有価証券報告書-第17期(2024/04/01-2025/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における経営成績と、前連結会計年度との主な増減は、以下のとおりであります。
a.売上
売上高は5,104億56百万円(前年同期比1.1%増)となりました。
部門別の状況につきましては、医薬品等卸販売事業は5,102億22百万円(同1.1%増)、その他事業では2億33百万円(同10.4%減)となりました。
b.売上総利益、販売費及び一般管理費、営業利益
売上総利益は409億53百万円(同3.5%増)となり、13億70百万円増加しました。
販売費及び一般管理費は345億83百万円(同3.5%増)となり、11億58百万円増加しました。
その結果、営業利益は63億70百万円(同3.4%増)となり、2億11百万円増加しました。
c.営業外損益、経常利益
営業外収益は17億24百万円(同9.2%減)となり、1億74百万円減少しました。
営業外費用は1億50百万円(同163.7%増)となり、93百万円増加しました。
その結果、経常利益は79億44百万円(同0.7%減)、56百万円減少しました。
d.特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益は2億1百万円(同50.5%減)となり、2億5百万円減少しました。
特別損失は5億71百万円(同51.9%減)となり、6億15百万円減少しました。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は75億73百万円(同4.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は50億21百万円(同1.7%減)となりました。
当連結会計年度における財政状態と、資産及び負債、純資産の主な増減は、以下のとおりであります。
e. 資産
流動資産については、商品及び製品は52億68百万円増加し、未収入金が増加したこと等によりその他は4億44百万円増加しましたが、現金及び預金は62億16百万円減少し、受取手形及び売掛金は20億56百万円減少しました。
その結果、流動資産は1,819億63百万円となり、34億94百万円減少しました。
有形固定資産及び無形固定資産については、減価償却による減少27億66百万円、減損損失による減少2億70百万円等がありましたが、資産取得により52億58百万円増加し、合計としては21億87百万円増加しました。投資有価証券は、株価上昇により含み益が22億60百万円増加等し、合計としては42億72百万円増加しました。
その結果、固定資産は1,080億18百万円となり、67億39百万円増加しました。
f. 負債
流動負債については、未払法人税等が4億79百万円増加しましたが、支払手形及び買掛金が29億92百万円減少し、電子記録債務が1億87百万円減少しました。
その結果、流動負債は1,308億99百万円となり、34億93百万円減少しました。
固定負債については、主に、投資有価証券の含み益の増加等により繰延税金負債が11億15百万円増加しました。
その結果、固定負債は131億97百万円となり、9億77百万円増加しました。
g. 純資産
純資産については、剰余金の配当により7億31百万円減少しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益により50億21百万円増加し、利益剰余金が42億90百万円増加しました。自己株式取得による8百万円減少がありましたが、株主資本は42億81百万円増加しました。その他の包括利益累計額合計は、その他有価証券評価差額金が12億78百万円増加、退職給付に係る調整累計額が39百万円増加し、13億18百万円増加しました。
その結果、純資産は1,458億84百万円となり、57億60百万円増加し、純資産比率は50.3%と前連結会計年度末より1.4ポイント増加しました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、営業活動により8億27百万円増加、投資活動により61億68百万円減少、財務活動により8億75百万円減少となりました。
この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ62億16百万円減少し、371億71百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローはプラス8億27百万円(前年同期比71億80百万円減)となりました。
これは主に、減少要因として、棚卸資産の増加52億68百万円、仕入債務の減少31億79百万円がありましたが、増加要因として、税金等調整前当期純利益75億73百万円、売上債権の減少20億14百万円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローはマイナス61億68百万円(同26億34百万円増)となりました。
これは主に、増加要因として、有価証券の償還による収入10億円、有形及び無形固定資産の売却による収入1億円、貸付金の回収による収入2億31百万円がありましたが、減少要因として、有形及び無形固定資産の取得による支出51億37百万円、投資有価証券の取得による支出22億60百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローはマイナス8億75百万円(同69百万円減)となりました。
これは主に、配当金の支払額7億31百万円、リース債務の返済による支出1億12百万円があったこと等によるものであります。
