有価証券報告書-第12期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、2021年3月末では、子会社32社および関連会社14社となっております。
①財政状態及び経営成績の状況
〈連結経営成績〉
〈セグメント別概況〉
(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、共同配送センター事業および不動産賃貸事業等が含まれております。
当連結会計年度の財政状態は次のとおりです。
〈資産の部〉
当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末と比較して28,216百万円の増加となりました。
これは主に、建物及び構築物や機械装置及び運搬具、投資有価証券が増加したことなどによります。
〈負債の部〉
当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度末と比較して8,055百万円の増加となりました。
これは主に、未払金が減少した一方で、資金調達を行ったことによる借入金が増加したことなどによります。
〈純資産の部〉
当連結会計年度末の純資産合計は前連結会計年度末と比較して20,160百万円の増加となりました。
これは主に、利益剰余金やその他有価証券評価差額金が増加したことなどによります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、21,829百万円となりました。
当連結会計年度における活動毎のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(単位:百万円)
〈営業活動によるキャッシュ・フロー〉
営業活動によるキャッシュ・フローは、26,567百万円の収入(前連結会計年度は24,322百万円の収入)となりました。
前連結会計年度との比較では、主に売上債権の増減額や法人税等の支払額が増加したものの、税金等調整前当期純利益や仕入債務の増減額が増加したことなどにより、2,245百万円の収入増となりました。
〈投資活動によるキャッシュ・フロー〉
投資活動によるキャッシュ・フローは、27,076百万円の支出(前連結会計年度は16,629百万円の支出)となりました。
前連結会計年度との比較では、主に有形及び無形固定資産の売却による収入が増加したものの、有形及び無形固定資産の取得による支出が増加したことなどにより、10,447百万円の支出増となりました。
〈財務活動によるキャッシュ・フロー〉
財務活動によるキャッシュ・フローは、6,771百万円の収入(前連結会計年度は6,651百万円の支出)となりました。
前連結会計年度との比較では、主に長期借入れによる収入の増加や長期借入金の返済による支出の減少などにより、13,422百万円の収入増となりました。
③生産、受注及び販売の実績
ア.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
イ.受注実績
当社グループ(当社および連結子会社)は一部受注生産を行なっておりますが、金額に重要性がないため、記載を省略しております。
ウ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.前連結会計年度および当連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績
に対する割合は次のとおりであります。
3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については「2 事業等のリスク」に記載のとおりです。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度のわが国経済は、世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、業種により差はあるものの、総じて厳しい環境下で推移しました。一時は持ち直しの動きがみられたものの、直近では感染再拡大の動きが強まっており、先行きは不透明な状況が続いております。
食品業界においては、緊急事態宣言による外出自粛要請や飲食店の短縮営業が実施されたことにより、内食需要が増加した一方、外食需要が大きく落ち込みました。国の経済対策により、外食産業の業績も一時は回復の動きがみられましたが、再び先行きが見通せない状況となっております。
このような環境下、当社グループは「グループ中期経営計画 2022」に基づき、「4つの事業分野(乳製品事業分野、市乳事業分野、ニュートリション事業分野、飼料・種苗事業分野)における収益基盤の確立」に向けた取り組みを進めました。
この中では、機能性を軸としたヨーグルトおよびチーズなどの主力商品の戦略的拡大とプロダクトミックスの更なる改善、ニュートリション事業分野におけるマーケティング投資の継続による規模拡大と収益獲得の両立、種苗事業における戦略的拡大と収益基盤の整備、ならびにグループ経営資源の活用拡大やバリューチェーンの生産性向上によるグループ総合力の強化等に努めました。
