有価証券報告書-第12期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における経営成績と、前連結会計年度との主な増減は、以下のとおりであります。
a.売上
売上高は4,711億32百万円(前年同期比3.5%増)となりました。
部門別の状況につきましては、医薬品等卸販売事業は4,705億58百万円(同3.5%増)、その他事業では5億74百万円(同10.2%減)となりました。
b.売上総利益、販売費及び一般管理費、営業利益
売上総利益は390億91百万円(同4.1%増)となり、15億23百万円増加しました。
販売費及び一般管理費は、340億44百万円(同1.3%増)となり、4億31百万円増加しました。
その結果、営業利益は、50億46百万円(同27.6%増)となり、10億92百万円増加しました。
c.営業外損益、経常利益
営業外収益は24億14百万円(同12.5%減)となり、3億44百万円減少しました。
営業外費用は2億37百万円(同29.0%増)となり、53百万円増加しました。
その結果、経常利益は72億22百万円(同10.6%増)、6億94百万円増加しました。
d.特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益は5億35百万円(同15.1%減)となり、95百万円減少しました。
特別損失は10億93百万円(同106.6%増)となり、5億64百万円増加しました。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は66億65百万円(同0.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は42億19百万円(同4.6%減)となりました。
当連結会計年度における財政状態と、資産及び負債、純資産の主な増減は、以下のとおりであります。
e. 資産
流動資産は、受取手形及び売掛金は9億81百万円減少し、有価証券は15億円減少しましたが、現金及び預金は59億38百万円増加し、商品及び製品は37億64百万円増加等がありました。
その結果、流動資産は1,786億68百万円となり、74億33百万円増加しました。
有形固定資産は、減価償却による減少14億71百万円、減損損失による減少2億99百万円等がありましたが、営業支店の建替えや土地の取得等の新規投資により20億28百万円増加し、合計としては1億52百万円増加しました。投資有価証券は、満期保有目的の債券が償還により5億円減少したものの、株価上昇により含み益が9億4百万円増加する等し、合計としては2億45百万円増加しました。
その結果、固定資産は775億18百万円となり、2億66百万円増加しました。
f. 負債
流動負債は、主に、支払手形及び買掛金が25億71百万円増加、電子記録債務が2億38百万円増加、未払法人税等が5億73百万円増加しました。
その結果、流動負債は1,262億58百万円となり、34億37百万円増加しました。
固定負債は、主に、暫定値引き増加の影響等で繰延税金負債が1億92百万円減少しましたが、退職給付に係る負債は3億44百万円増加しました。
その結果、固定負債は85億9百万円となり、3億99百万円増加しました。
g. 純資産
純資産は、剰余金の配当により6億88百万円減少しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益により42億19百万円増加し、利益剰余金が35億30百万円増加しました。自己株式取得による4百万円減少がありましたが、株主資本は35億25百万円増加しました。その他の包括利益累計額合計は、その他有価証券評価差額金が6億96百万円増加、退職給付に係る調整累計額が3億72百万円減少し、3億23百万円増加しました。
その結果、純資産は1,214億19百万円となり、38億62百万円増加し、純資産比率は47.4%と前連結会計年度末より0.1ポイント上昇しました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、営業活動により68億89百万円増加、投資活動により1億64百万円減少、財務活動により7億85百万円減少となりました。
この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ59億38百万円増加し、398億29百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローはプラス68億89百万円(前年同期比66億76百万円増)となりました。
これは主に、たな卸資産の増加37億64百万円、法人税等の支払額21億38百万円がありましたが、税金等調整前当期純利益66億65百万円、仕入債務の増加28億10百万円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローはマイナス1億64百万円(同35億84百万円増)となりました。
これは主に、有形及び無形固定資産の売却による収入2億24百万円、投資有価証券の売却による収入31億75百万円がありましたが、有形及び無形固定資産の取得による支出23億27百万円、投資有価証券の取得による支出10億95百万円、及び、貸付けによる支出3億7百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローはマイナス7億85百万円(同67百万円減)となりました。