以上の結果により、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ62億16百万円減少し、371億71百万円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a. 商品仕入実績
当社グループはセグメント情報の記載を省略しておりますが、事業別の業績を示すと次のとおりであります。
当連結会計年度の商品仕入実績を事業ごとに示すと、次のとおりであります。
b. 販売実績
当社グループはセグメント情報の記載を省略しておりますが、事業別の業績を示すと次のとおりであります。
当連結会計年度の販売実績を事業ごとに示すと、次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの主力である医療用医薬品事業におきましては、薬価の中間年改定の実施により、2018年度以降7年連続となる薬価改定が行われる中、商材の仕入価格、光熱費、及び運送費用などの事業運営コストの上昇もあり厳しい状況が続きました。
このような経営環境の下、中期経営計画「Eureka!(ユリーカ!)」の初年度に臨み、グループ各社は成長戦略の実現に取り組んでまいりました。
当連結会計年度におきましては、3件の出資を行いました。5月、バイオテック領域を中心に、メドテック・ヘルステック領域に投資するファストトラックイニシアティブ4号ファンド(東京都文京区)へ出資を決定しました。長期的視野に立ち、関連当事者と良好な関係を構築することで新たな事業展開に繋げてまいります。7月、ナチュラル株式会社とナチュラルブレスト株式会社(ともに本社 福岡市)に出資し、両社を完全子会社としました。ナチュラル社は一般用・医療用ウィッグの販売、及び直営サロンを運営しています。ナチュラルブレスト社は乳がん患者向けの人工乳房と人工ニップルを製造・販売しています。両社は当社の経営理念との親和性が高く、協業が双方の成長に繋がると判断しました。11月には株式会社IFJ(本社 沖縄県豊見城市)に出資し、完全子会社としました。同社は医療機器製造販売業等の許認可を持ち、医療機器の輸出入だけでなく、沖縄県での企業誘致や医療機器開発人材の育成に寄与してきました。今後、両社の強みを融合して新製品開発から販売、輸出入まで一気通貫で医療課題を解決・支援する体制を構築し、新たなビジネスチャンスを創出します。
株式会社アステム(本社 大分市)は2件の出資を行いました。8月、株式会社ブリッジ(本社 東京都文京区)に追加出資し、同社はアステムの子会社となりました。今後はさらに強固な関係のもと、アステムが強みとする地域医療者とのネットワークを最大限に活用し、地域医療の課題解決に資する事業展開を加速させます。1月にはMedical Development Support 2号投資事業有限責任組合(横浜市)へ出資を決定しました。同組合を通じて医療機器を中心としたベンチャー企業への出資を行い、株式公開のキャピタルゲインはもとより、有望な商品の販売権取得やアカデミアとより強固な関係を構築し、新たな利益獲得に向けて取り組んでまいります。
また、株式会社リードヘルスケア(本社 福岡市)は神戸大学共同研究講座(神戸市)に同社の研究開発を委託しました。同講座では画期的な髪質改善技術を研究しており、特許取得後は共同の特許権者となり、ライセンス収入や特許原料を配合した製品の優先販売権の獲得などの成果が期待されます。
一方、経営管理面におきましては、中計の取り組み方針である「インフレ対策!生産性革命と評価・報酬革命」実現に向け、基幹システムの刷新、拠点の統廃合、AIによる社内Q&Aシステム導入など業務効率化を図りました。また、高まるランサムウェアの脅威や情報漏洩リスクへの防御力を高めるため、世界で多数の導入実績を持つデータ管理ツールBox®を導入しました。「人的資本!社員エンゲージメントの確立」に向けては、管理職の年俸を評価体系の改定に合わせたメリハリのある報酬体系へと変更しました。加えて受講するコースを社員自ら選べるカフェテリア研修の予算を拡充し、自ら学びレベルアップを志向する社員のニーズに応えました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は5,104億56百万円(前期比1.1%増)、売上総利益は409億53百万円(同3.5%増)といずれも前期を上回りました。販売費及び一般管理費は345億83百万円(同3.5%増)で、営業利益は63億70百万円(同3.4%増)、経常利益は79億44百万円(同0.7%減)と前年と同水準の決算となりました。税金等調整前当期純利益は75億73百万円(同4.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は50億21百万円(同1.7%減)となりました。
a.医薬品等卸販売事業
医療用医薬品分野
医療用医薬品分野におきましては、「Eureka!」に掲げる成長戦略実現に向けて、病院市場、ワクチン市場、メディカル市場の3市場に注力しました。特に、ワクチン市場においては、新規公費助成品目の拡大や新型コロナワクチンの定期接種もあり、前年度より実績が大きく伸長しました。流通改善ガイドラインに単品単価交渉を明記された「別枠品」に関しては、医療機関に対する丁寧な説明と粘り強い交渉の結果、価格水準の改善に至り製品価値を維持することができました。また、5月には新基幹システム「ロジスⅣ」への切替えを実施しましたが、社内における周到な事前準備と取引先への入念な説明により、大きな混乱もなく稼働させることができました。
