有価証券報告書-第97期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/18 14:15
【資料】
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【項目】
178項目
(2)戦略
当金庫は、中小企業の皆さまの取組みを支援すること、また、自身でも取組みを進めていくことにより、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。そのためにも、お客さまを含むステークホルダーの皆さまとは“SPEED”の視点(※)を起点に活動の輪を広げ、「共感の創造」により、マテリアリティ解決に取り組んでまいります。
※当金庫が独自に定めた、組織・役職員における、サステナビリティに対する取組みの基本的な視点
Sustainability、Productivity、Empathy、Ecology、Digitalの頭文字をとったもの

当金庫は、マテリアリティの解決に向けて、お客さまとともに創出する共通価値として、「経済的価値」「社会的価値」「働き手の幸せ」の3つを定め、価値創出に取り組んでおります。
気候変動リスクに関しては、経営にもたらす機会とリスクを評価するために、定性的・定量的なシナリオ分析を行っております。具体的には、気候変動に起因する近年の自然災害を踏まえた物理的リスクや、脱炭素社会への移行に伴う気候変動政策や技術革新等により生じる移行リスク及び機会の影響分析を行っております。気候変動に対する組織のレジリエンスを高めていく観点で、移行リスクや物理的リスクが顕在化した場合の経営への影響について、シナリオ(仮説)に基づいた定量的分析を行っております。
また、自然資本に関しても当金庫のビジネス上、依存するリスク、影響を与えるリスクの双方があることを認識しています。自然資本の喪失がお客さまの事業継続に与えるリスクや、お客さまの事業活動が自然資本へ影響を及ぼすリスクを分析しております。
お客さま支援の取組みとして、2022年7月にサステナブルファイナンスの取扱いを開始しました。その中でもポジティブ・インパクト・ファイナンス(PIF)を中心に、伴走支援を通じたお客さまの企業価値向上に取り組んでおります。2024年10月には新たにGX・DXファイナンス(中堅・中小企業向けのサステナビリティ・リンク・ローン)の取扱いを開始し、サステナブル経営に取り組むお取引先をサポートするメニューを拡充しております。
2023年2月より、地域経済の活性化と雇用創出への貢献を目指してサステナブルファイナンス業務における地域金融機関との業務提携・協力を進めており、2026年3月末時点で当該業務協力文書の締結金融機関は全国で14機関となっております。さらに、2025年9月には地域金融機関向けのウェブセミナーを開催し、サステナブルファイナンスにおける連携事例を紹介いたしました。
また、2023年5月に「脱炭素経営コンサルティングサービス」を開始し、お客さまの中長期的な企業価値向上と、持続可能な社会の実現のため、中堅・中小企業のカーボンニュートラル促進に向けた取組みを積極的に支援しております。具体的には、外部パートナーとの脱炭素支援の広域な枠組みの構築、脱炭素に向けて一貫して伴走支援するソリューションの提供により、事業成長と脱炭素を両立する体制を強化してまいります。
自然資本への取組みとしては、2024年12月に、本邦初となる、森林由来クレジット(J-クレジット)によるカーボン・オフセットを付与する「J-クレジット預金」の取扱いを開始いたしました。森林由来クレジットの活用を通じて、森林の適正な管理への貢献を目指してまいります。また、2024年12月にブルーローンの取扱いを開始し、持続可能な海洋経済、海洋・淡水領域の取組みをサポートしてまいります。
このような、当金庫のサステナビリティ向上に貢献した点が評価され、2025年12月、「第11回(2025年)サステナブルファイナンス大賞」において「サステナビリティ・サポート賞」を受賞しました。
産業構造の変化に対応するための取組みとしては、2025年1月よりクラウド型車両・採算管理サービス「ロジプッシュ」の提供を開始し、運送業界全体の持続可能な成長への後押しを目指しております。
さらに、人権の尊重を、社会的責任を果たす上で積極的に取り組むべき重要な経営課題と認識し、2024年4月に「商工中金グループ人権方針」を策定しております。同方針の策定にあたっては、「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」を参照しております。