これは主に、配当金の支払額6億88百万円、リース債務の返済による支出69百万円があったこと等によるものであります。
以上の結果により、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ59億38百万円増加し、398億29百万円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a. 商品仕入実績
当社グループはセグメント情報の記載を省略しておりますが、事業別の業績を示すと次のとおりであります。
当連結会計年度の商品仕入実績を事業ごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 販売実績
当社グループはセグメント情報の記載を省略しておりますが、事業別の業績を示すと次のとおりであります。
当連結会計年度の販売実績を事業ごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度におけるわが国経済は、堅調な企業業績のもと景気は緩やかな回復基調で進行していましたが、2020年1月に始まった新型コロナウイルス感染症の世界的な拡がりは経済の混乱を招き、今後の経済動向は全く見通しの立たない危機的状況に陥っています。
このような経営環境の下、中核事業の医療用医薬品事業は期末に新型コロナウイルス感染症の影響が多少見られたものの、スペシャリティ薬を軸として業績は堅調に推移しました。動物用医薬品及び食品等事業も3期連続で最高益を更新し、グループ全体としましては好決算で終えることが出来ました。
当事業年度の資本提携等につきましては、医療用医薬品分野において株式会社アステム(本社 大分市)が株式会社データホライゾン(本社 広島市)と共同出資で7月に地域医療のコンサルティング事業を営む株式会社ブリッジ(本社 東京都文京区)を新設しました。1月には、調剤薬局に特化したシステムを開発する株式会社ファーマクラウド(本社 東京都千代田区)に出資し、調剤薬局向けの機能を拡充しました。動物用医薬品及び食品等分野では、10月に株式会社サン・ダイコー(本社 大分市)の子会社の協和化学株式会社(本社 宮崎県都城市)が株式会社ニチメン工業(本社 宮崎県都城市)を合併し、経営資源の集中を図りました。また、12月にはインドネシアで養鰻事業を展開する株式会社シンガサナ・ウナギ・インドネシア(本社 インドネシア共和国バニュワンギ県)に株式会社サン・ダイコーが当社とともに共同で追加出資を行い、生産力の増強に向けて準備を始めました。更に同月、松田商事株式会社(本社 宮崎市)の増資を引き受け、九州南部の動物薬事業の基盤の強化に努めました。一般用医薬品分野におきましては、株式会社リードヘルスケア(本社 福岡県北九州市)が3月にエイジングケア商品を開発・製造する株式会社NIL(本社 神奈川県中郡二宮町)に出資し、オリジナル商品の販売促進体制を整えました。
一方、経営管理面におきましては、働き方改革への取り組みとして勤務時間管理の厳格化、在宅勤務の試行等行いました。更に健康経営の取り組みでは、全社員の企業検診の徹底や事業所内の禁煙等が評価され、健康経営優良法人2020に認定されました。
この結果、当連結会計年度の売上高は4,711億32百万円(前期比3.5%増)、売上総利益は390億91百万円(同4.1%増)といずれも前期を上回りました。販売費及び一般管理費は340億44百万円 (同1.3%増)で、営業利益は50億46百万円 (同27.6%増)、経常利益は72億22百万円(同10.6%増)と増収増益となりました。税金等調整前当期純利益は66億65百万円(同0.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は42億19百万円 (同4.6%減)と前期を下回りました。
a.医薬品等卸販売事業
医療用医薬品分野
「医療卸」への転換を目指し、社内認定資格であるMC(メディカルコミュニケーター)制度の認定試験を診断や医療機器分野にも拡げ診断・手技・処方、そして経営と幅広くお得意様へ提案できるMCの育成に注力しました。また、市場を牽引するスペシャリティ薬を中心とした病院販路の強化を目指し、各エリアに「病院統括部」を設置するとともに、二次医療圏の枠組みに沿った営業組織に再編しました。地域の自治体へのアプローチも強化し各エリアの地域特性に合った提案や営業活動を行うことで、多くのエリアで高い評価をいただきました。
この結果、10月に行われた消費税増税に伴う薬価改定により市場環境が急速に冷え込む中、抗がん剤を中心としたスペシャリティ薬への取り組み等が実を結び、売上高、売上総利益ともに前年度を上回ることが出来ました。
医療機器等分野
販売面につきましては、高付加価値商材へのシフトや保守・メンテナンスによる売上が大きく寄与いたしました。また、前年より取り組み始めた業務改革プロジェクトの一環として医療材料オンライン発注システムPHsmos(ファスモス)のリリースや医療材料商品の品目数の集約によりコスト抑制に成功し、生産性を向上することが出来ました。
物流面におきましては、1月に医療機器等専用倉庫OWL(アウル)センターを業務委託から自社運営に切り替え、倉庫内運営費の抑制を図ると同時に、各拠点の物流業務をOWLセンターに集約することで生産性を大幅に向上することが可能となり、将来に向けての業務改革の大きな一歩を踏み出すことができました。