医療機器等分野
医療機器分野におきましては、6月の診療報酬改定による材料価格の引き下げや、仕入原価の高止まり、為替変動によるコスト増加が未だ続いています。この厳しい市況の中、少しでも利益増加が見込める商材へ取り扱い品目を集約したことにより、消耗品の実績は前年並みを維持することができ、器械品については案件毎のステータス管理を徹底した営業活動により、販売実績を伸長させることができました。結果、売上高及び売上総利益は前年度を上回りました。
R&D分野
R&D分野におきましては、総発売元商品の全国販売網を構築するため、国内の医薬品・医療機器卸売企業約30社と取引を開始しました。また、商品価値とその認知度向上を目的として、4月には日本外科学会、6月には日本呼吸器外科学会へ商品を出展しました。11月の日本消化器関連学会週間(JDDW)ではポスター発表、12月の日本内視鏡外科学会総会(JSES)においてはランチョンセミナーを開催するなど、関係学会との連携を強化することができました。
一般用医薬品分野
一般用医薬品分野におきましては、サプライチェーン全般にわたるコスト増加に伴い、大手企業によるセンターフィーの値上げ圧力が高まりました。また、インフレ環境下において消費者の生活防衛意識が高まり、買い控え行動が広がっています。このような状況下、取引先に対する適正な価格転嫁に向けた粘り強い交渉と、自社物流拠点の見直しによるコスト適正化を進めました。さらには付加価値を訴求したバリュープライシングの取り組みを強化したことにより売上は減少しましたが増益とすることができました。
動物用医薬品及び食品等分野
動物用医薬品分野におきましては、依然として飼料価格の高騰や資器材の値上げにより畜水産業の経営が圧迫され、価格に対する圧力が強まる厳しい状況で推移しました。CA分野では、サービス向上を目的に休日出荷体制の構築に取り組みましたが、メーカー商流の変更により当初の目的を達することができず実績は前年を下回りました。
食品等分野におきましては、柑橘類等の不作により苦戦しましたが、新規農産原料及び海外原料の販売拡大に取り組み、実績は前年を上回ることができました。ライフサイエンス分野では、半導体周辺市場の成長を背景に、化学品市場の需要を取り込むことで堅調に推移しました。これらの結果、事業全体としては過去最高の売上高を更新することができました。
これらの結果、医薬品等卸販売事業全体としては、売上高は5,102億22百万円(前期比1.1%増)、営業利益は63億49百万円(同3.4%増)と、増収増益となりました。
b.その他事業
その他事業では、売上高は2億33百万円(前期比10.4%減)、営業利益は20百万円(前期比17.1%増)となりました。
今期、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な連結経営指標としましては、売上高5,305億40百万円(前期比3.9%増)、営業利益58億50百万円(前期比8.2%減)、経常利益72億70百万円(前期比8.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益46億83百万円(前期比6.7%減)を目標といたしました。これを達成するため、四半期ごとに、事業戦略会議を開催し、達成状況の把握・分析、及び具体的な対応の決定を行っております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、満期保有目的の債券、子会社株式の取得、並びに、設備投資によるものであります。重要な資本的支出の予定は、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載しているとおりであり、自己資金にてその財源と致します。また、グループ各社における余剰資金の一元管理を図り、資金効率の向上と金融費用の削減を目的として、CMS(キャッシュマネジメントシステム)を導入しており、グループ内の資金融通を行っております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は、リース債務1億93百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、371億71百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。
その作成には、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。当社グループは、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「重要な会計上の見積り」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
a.収益の認識
当社グループの中心である医薬品卸売事業におきまして、医薬品としての特性上、価格交渉が未妥結のうちに発注、納品が完了し、売上高が計上されます。暫定的な価格を合理的に見積り売上計上しておりますが、価格妥結時点において売上高の修正を行う場合があります。
妥結の早期化と合理的な暫定価格による売上計上に努めておりますが、妥結までの期間が長期化し、決定価格が暫定価格を大幅に下回った場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
b. 貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。お得意さまの財務状況が悪化し、支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
