有価証券報告書-第21期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/26 10:00
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141項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。また、当社グループは、投信投資顧問事業(2024年4月1日よりセグメント名を投資運用事業に変更しております。以下同じ。)の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は11,211百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,506百万円増加いたしました。うち、流動資産は2,160百万円増加し、9,897百万円となりました。これは主に現金及び預金が上場による資金調達や未収委託者報酬及び未収投資顧問報酬の回収等により1,463百万円、未収委託者報酬が408百万円、顧客分別金信託が300百万円増加したことによるものであります。固定資産は1,313百万円となり、前連結会計年度末に比べ346百万円増加いたしました。これは主に有形固定資産が383百万円増加した一方、ソフトウエアが減少したことにより無形固定資産が43百万円減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は4,000百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,389百万円増加いたしました。うち、流動負債が1,232百万円増加し、3,665百万円となりました。これは主に募集等受入金の増加等により預り金が825百万円、未払法人税等が222百万円、支払手数料等の増加により未払費用が149百万円増加したことによるものであります。固定負債は335百万円となり、前連結会計年度末に比べ157百万円増加いたしました。これは主に資産除去債務が131百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は7,210百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,116百万円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金1,313百万円の計上、上場による資金調達等によって資本金が222百万円、資本剰余金が222百万円増加したことによるものであります。
② 経営成績の状況
当期の日経平均株価は力強いスタートとなりました。2022年末の日銀の政策修正や東証の低PBR株へのテコ入れ期待を背景に日本のバリュー株への関心が高まっていましたが、そこにウォーレン・バフェット氏の日本株の追加投資検討報道も加わり海外投資家による日本株買いが断続的に入り、6月には33,772円と1990年来の高値まで上昇しました。海外市場は中国や香港株こそ景気減速懸念から軟調でしたが、欧米株はFRBの利上げ停止期待やAI関連を中心としたハイテク株買いを牽引役に堅調に推移しました。
しかし8月に入ると債務上限問題などを背景にした米国債格下げや、FRBメンバーがインフレ率は依然高いと警告する中で金利上昇、株売りの動きとなりました。産油国の減産姿勢から原油が急騰するなどインフレ懸念が再燃し、10月まで世界的に金利高、株安が進み、日経平均株価は30,487円まで売り込まれました。それでも11月に入ると欧米ではインフレ指標が鈍化、中銀メンバーもハト派色が強まり始め、金利低下、株高に転じ、欧米の主要株価指数は夏場に付けていた年初来高値を更新して年末を迎えました。
一方、日本株においては年前半に大きく上昇したバリュー株への戻り売りや、日銀のゼロ金利政策解除警戒を背景にした円高反転などが重石となり、2023年後半の日経平均株価は揉み合い商状に終始しました。しかし2024年に入ると日本株が力強い動きにシフトします。年始に発生した震災を受け、日銀によるゼロ金利解除が後ズレするとの期待が広がったことから急速に円安が進行し、日経平均株価も大きく上昇しました。
米国では新年以降、物価指標の上振れが目立ち始め、FRBメンバーのハト派姿勢も後退し、金利はジリ高歩調を辿ったものの、好調な企業決算や根強いAI分野の拡大期待、そして何れは利下げサイクルに入るとの楽観的な見方から株式市場は堅調推移を続け、米国主要株価指数は史上最高値を更新していきました。
底堅い経済活動や金融政策への楽観的な見方などからグローバルで株高環境となる中、日経平均株価は2月に1989年来となる史上最高値更新し、3月には4万円を突破しました。その後、日銀は17年ぶりに利上げを決定しマイナス金利政策は廃止されたものの、多くの事前観測報道によって地均しが進んでいたために株売り反応とはならず、日経平均株価は4万円の大台を維持して期末を迎えました。
※日経平均株価に関する著作権、知的財産権その他一切の権利は株式会社日本経済新聞社に帰属します。
一方で、一般社団法人投資信託協会が公表する「投資信託概況」によれば、株式投信の当連結会計年度末の純資産総額は、前連結会計年度末から38.6%増の211兆476億円、株式投信(除ETF)の当連結会計年度末の純資産総額は、前連結会計年度末から36.6%増の121兆4,779億円となりました。
このような市場環境に加え、2024年1月から開始した新NISA制度による投資への関心の高まりを踏まえ、オンライン・対面を問わず、様々なセミナーを中心に数多くのお客様とのリレーションを深めていきました。国内株式市場が好調で、基準価額の上昇による利益確定のためと思われる解約も増加しましたが、幅広い層への「ひふみ」ブランドの認知度向上を目指し、2024年3月末時点でチャンネル登録者数27.1万人を擁するYouTubeチャンネル『お金のまなびば!』でお金や投資について幅広く発信するとともに、効率的な広告投資を実施することで、新規獲得口座開設数は増加しました。この結果、直接販売する「ひふみ投信」、「ひふみワールド」及び「ひふみらいと」のいずれかを保有する当連結会計年度末の顧客数は、前連結会計年度末の62,402名とほぼ同水準の62,417名となりました。
また、引き続き、当社の経営理念と運用哲学に共感していただける販売パートナー開拓を継続し、「ひふみプラス」、「ひふみワールド+(プラス)」及び「まるごとひふみ」(まるごとひふみ15、まるごとひふみ50、まるごとひふみ100の総称。以下同じ)に加え、2024年3月からは、日本国内の小型株に投資する「ひふみマイクロスコープpro」の運用を開始し、販売網拡大に努めたことから、間接販売である「ひふみ」シリーズの当連結会計年度末の取扱い社数は延べ280社(「まるごとひふみ」についてはいずれかを取り扱う販売パートナーを1社と数えています)となりました。
この結果、当連結会計年度の投資信託の純流出額(解約額から設定額を控除した金額)は1,460億円となりましたが、基準価額の上昇によって当連結会計年度末における運用資産残高は、前事業年度末から19.6%増の1兆3,688億円となり、営業収益は前期比6.7%増の10,309百万円となりました。
営業費用及び一般管理費は、間接販売による販売パートナーへの支払手数料の増加や新たな人員の採用による人件費の増加により前期比6.0%増の8,529百万円となり、営業利益は前期比10.5%増の1,780百万円、為替差益などの営業外収益の計上により経常利益は前期比10.6%増の1,797百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比20.8%増の1,313百万円となりました。なお、当社グループは、投信投資顧問事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ1,463百万円増加し、3,568百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益が1,797百万円、減価償却費が470百万円、支払手数料の増加等により未払費用の増加による収入が149百万円、募集等受入金の増加等により預り金の増加による収入が825百万円となった一方、顧客分別金信託の増加による支出が300百万円、未収委託者報酬の増加による支出が408百万円、法人税等の支払額が398百万円となったこと等により、営業活動によるキャッシュ・フローは2,236百万円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出が551百万円、無形固定資産の取得による支出が104百万円となったこと等により、投資活動によるキャッシュ・フローは655百万円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
上場による資金調達等により株式の発行による収入445百万円、配当金の支払額が562百万円あったことにより、財務活動によるキャッシュ・フローは116百万円の支出となりました。
④ 営業の実績
(ア)営業収益の実績
当社グループは投信投資顧問事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の営業収益の実績は次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
投信投資顧問事業10,309,878106.7