この結果、収益と費用のバランスが回復し、売上高・売上総利益ともに前年度を上回ることが出来ました。
動物用医薬品及び食品等分野
動物用医薬品分野におきましては、前期に引き続き国内市場が堅調に推移する中、新規市場の開拓やシェアの拡大で前年を上回る成果を残すことができました。加えて海外市場にも積極的にチャレンジし、新たに東南アジアでオリジナル資材の商談をスタートさせ、海外ビジネスの第一歩を踏み出しました。
食品等分野におきましては、新規開拓やお得意様間での共同開発による新市場の創造等により安定した業績で推移しました。一方、医薬品や化粧品原料分野はインバウンド需要の減少等により厳しい状況で推移しましたが、輸入した原料の国内販売を積極的に展開することで新たな販路拡大に向けて取り組みを強化しました。
この結果、売上高・売上総利益ともに前年度を上回り、売上高につきましては過去最高の売上を計上し、経常利益につきましても前年度に引き続き過去最高益を更新することが出来ました。
一般用医薬品分野
販売面におきましては、日韓関係の悪化、新型コロナウイルス感染症によるインバウンド需要の激減や暖冬による季節商品の売上不振等厳しい経営環境で推移しましたが、大阪営業所を新たに開設し、関西エリアの営業強化に努めるとともに関東エリアの大口先の新規開拓やMREブランドの販売強化に注力し、前年を上回ることができました。
しかしながら収益面におきましては、全国的な運賃上昇の影響によるセンターフィーの値上げ要請やお得意様の営業エリアの広域展開に伴い配送コストが上昇し厳しい決算となりました。
これらの結果、医薬品等卸販売事業全体としては、売上高は4,705億58百万円(前期比3.5%増)、営業利益は50億円(同27.9%増)と、増収増益となりました。
b.その他事業
その他事業では、売上高は5億74百万円(前期比10.2%減)、営業利益は45百万円(同0.9%増)となりました。
今期、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な連結経営指標としましては、売上高4,705億70百万円(前期比0.1%減)、営業利益40億40百万円(前期比19.9%減)、経常利益64億40百万円(前期比10.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益42億70百万円(前期比1.2%増)を目標といたしました。これを達成するため、四半期ごとに、事業戦略会議を開催し、達成状況の把握・分析、及び具体的な対応の決定を行っております。
この指標は、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、医療機関への受診抑制による医療用医薬品の卸売販売、外食産業の低迷による食品関連等の卸売販売、インバウンド需要の減少による一般用医薬品等の卸売販売の減少を見込んで策定しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、満期保有目的の債券、子会社株式の取得、並びに、設備投資によるものであります。重要な資本的支出の予定は、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載している通りであり、自己資金にてその財源と致します。また、グループ各社における余剰資金の一元管理を図り、資金効率の向上と金融費用の削減を目的として、CMS(キャッシュマネジメントシステム)を導入しており、グループ内の資金融通を行っております。
新型コロナウイルス感染症の影響により今後の経済動向は見通しの立たない状況にあるため、当社グループでは、手元資金を充実させ、不測の事態に対応できるよう備えてまいります。
なお、当連結会計年度末における借入金は、非連結子会社の合併時に引き継いだ30百万円であり、これにリース債務を加えた有利子負債の残高は、4億46百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、398億29百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。
その作成には、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。当社グループは、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
a.収益の認識
当社グループの中心である医薬品卸売事業におきまして、医薬品としての特性上、価格交渉が未妥結のうちに発注、納品が完了し、売上高が計上されます。暫定的な価格を合理的に見積り売上計上しておりますが、価格妥結時点において売上高の修正を行う場合があります。
妥結の早期化と合理的な暫定価格による売上計上に努めておりますが、妥結までの期間が長期化し、決定価格が暫定価格を大幅に下回った場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
b. 貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。お得意さまの財務状況が悪化し、支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
