有価証券報告書-第16期(2025/04/01-2026/03/31)
38.リスク管理に関する開示
38.1 リスク管理の概要
当社グループのリスク管理の枠組みである戦略的リスク経営(ERM)は、経営における高性能な『羅針盤』として、次の「3つの機能」を強化・高度化し、損失を未然に回避するだけでなく、新規事業投資などの機会損失を低減させることで、当社グループを最適な方向に導く役割を果たしております。
戦略的リスク経営(ERM)は、資本・リスク・収益のバランスを取りながら企業価値の最大化を図る一連の経営管理プロセスとして「戦略執行に係るリスクテイク」と「経営基盤の安定に資するリスクコントロール」の2つの側面を持っております。リスクテイクの側面では、リスクアペタイトフレームワークを中心に資本・リスク・収益に関する分析を重要な経営判断に活かし(上記ウ)、リスクコントロールの側面では、当社グループを取り巻く多様なリスクを特定、分析、評価する仕組み(リスクコントロールシステム)を活用して(上記ア、イ)、不測の損失の極小化と利益の安定を目指しております。
(1) リスク管理に関するガバナンス体制
当社では、取締役会が制定した「SOMPOグループERM基本方針」に基づき、「戦略的リスク経営(ERM)」の実効性を確保するため、グループ戦略・経営計画と合わせて、リスクテイクの指針としてリスクアペタイト原則、中期リスクテイク戦略およびリスクアペタイト指標からなる「SOMPOグループリスクアペタイトステートメント」を定めております。
グループCEOの諮問機関であるグループ執行会議では、グループのリスクアペタイトステートメント、中期グループERM推進方針、リスク許容度に関する対応方針・対応策などのリスク管理に関する事項について定期的に経営論議しております。
また、グループ執行会議の下部組織として、グループCROを委員長とするグループERM委員会を設置しております。グループERM委員会では、リスクテイク戦略などグループの戦略的リスク経営に関する重要な事項やリスク統括部、各主管部を通じた重大リスクのコントロールの状況等について、グループ横断で確認・議論を行っております。その結果はグループ執行会議を経て取締役会へ報告を行っており、取締役会からの助言等も踏まえながらグループのリスク管理に関するガバナンスの強化への不断の取組みを継続する態勢としております。
グループCROは、「SOMPOグループERM基本方針」や「中期グループERM推進方針」をグループ会社に周知徹底し、また、定期的なモニタリング、各社CROとのディスカッション等を通じ、グループ全体の戦略的リスク経営の実効性の向上を図っております。
グループ全体のガバナンス体制においては、グループの方針に沿ったリスク管理体制を整備し、リスク管理を各社にて自律的に行っております。当社および主要子会社においては、施策の策定および運用を行う各部門が自律的にリスク管理を行う第1線、専門的見地から第1線を支援・牽制するリスク統括部・各主管部による第2線、内部監査部門が独立した立場からリスクガバナンス体制の妥当性・有効性を監査する第3線の3線体制によりリスク管理の実効性確保および強化に努めております。
(2) リスクコントロールシステム
リスクコントロールシステムにおいては、「重大リスク管理」の枠組みで当社グループを取り巻く重大リスクを網羅的に特定し、定性的・定量的な評価を行っております。
定量化が可能なリスクについては「自己資本管理」「ストレステスト」「リミット管理」「流動性リスク管理」の枠組みで自己資本、流動性などに与える影響を様々な定量指標により分析・評価し、財務健全性およびその向上に必要なリスクコントロールの施策に関する経営論議を行っております。
① 重大リスク管理
当社グループは、「事業に重大な影響を及ぼす可能性があるリスク」を「重大リスク」と定義し、事業の抱えるリスクをボトムアップのリスクアセスメントと、取締役会等によるトップダウンでの確認・議論を通じて網羅的に把握・評価しております。リスク評価の実施にあたっては、経済的損失や業務継続に加えて、お客さま、社会などのステークホルダーの観点でのレピュテーション影響を重視するように基準の明確化を図っております。
重大リスクは、グループCROがリスクアセスメントや専門家等の見解に基づいて網羅的に把握し、リスクが当社グループに及ぼす影響を具体的なシナリオで想定したうえで、発生可能性および影響度でリスクを定性・定量の両面から評価し、管理状況を年2回以上、グループERM委員会にて協議のうえ、グループ執行会議および取締役会に報告しております。
管理態勢の強化が必要なリスクについては、グループ執行会議において議論を行っております。また、現時点では具体的な影響シナリオの想定に基づく評価は困難であるものの、環境変化などにより新たに発現または変化し、今後、当社グループに大きな影響を及ぼす可能性のあるリスクを「エマージングリスク」と定め、個別の重大リスクと関連付けて適切に管理を実施しております。エマージングリスクの選定については、官民の各種情報を将来大きな影響をもたらす可能性のある変化の兆候などの観点から収集・分析し、リスク候補をリストアップしたうえで、その中から重要性を踏まえてリスクを選定しております。
② 自己資本管理
当社グループが保有する保険引受リスク、資産運用リスク、介護リスクおよびオペレーショナル・リスクを定量化したうえで、自己資本がリスク量と比べて充分な水準を維持できるよう管理を行っており、必要に応じ対応策を実施する態勢を整備しております。
③ ストレステスト
当社グループの経営に重大な影響を及ぼし得る事象を的確に把握・管理するために、グループベースで「シナリオ・ストレステスト」、「リバース・ストレステスト」および「感応度分析」を実施し、資本およびリスクへの影響度を分析して、必要に応じ対応策を実施する態勢を整備しております。
④ リミット管理
特定事象の発現により多額の損失が生じることを回避するため、与信リスク、出再リスク、自然災害リスクの各々に対してグループベースで最大限度額を定め、その範囲内でリスクの特性を踏まえたリミットを設定し、リミットを超過した場合には対応策を実施する態勢を整備しております。
⑤ 流動性リスク管理
日々の資金繰り管理のほか、巨大災害発生時などの最大資金流出額を予想し、それに対応できる流動性資産が十分に確保されるよう管理しております。
(3) 保険事業に係る資本規制の枠組み
当社グループは、保険業法で定められている資本規制の適用を受け、規制当局である金融庁によりモニタリングを受けております。
保険会社グループは、自然災害や市場の急変など、発生頻度は低いものの大きな損失が生じうるリスクに備え、十分な資本を保有しておく必要があります。そうした「通常の予測を超えるリスク」に対して、どれだけ支払余力(ソルベンシー・マージン)を持っているかを表したものがソルベンシー・マージン比率です。
この比率が100%以上あれば、必要な備えができているため一定の健全性が確保されていると評価されますが、100%を下回った場合には、早期是正措置により、金融庁長官によって早期に経営の健全性の回復を図るための措置がとられます。
2026年3月期決算から、この比率を資産・負債の経済価値に基づいて評価する制度が導入されました。これにより、帳簿上の数字ではなく、実際の市場価値やリスクを反映した評価が可能になりました。
なお、海外保険子会社は、現地の規制当局の監督のもと、所在国における資本規制の適用を受けており、当社は規制などの遵守状況をSompo International Holdings Ltd.におけるモニタリング結果を通じて確認しております。
38.2 保険リスク
38.2.1 保険リスクに対するエクスポージャー
(1) 損害保険事業
保険リスクは、経済情勢や保険事故の発生率等が保険料設定時の予測に反して変動することにより、損失を被るリスクであります。特に、地震・台風・洪水などの自然災害を原因とする保険金支払に関わるものが大部分を占めております。その他、通常の損害に係る保険金支払に関わるリスクや、保険負債が将来見通しの変化によって変動するリスクがあります。
損害保険事業の保険契約および再保険契約に係る保険種目別・地域別の資産または負債の計上額は、次のとおりであります。
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
(2) 生命保険事業
保険リスクは、経済情勢や保険事故の発生率等が保険料設定時の予測に反して変動することにより、損失を被るリスクであります。死亡率・生存率・障害発生率の変動など、人の疾病・死亡に関わるリスクに加え、長期間にわたる契約が多いことから、解約率の変動に関わるリスクがあります。その他、事業費率の変動に関わるリスクや、自然災害やパンデミックに起因する巨大災害リスクなどがあります。
生命保険事業の保険契約および再保険契約に係る区分別の資産または負債の計上額は、次のとおりであります。
38.2.2 感応度分析
合理的に起こりうる保険リスクの変動による税引前利益および税引前その他の包括利益への影響額は、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