当社グループの連結売上高は、乳製品セグメントの増収等により、615,186百万円(前年同期比0.3%増)となりました。営業利益については、飲料・デザート類セグメントにおける販売物量減少による利益減の影響等があったものの、乳製品セグメントにおける販売物量増や飲料・デザート類セグメントにおける宣伝促進費の効率的な運用に取り組んだ効果、その他セグメントにおいて前年度に子会社で発生した火災に起因する費用が当年度は発生していないこと等により19,780百万円(前年同期比9.9%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、減損損失の計上額が前年度から増加したものの、固定資産売却益の計上額が前年度から大きく増加したこと、前年度に子会社の火災に起因して計上した火災損失計上額が減少したことなどから14,913百万円(前年同期比22.6%増)となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、セグメントごとの売上高につきましては、外部顧客に対する金額を記載しております。
〈乳製品〉
当セグメントには、乳製品(チーズ、バター、粉乳等)、油脂、ニュートリション事業(機能性食品、粉ミルク等)等の製造・販売が含まれております。
売上高は262,337百万円(前年同期比5.3%増)、営業利益は13,675百万円(前年同期比18.3%増)となりました。
売上高は、新型コロナウイルス感染症拡大により、内食需要の高まりが家庭用に追い風となる一方、業務用は、外食需要の落ち込みにより逆風となるなど、販売チャネルによって異なる影響を受けました。
このような中、バターは安定供給に引き続き努めたことから前年並みに推移しました。
油脂は積極的なプロモーション活動を展開したものの、前年度2月末頃より始まった内食需要の急激な増加が今年度は落ち着いたため減収となりました。チーズは家庭内でのおつまみ需要の増加や、さけるチーズなどのナチュラルチーズが好調に推移したことなどから微増収となりました。新商品は、多様化する嗜好や健康意識の高まりに応えるために、「4種のチーズスライス」や「あじわい減塩チーズ カルシウム入り」などを発売しました。
機能性食品はコロナ禍で好調なECビジネスにおいて、マーケティング投資を継続したことにより伸長しました。新商品は、内臓脂肪が気になる方に向けた「ガセリ菌SP株カプセル」や記憶力の低下が気になる方に向けた「Wのひらめき」などを発売しました。
これらの結果、当セグメント全体では増収となりました。
営業利益は、家庭用商品における販売物量の増加、固定経費の減少などから増益となりました。
〈飲料・デザート類〉
当セグメントには、飲料(牛乳類、果汁飲料等)、ヨーグルト、デザートの製造・販売が含まれております。
売上高は274,487百万円(前年同期比3.3%減)、営業利益は4,143百万円(前年同期比20.8%減)となりました。
売上高は、飲料は、新型コロナウイルス感染症の影響により、内食需要は堅調に推移したものの、外出機会減少に伴いコンビニエンスストア等での販売が減少したことにより、白物飲料、色物飲料ともに減収となりました。新商品では飲料タイプとしては、日本初の「骨密度を高める」機能性表示食品となる「MBPドリンク」を発売しました。骨の健康に寄与することで健康寿命の延伸に貢献できると考えております。
ヨーグルトは、販売に注力している保健機能商品として内臓脂肪を減らす乳酸菌「ガセリ菌SP株」と目や鼻の不快感を緩和する乳酸菌「乳酸菌ヘルベ」について、それぞれの価値訴求強化に向けたプロモーション活動を展開し拡大を図りましたが、市場における機能性表示商品のバリエーション化などにより減収となりました。新商品は「毎日骨太MBP® ヨーグルト」を発売しました。1個(100g)で1日分の1/2のカルシウムとビタミンD、MBP®を20㎎摂ることができ、ミルクのおいしさにこだわった商品となっております。
デザートは新商品の発売等、商品力の強化に取り組み、内食需要の高まりもあり好調に推移しました。新商品はひとつのカップで多彩な味わいが楽しめる「Parfait Style ラム酒香るチョコバナナ」「Parfait Style いちご&バニラ」などを発売しました。改良品としては2005年の発売以来、多くのお客様にご愛顧いただいている「栗原さんちのおすそわけ」シリーズを2021年3月にリニューアル発売しております。
これらの結果、当セグメント全体では減収となりました。
営業利益は、宣伝促進費の効率的な運用に取り組んだ効果はあったものの、新型コロナウイルス感染症による消費動向の変化の影響などを受け販売物量が減少したこと、オペレーションコストが増加したことなどから減益となりました。
〈飼料・種苗〉
当セグメントには、牛用飼料、牧草・飼料作物種子、野菜種子の製造・販売、造園事業が含まれております。
売上高は43,349百万円(前年同期比0.8%減)、営業利益は1,123百万円(前年同期比8.4%増)となりました。
売上高は、牧草・飼料作物種子および飼料の販売物量減少や造園事業の減少などにより当セグメント全体で減収となった一方で、営業利益は、固定経費などの減少により増益となりました。
新商品は、長期収穫に向く、つる性丸さやインゲンの「ゴールデンランナー」や着果が安定して果揃い良好なミニカボチャ「栗てまり」、大さやで高温期にも着さやが優れる青豆品種のエダマメ「青祭」などを発売しました。
〈その他〉
当セグメントには、共同配送センター事業、不動産賃貸事業等が含まれております。
売上高は35,012百万円(前年同期比4.5%減)、営業利益は1,056百万円(前年同期比519.6%増)となりました。