c. 退職給付に係る会計処理の方法
退職給付債務及び退職給付費用は、数理計算上で設定される割引率、将来の給与水準、退職率、死亡率及び年金資産の期待運用収益率等の前提条件に基づいて算出されております。
割引率は、退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率を使用し算出しております。期待運用収益率は年金資産が投資されている資産の期待収益率に基づいて算出されます。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響額は未認識数理計算上の差異として蓄積され、将来にわたって規則的に処理されます。したがって、将来認識される退職給付債務及び退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
d. 有形・無形固定資産の減損
当社グループは、事業の維持・発展のために有形及び無形の固定資産を有しております。固定資産の減損会計は資産のグルーピングや割引前キャッシュ・フローの総額等を、各企業の固有の事情を反映した合理的な仮定及び予測に基づいて算出しております。将来の地価下落や収益性の低下により、減損処理が追加で必要になった場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
e. 投資有価証券の減損
当社グループは、取引の円滑な遂行や取引関係の維持のため、株式等を所有するケースがあります。これらの株式等には、公開会社のものと非公開会社のものが含まれております。公開会社の株式については、決算日の市場価格が帳簿価格よりも30%以上下落した場合には減損の必要性を検討し、非公開会社の株式については、当該発行体の純資産に占める持分相当額が帳簿価格よりも50%以上下落した場合には減損を計上しております。将来の市況悪化や投資先の業績不振により損失の計上が必要となり、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは医療用医薬品、一般用医薬品、動物用医薬品、医療機器等の卸販売事業ならびにその他事業を行っておりますが、卸販売事業を中心としたほぼ単一のセグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における経営成績と、前連結会計年度との主な増減は、以下のとおりであります。
a.売上
売上高は4,711億32百万円(前年同期比3.5%増)となりました。
部門別の状況につきましては、医薬品等卸販売事業は4,705億58百万円(同3.5%増)、その他事業では5億74百万円(同10.2%減)となりました。
b.売上総利益、販売費及び一般管理費、営業利益
売上総利益は390億91百万円(同4.1%増)となり、15億23百万円増加しました。
販売費及び一般管理費は、340億44百万円(同1.3%増)となり、4億31百万円増加しました。
その結果、営業利益は、50億46百万円(同27.6%増)となり、10億92百万円増加しました。
c.営業外損益、経常利益
営業外収益は24億14百万円(同12.5%減)となり、3億44百万円減少しました。
営業外費用は2億37百万円(同29.0%増)となり、53百万円増加しました。
その結果、経常利益は72億22百万円(同10.6%増)、6億94百万円増加しました。
d.特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益は5億35百万円(同15.1%減)となり、95百万円減少しました。
特別損失は10億93百万円(同106.6%増)となり、5億64百万円増加しました。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は66億65百万円(同0.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は42億19百万円(同4.6%減)となりました。
当連結会計年度における財政状態と、資産及び負債、純資産の主な増減は、以下のとおりであります。
e. 資産
流動資産は、受取手形及び売掛金は9億81百万円減少し、有価証券は15億円減少しましたが、現金及び預金は59億38百万円増加し、商品及び製品は37億64百万円増加等がありました。
その結果、流動資産は1,786億68百万円となり、74億33百万円増加しました。
有形固定資産は、減価償却による減少14億71百万円、減損損失による減少2億99百万円等がありましたが、営業支店の建替えや土地の取得等の新規投資により20億28百万円増加し、合計としては1億52百万円増加しました。投資有価証券は、満期保有目的の債券が償還により5億円減少したものの、株価上昇により含み益が9億4百万円増加する等し、合計としては2億45百万円増加しました。
その結果、固定資産は775億18百万円となり、2億66百万円増加しました。
f. 負債
流動負債は、主に、支払手形及び買掛金が25億71百万円増加、電子記録債務が2億38百万円増加、未払法人税等が5億73百万円増加しました。
その結果、流動負債は1,262億58百万円となり、34億37百万円増加しました。
固定負債は、主に、暫定値引き増加の影響等で繰延税金負債が1億92百万円減少しましたが、退職給付に係る負債は3億44百万円増加しました。