残存カバーに係る負債については、将来キャッシュ・フローの見積技法に使用されているリスク変数が変動すると、将来キャッシュ・フローの変動がCSMに調整されることによりCSMの償却額が変動するほか、当該保険契約(PAAを適用して測定するものを含む)が新たに不利な契約となるか、または損失要素が変動することにより不利な契約に係る損益が変動するため、税引前利益にその影響(CSMの償却額については年換算額)を反映しております。また、発生保険金に係る負債については、将来キャッシュ・フローの見積技法に使用されているリスク変数が変動すると、将来キャッシュ・フローが変動することにより保険サービス費用が変動するため、税引前利益にその影響を反映しております。
この際、将来キャッシュ・フローが変動するとそれに伴って割引率変動差額が変動することから、保険金融収益または費用に係るポートフォリオごとの会計方針に応じて税引前利益または税引前その他の包括利益にその影響を反映しております。
なお、上記のそれぞれの変数について、単一の変数のみが変動し、他のすべての変数は一定であると仮定した場合の影響額を記載しております。生命保険事業のインフレ率については、終局金利に織り込まれている期待インフレ率を一定としつつ直近のインフレ率を変動させております。
38.3 市場リスク
市場リスクは、金利、株価および外国為替レート等の市場価格の変動により、保険契約および再保険契約の履行キャッシュ・フローが変動するリスクおよび金融商品の公正価値または将来キャッシュ・フローが変動するリスクであります。当社グループにおいては、保険契約、資産運用および資金調達の各取引から市場リスクが生じており、主に金利リスク、株価リスクおよび為替リスクにさらされております。
38.3.1 金利リスク
金利リスクは、保険契約、再保険契約の履行キャッシュ・フローおよび金融商品の公正価値または将来キャッシュ・フローが市場金利により変動するリスクであります。
当社グループでは、債券や貸付金等の金融商品により資産運用を行っていることから、金利が上昇すると固定利付債券等の公正価値が減少するリスクがあります。また、金利が下落すると保険契約および再保険契約に係る割引率変動により、その現在価値が増加するリスクがあり、顧客に固定利回りを保証している保険商品に関しては、実際の利回りが当初保証された利回りを下回る場合、当社グループが損失を被るリスクがあります。
当社グループは、資産および負債ポジションに係る金利リスクのエクスポージャーを定期的にモニタリングしており、保険契約とこれに対応する運用資産におけるデュレーションの調整および金利スワップなどのデリバティブを用いた金利エクスポージャーの調整を通じて、グループ全体における金利リスクを適切に管理しております。
感応度分析
合理的に起こりうる市場金利の変動による税引前利益および税引前その他の包括利益への影響額は、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
固定利付の金融商品は金利が変動すると公正価値が変動するため、FVTPLについては税引前利益に、負債性FVTOCIについては税引前その他の包括利益にその影響を反映しております。保険契約および再保険契約については、金利が変動すると割引率の変動により期末における将来キャッシュ・フローの割引現在価値が変動するため、保険金融収益または費用に係るポートフォリオごとの会計方針に応じて税引前利益または税引前その他の包括利益にその影響を反映しております。また、生命保険事業における一部の保険契約については、金利が変動するとそれに伴って将来キャッシュ・フローが変動することから、税引前利益にその影響(CSMの償却額については年換算額)を反映しております。
なお、損害保険事業において、感応度はイールド・カーブの平行移動による影響額を示しており、他のすべての変数は一定であると仮定しております。また、生命保険事業において、円金利に係る感応度は終局金利を除くイールド・カーブの平行移動による影響額、終局金利に係る感応度は終局金利のみの変動による影響額をそれぞれ区分して示しており、他のすべての変数は一定であると仮定しております。
38.3.2 株価リスク
株価リスクは、株価の変動により金融商品の公正価値または将来キャッシュ・フローが変動するリスクであり、株式への直接投資またはファンドを通じた株式への投資から生じております。当社グループは、株価エクスポージャーを定期的にモニタリングしており、株価指数先物などのデリバティブ取引を活用し、グループ全体における株価リスクを適切に管理しております。また、生命保険事業における一部の保険契約については、株価が変動するとそれに伴って将来キャッシュ・フローが変動することから、株価リスクを有しております。
主要な株価エクスポージャーは、次のとおりであります。
感応度分析
TOPIX(東証株価指数)の変動による税引前利益および税引前その他の包括利益への影響額は、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
株価が変動するとそれに伴い金融商品の公正価値が変動するため、FVTPLについては税引前利益にその影響を反映しており、資本性FVTOCIについては税引前その他の包括利益にその影響を反映しております。また、生命保険事業における一部の保険契約については、株価が変動するとそれに伴って将来キャッシュ・フローが変動することから、税引前利益にその影響(CSMの償却額については年換算額)を反映しております。なお、感応度は国内上場株式に対する影響額を示しており、他のすべての変数は一定であると仮定しております。
38.3.3 為替リスク
為替リスクは、保険契約、再保険契約の履行キャッシュ・フローおよび金融商品の公正価値または将来キャッシュ・フローが外国為替レートにより変動するリスクであり、当社グループでは、為替エクスポージャーは主に機能通貨とは異なる通貨建の債券および保険負債について生じております。為替リスクの一部は為替予約、通貨オプションなどのデリバティブ取引を活用し、グループ全体における為替リスクを適切に管理しております。
主要な為替エクスポージャーは、次のとおりであります。
感応度分析
合理的に起こりうる機能通貨以外の為替レートの変動による税引前利益および税引前その他の包括利益への影響額は、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注1)米ドルまたはユーロが-10%となった場合の影響は、日本円を機能通貨とする国内保険会社については、米ドルまたはユーロに対して10%円高となった場合の影響を示しており、日本円以外を機能通貨とする海外保険会社については、当該機能通貨に対して10%米ドル安またはユーロ安となった場合の影響を示しております。
(注2)米ドルまたはユーロが+10%となった場合の影響は、日本円を機能通貨とする国内保険会社については、米ドルまたはユーロに対して10%円安となった場合の影響を示しており、日本円以外を機能通貨とする海外保険会社については、当該機能通貨に対して10%米ドル高またはユーロ高となった場合の影響を示しております。
保険契約、再保険契約および債券等の貨幣性項目については、機能通貨以外の為替レートが変動すると、それに伴い為替差損益が生じるため、その影響(CSMの償却額については年換算額)を税引前利益に反映しております。国内会社の保険契約および再保険契約から生じる割引率変動差額については、機能通貨以外の為替レートが変動するとその他の包括利益に認識された割引率変動差額が変動することから、その影響を税引前その他の包括利益に反映しております。海外会社の保険契約および再保険契約から生じる割引率変動差額については、機能通貨以外の為替レートが変動すると為替差損益が変動することから、その影響を税引前利益に反映しております。負債性FVTOCIに係る公正価値の変動から生じる評価差額については、同様にその他の包括利益に認識された評価差額が変動することから、その影響を税引前その他の包括利益に反映しております。また、為替リスクのヘッジ対象となる資産または負債が貨幣性であるか非貨幣性であるかにかかわらず、すべての為替デリバティブ取引について、為替レートが変動することに伴う為替差損益の影響を税引前利益に反映しております。なお、上記のそれぞれの変数について、単一の変数のみが変動し、他のすべての変数は一定であると仮定した場合の影響額を記載しております。
38.4 信用リスク
信用リスクは、当社グループが保有する債券、貸付金、デリバティブ取引等の運用資産における与信先または再保険契約における出再先の財務状況の悪化や破綻等により、運用資産の価値が減少したり回収が困難となったりすること、または再保険金の回収が困難となることにより財務上の損失を被るリスクであります。
38.4.1 予想信用損失モデルの適用対象となっている金融資産
(1) 信用リスクの管理
当社グループは、予想信用損失モデルの適用対象となっている金融資産について、次のとおり信用リスクの管理を行っております。
与信に関する方針および信用限度の設定
当社グループでは、内部格付制度によって与信先の信用リスクの程度を適切に把握したうえで、債券や貸付金等個々の投融資等を実行しております。また、特定与信先への集中を管理するために、内部格付ごとに1与信先当たりの与信額の上限を設定し適切に管理しております。
