有価証券報告書-第97期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
当金庫グループ(以下、本項目においては「当金庫」という。)の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当金庫が判断したものです。
1 経営の基本方針
当金庫は、外部環境・内部環境が大きく変化するなか、「倫理憲章・コンプライアンス行動基準」によるコンプライアンスの遵守をすべての土台とし、行動の原点である「CHUKIN Way」をもとに、当金庫が果たすべき使命である「MISSION」を遂行し、「PURPOSE」の実現を目指してまいります。
なお、2023年6月14日に成立した改正商工中金法が、政府保有株式の全部処分を経て、2025年6月13日に施行されました。同法では、商工中金のサービスの「範囲」の一部を銀行法上の銀行と同様となるよう見直す一方で、株主資格制限や特別準備金の維持、危機対応業務の責務化等、必要な各種措置は維持するものとされております。当金庫の使命は、今後も変わりません。同法の施行により、今後当金庫の業務範囲を拡大させ、中小企業と中小企業組合の企業価値向上に、より一層貢献してまいります。

2 経営環境
2025年度のわが国経済をみますと、全体として緩やかな回復基調を維持しました。物価は引き続き上昇基調で推移し、賃上げも高い水準で実施されました。個人消費は、物価高の影響から消費マインドに弱さがみられたものの、雇用・所得環境の改善を背景に、基調としては持ち直しの動きがみられました。企業の設備投資意欲は比較的堅調な様子がみられましたが、輸出や生産は概ね横ばい圏で推移しました。
こうした中で、商工中金のお取引先を対象とした「商工中金景況調査」から中小企業の景況感をみますと、年度前半には米国の通商政策を巡る不透明感などから弱含む局面もあったものの、年度後半には内需が底堅く推移する中、持ち直しの動きがみられました。もっとも、対中関係の影響などもあって、2026年2月調査の景況判断指数は49.1とわずかに「悪化」超となり、足もとではやや足踏みがみられました。先行きは52.9と「好転」超の見通しであるものの、中東情勢の不透明感や資源価格動向などを踏まえ、引き続き留意が必要な状況にあります。
金融面につきましては、日本銀行が2025年12月に政策金利を0.75%に引き上げ、約1年ぶりの利上げを実施しましたが、実質金利はなお大幅なマイナス圏にあり、緩和的な金融環境は引き続き維持されました。一方、年度末にかけては、中東情勢の緊迫化を背景に、原油価格や金融資本市場の変動への警戒が高まり、先行きの不透明感が意識される局面となりました。
3 対処すべき課題と経営戦略
国内経済は、人口減少や国内需要の縮退、労働供給力の低下等に対し、技術革新(DX・AI活用)で対抗するも、日本の国際競争力は大きく低下しております。他方で、足元では原材料価格や人件費の上昇、「金利のある世界」への移行等、日本経済を取り巻く環境は大きな転換期を迎えております。今後も、米国の通商政策や日中関係悪化の影響、海外経済の減速、資源価格の変動、地政学リスクの高まりなどの影響により、先行きは依然として不透明な状況が続くことが予想されます。
そういった状況下におきましても、当金庫はこれまでと同様に、長期安定的な融資スタンスを基本とし、大規模災害や経済危機の際には機動的な危機対応業務を実施するなど、資金繰りをサポートしてまいります。また、これまで各期の利益水準にかかわらず、また、経済環境に左右されず、中小企業の金融の円滑化を図ってまいりました。引き続きお客さまの企業価値向上に取り組んでまいります。
株主還元としましては、かねてより安定して一株当たり3円の配当を継続してまいりましたが、今般、足元の業績を踏まえ、期末配当を5円に引き上げるとともに、2026年度を目途とした自己株式の取得に係る方針を決定いたしました。引き続き株主還元の充実を図ってまいります。
安心と豊かさを生みだすパートナーとして、「企業の未来を支えていく。日本を変化につよくする。」というPURPOSEのもと、お客さまの経営課題の解決をお手伝いすることで変化につよい社会を実現すべく、これからも取り組んでまいります。