c. 退職給付に係る会計処理の方法
退職給付債務及び退職給付費用は、数理計算上で設定される割引率、将来の給与水準、退職率、死亡率及び年金資産の期待運用収益率等の前提条件に基づいて算出されております。
割引率は、退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率を使用し算出しております。期待運用収益率は年金資産が投資されている資産の期待収益率に基づいて算出されます。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響額は未認識数理計算上の差異として蓄積され、将来にわたって規則的に処理されます。したがって、将来認識される退職給付債務及び退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
d. 有形・無形固定資産の減損
当社グループは、事業の維持・発展のために有形及び無形の固定資産を有しております。固定資産の減損会計は資産のグルーピングや割引前キャッシュ・フローの総額等を、各企業の固有の事情を反映した合理的な仮定及び予測に基づいて算出しております。将来の地価下落や収益性の低下により、減損処理が追加で必要になった場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
e. 投資有価証券の減損
当社グループは、取引の円滑な遂行や取引関係の維持のため、株式等を所有するケースがあります。市場価格のある株式については、決算日の市場価格が帳簿価額よりも30%以上下落した場合には減損の必要性を検討し、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。市場価格のない株式については、当該発行体の純資産に占める持分相当額(実質価額)が帳簿価額よりも30%以上下落した場合には減損の必要性を検討し、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。将来の市況悪化や投資先の業績不振により損失の計上が必要となり、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは医療用医薬品、一般用医薬品、動物用医薬品、医療機器等の卸販売事業ならびにその他事業を行っておりますが、卸販売事業を中心としたほぼ単一のセグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における経営成績と、前連結会計年度との主な増減は、以下のとおりであります。
a.売上
売上高は5,104億56百万円(前年同期比1.1%増)となりました。
部門別の状況につきましては、医薬品等卸販売事業は5,102億22百万円(同1.1%増)、その他事業では2億33百万円(同10.4%減)となりました。
b.売上総利益、販売費及び一般管理費、営業利益
売上総利益は409億53百万円(同3.5%増)となり、13億70百万円増加しました。
販売費及び一般管理費は345億83百万円(同3.5%増)となり、11億58百万円増加しました。
その結果、営業利益は63億70百万円(同3.4%増)となり、2億11百万円増加しました。
c.営業外損益、経常利益
営業外収益は17億24百万円(同9.2%減)となり、1億74百万円減少しました。
営業外費用は1億50百万円(同163.7%増)となり、93百万円増加しました。
その結果、経常利益は79億44百万円(同0.7%減)、56百万円減少しました。
d.特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益は2億1百万円(同50.5%減)となり、2億5百万円減少しました。
特別損失は5億71百万円(同51.9%減)となり、6億15百万円減少しました。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は75億73百万円(同4.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は50億21百万円(同1.7%減)となりました。
当連結会計年度における財政状態と、資産及び負債、純資産の主な増減は、以下のとおりであります。
e. 資産
流動資産については、商品及び製品は52億68百万円増加し、未収入金が増加したこと等によりその他は4億44百万円増加しましたが、現金及び預金は62億16百万円減少し、受取手形及び売掛金は20億56百万円減少しました。
その結果、流動資産は1,819億63百万円となり、34億94百万円減少しました。
有形固定資産及び無形固定資産については、減価償却による減少27億66百万円、減損損失による減少2億70百万円等がありましたが、資産取得により52億58百万円増加し、合計としては21億87百万円増加しました。投資有価証券は、株価上昇により含み益が22億60百万円増加等し、合計としては42億72百万円増加しました。
その結果、固定資産は1,080億18百万円となり、67億39百万円増加しました。
f. 負債
流動負債については、未払法人税等が4億79百万円増加しましたが、支払手形及び買掛金が29億92百万円減少し、電子記録債務が1億87百万円減少しました。
その結果、流動負債は1,308億99百万円となり、34億93百万円減少しました。
固定負債については、主に、投資有価証券の含み益の増加等により繰延税金負債が11億15百万円増加しました。
その結果、固定負債は131億97百万円となり、9億77百万円増加しました。