定期的な信用リスクのモニタリング
当社グループは、与信先の財務状況や債務履行状況をモニタリングしたうえで、内部格付に適時に反映し、必要に応じて与信の削減・保全を図るなど適切に対応しております。また、与信先ごとの管理に加え、業種や国など特定のセクターへの与信が過度に集中しないよう管理しております。
自己査定の実施および検証
すべての債権について自己査定(保有する資産を個別に検討して、回収の危険性または価値の毀損の危険性の度合いに応じて区分すること)を実施しております。
自己査定では、各所管部署が自己査定(1次査定)を実施し、当該部署から独立した部署が検証(2次査定)を実施したうえで、監査部署が監査を行うとともに、自己査定の結果に基づいて予想信用損失の測定および計上を行っております。
(2) 格付別信用エクスポージャー
次の表は、予想信用損失モデルの適用対象となっている金融資産を内部格付別に分析したものであり、これらの投資による当社グループの最大信用エクスポージャーの総額(信用保証考慮前)を表しております。
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
(注)償却原価で測定される金融資産の帳簿価額は、信用損失引当金の控除前における総額による帳簿価額を示しております。
担保およびその他の信用補完
当社グループは貸付金等の債権に対して有価証券および不動産等の担保や親会社等による保証を受け入れております。なお、期末における信用減損金融資産については、当該担保により債権額の概ね全額が保全されております。
与信集中リスク
与信集中リスクとは、特定の与信先に与信が集積することで、当該与信先の財務状況の悪化や破綻により、多額の損失が発生するリスクであります。
当社グループは、内部格付制度を導入したうえで、内部格付ごとに1与信先当たりのエクスポージャーのリミットを設定し、与信の集中を定期的にモニタリングし適切に管理しております。また、個々の与信先への集中のみならず、業種や地域など特定のセクターへの与信状況についても定期的にモニタリングし、過度な集中がないように管理しております。
当社グループでは、与信の多くが国内に集中しておりますが、これ以外に特定の国・地域において与信の集中はありません。また、国内における特定の業種への与信の集中はありません。
(3) 信用損失の測定
当社グループでは、金融商品の形態、信用格付等に基づき、類似したエクスポージャーごとにグループ化して信用リスクを管理しており、当該グループに基づいて予想信用損失の測定を集合的に行っております。
当社グループは、当初認識以降に信用リスクの著しい増大があった金融資産に対して、将来予測的な情報を含めたすべての合理的で裏付け可能な情報を考慮して、金融資産の存続期間にわたる予想信用損失を認識し、金融資産の信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融商品に係る信用損失引当金を12か月の予想信用損失に等しい金額で測定しております。具体的には、予想信用損失は12か月または存続期間にわたる倒産確率(PD)および倒産時損失率(LGD)に基づいて測定しております。当社グループは、全期間のPDおよび12か月のPDを算定するため、複数の外部格付機関から提供された格付ごとの債務者の債務不履行実績に基づくPDテーブルを使用しております。LGDは債務不履行となった場合に発生する可能性のある損失の程度を表しております。採用するLGDは仕組み、担保、債権の優先順位等に基づいて決定しております。
また、利用されるデータは過去における実績に基づいておりますが、マクロ経済情勢等の変化に応じた将来予想を適時に反映するため、著しい経済情勢の変動等が生じた場合には、現在および将来における経済予測を、過去における実績データに補正することとしております。
著しい信用リスクの増大の判定方法
当社グループは、債務者ごとに内部格付を付与して信用リスクを管理しており、S&Pおよびムーディーズなどの外部格付と一定の整合性を維持しております。
当社グループは、当初認識以降に一定の内部格付の引下げがある場合、反証可能な場合を除き30日超の延滞がある場合、その他事業状況、財務状況または経済状況の不利な変化により債務者が債務を履行する能力の著しい変化を生じさせると予想される事象が発生した場合等には、著しい信用リスクの増大があったと判定しております。
当該判定に利用されるデータは過去における実績に基づいておりますが、マクロ経済情勢等の変化に応じた将来予想を適時に反映するため、著しい経済情勢の変動等が生じた場合には、現在および将来における経済予測を、過去における実績データに補正することとしております。
なお、債券については低い信用リスクの例外を適用しており、期末日において投資適格である銘柄については著しい信用リスクの増大はないものとみなしております。
債務不履行の定義
当社グループは、過去における回収実績および規制上要求される自己査定における査定区分との整合性を勘案し、90日超の延滞もしくは法的破綻またはそれに準じる事象の発生を債務不履行として定義しております。
信用減損金融資産の決定
当社グループは、債務不履行となった債権のほか、今後、経営破綻に陥る可能性が大きいと認められる債権および債権者に著しく不利益となるような条件緩和を行った債権等については、信用減損金融資産と判断しております。
直接償却
金融資産の総額での帳簿価額は、回収の合理的な見込みがない場合に(その一部または全額を)直接償却しております。これは通常、債務者が直接償却の対象となる金額を返済するのに十分なキャッシュ・フローを生成できるほどの資産または収益源を有していないと当社グループが判断した場合に生じます。
条件変更された金融資産
金融資産の契約条件は、市況の変更、現在および今後の借手の信用悪化に関連しない他の要因を含む様々な理由によって変更される可能性があります。条件変更が発生した場合は変更前後での影響金額および率のモニタリングを実施し、認識の中止に該当するか個別に検討しております。
認識の中止に該当すると判定された場合には、再交渉された資産は新たな金融資産として公正価値により認識されます。
金融資産の条件が変更されるのに認識の中止が行われない場合には、当該資産の信用リスクの著しい増大があったか否かは、当初認識時と期末日それぞれにおける内部格付の比較によって決定しております。
投資有価証券に対する信用損失引当金の変動は、次のとおりであります。
貸付金等に対する信用損失引当金の変動は、次のとおりであります。
38.4.2 再保険契約
再保険は、保険リスクを管理するために用いられております。ただし、当社グループの保険会社としての責務が免責されるわけではありません。再保険会社が何らかの理由により保険金の支払を怠った場合でも、当社グループは保険契約者に対して支払を行う義務があります。再保険会社の信用力は、契約締結前に財務上の健全性を確認することにより管理しております。
再保険契約資産はIFRS第9号における予想信用損失モデルの対象となっておりませんが、将来の履行キャッシュ・フローを見積る際には、信用リスクを考慮してキャッシュ・フローを見積っております。
再保険契約資産の内部格付別の残高は、次のとおりであります。なお、最大信用リスク・エクスポージャーは再保険契約資産の残高であります。
出再集中リスク
出再集中リスクとは、特定の出再先に出再が集中することで、当該出再先の財務状況の悪化や破綻により、多額の損失が発生するリスクであります。当社グループは、内部格付制度を導入したうえで、内部格付ごとに1出再先当たりの予想最大回収額のリミットを設定し、出再集中リスクを定期的にモニタリングし適切に管理しております。
38.5 流動性リスク
流動性リスクは、新契約の減少に伴う保険料収入の減少、大量ないし大口解約に伴う解約返戻金支出の増加および巨大災害での多額の保険金支払により資金繰りが悪化し、資金の確保に通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることにより損失を被るリスクや、市場の混乱などで取引ができなかったりすることにより保険金支払が遅延するリスクであります。
当社グループでは、日々の資金繰り管理のほか、巨大災害発生など、流動性リスク・シナリオ発現に伴う保険金支払などの最大資金流出額を予想し、それに対応できる流動性資産が十分に確保されるよう管理しております。
満期分析
非デリバティブ金融負債およびデリバティブの契約上の割引前キャッシュ・フローは、次のとおりであります。
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
社債及び借入金の一部には早期償還条項が付されているものがあるため、実際に生じるキャッシュ・フローの金額は、上記における契約上のキャッシュ・フローの金額とは異なる場合があります。また、変動金利については、期末日における金利が継続すると仮定して算定しております。
保険契約および再保険契約に係る割引前キャッシュ・フローの内訳は、次のとおりであります。なお、PAAを適用して測定した残存カバーに係る資産および負債を含めておりません。