その結果、固定負債は85億9百万円となり、3億99百万円増加しました。
g. 純資産
純資産は、剰余金の配当により6億88百万円減少しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益により42億19百万円増加し、利益剰余金が35億30百万円増加しました。自己株式取得による4百万円減少がありましたが、株主資本は35億25百万円増加しました。その他の包括利益累計額合計は、その他有価証券評価差額金が6億96百万円増加、退職給付に係る調整累計額が3億72百万円減少し、3億23百万円増加しました。
その結果、純資産は1,214億19百万円となり、38億62百万円増加し、純資産比率は47.4%と前連結会計年度末より0.1ポイント上昇しました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、営業活動により68億89百万円増加、投資活動により1億64百万円減少、財務活動により7億85百万円減少となりました。
この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ59億38百万円増加し、398億29百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローはプラス68億89百万円(前年同期比66億76百万円増)となりました。
これは主に、たな卸資産の増加37億64百万円、法人税等の支払額21億38百万円がありましたが、税金等調整前当期純利益66億65百万円、仕入債務の増加28億10百万円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローはマイナス1億64百万円(同35億84百万円増)となりました。
これは主に、有形及び無形固定資産の売却による収入2億24百万円、投資有価証券の売却による収入31億75百万円がありましたが、有形及び無形固定資産の取得による支出23億27百万円、投資有価証券の取得による支出10億95百万円、及び、貸付けによる支出3億7百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローはマイナス7億85百万円(同67百万円減)となりました。
これは主に、配当金の支払額6億88百万円、リース債務の返済による支出69百万円があったこと等によるものであります。
以上の結果により、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ59億38百万円増加し、398億29百万円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a. 商品仕入実績
当社グループはセグメント情報の記載を省略しておりますが、事業別の業績を示すと次のとおりであります。
当連結会計年度の商品仕入実績を事業ごとに示すと、次のとおりであります。
| 事業の名称 | 仕入高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 医薬品等卸販売事業 | 431,790 | 103.4 |
| その他事業 | 250 | 81.3 |
| 合計 | 432,041 | 103.4 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 販売実績
当社グループはセグメント情報の記載を省略しておりますが、事業別の業績を示すと次のとおりであります。
当連結会計年度の販売実績を事業ごとに示すと、次のとおりであります。
| 事業の名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 医薬品等卸販売事業 | 470,558 | 103.5 |
| その他事業 | 574 | 89.8 |
| 合計 | 471,132 | 103.5 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度におけるわが国経済は、堅調な企業業績のもと景気は緩やかな回復基調で進行していましたが、2020年1月に始まった新型コロナウイルス感染症の世界的な拡がりは経済の混乱を招き、今後の経済動向は全く見通しの立たない危機的状況に陥っています。
このような経営環境の下、中核事業の医療用医薬品事業は期末に新型コロナウイルス感染症の影響が多少見られたものの、スペシャリティ薬を軸として業績は堅調に推移しました。動物用医薬品及び食品等事業も3期連続で最高益を更新し、グループ全体としましては好決算で終えることが出来ました。
当事業年度の資本提携等につきましては、医療用医薬品分野において株式会社アステム(本社 大分市)が株式会社データホライゾン(本社 広島市)と共同出資で7月に地域医療のコンサルティング事業を営む株式会社ブリッジ(本社 東京都文京区)を新設しました。1月には、調剤薬局に特化したシステムを開発する株式会社ファーマクラウド(本社 東京都千代田区)に出資し、調剤薬局向けの機能を拡充しました。動物用医薬品及び食品等分野では、10月に株式会社サン・ダイコー(本社 大分市)の子会社の協和化学株式会社(本社 宮崎県都城市)が株式会社ニチメン工業(本社 宮崎県都城市)を合併し、経営資源の集中を図りました。また、12月にはインドネシアで養鰻事業を展開する株式会社シンガサナ・ウナギ・インドネシア(本社 インドネシア共和国バニュワンギ県)に株式会社サン・ダイコーが当社とともに共同で追加出資を行い、生産力の増強に向けて準備を始めました。更に同月、松田商事株式会社(本社 宮崎市)の増資を引き受け、九州南部の動物薬事業の基盤の強化に努めました。一般用医薬品分野におきましては、株式会社リードヘルスケア(本社 福岡県北九州市)が3月にエイジングケア商品を開発・製造する株式会社NIL(本社 神奈川県中郡二宮町)に出資し、オリジナル商品の販売促進体制を整えました。