当方針に基づいて、事業活動が与え得る人権への負の影響を防止または軽減するために適切な人権デュー・ディリジェンスを実施しております。
<商工中金グループ人権方針>
商工中金グループは、社会的責任を果たす上で人権の尊重を積極的に取り組むべき重要な経営課題と認識し、事業活動の全てにおいて、人権尊重の責任を果たす努力を行うことを約束します。
1.方針
商工中金グループは、「世界人権宣言」、「ビジネスと人権に関する指導原則」等、人権に関する国際規範を尊重します。また、事業活動を行う地域で適用される法律等を遵守するとともに、国際的な規範等と当該地域の法令等との間に矛盾がある場合、国際的な規範等を尊重するための方法を追求いたします。
2.人権方針の適用範囲
本方針は、商工中金グループのすべての役職員に適用されます。また、本方針をお客さまやサプライヤー等各ステークホルダー皆さまに共有し、本方針の主旨をご理解いただくよう、努めてまいります。
3.役職員の人権の尊重
商工中金グループは、一人ひとりが多様な価値観を尊重し、お互いを認め合い、自由に意見を言い合える対等な関係を構築し、働きがいのある職場づくりと風通しの良い組織風土を醸成することに努めます。また、あらゆる事業活動において、人種、民族、宗教、国籍、出身、信条、年齢、障がいの有無、性別、性的指向や性自認等を理由とした差別や、人間の尊厳を傷つけるいかなるハラスメントも容認しません。
商工中金グループは、雇用や就業におけるあらゆる差別の解消・撤廃に取り組むほか、結社の自由および団体交渉権を尊重します。また、労働基準法をはじめとする法令に従い、過重労働の抑制に努め、役職員が健康かつ安全に働ける職場づくりに努めます。
4.お客さまとの協調
商工中金グループは、すべてのお客さまの人権を尊重し、公正で責任あるサービスを提供します。
商工中金グループは、中小企業の金融の円滑化を目的とする金融機関としての役割を常に意識し、お客さまとの建設的な対話と相互の理解に基づき、人権に対する負の影響を確認しその縮小に向けた対応策実施の働きかけを行うよう努めます。
なお、お客さまの経営資源及び事業内容、並びに取引先を取り巻く事業環境の変化に適したソリューションを提供し、中小企業の金融円滑化に反する支援消極化を画一的には行いません。
5.サプライヤー(購買先、外部委託先等)との協調
商工中金グループの事業活動は、サプライヤーの協力により支えられています。
商工中金グループは、すべてのサプライヤーの人権を尊重するとともに、公正・適正な取引に努めます。主要なサプライヤーに対し、本方針を共有し、人権尊重への理解と協力を求めていきます。サプライヤーとの取引関係を通じて人権侵害が生じるおそれがある場合は、建設的な対話と相互の理解に基づき、ともに協力して適切に対応するよう努めます。
6.人権デュー・ディリジェンス
商工中金グループは、事業活動が与え得る人権への負の影響を防止または軽減するために適切な人権デュー・ディリジェンスを行うよう努めます。
7.救済メカニズム
商工中金グループは、役職員や、提供する商品・サービスが人権に対して負の影響を引き起こした、あるいは負の影響を助長したことが明らかになった場合は、適切に対応し、その救済に努めます。
また、商工中金グループの事業・サービスを通じて人権に対する負の影響に直接関連していた場合にも、お客さまやサプライヤーとの建設的な対話と相互の理解のもと、適切な働きかけを行うことにより、負の影響の防止・軽減に努めます。
相談を受け付ける窓口としては、お客さまをはじめとするステークホルダーからは、店頭、電話、ホームページ等、社員等からは内部・外部の相談窓口を通して相談を受け付け、適切な対応を講じるよう努めます。

8.ガバナンス
商工中金グループでは、人権尊重に関する取り組みは、経営会議等において定期的に意思決定した上で、取締役会に報告をし、監督します。
9.ステークホルダーとの対話
商工中金グループは、本方針に基づく取組みにおいて、関連するステークホルダーとの対話や協議により、人権尊重の取り組みの向上と改善に努めていきます。
10.啓発活動
商工中金グループは、役職員一人ひとりが人権問題に関する正しい理解と認識を深めるため、人権啓発研修に取り組みます。
11.定期的な見直し
商工中金グループは、グループ内外の環境変化を踏まえて、人権尊重に関する取り組みを強化していくため、本方針について、定期的な見直しの要否を検討するほか、必要に応じて見直しを行います。

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