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
また、保険契約者から請求があり次第支払う要求払の金額と関連する保険契約グループの帳簿価額は、次のとおりであります。
なお、要求払の金額には、期末時点において保険契約が解約された場合に支払われるであろう解約返戻金の金額を含めております。
38.6 金融資産および金融負債の相殺
強制可能なマスター・ネッティング契約または類似の契約の対象となっている金融資産および金融負債は、次のとおりであります。
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
なお、強制可能なマスター・ネッティング契約および類似の契約において、金融資産および金融負債に関する相殺の権利は、通常の事業活動の過程では発生が予想されていない債務不履行およびその他の特定の事象が発生した場合にのみ強制力が生じ、個々の金融資産および金融負債の決済に影響を与えるものであります。したがって、これらの契約では相殺する法的に強制可能な権利が現時点では生じておらず、連結財政状態計算書における相殺表示の要件を満たしておりません。
38.1 リスク管理の概要
当社グループのリスク管理の枠組みである戦略的リスク経営(ERM)は、経営における高性能な『羅針盤』として、次の「3つの機能」を強化・高度化し、損失を未然に回避するだけでなく、新規事業投資などの機会損失を低減させることで、当社グループを最適な方向に導く役割を果たしております。
| ア.グループが置かれた現在地を正確に把握(現状の多面的な分析) イ.将来起こりうるリスクを敏感に察知(重要なリスクの的確な把握と対策) ウ.グループが取るべき航路を提示(最適な事業ポートフォリオの提示) |
戦略的リスク経営(ERM)は、資本・リスク・収益のバランスを取りながら企業価値の最大化を図る一連の経営管理プロセスとして「戦略執行に係るリスクテイク」と「経営基盤の安定に資するリスクコントロール」の2つの側面を持っております。リスクテイクの側面では、リスクアペタイトフレームワークを中心に資本・リスク・収益に関する分析を重要な経営判断に活かし(上記ウ)、リスクコントロールの側面では、当社グループを取り巻く多様なリスクを特定、分析、評価する仕組み(リスクコントロールシステム)を活用して(上記ア、イ)、不測の損失の極小化と利益の安定を目指しております。
(1) リスク管理に関するガバナンス体制
当社では、取締役会が制定した「SOMPOグループERM基本方針」に基づき、「戦略的リスク経営(ERM)」の実効性を確保するため、グループ戦略・経営計画と合わせて、リスクテイクの指針としてリスクアペタイト原則、中期リスクテイク戦略およびリスクアペタイト指標からなる「SOMPOグループリスクアペタイトステートメント」を定めております。
グループCEOの諮問機関であるグループ執行会議では、グループのリスクアペタイトステートメント、中期グループERM推進方針、リスク許容度に関する対応方針・対応策などのリスク管理に関する事項について定期的に経営論議しております。
また、グループ執行会議の下部組織として、グループCROを委員長とするグループERM委員会を設置しております。グループERM委員会では、リスクテイク戦略などグループの戦略的リスク経営に関する重要な事項やリスク統括部、各主管部を通じた重大リスクのコントロールの状況等について、グループ横断で確認・議論を行っております。その結果はグループ執行会議を経て取締役会へ報告を行っており、取締役会からの助言等も踏まえながらグループのリスク管理に関するガバナンスの強化への不断の取組みを継続する態勢としております。
グループCROは、「SOMPOグループERM基本方針」や「中期グループERM推進方針」をグループ会社に周知徹底し、また、定期的なモニタリング、各社CROとのディスカッション等を通じ、グループ全体の戦略的リスク経営の実効性の向上を図っております。
グループ全体のガバナンス体制においては、グループの方針に沿ったリスク管理体制を整備し、リスク管理を各社にて自律的に行っております。当社および主要子会社においては、施策の策定および運用を行う各部門が自律的にリスク管理を行う第1線、専門的見地から第1線を支援・牽制するリスク統括部・各主管部による第2線、内部監査部門が独立した立場からリスクガバナンス体制の妥当性・有効性を監査する第3線の3線体制によりリスク管理の実効性確保および強化に努めております。
(2) リスクコントロールシステム
リスクコントロールシステムにおいては、「重大リスク管理」の枠組みで当社グループを取り巻く重大リスクを網羅的に特定し、定性的・定量的な評価を行っております。
定量化が可能なリスクについては「自己資本管理」「ストレステスト」「リミット管理」「流動性リスク管理」の枠組みで自己資本、流動性などに与える影響を様々な定量指標により分析・評価し、財務健全性およびその向上に必要なリスクコントロールの施策に関する経営論議を行っております。
① 重大リスク管理
当社グループは、「事業に重大な影響を及ぼす可能性があるリスク」を「重大リスク」と定義し、事業の抱えるリスクをボトムアップのリスクアセスメントと、取締役会等によるトップダウンでの確認・議論を通じて網羅的に把握・評価しております。リスク評価の実施にあたっては、経済的損失や業務継続に加えて、お客さま、社会などのステークホルダーの観点でのレピュテーション影響を重視するように基準の明確化を図っております。
重大リスクは、グループCROがリスクアセスメントや専門家等の見解に基づいて網羅的に把握し、リスクが当社グループに及ぼす影響を具体的なシナリオで想定したうえで、発生可能性および影響度でリスクを定性・定量の両面から評価し、管理状況を年2回以上、グループERM委員会にて協議のうえ、グループ執行会議および取締役会に報告しております。
管理態勢の強化が必要なリスクについては、グループ執行会議において議論を行っております。また、現時点では具体的な影響シナリオの想定に基づく評価は困難であるものの、環境変化などにより新たに発現または変化し、今後、当社グループに大きな影響を及ぼす可能性のあるリスクを「エマージングリスク」と定め、個別の重大リスクと関連付けて適切に管理を実施しております。エマージングリスクの選定については、官民の各種情報を将来大きな影響をもたらす可能性のある変化の兆候などの観点から収集・分析し、リスク候補をリストアップしたうえで、その中から重要性を踏まえてリスクを選定しております。
② 自己資本管理
当社グループが保有する保険引受リスク、資産運用リスク、介護リスクおよびオペレーショナル・リスクを定量化したうえで、自己資本がリスク量と比べて充分な水準を維持できるよう管理を行っており、必要に応じ対応策を実施する態勢を整備しております。
③ ストレステスト
当社グループの経営に重大な影響を及ぼし得る事象を的確に把握・管理するために、グループベースで「シナリオ・ストレステスト」、「リバース・ストレステスト」および「感応度分析」を実施し、資本およびリスクへの影響度を分析して、必要に応じ対応策を実施する態勢を整備しております。
④ リミット管理
特定事象の発現により多額の損失が生じることを回避するため、与信リスク、出再リスク、自然災害リスクの各々に対してグループベースで最大限度額を定め、その範囲内でリスクの特性を踏まえたリミットを設定し、リミットを超過した場合には対応策を実施する態勢を整備しております。
⑤ 流動性リスク管理
日々の資金繰り管理のほか、巨大災害発生時などの最大資金流出額を予想し、それに対応できる流動性資産が十分に確保されるよう管理しております。
(3) 保険事業に係る資本規制の枠組み
当社グループは、保険業法で定められている資本規制の適用を受け、規制当局である金融庁によりモニタリングを受けております。
保険会社グループは、自然災害や市場の急変など、発生頻度は低いものの大きな損失が生じうるリスクに備え、十分な資本を保有しておく必要があります。そうした「通常の予測を超えるリスク」に対して、どれだけ支払余力(ソルベンシー・マージン)を持っているかを表したものがソルベンシー・マージン比率です。
| ソルベンシー・マージン比率(%)=適格資本÷所要資本×100 |
この比率が100%以上あれば、必要な備えができているため一定の健全性が確保されていると評価されますが、100%を下回った場合には、早期是正措置により、金融庁長官によって早期に経営の健全性の回復を図るための措置がとられます。
2026年3月期決算から、この比率を資産・負債の経済価値に基づいて評価する制度が導入されました。これにより、帳簿上の数字ではなく、実際の市場価値やリスクを反映した評価が可能になりました。
なお、海外保険子会社は、現地の規制当局の監督のもと、所在国における資本規制の適用を受けており、当社は規制などの遵守状況をSompo International Holdings Ltd.におけるモニタリング結果を通じて確認しております。
38.2 保険リスク
38.2.1 保険リスクに対するエクスポージャー
(1) 損害保険事業