営業利益は、前年度に子会社である株式会社エスアイシステムで発生した商品倉庫の火災に起因する費用が、当年度は発生していないことにより大幅な増益となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
「グループ長期ビジョン 2026」におけるキャッシュ・フロー配分方針は、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2) グループ長期ビジョン 2026 ⑤キャッシュ・フロー配分方針」に記載しております。
キャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりです。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
※自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利息の支払額
(注)1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている負債を対象としております。
〈資金需要の動向〉
当社グループの主な資金需要は、「グループ中期経営計画 2022」の達成に向け、取組みの柱として掲げた「生産性改革の推進」と「事業構造改革の断行」、および「生産体制進化の本格始動」に必要な投資であります。
なお、2022年3月期のキャッシュ・フローに関しては、長期借入金の返済に関わる支出が増加する見込みでありますが、営業キャッシュ・フローおよび新規調達による資金で充当する予定です。
〈資金調達の方法〉
当社グループは、運転資金、投資資金についてはまず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入し、不足分については金融機関からの借入、社債の発行等により資金調達をしております。外部からの資金調達につきましては、長期と短期のバランスを勘案しながら、低コストかつ安定的に資金を確保するよう努めております。
なお、現預金残高に加え、金融機関と合計200億円のコミットメントライン契約および当座貸越契約を締結し、十分な資金の流動性を確保しております。
また、グループ各社における資金効率の向上と金融費用の削減を目的として、グループファイナンス制度を導入しております。
③目標とする経営指標の達成状況等
当社グループは2017年5月に、「グループ長期ビジョン 2026」、2020年5月に「グループ中期経営計画 2022」を策定いたしました。
「グループ長期ビジョン 2026」では最終年度となる2027年3月期のゴールイメージを、連結売上高は7,000~8,000億円、連結営業利益は300~400億円としております。また「グループ中期経営計画 2022」では、最終年度である2023年3月期の目標経営指標を連結売上高6,400億円、連結営業利益220億円、連結EBITDA410億円としております。
(※連結売上高は「収益認識に関する会計基準」適用前の数値目標となっております。)
「グループ中期経営計画 2022」の1年目となる、当連結会計年度における連結売上高は前年同期比0.3%増の6,151億円、連結営業利益は前年同期比9.9%増の197億円、連結EBITDAは前年同期比0.5%増の356億円となりました。
「グループ中期経営計画 2022」の2年目となる2022年3月期(予想)は、連結売上高は5,700億円、連結営業利益は前年同期比3.6%増の205億円、連結EBITDAは前年同期比4.8%増の378億円としております。
なお、2022年3月期の売上高は「収益認識に関する会計基準」を適用し当該基準に基づいた予想となっております。このため、当該基準適用前の2021年3月期の実績値に対する増減率は記載しておりません。
当社は「グループ中期経営計画 2022」に基づき、高付加価値商品や主力商品の売上拡大、および生産体制整備や事業構造改革の推進によるグループ収益力の強化、生産性改革の推進によるグループ・バリューチェーンの生産性向上などに取り組むことで2022年3月期(予想)の連結売上高、連結営業利益の達成を目指します。
④新型コロナウイルス感染症への対応
当社グループでは、お客様へ安全で安心して頂ける商品の安定供給に努めました。また、学校給食の休止や外食需要の減退により牛乳乳製品の需要が大幅に減少する局面では、生乳廃棄回避に向けバター、脱脂粉乳の増産等生乳処理に取り組み、需給調整の機能を果たしました。
運営面では顧客、取引先及び社員の安全を最優先に考え、感染防止に向けて衛生管理を徹底するとともに、時差出勤や在宅勤務の拡大などによる円滑な事業の運営に努めております。また、感染拡大の防止に向けて、感染リスクが高い国や地域への渡航の原則禁止、工場や酪農と乳の歴史館の見学の中止等の対応を実施しております。
⑤重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。
連結財務諸表を作成する際には、一部について見積りや仮定を用いることが必要になりますが、これらは期末日における資産・負債の金額および開示期間の収益・費用の金額に影響を与えます。見積りや仮定を行なう場合は、その時点で入手できる事実に基づき、可能な限り客観的に実施することを目指しておりますが、実際の結果とは異なる場合もあります。