(イ)運用資産残高の実績
当社グループは、主として、投信投資顧問事業を行っており、営業収益は、投資信託の運用から得られる委託者報酬と投資一任契約等による投資顧問報酬の2種類の収入によって構成されています。委託者報酬及び投資顧問報酬は、運用資産の残高に一定率を掛け合わせることで算定されます。投資顧問業務の一部では、運用成績に応じて発生する成功報酬がありますが、成功報酬が発生する運用資産残高は、当社グループの運用資産残高のごく一部です。
したがって、当社グループにとって最も重要な経営指標は、収益の源泉である運用資産残高となります。当社グループの2020年3月末以降の投資信託委託業務及び投資顧問業務における運用資産残高実績は次のとおりであります。なお、日本円建て以外の運用資産残高を日本円に換算する際には、それぞれの時点における月末為替レートを用いております。
(単位:億円)
2020年3月末2021年3月末2022年3月末2023年3月末2024年3月末
公募投資信託
(直接販売)
1,1931,7631,8641,8852,409
公募投資信託
(間接販売)
5,3716,6998,1698,4149,822
私募投資信託5166521521
投資信託合計6,6168,52910,08610,31512,253
投資顧問合計8551,0799931,1271,435
全社合計7,4719,60811,07911,44313,688

(注)当該数値は、東陽監査法人による監査を受けておりません。
2024年3月末の運用資産残高の状況については、純流出額が1,475億円となり流出超になりましたが、2024年に入りひふみ投信、ひふみワールドともに基準価額が最高値を更新したことで、投資信託委託業務及び投資顧問業務における運用資産残高は前連結会計年度末比19.6%増の1兆3,688億円となりました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであり、翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響は、翌連結会計年度以降においても同様に影響を及ぼす可能性があります。
② 経営成績等の分析
(営業収益)
2024年3月末における運用資産残高は2023年3月末から19.6%増の1兆3,688億円となり、営業収益は前期比6.7%増の10,309百万円となりました。
(営業費用及び一般管理費、営業利益)
営業費用及び一般管理費については、間接販売による販売パートナーへの支払手数料の増加や新たな人員の採用による人件費の増加により前期比6.0%増の8,529百万円となり、営業利益は前期比10.5%増の1,780百万円となりました。
(営業外損益、経常利益)
為替差益などの営業外収益の計上により経常利益は前期比10.6%増の1,797百万円となりました。
(特別損益、法人税等合計、親会社株主に帰属する当期純利益)
特別損益の計上はなく、外形標準課税の適用による法定実効税率の変更により、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比20.8%増の1,313百万円となりました。
③ 財政状態の分析及びキャッシュ・フローの状況の分析
財政状態の分析及びキャッシュ・フローの状況の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要① 財政状態の状況及び③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
当社グループの主な資金需要は、事業活動の維持拡大に必要な事業資金及び設備投資資金、顧客分別金信託の追加設定に必要な資金であります。主な設備投資については、「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」に記載のとおりです。必要な資金については、原則自己資金を基本方針としておりますが、顧客分別金信託の追加設定に必要な資金が生じた場合には金融機関からの短期借入で賄います。
⑤ 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析について
当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、「(1)経営成績等の状況の概要 ④ 営業の実績 (イ)運用資産残高の実績」に記載のとおり、運用資産残高であります。運用資産残高の概要・分析については、当該項目をご参照ください。

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