保険リスクは、経済情勢や保険事故の発生率等が保険料設定時の予測に反して変動することにより、損失を被るリスクであります。特に、地震・台風・洪水などの自然災害を原因とする保険金支払に関わるものが大部分を占めております。その他、通常の損害に係る保険金支払に関わるリスクや、保険負債が将来見通しの変化によって変動するリスクがあります。
損害保険事業の保険契約および再保険契約に係る保険種目別・地域別の資産または負債の計上額は、次のとおりであります。
前連結会計年度(2025年3月31日)
| (単位:百万円) | ||||||
| 負債計上額 (△は資産計上額) | 保険契約 | 再保険契約 | ||||
| 国内 | 海外 | 合計 | 国内 | 海外 | 合計 | |
| 火災 | 865,601 | 550,557 | 1,416,159 | △38,303 | △173,108 | △211,412 |
| 海上 | 36,760 | 109,751 | 146,512 | △9,517 | △55,085 | △64,603 |
| 傷害 | 948,708 | 356 | 949,065 | △1,753 | 82 | △1,671 |
| 自動車 | 770,681 | 199,487 | 970,169 | △1,039 | △18,301 | △19,341 |
| 自動車損害賠償責任 | 505,286 | - | 505,286 | - | - | - |
| その他 | 647,114 | 2,510,139 | 3,157,253 | △92,455 | △816,721 | △909,177 |
| 合計 | 3,774,153 | 3,370,292 | 7,144,445 | △143,070 | △1,063,135 | △1,206,205 |
当連結会計年度(2026年3月31日)
| (単位:百万円) | ||||||
| 負債計上額 (△は資産計上額) | 保険契約 | 再保険契約 | ||||
| 国内 | 海外 | 合計 | 国内 | 海外 | 合計 | |
| 火災 | 766,938 | 462,216 | 1,229,154 | △23,285 | △1,912 | △25,197 |
| 海上 | 39,158 | 146,649 | 185,807 | △9,121 | △41,107 | △50,229 |
| 傷害 | 852,558 | 476 | 853,034 | △1,804 | 57 | △1,746 |
| 自動車 | 795,609 | 239,936 | 1,035,545 | △740 | △19,854 | △20,594 |
| 自動車損害賠償責任 | 480,743 | - | 480,743 | - | - | - |
| その他 | 611,489 | 4,489,331 | 5,100,820 | △85,142 | △1,918,708 | △2,003,851 |
| 合計 | 3,546,497 | 5,338,609 | 8,885,106 | △120,093 | △1,981,525 | △2,101,619 |
(2) 生命保険事業
保険リスクは、経済情勢や保険事故の発生率等が保険料設定時の予測に反して変動することにより、損失を被るリスクであります。死亡率・生存率・障害発生率の変動など、人の疾病・死亡に関わるリスクに加え、長期間にわたる契約が多いことから、解約率の変動に関わるリスクがあります。その他、事業費率の変動に関わるリスクや、自然災害やパンデミックに起因する巨大災害リスクなどがあります。
生命保険事業の保険契約および再保険契約に係る区分別の資産または負債の計上額は、次のとおりであります。
| (単位:百万円) | ||||
| 負債計上額 (△は資産計上額) | 前連結会計年度 (2025年3月31日) | 当連結会計年度 (2026年3月31日) | ||
| 保険契約 | 再保険契約 | 保険契約 | 再保険契約 | |
| 個人保険 | 2,070,964 | △1,873 | 1,694,457 | △2,107 |
| 個人年金保険 | 106,753 | - | 95,635 | - |
| 団体保険 | 5,177 | 1 | 5,132 | 3 |
| 団体年金保険 | - | - | - | - |
| 合計 | 2,182,895 | △1,871 | 1,795,225 | △2,103 |
38.2.2 感応度分析
合理的に起こりうる保険リスクの変動による税引前利益および税引前その他の包括利益への影響額は、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
| (単位:百万円) | ||||
| 税引前利益への影響 | 税引前その他の包括利益への影響 | |||
| 再保険考慮前 | 再保険考慮後 | 再保険考慮前 | 再保険考慮後 | |
| 損害保険事業 | ||||
| 損害率×1.1 | △290,767 | △235,611 | 10,148 | 10,123 |
| 維持費率×1.1 | △31,983 | △29,590 | 1,105 | 1,105 |
| インフレ率+50bp | △68,513 | △54,231 | 2,117 | 2,111 |
| 生命保険事業 | ||||
| 死亡率×1.05 | △1,564 | △1,529 | △4,202 | △4,202 |
| 罹患率×1.05 | △7,142 | △7,140 | 11,405 | 11,405 |
| 維持費率×1.05 | △1,762 | △1,757 | 1,671 | 1,671 |
| 解約失効率×1.05 | △811 | △779 | △6,774 | △6,774 |
| インフレ率+50bp | △2,656 | △2,648 | 5,682 | 5,682 |
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
| (単位:百万円) | ||||
| 税引前利益への影響 | 税引前その他の包括利益への影響 | |||
| 再保険考慮前 | 再保険考慮後 | 再保険考慮前 | 再保険考慮後 | |
| 損害保険事業 | ||||
| 損害率×1.1 | △314,239 | △254,722 | 16,413 | 16,384 |
| 維持費率×1.1 | △36,040 | △33,225 | 1,793 | 1,793 |
| インフレ率+50bp | △78,418 | △60,717 | 3,327 | 3,321 |
| 生命保険事業 | ||||
| 死亡率×1.05 | △1,255 | △1,221 | △8,589 | △8,589 |
| 罹患率×1.05 | △7,827 | △7,825 | 28,688 | 28,688 |
| 維持費率×1.05 | △1,901 | △1,895 | 4,876 | 4,876 |
| 解約失効率×1.05 | △657 | △630 | △15,202 | △15,202 |
| インフレ率+50bp | △3,005 | △2,997 | 14,797 | 14,797 |
残存カバーに係る負債については、将来キャッシュ・フローの見積技法に使用されているリスク変数が変動すると、将来キャッシュ・フローの変動がCSMに調整されることによりCSMの償却額が変動するほか、当該保険契約(PAAを適用して測定するものを含む)が新たに不利な契約となるか、または損失要素が変動することにより不利な契約に係る損益が変動するため、税引前利益にその影響(CSMの償却額については年換算額)を反映しております。また、発生保険金に係る負債については、将来キャッシュ・フローの見積技法に使用されているリスク変数が変動すると、将来キャッシュ・フローが変動することにより保険サービス費用が変動するため、税引前利益にその影響を反映しております。
この際、将来キャッシュ・フローが変動するとそれに伴って割引率変動差額が変動することから、保険金融収益または費用に係るポートフォリオごとの会計方針に応じて税引前利益または税引前その他の包括利益にその影響を反映しております。
なお、上記のそれぞれの変数について、単一の変数のみが変動し、他のすべての変数は一定であると仮定した場合の影響額を記載しております。生命保険事業のインフレ率については、終局金利に織り込まれている期待インフレ率を一定としつつ直近のインフレ率を変動させております。
38.3 市場リスク
市場リスクは、金利、株価および外国為替レート等の市場価格の変動により、保険契約および再保険契約の履行キャッシュ・フローが変動するリスクおよび金融商品の公正価値または将来キャッシュ・フローが変動するリスクであります。当社グループにおいては、保険契約、資産運用および資金調達の各取引から市場リスクが生じており、主に金利リスク、株価リスクおよび為替リスクにさらされております。
38.3.1 金利リスク
金利リスクは、保険契約、再保険契約の履行キャッシュ・フローおよび金融商品の公正価値または将来キャッシュ・フローが市場金利により変動するリスクであります。