g. 純資産
純資産については、剰余金の配当により7億31百万円減少しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益により50億21百万円増加し、利益剰余金が42億90百万円増加しました。自己株式取得による8百万円減少がありましたが、株主資本は42億81百万円増加しました。その他の包括利益累計額合計は、その他有価証券評価差額金が12億78百万円増加、退職給付に係る調整累計額が39百万円増加し、13億18百万円増加しました。
その結果、純資産は1,458億84百万円となり、57億60百万円増加し、純資産比率は50.3%と前連結会計年度末より1.4ポイント増加しました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、営業活動により8億27百万円増加、投資活動により61億68百万円減少、財務活動により8億75百万円減少となりました。
この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ62億16百万円減少し、371億71百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローはプラス8億27百万円(前年同期比71億80百万円減)となりました。
これは主に、減少要因として、棚卸資産の増加52億68百万円、仕入債務の減少31億79百万円がありましたが、増加要因として、税金等調整前当期純利益75億73百万円、売上債権の減少20億14百万円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローはマイナス61億68百万円(同26億34百万円増)となりました。
これは主に、増加要因として、有価証券の償還による収入10億円、有形及び無形固定資産の売却による収入1億円、貸付金の回収による収入2億31百万円がありましたが、減少要因として、有形及び無形固定資産の取得による支出51億37百万円、投資有価証券の取得による支出22億60百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローはマイナス8億75百万円(同69百万円減)となりました。
これは主に、配当金の支払額7億31百万円、リース債務の返済による支出1億12百万円があったこと等によるものであります。
以上の結果により、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ62億16百万円減少し、371億71百万円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a. 商品仕入実績
当社グループはセグメント情報の記載を省略しておりますが、事業別の業績を示すと次のとおりであります。
当連結会計年度の商品仕入実績を事業ごとに示すと、次のとおりであります。
| 事業の名称 | 仕入高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 医薬品等卸販売事業 | 469,430 | 100.9 |
| その他事業 | 73 | 77.1 |
| 合計 | 469,503 | 100.9 |
b. 販売実績
当社グループはセグメント情報の記載を省略しておりますが、事業別の業績を示すと次のとおりであります。
当連結会計年度の販売実績を事業ごとに示すと、次のとおりであります。
| 事業の名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 医薬品等卸販売事業 | 510,222 | 101.1 |
| その他事業 | 233 | 89.6 |
| 合計 | 510,456 | 101.1 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの主力である医療用医薬品事業におきましては、薬価の中間年改定の実施により、2018年度以降7年連続となる薬価改定が行われる中、商材の仕入価格、光熱費、及び運送費用などの事業運営コストの上昇もあり厳しい状況が続きました。
このような経営環境の下、中期経営計画「Eureka!(ユリーカ!)」の初年度に臨み、グループ各社は成長戦略の実現に取り組んでまいりました。
当連結会計年度におきましては、3件の出資を行いました。5月、バイオテック領域を中心に、メドテック・ヘルステック領域に投資するファストトラックイニシアティブ4号ファンド(東京都文京区)へ出資を決定しました。長期的視野に立ち、関連当事者と良好な関係を構築することで新たな事業展開に繋げてまいります。7月、ナチュラル株式会社とナチュラルブレスト株式会社(ともに本社 福岡市)に出資し、両社を完全子会社としました。ナチュラル社は一般用・医療用ウィッグの販売、及び直営サロンを運営しています。ナチュラルブレスト社は乳がん患者向けの人工乳房と人工ニップルを製造・販売しています。両社は当社の経営理念との親和性が高く、協業が双方の成長に繋がると判断しました。11月には株式会社IFJ(本社 沖縄県豊見城市)に出資し、完全子会社としました。同社は医療機器製造販売業等の許認可を持ち、医療機器の輸出入だけでなく、沖縄県での企業誘致や医療機器開発人材の育成に寄与してきました。今後、両社の強みを融合して新製品開発から販売、輸出入まで一気通貫で医療課題を解決・支援する体制を構築し、新たなビジネスチャンスを創出します。
