有価証券報告書-第20期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/28 9:00
【資料】
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【項目】
139項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。また、当社グループは、投信投資顧問事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は8,704百万円となり、前連結会計年度末に比べ146百万円増加いたしました。うち、流動資産は352百万円増加し、7,737百万円となりました。これは主に現金及び預金が未収委託者報酬及び未収投資顧問報酬の回収等により266百万円、営業投資有価証券が新規取得により217百万円増加した一方、回収により未収委託者報酬が107百万円、前払費用が32百万円減少したことによるものであります。固定資産は967百万円となり、前連結会計年度末に比べ205百万円減少いたしました。これは主として減価償却により有形固定資産が173百万円、主として繰延税金資産の減少により投資その他の資産が37百万円減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は2,610百万円となり、前連結会計年度末に比べ851百万円減少いたしました。うち、流動負債が857百万円減少し、2,432百万円となりました。これは主に前連結会計年度末計上の広告宣伝費の支払いにより未払金が303百万円、募集等受入金の減少等により預り金が188百万円、法人税等の納付により未払法人税等が361百万円減少したことによるものであります。固定負債は177百万円となり、前連結会計年度末に比べ5百万円増加いたしました。これは主に退職給付に係る負債の計上により5百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は6,094百万円となり、前連結会計年度末に比べ998百万円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金1,087百万円の計上、非支配株主持分の増加300百万円、利益剰余金の配当による減少396百万円によるものであります。
② 経営成績の状況
2022年度の日経平均株価は上値の重い展開で始まりました。欧米を中心にインフレが後退する兆しは見られず金利は一段と上昇し、欧米中銀がタカ派姿勢を強める一方で日銀は金融緩和姿勢を継続したため、中銀政策の違いから為替市場では急速に円安進行しました。日銀のハト派姿勢や円安基調がポジティブ視された影響で日本株は欧米株に対してはアウトパフォームする局面が目立ちましたが、株式市場自体はインフレ高進を背景に冴えない展開が続きました。6月に入ると、欧米マクロ指標やインフレ指標の下振れが目立ち始めたほか、景気減速懸念から原油も軟調となってインフレのピークアウト期待が高まり金利高が一服したことで、株式市場は反発し、日経平均株価は8月半ばに1月以来となる29,000円を回復しました。しかし、再び欧米のインフレ指標が強い結果となり金利はすぐに反発し、株安の展開に戻りました。世界的な金利上昇と共に為替市場ではドル買いが進行したことから、9月に財務省は円買い介入を行いましたが効果は限定的で、10月に米ドル/円は152円と24年ぶりの水準まで円安進行しました。英国の大幅減税発表による財政不安も加わって欧州でも金利が急騰、株売りは10月頭まで続き、米国の主要株価指数は年初来安値を更新していきました。その後、英国が減税計画を撤回したことに加え、FRBメンバーからはハト派コメントも出始めて金利がようやく上げ止まり、株売りは一服しました。そして、11月半ばに発表された米国CPIは予想以上に鈍化してインフレのピークアウト期待が再燃したことで株式市場は底堅い動きを見せます。しかし11月後半に入ると、米国の冴えないマクロ指標が相次いだことや、中国でのコロナ感染拡大を背景にした景気減速懸念が株式市場の重石となりました。更には、12月20日に行われた日銀の金融政策決定会合では、長期金利の変動許容幅を従来の±0.25%から±0.5%に変更と実質的な利上げを決定したことで、円高と共に日本株は売り込まれ、年が明けた1月4日には終値ベースでの年度来安値を更新しました。それでもその後は欧米を中心としたインフレのピークアウト期待や景気の急速な落ち込み回避の期待、中国コロナ懸念の後退などを背景に世界的に株高基調となりました。日銀の政策修正懸念も徐々に落ち着き、3月に入ると日経平均株価は8月以来の高値水準を回復しましたが、米国中堅銀行のシリコンバレー銀行発の信用不安を背景に株買いの流れは続かず、年度末の日経平均株価は28,041.48円と前年度比+0.8%の小幅高となりました。一年を通すと概ね3,000円の狭いレンジ内での動意に欠ける展開に終始し、実に2年以上に渡って小動き商状が続いています。
※日経平均株価に関する著作権、知的財産権その他一切の権利は株式会社日本経済新聞社に帰属します。
一方で、投資信託協会が公表する「投資信託概況」によれば、株式投信の当連結会計年度末の純資産総額は、前連結会計年度末から2.2%増の152兆2,321億円、株式投信(除ETF)の当連結会計年度末の純資産総額は、前連結会計年度末から2.1%増の88兆9,358億円となりました。
このような市場環境において、当社の運用戦略である「守りながらふやす運用」を心がけつつ、オンライン・対面を問わず、様々なセミナーを中心に数多くのお客様とのリレーションを深めていったことや、2021年1月に開設したYouTubeチャンネル『お金のまなびば!』でお金や投資について幅広く発信し、チャンネル登録者数を2023年3月末時点で21.5万人まで伸ばす等、幅広い層への「ひふみ」ブランドの認知度向上を目指して積極的に広告宣伝投資を行いましたが、投資マインドの冷え込みにより新規顧客の獲得に苦戦したため、直接販売する「ひふみ投信」、「ひふみワールド」及び「ひふみらいと」のいずれかを保有する顧客数は当連結会計年度末には62,402名となり、前連結会計年度末の63,777名から1,375名の減少となりました。
また、引き続き、当社の経営理念と運用哲学に共感していただける販売パートナー開拓を継続し、「ひふみプラス」及び「ひふみワールド+(プラス)」に加え、2021年3月から運用を開始した「まるごとひふみ」(まるごとひふみ15、まるごとひふみ50、まるごとひふみ100の総称。以下同じ)の販売網拡大に努め、間接販売である「ひふみ」シリーズの当連結会計年度末の取扱い社数は延べ257社(「まるごとひふみ」についてはいずれかを取り扱う販売パートナーを1社と数えています)となりました。
この結果、当連結会計年度の投資信託の純流入額(設定額から解約額を控除した金額)は304億円となって当連結会計年度末における運用資産残高は、前連結会計年度末から3.3%増の1兆1,443億円となり、営業収益は前期比1.9%増の9,660百万円となりました。
営業費用及び一般管理費は、新たな人員の採用による人件費の増加や『お金のまなびば!』などの動画制作による減価償却費の増加等により前期比6.9%増の8,049百万円となり、営業利益は前期比17.5%減の1,610百万円、為替差益などの営業外収益の計上により経常利益は前期比17.4%減の1,625百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比16.6%減の1,087百万円となりました。なお、当社は、投信投資顧問事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出等の要因により一部相殺されたものの、税金等調整前当期純利益が1,625百万円計上されたこと等により、前連結会計年度末に比べ266百万円増加し当連結会計年度末には2,105百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は912百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が1,625百万円、減価償却費が552百万円及び未収委託者報酬の減少107百万円、営業投資有価証券の増加218百万円、預り金の減少188百万円、法人税等の支払額886百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は578百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出452百万
円、無形固定資産の取得による支出127百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は66百万円となりました。これは主に、非支配株主からの払込330百万円による収入及び配当金の支払い396百万円によるものであります。
④ 営業の実績
(ア)営業収益の実績
当社グループは投信投資顧問事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の営業収益の実績は次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
投信投資顧問事業9,660,236101.9