一方、経営管理面におきましては、働き方改革への取り組みとして勤務時間管理の厳格化、在宅勤務の試行等行いました。更に健康経営の取り組みでは、全社員の企業検診の徹底や事業所内の禁煙等が評価され、健康経営優良法人2020に認定されました。
この結果、当連結会計年度の売上高は4,711億32百万円(前期比3.5%増)、売上総利益は390億91百万円(同4.1%増)といずれも前期を上回りました。販売費及び一般管理費は340億44百万円 (同1.3%増)で、営業利益は50億46百万円 (同27.6%増)、経常利益は72億22百万円(同10.6%増)と増収増益となりました。税金等調整前当期純利益は66億65百万円(同0.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は42億19百万円 (同4.6%減)と前期を下回りました。
a.医薬品等卸販売事業
医療用医薬品分野
「医療卸」への転換を目指し、社内認定資格であるMC(メディカルコミュニケーター)制度の認定試験を診断や医療機器分野にも拡げ診断・手技・処方、そして経営と幅広くお得意様へ提案できるMCの育成に注力しました。また、市場を牽引するスペシャリティ薬を中心とした病院販路の強化を目指し、各エリアに「病院統括部」を設置するとともに、二次医療圏の枠組みに沿った営業組織に再編しました。地域の自治体へのアプローチも強化し各エリアの地域特性に合った提案や営業活動を行うことで、多くのエリアで高い評価をいただきました。
この結果、10月に行われた消費税増税に伴う薬価改定により市場環境が急速に冷え込む中、抗がん剤を中心としたスペシャリティ薬への取り組み等が実を結び、売上高、売上総利益ともに前年度を上回ることが出来ました。
医療機器等分野
販売面につきましては、高付加価値商材へのシフトや保守・メンテナンスによる売上が大きく寄与いたしました。また、前年より取り組み始めた業務改革プロジェクトの一環として医療材料オンライン発注システムPHsmos(ファスモス)のリリースや医療材料商品の品目数の集約によりコスト抑制に成功し、生産性を向上することが出来ました。
物流面におきましては、1月に医療機器等専用倉庫OWL(アウル)センターを業務委託から自社運営に切り替え、倉庫内運営費の抑制を図ると同時に、各拠点の物流業務をOWLセンターに集約することで生産性を大幅に向上することが可能となり、将来に向けての業務改革の大きな一歩を踏み出すことができました。
この結果、収益と費用のバランスが回復し、売上高・売上総利益ともに前年度を上回ることが出来ました。
動物用医薬品及び食品等分野
動物用医薬品分野におきましては、前期に引き続き国内市場が堅調に推移する中、新規市場の開拓やシェアの拡大で前年を上回る成果を残すことができました。加えて海外市場にも積極的にチャレンジし、新たに東南アジアでオリジナル資材の商談をスタートさせ、海外ビジネスの第一歩を踏み出しました。
食品等分野におきましては、新規開拓やお得意様間での共同開発による新市場の創造等により安定した業績で推移しました。一方、医薬品や化粧品原料分野はインバウンド需要の減少等により厳しい状況で推移しましたが、輸入した原料の国内販売を積極的に展開することで新たな販路拡大に向けて取り組みを強化しました。
この結果、売上高・売上総利益ともに前年度を上回り、売上高につきましては過去最高の売上を計上し、経常利益につきましても前年度に引き続き過去最高益を更新することが出来ました。
一般用医薬品分野
販売面におきましては、日韓関係の悪化、新型コロナウイルス感染症によるインバウンド需要の激減や暖冬による季節商品の売上不振等厳しい経営環境で推移しましたが、大阪営業所を新たに開設し、関西エリアの営業強化に努めるとともに関東エリアの大口先の新規開拓やMREブランドの販売強化に注力し、前年を上回ることができました。
しかしながら収益面におきましては、全国的な運賃上昇の影響によるセンターフィーの値上げ要請やお得意様の営業エリアの広域展開に伴い配送コストが上昇し厳しい決算となりました。
これらの結果、医薬品等卸販売事業全体としては、売上高は4,705億58百万円(前期比3.5%増)、営業利益は50億円(同27.9%増)と、増収増益となりました。
b.その他事業
その他事業では、売上高は5億74百万円(前期比10.2%減)、営業利益は45百万円(同0.9%増)となりました。
今期、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な連結経営指標としましては、売上高4,705億70百万円(前期比0.1%減)、営業利益40億40百万円(前期比19.9%減)、経常利益64億40百万円(前期比10.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益42億70百万円(前期比1.2%増)を目標といたしました。これを達成するため、四半期ごとに、事業戦略会議を開催し、達成状況の把握・分析、及び具体的な対応の決定を行っております。