株式会社アステム(本社 大分市)は2件の出資を行いました。8月、株式会社ブリッジ(本社 東京都文京区)に追加出資し、同社はアステムの子会社となりました。今後はさらに強固な関係のもと、アステムが強みとする地域医療者とのネットワークを最大限に活用し、地域医療の課題解決に資する事業展開を加速させます。1月にはMedical Development Support 2号投資事業有限責任組合(横浜市)へ出資を決定しました。同組合を通じて医療機器を中心としたベンチャー企業への出資を行い、株式公開のキャピタルゲインはもとより、有望な商品の販売権取得やアカデミアとより強固な関係を構築し、新たな利益獲得に向けて取り組んでまいります。
また、株式会社リードヘルスケア(本社 福岡市)は神戸大学共同研究講座(神戸市)に同社の研究開発を委託しました。同講座では画期的な髪質改善技術を研究しており、特許取得後は共同の特許権者となり、ライセンス収入や特許原料を配合した製品の優先販売権の獲得などの成果が期待されます。
一方、経営管理面におきましては、中計の取り組み方針である「インフレ対策!生産性革命と評価・報酬革命」実現に向け、基幹システムの刷新、拠点の統廃合、AIによる社内Q&Aシステム導入など業務効率化を図りました。また、高まるランサムウェアの脅威や情報漏洩リスクへの防御力を高めるため、世界で多数の導入実績を持つデータ管理ツールBox®を導入しました。「人的資本!社員エンゲージメントの確立」に向けては、管理職の年俸を評価体系の改定に合わせたメリハリのある報酬体系へと変更しました。加えて受講するコースを社員自ら選べるカフェテリア研修の予算を拡充し、自ら学びレベルアップを志向する社員のニーズに応えました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は5,104億56百万円(前期比1.1%増)、売上総利益は409億53百万円(同3.5%増)といずれも前期を上回りました。販売費及び一般管理費は345億83百万円(同3.5%増)で、営業利益は63億70百万円(同3.4%増)、経常利益は79億44百万円(同0.7%減)と前年と同水準の決算となりました。税金等調整前当期純利益は75億73百万円(同4.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は50億21百万円(同1.7%減)となりました。
a.医薬品等卸販売事業
医療用医薬品分野
医療用医薬品分野におきましては、「Eureka!」に掲げる成長戦略実現に向けて、病院市場、ワクチン市場、メディカル市場の3市場に注力しました。特に、ワクチン市場においては、新規公費助成品目の拡大や新型コロナワクチンの定期接種もあり、前年度より実績が大きく伸長しました。流通改善ガイドラインに単品単価交渉を明記された「別枠品」に関しては、医療機関に対する丁寧な説明と粘り強い交渉の結果、価格水準の改善に至り製品価値を維持することができました。また、5月には新基幹システム「ロジスⅣ」への切替えを実施しましたが、社内における周到な事前準備と取引先への入念な説明により、大きな混乱もなく稼働させることができました。
医療機器等分野
医療機器分野におきましては、6月の診療報酬改定による材料価格の引き下げや、仕入原価の高止まり、為替変動によるコスト増加が未だ続いています。この厳しい市況の中、少しでも利益増加が見込める商材へ取り扱い品目を集約したことにより、消耗品の実績は前年並みを維持することができ、器械品については案件毎のステータス管理を徹底した営業活動により、販売実績を伸長させることができました。結果、売上高及び売上総利益は前年度を上回りました。
R&D分野
R&D分野におきましては、総発売元商品の全国販売網を構築するため、国内の医薬品・医療機器卸売企業約30社と取引を開始しました。また、商品価値とその認知度向上を目的として、4月には日本外科学会、6月には日本呼吸器外科学会へ商品を出展しました。11月の日本消化器関連学会週間(JDDW)ではポスター発表、12月の日本内視鏡外科学会総会(JSES)においてはランチョンセミナーを開催するなど、関係学会との連携を強化することができました。
一般用医薬品分野
一般用医薬品分野におきましては、サプライチェーン全般にわたるコスト増加に伴い、大手企業によるセンターフィーの値上げ圧力が高まりました。また、インフレ環境下において消費者の生活防衛意識が高まり、買い控え行動が広がっています。このような状況下、取引先に対する適正な価格転嫁に向けた粘り強い交渉と、自社物流拠点の見直しによるコスト適正化を進めました。さらには付加価値を訴求したバリュープライシングの取り組みを強化したことにより売上は減少しましたが増益とすることができました。
動物用医薬品及び食品等分野
動物用医薬品分野におきましては、依然として飼料価格の高騰や資器材の値上げにより畜水産業の経営が圧迫され、価格に対する圧力が強まる厳しい状況で推移しました。CA分野では、サービス向上を目的に休日出荷体制の構築に取り組みましたが、メーカー商流の変更により当初の目的を達することができず実績は前年を下回りました。
食品等分野におきましては、柑橘類等の不作により苦戦しましたが、新規農産原料及び海外原料の販売拡大に取り組み、実績は前年を上回ることができました。ライフサイエンス分野では、半導体周辺市場の成長を背景に、化学品市場の需要を取り込むことで堅調に推移しました。これらの結果、事業全体としては過去最高の売上高を更新することができました。
これらの結果、医薬品等卸販売事業全体としては、売上高は5,102億22百万円(前期比1.1%増)、営業利益は63億49百万円(同3.4%増)と、増収増益となりました。
b.その他事業