重要な会計方針及び見積りの詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、2021年3月末では、子会社32社および関連会社14社となっております。
①財政状態及び経営成績の状況
〈連結経営成績〉
| 2020年3月期 | 2021年3月期 | 増減率(%) | |
| 売上高 (百万円) | 613,405 | 615,186 | 0.3 |
| 営業利益 (百万円) | 17,998 | 19,780 | 9.9 |
| 経常利益 (百万円) | 19,680 | 21,662 | 10.1 |
| 税金等調整前当期純利益 (百万円) | 16,885 | 21,156 | 25.3 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 (百万円) | 12,165 | 14,913 | 22.6 |
| 1株当たり当期純利益 (円) | 179.71 | 220.64 | 22.8 |
〈セグメント別概況〉
| 売上高 | 営業利益又は営業損失 | |||||
| 2020年3月期 (百万円) | 2021年3月期 (百万円) | 増減率 (%) | 2020年3月期 (百万円) | 2021年3月期 (百万円) | 増減率 (%) | |
| 乳製品 | 249,098 | 262,337 | 5.3 | 11,557 | 13,675 | 18.3 |
| 飲料・デザート類 | 283,923 | 274,487 | △3.3 | 5,229 | 4,143 | △20.8 |
| 飼料・種苗 | 43,703 | 43,349 | △0.8 | 1,036 | 1,123 | 8.4 |
| その他 (注)1 | 36,680 | 35,012 | △4.5 | 170 | 1,056 | 519.6 |
| 合計 | 613,405 | 615,186 | 0.3 | 17,994 | 19,999 | 11.1 |
| 調整額 | - | - | - | 4 | △218 | - |
| 全社連結合計 | 613,405 | 615,186 | 0.3 | 17,998 | 19,780 | 9.9 |
(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、共同配送センター事業および不動産賃貸事業等が含まれております。
当連結会計年度の財政状態は次のとおりです。
〈資産の部〉
当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末と比較して28,216百万円の増加となりました。
これは主に、建物及び構築物や機械装置及び運搬具、投資有価証券が増加したことなどによります。
〈負債の部〉
当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度末と比較して8,055百万円の増加となりました。
これは主に、未払金が減少した一方で、資金調達を行ったことによる借入金が増加したことなどによります。
〈純資産の部〉
当連結会計年度末の純資産合計は前連結会計年度末と比較して20,160百万円の増加となりました。
これは主に、利益剰余金やその他有価証券評価差額金が増加したことなどによります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、21,829百万円となりました。
当連結会計年度における活動毎のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(単位:百万円)
| 区分 | 前連結会計年度 (2019.4.1~2020.3.31) | 当連結会計年度 (2020.4.1~2021.3.31) | 増減 |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 24,322 | 26,567 | 2,245 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △16,629 | △27,076 | △10,447 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △6,651 | 6,771 | 13,422 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | 9 | 42 | 32 |
| 現金及び現金同等物の増加額(△は減少額) | 1,052 | 6,305 | 5,252 |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 14,303 | 15,524 | 1,220 |
| 新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額 | 168 | - | △168 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 15,524 | 21,829 | 6,305 |
〈営業活動によるキャッシュ・フロー〉
営業活動によるキャッシュ・フローは、26,567百万円の収入(前連結会計年度は24,322百万円の収入)となりました。
前連結会計年度との比較では、主に売上債権の増減額や法人税等の支払額が増加したものの、税金等調整前当期純利益や仕入債務の増減額が増加したことなどにより、2,245百万円の収入増となりました。