(イ)運用資産残高の実績
当社グループは、主として、投信投資顧問事業を行っており、営業収益は、投資信託の運用から得られる委託者報酬と投資一任契約等による投資顧問報酬の2種類の収入によって構成されています。委託者報酬及び投資顧問報酬は、運用資産の残高に一定率を掛け合わせることで算定されます。投資顧問業務の一部では、運用成績に応じて発生する成功報酬がありますが、成功報酬が発生する運用資産残高は、当社グループの運用資産残高のごく一部です。
したがって、当社グループにとって最も重要な経営指標は、収益の源泉である運用資産残高となります。当社グループの2019年3月末以降の投資信託委託業務及び投資顧問業務における運用資産残高実績は次のとおりであります。なお、日本円建て以外の運用資産残高を日本円に換算する際には、それぞれの時点における月末為替レートを用いております。
(単位:億円)
2019年3月末2020年3月末2021年3月末2022年3月末2023年3月末
公募投資信託
(直接販売)
1,3071,1931,7631,8641,885
公募投資信託
(間接販売)
6,2565,3716,6998,1698,414
私募投資信託8251665215
投資信託合計7,6466,6168,52910,08610,315
投資顧問合計1,0708551,0799931,127
全社合計8,7167,4719,60811,07911,443

(注)当該数値は、東陽監査法人による監査を受けておりません。
2023年3月末の運用資産残高の状況については、マーケット環境が芳しくない中、全体で1,882億円の設定額となり、純流入額は392億円と堅調に推移しましたが、通期で基準価額が伸び悩んだため、投資信託委託業務及び投資顧問業務における運用資産残高は前連結会計年度末比3.3%増の1兆1,443億円の着地となりました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであり、翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響は、翌連結会計年度以降においても同様に影響を及ぼす可能性があります。
② 経営成績等の分析
(営業収益)
2023年3月末における運用資産残高は2022年3月末から3.3%増の1兆1,443億円となり、営業収益は9,660百万円となりました。
(営業費用及び一般管理費、営業利益)
営業費用及び一般管理費については、委託者報酬の増加に伴う支払手数料の増加や新たな人材の採用による人件費の増加によって8,049百万円となり、営業利益は1,610百万円となりました。
(営業外損益、経常利益)
為替差益などの営業外収益の計上により経常利益は1,625百万円となりました。
(特別損益、法人税等合計、親会社株主に帰属する当期純利益)
特別損益の計上はなく、賃上げ促進税制による税額控除の適用によって法人税等合計は560百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は1,087百万円となりました。
③ 財政状態の分析及びキャッシュ・フローの状況の分析
財政状態の分析及びキャッシュ・フローの状況の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要① 財政状態の状況及び③ キャッシュ・フローの状況」に記載の通りです。
④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
当社グループの主な資金需要は、事業活動の維持拡大に必要な事業資金及び設備投資資金、顧客分別金信託の追加設定に必要な資金であります。主な設備投資については、「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」に記載のとおりです。必要な資金については、原則自己資金を基本方針としておりますが、顧客分別金信託の追加設定に必要な資金が生じた場合には金融機関からの短期借入で賄います。
⑤ 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析について
当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、「(1)経営成績等の状況の概要 ④ 営業の実績 (イ)運用資産残高の実績」に記載のとおり、運用資産残高であります。運用資産残高の概要・分析については、当該項目をご参照ください。

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