当金庫は、2022年5月18日に公表した2022年度から2024年度までの中期経営計画における目標を概ね達成し、そして、2025年6月に政府が保有していた当金庫株式全ての処分が完了したことで民営化を実現し、大きな転換点を迎えました。
このような外部環境や中小企業への影響、当金庫を取り巻く状況を踏まえ、新たに長期的に目指す姿と、その具体的な行動プランとして、「長期戦略・変革プラン」を策定し、2026年3月6日に公表いたしました。
長期戦略・変革プランは、「集めて・つなげて・価値を創る」をキーワードとして、当金庫のPURPOSEである「企業の未来を支えていく。日本を変化につよくする。」の実現に向け、中小企業に関わる様々な関係者が集まり・つながり・価値が生まれるオープンな社会「中小企業経済圏」の確立・活性化を目指し、当金庫が「プロデューサー」として主役である中小企業を支え、「中小企業経済圏」の参加者の価値向上に貢献することを目的としております。
外部情報と経営資源が不足する日本の中小企業のために、「中小企業経済圏」に「集まる」多様な参加者を「つなげて」、お客さま本位で新たな「価値を生み出し」、「顧客貢献No.1」を目指して取り組んでまいります。

今回策定した長期戦略・変革プランを推進・実行するために、中小企業専門金融機関としての90年の歴史が築き上げた当金庫が誇る「3つの資産」をこれまで以上に活用いたします。
「3つの資産」とは、①全国及び海外に広がる営業基盤と地域金融機関や中小企業支援団体、産学官、大企業などからなる「重層的な連携ネットワーク」、②株主である中小企業組合・中小企業や、中金会・ユース会などお客さまとのネットワークと経営環境に左右されない長期的な取引スタンスに基づく「全国に広がるお客さまとの信頼関係」、③中小企業専門金融機関として培った経験・ノウハウ・実績に基づくブレないスタンス、課題解決・成長支援を支える多様な人財からなる「志を持つ役職員のプロデューサー集団」です。

これら「3つの資産」を掛け合わせ、さらに、「ビジネスモデル」、「経営の仕組み」、「人財・組織風土」を変革する全社改革と組み合わせることで、中小企業の皆さまに「5つの変革」を起こし、「中小企業経済圏」の確立・活性化の実現を目指してまいります。

また、全社改革の一環として、「5つの変革」の実行を加速させるために注力すべき事業を踏まえた、事業本部制の導入等の組織再編を実施いたしました。

以上のように、長期戦略・変革プランを着実に実行し、「中小企業経済圏」の参加者とともに創出した付加価値は、還元充実・成長投資・内部留保のバランスを判断しながら、メンバーシップバンクとして株主の皆さまや「中小企業経済圏」のステークホルダーに還元してまいります。これまで継続してきた安定配当を基本としつつ、市場環境や経営環境を踏まえ、中長期的に配当額を引き上げていくことで、「中小企業経済圏」の確立・活性化とともに、株主かつお客さまである中小企業と当金庫が共に成長していく好循環の資本政策モデルを形成いたします。

この考え方を明文化するべく、この度、以下の「株主還元方針」を新たに策定いたしました。
この方針に基づき、確保した利益については、安定配当による還元を中心としつつ、業績や資本の状況、市場環境等を総合的に勘案し、配当水準の引き上げや株式の流動性向上に取り組んでまいります。
加えて、株主でありお客さまでもある中小企業及び中小企業組合等との深度ある対話を通じ、長期戦略・変革プランで掲げる「中小企業経済圏」の確立・活性化と、商工中金自身の企業価値向上を図るため、同じく、以下の「株主コミュニケーション方針」を策定いたしました。
当金庫は、「中小企業による、中小企業のための金融機関」として、皆さまから信頼され、支持され、これまで以上にお役に立てるよう、全力で取り組みます。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当金庫が判断したものです。
1 経営の基本方針
当金庫は、外部環境・内部環境が大きく変化するなか、「倫理憲章・コンプライアンス行動基準」によるコンプライアンスの遵守をすべての土台とし、行動の原点である「CHUKIN Way」をもとに、当金庫が果たすべき使命である「MISSION」を遂行し、「PURPOSE」の実現を目指してまいります。
なお、2023年6月14日に成立した改正商工中金法が、政府保有株式の全部処分を経て、2025年6月13日に施行されました。同法では、商工中金のサービスの「範囲」の一部を銀行法上の銀行と同様となるよう見直す一方で、株主資格制限や特別準備金の維持、危機対応業務の責務化等、必要な各種措置は維持するものとされております。当金庫の使命は、今後も変わりません。同法の施行により、今後当金庫の業務範囲を拡大させ、中小企業と中小企業組合の企業価値向上に、より一層貢献してまいります。