〈投資活動によるキャッシュ・フロー〉
投資活動によるキャッシュ・フローは、27,076百万円の支出(前連結会計年度は16,629百万円の支出)となりました。
前連結会計年度との比較では、主に有形及び無形固定資産の売却による収入が増加したものの、有形及び無形固定資産の取得による支出が増加したことなどにより、10,447百万円の支出増となりました。
〈財務活動によるキャッシュ・フロー〉
財務活動によるキャッシュ・フローは、6,771百万円の収入(前連結会計年度は6,651百万円の支出)となりました。
前連結会計年度との比較では、主に長期借入れによる収入の増加や長期借入金の返済による支出の減少などにより、13,422百万円の収入増となりました。
③生産、受注及び販売の実績
ア.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 乳製品 | 175,123 | 101.8 |
| 飲料・デザート類 | 199,231 | 95.7 |
| 飼料・種苗 | 31,535 | 94.1 |
| 合計 | 405,889 | 98.1 |
(注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
イ.受注実績
当社グループ(当社および連結子会社)は一部受注生産を行なっておりますが、金額に重要性がないため、記載を省略しております。
ウ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 乳製品 | 262,337 | 105.3 |
| 飲料・デザート類 | 274,487 | 96.7 |
| 飼料・種苗 | 43,349 | 99.2 |
| 報告セグメント計 | 580,174 | 100.6 |
| その他 | 35,012 | 95.5 |
| 合計 | 615,186 | 100.3 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.前連結会計年度および当連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績
に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | ||
| 販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
| ㈱セブン-イレブン・ジャパン | 140,801 | 23.0 | 149,558 | 24.3 |
| ㈱日本アクセス | 136,195 | 22.2 | 136,141 | 22.1 |
3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については「2 事業等のリスク」に記載のとおりです。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度のわが国経済は、世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、業種により差はあるものの、総じて厳しい環境下で推移しました。一時は持ち直しの動きがみられたものの、直近では感染再拡大の動きが強まっており、先行きは不透明な状況が続いております。
食品業界においては、緊急事態宣言による外出自粛要請や飲食店の短縮営業が実施されたことにより、内食需要が増加した一方、外食需要が大きく落ち込みました。国の経済対策により、外食産業の業績も一時は回復の動きがみられましたが、再び先行きが見通せない状況となっております。
このような環境下、当社グループは「グループ中期経営計画 2022」に基づき、「4つの事業分野(乳製品事業分野、市乳事業分野、ニュートリション事業分野、飼料・種苗事業分野)における収益基盤の確立」に向けた取り組みを進めました。
この中では、機能性を軸としたヨーグルトおよびチーズなどの主力商品の戦略的拡大とプロダクトミックスの更なる改善、ニュートリション事業分野におけるマーケティング投資の継続による規模拡大と収益獲得の両立、種苗事業における戦略的拡大と収益基盤の整備、ならびにグループ経営資源の活用拡大やバリューチェーンの生産性向上によるグループ総合力の強化等に努めました。
当社グループの連結売上高は、乳製品セグメントの増収等により、615,186百万円(前年同期比0.3%増)となりました。営業利益については、飲料・デザート類セグメントにおける販売物量減少による利益減の影響等があったものの、乳製品セグメントにおける販売物量増や飲料・デザート類セグメントにおける宣伝促進費の効率的な運用に取り組んだ効果、その他セグメントにおいて前年度に子会社で発生した火災に起因する費用が当年度は発生していないこと等により19,780百万円(前年同期比9.9%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、減損損失の計上額が前年度から増加したものの、固定資産売却益の計上額が前年度から大きく増加したこと、前年度に子会社の火災に起因して計上した火災損失計上額が減少したことなどから14,913百万円(前年同期比22.6%増)となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、セグメントごとの売上高につきましては、外部顧客に対する金額を記載しております。
