)、物理的リスクについては水災に伴う担保価値毀損を対象としたシナリオ分析に取り組みました。この分析結果は、現在のポートフォリオ残高を維持した場合でも、財務影響は長期的な視点で受容しうる水準に収まることを示唆しております。
気候関連金融リスクを分析するための手法やデータは発展途上と認識しております。今後とも、その動向を注視しつつ、必要に応じて分析手法の高度化への取組を進めてまいりたいと考えております。
| 分析概要 | 移行リスク | 物理的リスク |
| リスクイベント | ネットゼロに向けた急激な政策変更 | 水災(洪水の発生) |
| シナリオ(注) | NGFSのDelayed transitionシナリオ | IPCCのRCP8.5(4℃シナリオ) |
| 今次分析対象 | 電力セクター | 水災に伴う担保価値毀損 |
| 対象資産 | 投融資残高 | 融資残高 |
| 分析期間 | 2050年まで | 2050年まで |
| 分析結果 (与信コストの累計増加額) | 約400億円 | 約60億円 |
(注)NGFS:Network for Greening the Financial Systemの略称、IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Changeの略称。