2 経営環境
2025年度のわが国経済をみますと、全体として緩やかな回復基調を維持しました。物価は引き続き上昇基調で推移し、賃上げも高い水準で実施されました。個人消費は、物価高の影響から消費マインドに弱さがみられたものの、雇用・所得環境の改善を背景に、基調としては持ち直しの動きがみられました。企業の設備投資意欲は比較的堅調な様子がみられましたが、輸出や生産は概ね横ばい圏で推移しました。
こうした中で、商工中金のお取引先を対象とした「商工中金景況調査」から中小企業の景況感をみますと、年度前半には米国の通商政策を巡る不透明感などから弱含む局面もあったものの、年度後半には内需が底堅く推移する中、持ち直しの動きがみられました。もっとも、対中関係の影響などもあって、2026年2月調査の景況判断指数は49.1とわずかに「悪化」超となり、足もとではやや足踏みがみられました。先行きは52.9と「好転」超の見通しであるものの、中東情勢の不透明感や資源価格動向などを踏まえ、引き続き留意が必要な状況にあります。
金融面につきましては、日本銀行が2025年12月に政策金利を0.75%に引き上げ、約1年ぶりの利上げを実施しましたが、実質金利はなお大幅なマイナス圏にあり、緩和的な金融環境は引き続き維持されました。一方、年度末にかけては、中東情勢の緊迫化を背景に、原油価格や金融資本市場の変動への警戒が高まり、先行きの不透明感が意識される局面となりました。
3 対処すべき課題と経営戦略
国内経済は、人口減少や国内需要の縮退、労働供給力の低下等に対し、技術革新(DX・AI活用)で対抗するも、日本の国際競争力は大きく低下しております。他方で、足元では原材料価格や人件費の上昇、「金利のある世界」への移行等、日本経済を取り巻く環境は大きな転換期を迎えております。今後も、米国の通商政策や日中関係悪化の影響、海外経済の減速、資源価格の変動、地政学リスクの高まりなどの影響により、先行きは依然として不透明な状況が続くことが予想されます。
そういった状況下におきましても、当金庫はこれまでと同様に、長期安定的な融資スタンスを基本とし、大規模災害や経済危機の際には機動的な危機対応業務を実施するなど、資金繰りをサポートしてまいります。また、これまで各期の利益水準にかかわらず、また、経済環境に左右されず、中小企業の金融の円滑化を図ってまいりました。引き続きお客さまの企業価値向上に取り組んでまいります。
株主還元としましては、かねてより安定して一株当たり3円の配当を継続してまいりましたが、今般、足元の業績を踏まえ、期末配当を5円に引き上げるとともに、2026年度を目途とした自己株式の取得に係る方針を決定いたしました。引き続き株主還元の充実を図ってまいります。
安心と豊かさを生みだすパートナーとして、「企業の未来を支えていく。日本を変化につよくする。」というPURPOSEのもと、お客さまの経営課題の解決をお手伝いすることで変化につよい社会を実現すべく、これからも取り組んでまいります。

当金庫は、2022年5月18日に公表した2022年度から2024年度までの中期経営計画における目標を概ね達成し、そして、2025年6月に政府が保有していた当金庫株式全ての処分が完了したことで民営化を実現し、大きな転換点を迎えました。
このような外部環境や中小企業への影響、当金庫を取り巻く状況を踏まえ、新たに長期的に目指す姿と、その具体的な行動プランとして、「長期戦略・変革プラン」を策定し、2026年3月6日に公表いたしました。
長期戦略・変革プランは、「集めて・つなげて・価値を創る」をキーワードとして、当金庫のPURPOSEである「企業の未来を支えていく。日本を変化につよくする。」の実現に向け、中小企業に関わる様々な関係者が集まり・つながり・価値が生まれるオープンな社会「中小企業経済圏」の確立・活性化を目指し、当金庫が「プロデューサー」として主役である中小企業を支え、「中小企業経済圏」の参加者の価値向上に貢献することを目的としております。
外部情報と経営資源が不足する日本の中小企業のために、「中小企業経済圏」に「集まる」多様な参加者を「つなげて」、お客さま本位で新たな「価値を生み出し」、「顧客貢献No.1」を目指して取り組んでまいります。

今回策定した長期戦略・変革プランを推進・実行するために、中小企業専門金融機関としての90年の歴史が築き上げた当金庫が誇る「3つの資産」をこれまで以上に活用いたします。
「3つの資産」とは、①全国及び海外に広がる営業基盤と地域金融機関や中小企業支援団体、産学官、大企業などからなる「重層的な連携ネットワーク」、②株主である中小企業組合・中小企業や、中金会・ユース会などお客さまとのネットワークと経営環境に左右されない長期的な取引スタンスに基づく「全国に広がるお客さまとの信頼関係」、③中小企業専門金融機関として培った経験・ノウハウ・実績に基づくブレないスタンス、課題解決・成長支援を支える多様な人財からなる「志を持つ役職員のプロデューサー集団」です。