〈乳製品〉
当セグメントには、乳製品(チーズ、バター、粉乳等)、油脂、ニュートリション事業(機能性食品、粉ミルク等)等の製造・販売が含まれております。
売上高は262,337百万円(前年同期比5.3%増)、営業利益は13,675百万円(前年同期比18.3%増)となりました。
売上高は、新型コロナウイルス感染症拡大により、内食需要の高まりが家庭用に追い風となる一方、業務用は、外食需要の落ち込みにより逆風となるなど、販売チャネルによって異なる影響を受けました。
このような中、バターは安定供給に引き続き努めたことから前年並みに推移しました。
油脂は積極的なプロモーション活動を展開したものの、前年度2月末頃より始まった内食需要の急激な増加が今年度は落ち着いたため減収となりました。チーズは家庭内でのおつまみ需要の増加や、さけるチーズなどのナチュラルチーズが好調に推移したことなどから微増収となりました。新商品は、多様化する嗜好や健康意識の高まりに応えるために、「4種のチーズスライス」や「あじわい減塩チーズ カルシウム入り」などを発売しました。
機能性食品はコロナ禍で好調なECビジネスにおいて、マーケティング投資を継続したことにより伸長しました。新商品は、内臓脂肪が気になる方に向けた「ガセリ菌SP株カプセル」や記憶力の低下が気になる方に向けた「Wのひらめき」などを発売しました。
これらの結果、当セグメント全体では増収となりました。
営業利益は、家庭用商品における販売物量の増加、固定経費の減少などから増益となりました。
〈飲料・デザート類〉
当セグメントには、飲料(牛乳類、果汁飲料等)、ヨーグルト、デザートの製造・販売が含まれております。
売上高は274,487百万円(前年同期比3.3%減)、営業利益は4,143百万円(前年同期比20.8%減)となりました。
売上高は、飲料は、新型コロナウイルス感染症の影響により、内食需要は堅調に推移したものの、外出機会減少に伴いコンビニエンスストア等での販売が減少したことにより、白物飲料、色物飲料ともに減収となりました。新商品では飲料タイプとしては、日本初の「骨密度を高める」機能性表示食品となる「MBPドリンク」を発売しました。骨の健康に寄与することで健康寿命の延伸に貢献できると考えております。
ヨーグルトは、販売に注力している保健機能商品として内臓脂肪を減らす乳酸菌「ガセリ菌SP株」と目や鼻の不快感を緩和する乳酸菌「乳酸菌ヘルベ」について、それぞれの価値訴求強化に向けたプロモーション活動を展開し拡大を図りましたが、市場における機能性表示商品のバリエーション化などにより減収となりました。新商品は「毎日骨太MBP® ヨーグルト」を発売しました。1個(100g)で1日分の1/2のカルシウムとビタミンD、MBP®を20㎎摂ることができ、ミルクのおいしさにこだわった商品となっております。
デザートは新商品の発売等、商品力の強化に取り組み、内食需要の高まりもあり好調に推移しました。新商品はひとつのカップで多彩な味わいが楽しめる「Parfait Style ラム酒香るチョコバナナ」「Parfait Style いちご&バニラ」などを発売しました。改良品としては2005年の発売以来、多くのお客様にご愛顧いただいている「栗原さんちのおすそわけ」シリーズを2021年3月にリニューアル発売しております。
これらの結果、当セグメント全体では減収となりました。
営業利益は、宣伝促進費の効率的な運用に取り組んだ効果はあったものの、新型コロナウイルス感染症による消費動向の変化の影響などを受け販売物量が減少したこと、オペレーションコストが増加したことなどから減益となりました。
〈飼料・種苗〉
当セグメントには、牛用飼料、牧草・飼料作物種子、野菜種子の製造・販売、造園事業が含まれております。
売上高は43,349百万円(前年同期比0.8%減)、営業利益は1,123百万円(前年同期比8.4%増)となりました。
売上高は、牧草・飼料作物種子および飼料の販売物量減少や造園事業の減少などにより当セグメント全体で減収となった一方で、営業利益は、固定経費などの減少により増益となりました。
新商品は、長期収穫に向く、つる性丸さやインゲンの「ゴールデンランナー」や着果が安定して果揃い良好なミニカボチャ「栗てまり」、大さやで高温期にも着さやが優れる青豆品種のエダマメ「青祭」などを発売しました。
〈その他〉
当セグメントには、共同配送センター事業、不動産賃貸事業等が含まれております。
売上高は35,012百万円(前年同期比4.5%減)、営業利益は1,056百万円(前年同期比519.6%増)となりました。
営業利益は、前年度に子会社である株式会社エスアイシステムで発生した商品倉庫の火災に起因する費用が、当年度は発生していないことにより大幅な増益となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
「グループ長期ビジョン 2026」におけるキャッシュ・フロー配分方針は、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2) グループ長期ビジョン 2026 ⑤キャッシュ・フロー配分方針」に記載しております。
キャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりです。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 決算年月 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | 2021年3月期 |
| 自己資本比率(%) | 46.3 | 47.3 | 49.0 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 50.7 | 44.9 | 38.1 |
| キャッシュ・フロー 対有利子負債比率(年) | 3.3 | 2.9 | 3.0 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 49.3 | 62.6 | 67.5 |
※自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利息の支払額
(注)1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている負債を対象としております。
〈資金需要の動向〉
当社グループの主な資金需要は、「グループ中期経営計画 2022」の達成に向け、取組みの柱として掲げた「生産性改革の推進」と「事業構造改革の断行」、および「生産体制進化の本格始動」に必要な投資であります。
なお、2022年3月期のキャッシュ・フローに関しては、長期借入金の返済に関わる支出が増加する見込みでありますが、営業キャッシュ・フローおよび新規調達による資金で充当する予定です。
〈資金調達の方法〉
当社グループは、運転資金、投資資金についてはまず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入し、不足分については金融機関からの借入、社債の発行等により資金調達をしております。外部からの資金調達につきましては、長期と短期のバランスを勘案しながら、低コストかつ安定的に資金を確保するよう努めております。
なお、現預金残高に加え、金融機関と合計200億円のコミットメントライン契約および当座貸越契約を締結し、十分な資金の流動性を確保しております。
また、グループ各社における資金効率の向上と金融費用の削減を目的として、グループファイナンス制度を導入しております。
③目標とする経営指標の達成状況等
当社グループは2017年5月に、「グループ長期ビジョン 2026」、2020年5月に「グループ中期経営計画 2022」を策定いたしました。
「グループ長期ビジョン 2026」では最終年度となる2027年3月期のゴールイメージを、連結売上高は7,000~8,000億円、連結営業利益は300~400億円としております。また「グループ中期経営計画 2022」では、最終年度である2023年3月期の目標経営指標を連結売上高6,400億円、連結営業利益220億円、連結EBITDA410億円としております。
(※連結売上高は「収益認識に関する会計基準」適用前の数値目標となっております。)
「グループ中期経営計画 2022」の1年目となる、当連結会計年度における連結売上高は前年同期比0.3%増の6,151億円、連結営業利益は前年同期比9.9%増の197億円、連結EBITDAは前年同期比0.5%増の356億円となりました。
「グループ中期経営計画 2022」の2年目となる2022年3月期(予想)は、連結売上高は5,700億円、連結営業利益は前年同期比3.6%増の205億円、連結EBITDAは前年同期比4.8%増の378億円としております。
なお、2022年3月期の売上高は「収益認識に関する会計基準」を適用し当該基準に基づいた予想となっております。このため、当該基準適用前の2021年3月期の実績値に対する増減率は記載しておりません。
当社は「グループ中期経営計画 2022」に基づき、高付加価値商品や主力商品の売上拡大、および生産体制整備や事業構造改革の推進によるグループ収益力の強化、生産性改革の推進によるグループ・バリューチェーンの生産性向上などに取り組むことで2022年3月期(予想)の連結売上高、連結営業利益の達成を目指します。
④新型コロナウイルス感染症への対応当社グループでは、お客様へ安全で安心して頂ける商品の安定供給に努めました。また、学校給食の休止や外食需要の減退により牛乳乳製品の需要が大幅に減少する局面では、生乳廃棄回避に向けバター、脱脂粉乳の増産等生乳処理に取り組み、需給調整の機能を果たしました。
運営面では顧客、取引先及び社員の安全を最優先に考え、感染防止に向けて衛生管理を徹底するとともに、時差出勤や在宅勤務の拡大などによる円滑な事業の運営に努めております。また、感染拡大の防止に向けて、感染リスクが高い国や地域への渡航の原則禁止、工場や酪農と乳の歴史館の見学の中止等の対応を実施しております。
⑤重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。
連結財務諸表を作成する際には、一部について見積りや仮定を用いることが必要になりますが、これらは期末日における資産・負債の金額および開示期間の収益・費用の金額に影響を与えます。見積りや仮定を行なう場合は、その時点で入手できる事実に基づき、可能な限り客観的に実施することを目指しておりますが、実際の結果とは異なる場合もあります。
重要な会計方針及び見積りの詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。