当社グループでは、債券や貸付金等の金融商品により資産運用を行っていることから、金利が上昇すると固定利付債券等の公正価値が減少するリスクがあります。また、金利が下落すると保険契約および再保険契約に係る割引率変動により、その現在価値が増加するリスクがあり、顧客に固定利回りを保証している保険商品に関しては、実際の利回りが当初保証された利回りを下回る場合、当社グループが損失を被るリスクがあります。
当社グループは、資産および負債ポジションに係る金利リスクのエクスポージャーを定期的にモニタリングしており、保険契約とこれに対応する運用資産におけるデュレーションの調整および金利スワップなどのデリバティブを用いた金利エクスポージャーの調整を通じて、グループ全体における金利リスクを適切に管理しております。
感応度分析
合理的に起こりうる市場金利の変動による税引前利益および税引前その他の包括利益への影響額は、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
| (単位:百万円) | ||||||
| 税引前利益への影響 | 税引前その他の包括利益への影響 | |||||
| 保険契約 | 金融商品 | 保険契約 | 金融商品 | |||
| 再保険考慮前 | 再保険考慮後 | 再保険考慮前 | 再保険考慮後 | |||
| 損害保険事業 | ||||||
| 円金利+50bp | 34 | 17 | △1,543 | 66,278 | 65,329 | △30,487 |
| 円金利-50bp | △34 | △17 | 1,577 | △72,525 | △71,557 | 32,520 |
| 米ドル金利+50bp | 33,280 | 22,776 | △56,010 | 594 | 507 | △12,404 |
| 米ドル金利-50bp | △33,280 | △22,776 | 56,031 | △604 | △517 | 13,216 |
| 生命保険事業 | ||||||
| 円金利+50bp | △400 | △397 | △273 | 211,521 | 211,521 | △222,555 |
| 円金利-50bp | 378 | 375 | 299 | △253,688 | △253,688 | 251,843 |
| 終局金利-50bp | 59 | 58 | - | △19,812 | △19,812 | - |
| 米ドル金利+50bp | 23 | 23 | △548 | - | - | △6,952 |
| 米ドル金利-50bp | △24 | △24 | 564 | - | - | 7,331 |
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
| (単位:百万円) | ||||||
| 税引前利益への影響 | 税引前その他の包括利益への影響 | |||||
| 保険契約 | 金融商品 | 保険契約 | 金融商品 | |||
| 再保険考慮前 | 再保険考慮後 | 再保険考慮前 | 再保険考慮後 | |||
| 損害保険事業 | ||||||
| 円金利+50bp | 31 | 17 | △1,872 | 52,537 | 51,733 | △24,559 |
| 円金利-50bp | △31 | △17 | 1,919 | △56,733 | △55,913 | 25,830 |
| 米ドル金利+50bp | 32,812 | 22,520 | △73,033 | 638 | 527 | △7,803 |
| 米ドル金利-50bp | △32,812 | △22,520 | 73,325 | △651 | △538 | 8,304 |
| 生命保険事業 | ||||||
| 円金利+50bp | △1,280 | △1,266 | △234 | 161,122 | 161,122 | △164,865 |
| 円金利-50bp | 637 | 634 | 252 | △185,647 | △185,647 | 186,213 |
| 終局金利-50bp | 63 | 63 | - | △13,044 | △13,044 | - |
| 米ドル金利+50bp | 34 | 34 | △867 | - | - | △8,515 |
| 米ドル金利-50bp | △35 | △35 | 895 | - | - | 8,976 |
固定利付の金融商品は金利が変動すると公正価値が変動するため、FVTPLについては税引前利益に、負債性FVTOCIについては税引前その他の包括利益にその影響を反映しております。保険契約および再保険契約については、金利が変動すると割引率の変動により期末における将来キャッシュ・フローの割引現在価値が変動するため、保険金融収益または費用に係るポートフォリオごとの会計方針に応じて税引前利益または税引前その他の包括利益にその影響を反映しております。また、生命保険事業における一部の保険契約については、金利が変動するとそれに伴って将来キャッシュ・フローが変動することから、税引前利益にその影響(CSMの償却額については年換算額)を反映しております。
なお、損害保険事業において、感応度はイールド・カーブの平行移動による影響額を示しており、他のすべての変数は一定であると仮定しております。また、生命保険事業において、円金利に係る感応度は終局金利を除くイールド・カーブの平行移動による影響額、終局金利に係る感応度は終局金利のみの変動による影響額をそれぞれ区分して示しており、他のすべての変数は一定であると仮定しております。
38.3.2 株価リスク
株価リスクは、株価の変動により金融商品の公正価値または将来キャッシュ・フローが変動するリスクであり、株式への直接投資またはファンドを通じた株式への投資から生じております。当社グループは、株価エクスポージャーを定期的にモニタリングしており、株価指数先物などのデリバティブ取引を活用し、グループ全体における株価リスクを適切に管理しております。また、生命保険事業における一部の保険契約については、株価が変動するとそれに伴って将来キャッシュ・フローが変動することから、株価リスクを有しております。
主要な株価エクスポージャーは、次のとおりであります。
| (単位:百万円) | ||
| 前連結会計年度 (2025年3月31日) | 当連結会計年度 (2026年3月31日) | |
| 国内株式 | 1,336,643 | 1,432,115 |
| 外国株式 | 459,404 | 488,161 |
| その他 | 125,854 | 246,820 |
| 合計 | 1,921,902 | 2,167,096 |
感応度分析
TOPIX(東証株価指数)の変動による税引前利益および税引前その他の包括利益への影響額は、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
| (単位:百万円) | ||||||
| 税引前利益への影響 | 税引前その他の包括利益への影響 | |||||
| 保険契約 | 金融商品 | 保険契約 | 金融商品 | |||
| 再保険考慮前 | 再保険考慮後 | 再保険考慮前 | 再保険考慮後 | |||
| 損害保険事業 | ||||||
| TOPIX+30% | - | - | 23,549 | - | - | 341,722 |
| TOPIX-30% | - | - | △23,549 | - | - | △341,722 |
| 生命保険事業 | ||||||
| TOPIX+30% | △3,502 | △3,502 | 6,553 | - | - | - |
| TOPIX-30% | 3,498 | 3,498 | △6,553 | - | - | - |
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
| (単位:百万円) | ||||||
| 税引前利益への影響 | 税引前その他の包括利益への影響 | |||||
| 保険契約 | 金融商品 | 保険契約 | 金融商品 | |||
| 再保険考慮前 | 再保険考慮後 | 再保険考慮前 | 再保険考慮後 | |||
| 損害保険事業 | ||||||
| TOPIX+30% | - | - | 32,813 | - | - | 371,041 |
| TOPIX-30% | - | - | △32,813 | - | - | △371,041 |
| 生命保険事業 | ||||||
| TOPIX+30% | △4,711 | △4,711 | 11,502 | - | - | - |
| TOPIX-30% | 4,707 | 4,707 | △11,502 | - | - | - |
株価が変動するとそれに伴い金融商品の公正価値が変動するため、FVTPLについては税引前利益にその影響を反映しており、資本性FVTOCIについては税引前その他の包括利益にその影響を反映しております。また、生命保険事業における一部の保険契約については、株価が変動するとそれに伴って将来キャッシュ・フローが変動することから、税引前利益にその影響(CSMの償却額については年換算額)を反映しております。なお、感応度は国内上場株式に対する影響額を示しており、他のすべての変数は一定であると仮定しております。
38.3.3 為替リスク