この指標は、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、医療機関への受診抑制による医療用医薬品の卸売販売、外食産業の低迷による食品関連等の卸売販売、インバウンド需要の減少による一般用医薬品等の卸売販売の減少を見込んで策定しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、満期保有目的の債券、子会社株式の取得、並びに、設備投資によるものであります。重要な資本的支出の予定は、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載している通りであり、自己資金にてその財源と致します。また、グループ各社における余剰資金の一元管理を図り、資金効率の向上と金融費用の削減を目的として、CMS(キャッシュマネジメントシステム)を導入しており、グループ内の資金融通を行っております。
新型コロナウイルス感染症の影響により今後の経済動向は見通しの立たない状況にあるため、当社グループでは、手元資金を充実させ、不測の事態に対応できるよう備えてまいります。
なお、当連結会計年度末における借入金は、非連結子会社の合併時に引き継いだ30百万円であり、これにリース債務を加えた有利子負債の残高は、4億46百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、398億29百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。
その作成には、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。当社グループは、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
a.収益の認識
当社グループの中心である医薬品卸売事業におきまして、医薬品としての特性上、価格交渉が未妥結のうちに発注、納品が完了し、売上高が計上されます。暫定的な価格を合理的に見積り売上計上しておりますが、価格妥結時点において売上高の修正を行う場合があります。
妥結の早期化と合理的な暫定価格による売上計上に努めておりますが、妥結までの期間が長期化し、決定価格が暫定価格を大幅に下回った場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
b. 貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。お得意さまの財務状況が悪化し、支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
c. 退職給付に係る会計処理の方法
退職給付債務及び退職給付費用は、数理計算上で設定される割引率、将来の給与水準、退職率、死亡率及び年金資産の期待運用収益率等の前提条件に基づいて算出されております。
割引率は、退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率を使用し算出しております。期待運用収益率は年金資産が投資されている資産の期待収益率に基づいて算出されます。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響額は未認識数理計算上の差異として蓄積され、将来にわたって規則的に処理されます。したがって、将来認識される退職給付債務及び退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
d. 有形・無形固定資産の減損
当社グループは、事業の維持・発展のために有形及び無形の固定資産を有しております。固定資産の減損会計は資産のグルーピングや割引前キャッシュ・フローの総額等を、各企業の固有の事情を反映した合理的な仮定及び予測に基づいて算出しております。将来の地価下落や収益性の低下により、減損処理が追加で必要になった場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
e. 投資有価証券の減損
当社グループは、取引の円滑な遂行や取引関係の維持のため、株式等を所有するケースがあります。これらの株式等には、公開会社のものと非公開会社のものが含まれております。公開会社の株式については、決算日の市場価格が帳簿価格よりも30%以上下落した場合には減損の必要性を検討し、非公開会社の株式については、当該発行体の純資産に占める持分相当額が帳簿価格よりも50%以上下落した場合には減損を計上しております。将来の市況悪化や投資先の業績不振により損失の計上が必要となり、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは医療用医薬品、一般用医薬品、動物用医薬品、医療機器等の卸販売事業ならびにその他事業を行っておりますが、卸販売事業を中心としたほぼ単一のセグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。