その他事業では、売上高は2億33百万円(前期比10.4%減)、営業利益は20百万円(前期比17.1%増)となりました。
今期、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な連結経営指標としましては、売上高5,305億40百万円(前期比3.9%増)、営業利益58億50百万円(前期比8.2%減)、経常利益72億70百万円(前期比8.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益46億83百万円(前期比6.7%減)を目標といたしました。これを達成するため、四半期ごとに、事業戦略会議を開催し、達成状況の把握・分析、及び具体的な対応の決定を行っております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、満期保有目的の債券、子会社株式の取得、並びに、設備投資によるものであります。重要な資本的支出の予定は、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載しているとおりであり、自己資金にてその財源と致します。また、グループ各社における余剰資金の一元管理を図り、資金効率の向上と金融費用の削減を目的として、CMS(キャッシュマネジメントシステム)を導入しており、グループ内の資金融通を行っております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は、リース債務1億93百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、371億71百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。
その作成には、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。当社グループは、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「重要な会計上の見積り」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
a.収益の認識
当社グループの中心である医薬品卸売事業におきまして、医薬品としての特性上、価格交渉が未妥結のうちに発注、納品が完了し、売上高が計上されます。暫定的な価格を合理的に見積り売上計上しておりますが、価格妥結時点において売上高の修正を行う場合があります。
妥結の早期化と合理的な暫定価格による売上計上に努めておりますが、妥結までの期間が長期化し、決定価格が暫定価格を大幅に下回った場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
b. 貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。お得意さまの財務状況が悪化し、支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
c. 退職給付に係る会計処理の方法
退職給付債務及び退職給付費用は、数理計算上で設定される割引率、将来の給与水準、退職率、死亡率及び年金資産の期待運用収益率等の前提条件に基づいて算出されております。
割引率は、退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率を使用し算出しております。期待運用収益率は年金資産が投資されている資産の期待収益率に基づいて算出されます。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響額は未認識数理計算上の差異として蓄積され、将来にわたって規則的に処理されます。したがって、将来認識される退職給付債務及び退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
d. 有形・無形固定資産の減損
当社グループは、事業の維持・発展のために有形及び無形の固定資産を有しております。固定資産の減損会計は資産のグルーピングや割引前キャッシュ・フローの総額等を、各企業の固有の事情を反映した合理的な仮定及び予測に基づいて算出しております。将来の地価下落や収益性の低下により、減損処理が追加で必要になった場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
e. 投資有価証券の減損
当社グループは、取引の円滑な遂行や取引関係の維持のため、株式等を所有するケースがあります。市場価格のある株式については、決算日の市場価格が帳簿価額よりも30%以上下落した場合には減損の必要性を検討し、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。市場価格のない株式については、当該発行体の純資産に占める持分相当額(実質価額)が帳簿価額よりも30%以上下落した場合には減損の必要性を検討し、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。将来の市況悪化や投資先の業績不振により損失の計上が必要となり、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは医療用医薬品、一般用医薬品、動物用医薬品、医療機器等の卸販売事業ならびにその他事業を行っておりますが、卸販売事業を中心としたほぼ単一のセグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。