為替リスクは、保険契約、再保険契約の履行キャッシュ・フローおよび金融商品の公正価値または将来キャッシュ・フローが外国為替レートにより変動するリスクであり、当社グループでは、為替エクスポージャーは主に機能通貨とは異なる通貨建の債券および保険負債について生じております。為替リスクの一部は為替予約、通貨オプションなどのデリバティブ取引を活用し、グループ全体における為替リスクを適切に管理しております。
主要な為替エクスポージャーは、次のとおりであります。
| (単位:百万円) | ||
| 前連結会計年度 (2025年3月31日) | 当連結会計年度 (2026年3月31日) | |
| 米ドル(△は負債) | 460,463 | 394,562 |
| ユーロ(△は負債) | 2,704 | △38,694 |
感応度分析
合理的に起こりうる機能通貨以外の為替レートの変動による税引前利益および税引前その他の包括利益への影響額は、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
| (単位:百万円) | ||||||
| 税引前利益への影響 | 税引前その他の包括利益への影響 | |||||
| 保険契約 | 金融商品 | 保険契約 | 金融商品 | |||
| 再保険考慮前 | 再保険考慮後 | 再保険考慮前 | 再保険考慮後 | |||
| 損害保険事業 | ||||||
| 米ドル-10%(注1) | 9,446 | 6,447 | △24,224 | △78 | △66 | 233 |
| 米ドル+10%(注2) | △9,446 | △6,447 | 23,569 | 78 | 66 | △233 |
| ユーロ-10%(注1) | 20,825 | 13,786 | △10,879 | △49 | △45 | △32 |
| ユーロ+10%(注2) | △20,825 | △13,786 | 10,879 | 49 | 45 | 32 |
| 生命保険事業 | ||||||
| 米ドル-10%(注1) | 70 | 70 | △26,536 | - | - | 992 |
| 米ドル+10%(注2) | △70 | △70 | 25,322 | - | - | △992 |
| ユーロ-10%(注1) | 39 | 39 | △3,158 | - | - | 106 |
| ユーロ+10%(注2) | △39 | △39 | 3,158 | - | - | △106 |
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
| (単位:百万円) | ||||||
| 税引前利益への影響 | 税引前その他の包括利益への影響 | |||||
| 保険契約 | 金融商品 | 保険契約 | 金融商品 | |||
| 再保険考慮前 | 再保険考慮後 | 再保険考慮前 | 再保険考慮後 | |||
| 損害保険事業 | ||||||
| 米ドル-10%(注1) | 9,002 | 5,433 | △14,617 | △21 | △20 | 368 |
| 米ドル+10%(注2) | △9,002 | △5,433 | 11,583 | 21 | 20 | △368 |
| ユーロ-10%(注1) | 32,404 | 22,686 | △15,453 | △61 | △57 | △32 |
| ユーロ+10%(注2) | △32,404 | △22,686 | 15,453 | 61 | 57 | 32 |
| 生命保険事業 | ||||||
| 米ドル-10%(注1) | 2,078 | 2,078 | △32,589 | - | - | 860 |
| 米ドル+10%(注2) | △2,078 | △2,078 | 29,786 | - | - | △860 |
| ユーロ-10%(注1) | 478 | 478 | △3,779 | - | - | 101 |
| ユーロ+10%(注2) | △478 | △478 | 3,561 | - | - | △101 |
(注1)米ドルまたはユーロが-10%となった場合の影響は、日本円を機能通貨とする国内保険会社については、米ドルまたはユーロに対して10%円高となった場合の影響を示しており、日本円以外を機能通貨とする海外保険会社については、当該機能通貨に対して10%米ドル安またはユーロ安となった場合の影響を示しております。
(注2)米ドルまたはユーロが+10%となった場合の影響は、日本円を機能通貨とする国内保険会社については、米ドルまたはユーロに対して10%円安となった場合の影響を示しており、日本円以外を機能通貨とする海外保険会社については、当該機能通貨に対して10%米ドル高またはユーロ高となった場合の影響を示しております。
保険契約、再保険契約および債券等の貨幣性項目については、機能通貨以外の為替レートが変動すると、それに伴い為替差損益が生じるため、その影響(CSMの償却額については年換算額)を税引前利益に反映しております。国内会社の保険契約および再保険契約から生じる割引率変動差額については、機能通貨以外の為替レートが変動するとその他の包括利益に認識された割引率変動差額が変動することから、その影響を税引前その他の包括利益に反映しております。海外会社の保険契約および再保険契約から生じる割引率変動差額については、機能通貨以外の為替レートが変動すると為替差損益が変動することから、その影響を税引前利益に反映しております。負債性FVTOCIに係る公正価値の変動から生じる評価差額については、同様にその他の包括利益に認識された評価差額が変動することから、その影響を税引前その他の包括利益に反映しております。また、為替リスクのヘッジ対象となる資産または負債が貨幣性であるか非貨幣性であるかにかかわらず、すべての為替デリバティブ取引について、為替レートが変動することに伴う為替差損益の影響を税引前利益に反映しております。なお、上記のそれぞれの変数について、単一の変数のみが変動し、他のすべての変数は一定であると仮定した場合の影響額を記載しております。
38.4 信用リスク
信用リスクは、当社グループが保有する債券、貸付金、デリバティブ取引等の運用資産における与信先または再保険契約における出再先の財務状況の悪化や破綻等により、運用資産の価値が減少したり回収が困難となったりすること、または再保険金の回収が困難となることにより財務上の損失を被るリスクであります。
38.4.1 予想信用損失モデルの適用対象となっている金融資産
(1) 信用リスクの管理
当社グループは、予想信用損失モデルの適用対象となっている金融資産について、次のとおり信用リスクの管理を行っております。
与信に関する方針および信用限度の設定
当社グループでは、内部格付制度によって与信先の信用リスクの程度を適切に把握したうえで、債券や貸付金等個々の投融資等を実行しております。また、特定与信先への集中を管理するために、内部格付ごとに1与信先当たりの与信額の上限を設定し適切に管理しております。
定期的な信用リスクのモニタリング
当社グループは、与信先の財務状況や債務履行状況をモニタリングしたうえで、内部格付に適時に反映し、必要に応じて与信の削減・保全を図るなど適切に対応しております。また、与信先ごとの管理に加え、業種や国など特定のセクターへの与信が過度に集中しないよう管理しております。
自己査定の実施および検証
すべての債権について自己査定(保有する資産を個別に検討して、回収の危険性または価値の毀損の危険性の度合いに応じて区分すること)を実施しております。
自己査定では、各所管部署が自己査定(1次査定)を実施し、当該部署から独立した部署が検証(2次査定)を実施したうえで、監査部署が監査を行うとともに、自己査定の結果に基づいて予想信用損失の測定および計上を行っております。
(2) 格付別信用エクスポージャー
次の表は、予想信用損失モデルの適用対象となっている金融資産を内部格付別に分析したものであり、これらの投資による当社グループの最大信用エクスポージャーの総額(信用保証考慮前)を表しております。
前連結会計年度(2025年3月31日)
| (単位:百万円) | ||||
| 12か月の予想信用 損失 | 全期間の予想信用損失 | 合計 | ||
| 信用減損して いない金融資産 | 信用減損 金融資産 | |||
| 投資有価証券 | ||||
| AAA | 86,691 | - | - | 86,691 |
| AA | 3,995,933 | - | - | 3,995,933 |
| A | 263,856 | - | - | 263,856 |
| BBB | 28,196 | - | - | 28,196 |
| BB以下 | - | - | - | - |
| 格付なし | 11,342 | - | 0 | 11,342 |
| 帳簿価額(注) | 4,386,019 | - | 0 | 4,386,019 |
| 貸付金等 | ||||
| AAA | 18,273 | - | - | 18,273 |
| AA | 74,087 | 258 | - | 74,346 |
| A | 304,734 | 500 | - | 305,234 |
| BBB | 7,461 | 500 | - | 7,961 |