これら「3つの資産」を掛け合わせ、さらに、「ビジネスモデル」、「経営の仕組み」、「人財・組織風土」を変革する全社改革と組み合わせることで、中小企業の皆さまに「5つの変革」を起こし、「中小企業経済圏」の確立・活性化の実現を目指してまいります。

また、全社改革の一環として、「5つの変革」の実行を加速させるために注力すべき事業を踏まえた、事業本部制の導入等の組織再編を実施いたしました。

以上のように、長期戦略・変革プランを着実に実行し、「中小企業経済圏」の参加者とともに創出した付加価値は、還元充実・成長投資・内部留保のバランスを判断しながら、メンバーシップバンクとして株主の皆さまや「中小企業経済圏」のステークホルダーに還元してまいります。これまで継続してきた安定配当を基本としつつ、市場環境や経営環境を踏まえ、中長期的に配当額を引き上げていくことで、「中小企業経済圏」の確立・活性化とともに、株主かつお客さまである中小企業と当金庫が共に成長していく好循環の資本政策モデルを形成いたします。

この考え方を明文化するべく、この度、以下の「株主還元方針」を新たに策定いたしました。
| 基本方針 | 株主でありお客さまでもある中小企業及び中小企業組合等の皆さまと当金庫が共に成長する好循環の資本政策モデルの構築を目指し、これまで継続してきた安定配当を基本としつつ、市場環境や経営環境を踏まえ、中長期的に配当額を引き上げてまいります。 |
| 還元手段 | 確保した利益を基に、安定配当による還元を中心に実施します。 |
| 配当方針 | 中小企業金融の円滑化という目的遂行の観点から、景気変動にかかわらず、必要なリスクテイクに取り組み、健全な経営基盤を構築するため、内部留保の充実を図るとともに、将来の成長に向けた投資を行いながら、安定的な配当を行っていくことを基本方針とします。 また、併せて、業績や資本の状況、市場環境等を総合的に考慮しつつ、中長期的な配当の引き上げを目指すとともに、株主還元の充実と株式の流動性向上を実現します。 |
この方針に基づき、確保した利益については、安定配当による還元を中心としつつ、業績や資本の状況、市場環境等を総合的に勘案し、配当水準の引き上げや株式の流動性向上に取り組んでまいります。
加えて、株主でありお客さまでもある中小企業及び中小企業組合等との深度ある対話を通じ、長期戦略・変革プランで掲げる「中小企業経済圏」の確立・活性化と、商工中金自身の企業価値向上を図るため、同じく、以下の「株主コミュニケーション方針」を策定いたしました。
| 基本的な考え方 | 商工中金は、株主が中小企業および中小企業組合等に限定された「中小企業による中小企業のための金融機関」です。株主でありお客さまでもある皆さまとの深度ある対話と、「中小企業経済圏」の確立・活性化を通じて、皆さまの成長と発展に貢献するとともに、商工中金自身の企業価値向上も目指します。 |
| 対話の対象 | 株主および潜在的株主である全国の中小企業および中小企業組合等を対象とします。 |
| 対話の方法 | 商工中金のビジネスモデルに対して理解を深めていただくための統合報告書の発行、決算発表等の情報発信の他、株主総会、経営諮問委員会、地区懇談会、全国各支店にある中金会、ユース会、各支店の担当ラインによる面談等を通じた直接的な対話を行います。 |
| 社内体制 | 株主≒お客さまであるという特徴を活かし、経営陣(取締役、委任型執行役員、地区担当役員等)と営業店を中心に、本支店一体となって対応します。 |
| フィードバックと対応 | 各対話の機会でいただいたご意見は、取締役会や経営会議等を通じて社内で共有し、お客さまの企業価値向上や各種サービスの改善につなげます。 |
| 情報開示と公平性 | 中小企業による中小企業のための金融機関として、経営の透明性を高め、アカウンタビリティを的確に果たすとともに、株主、中小企業者、投資家、預金者および各連携機関を含めたあらゆるステークホルダーの皆さまから一層のご理解・ご信頼をいただけるよう、事業活動や財務の状況などについて、公平かつ適時・適切な情報開示に努めます。 |
当金庫は、「中小企業による、中小企業のための金融機関」として、皆さまから信頼され、支持され、これまで以上にお役に立てるよう、全力で取り組みます。