| BB以下 | 570 | 20 | 5 | 597 |
| 格付なし | 101,893 | 100 | - | 101,993 |
| 帳簿価額(注) | 507,022 | 1,379 | 5 | 508,407 |
当連結会計年度(2026年3月31日)
| (単位:百万円) | ||||
| 12か月の予想信用 損失 | 全期間の予想信用損失 | 合計 | ||
| 信用減損して いない金融資産 | 信用減損 金融資産 | |||
| 投資有価証券 | ||||
| AAA | 94,992 | - | - | 94,992 |
| AA | 3,379,981 | - | - | 3,379,981 |
| A | 304,575 | - | - | 304,575 |
| BBB | 16,445 | - | - | 16,445 |
| BB以下 | - | - | - | - |
| 格付なし | 10,501 | - | 0 | 10,501 |
| 帳簿価額(注) | 3,806,496 | - | 0 | 3,806,496 |
| 貸付金等 | ||||
| AAA | 8,000 | - | - | 8,000 |
| AA | 72,535 | 50 | - | 72,586 |
| A | 318,494 | 500 | - | 318,994 |
| BBB | 5,212 | 500 | - | 5,712 |
| BB以下 | 326 | 16 | 2 | 345 |
| 格付なし | 140,355 | 0 | - | 140,356 |
| 帳簿価額(注) | 544,925 | 1,066 | 2 | 545,995 |
(注)償却原価で測定される金融資産の帳簿価額は、信用損失引当金の控除前における総額による帳簿価額を示しております。
担保およびその他の信用補完
当社グループは貸付金等の債権に対して有価証券および不動産等の担保や親会社等による保証を受け入れております。なお、期末における信用減損金融資産については、当該担保により債権額の概ね全額が保全されております。
与信集中リスク
与信集中リスクとは、特定の与信先に与信が集積することで、当該与信先の財務状況の悪化や破綻により、多額の損失が発生するリスクであります。
当社グループは、内部格付制度を導入したうえで、内部格付ごとに1与信先当たりのエクスポージャーのリミットを設定し、与信の集中を定期的にモニタリングし適切に管理しております。また、個々の与信先への集中のみならず、業種や地域など特定のセクターへの与信状況についても定期的にモニタリングし、過度な集中がないように管理しております。
当社グループでは、与信の多くが国内に集中しておりますが、これ以外に特定の国・地域において与信の集中はありません。また、国内における特定の業種への与信の集中はありません。
(3) 信用損失の測定
当社グループでは、金融商品の形態、信用格付等に基づき、類似したエクスポージャーごとにグループ化して信用リスクを管理しており、当該グループに基づいて予想信用損失の測定を集合的に行っております。
当社グループは、当初認識以降に信用リスクの著しい増大があった金融資産に対して、将来予測的な情報を含めたすべての合理的で裏付け可能な情報を考慮して、金融資産の存続期間にわたる予想信用損失を認識し、金融資産の信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融商品に係る信用損失引当金を12か月の予想信用損失に等しい金額で測定しております。具体的には、予想信用損失は12か月または存続期間にわたる倒産確率(PD)および倒産時損失率(LGD)に基づいて測定しております。当社グループは、全期間のPDおよび12か月のPDを算定するため、複数の外部格付機関から提供された格付ごとの債務者の債務不履行実績に基づくPDテーブルを使用しております。LGDは債務不履行となった場合に発生する可能性のある損失の程度を表しております。採用するLGDは仕組み、担保、債権の優先順位等に基づいて決定しております。
また、利用されるデータは過去における実績に基づいておりますが、マクロ経済情勢等の変化に応じた将来予想を適時に反映するため、著しい経済情勢の変動等が生じた場合には、現在および将来における経済予測を、過去における実績データに補正することとしております。
著しい信用リスクの増大の判定方法
当社グループは、債務者ごとに内部格付を付与して信用リスクを管理しており、S&Pおよびムーディーズなどの外部格付と一定の整合性を維持しております。
当社グループは、当初認識以降に一定の内部格付の引下げがある場合、反証可能な場合を除き30日超の延滞がある場合、その他事業状況、財務状況または経済状況の不利な変化により債務者が債務を履行する能力の著しい変化を生じさせると予想される事象が発生した場合等には、著しい信用リスクの増大があったと判定しております。
当該判定に利用されるデータは過去における実績に基づいておりますが、マクロ経済情勢等の変化に応じた将来予想を適時に反映するため、著しい経済情勢の変動等が生じた場合には、現在および将来における経済予測を、過去における実績データに補正することとしております。
なお、債券については低い信用リスクの例外を適用しており、期末日において投資適格である銘柄については著しい信用リスクの増大はないものとみなしております。
債務不履行の定義
当社グループは、過去における回収実績および規制上要求される自己査定における査定区分との整合性を勘案し、90日超の延滞もしくは法的破綻またはそれに準じる事象の発生を債務不履行として定義しております。
信用減損金融資産の決定
当社グループは、債務不履行となった債権のほか、今後、経営破綻に陥る可能性が大きいと認められる債権および債権者に著しく不利益となるような条件緩和を行った債権等については、信用減損金融資産と判断しております。
直接償却
金融資産の総額での帳簿価額は、回収の合理的な見込みがない場合に(その一部または全額を)直接償却しております。これは通常、債務者が直接償却の対象となる金額を返済するのに十分なキャッシュ・フローを生成できるほどの資産または収益源を有していないと当社グループが判断した場合に生じます。
条件変更された金融資産
金融資産の契約条件は、市況の変更、現在および今後の借手の信用悪化に関連しない他の要因を含む様々な理由によって変更される可能性があります。条件変更が発生した場合は変更前後での影響金額および率のモニタリングを実施し、認識の中止に該当するか個別に検討しております。
認識の中止に該当すると判定された場合には、再交渉された資産は新たな金融資産として公正価値により認識されます。
金融資産の条件が変更されるのに認識の中止が行われない場合には、当該資産の信用リスクの著しい増大があったか否かは、当初認識時と期末日それぞれにおける内部格付の比較によって決定しております。
投資有価証券に対する信用損失引当金の変動は、次のとおりであります。
| (単位:百万円) | ||||||
| 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | |||||
| 12か月の予想信用損失 | 全期間の予想信用損失 | 12か月の予想信用損失 | 全期間の予想信用損失 | |||
| 信用減損していない 金融資産 | 信用減損 金融資産 | 信用減損していない 金融資産 | 信用減損 金融資産 | |||
| 期首残高 | 757 | - | - | 713 | - | - |
| 期首残高の振替による変動: | ||||||
| 12か月の予想信用損失への振替 | - | - | - | - | - | - |
| 全期間の予想信用損失(信用減損していない金融資産)への振替 | - | - | - | - | - | - |
| 全期間の予想信用損失(信用減損金融資産)への振替 | - | - | - | - | - | - |
| 直接償却 | - | - | - | - | - | - |
| 新規取得、認識中止および再測定による繰入額(純額) | △43 | - | - | △38 | - | - |
| 為替換算差額 | - | - | - | - | - | - |
| その他 | - | - | - | - | - | - |
| 期末残高 | 713 | - | - | 675 | - | - |
貸付金等に対する信用損失引当金の変動は、次のとおりであります。
| (単位:百万円) | ||||||
| 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | |||||
| 12か月の予想信用損失 | 全期間の予想信用損失 | 12か月の予想信用損失 | 全期間の予想信用損失 | |||
| 信用減損していない 金融資産 | 信用減損 金融資産 | 信用減損していない 金融資産 | 信用減損 金融資産 | |||
| 期首残高 | 47 | 4 | 3 | 36 | 4 | 2 |
| 期首残高の振替による変動: | ||||||
| 12か月の予想信用損失への振替 | - | - | - | 0 | △0 | - |
| 全期間の予想信用損失(信用減損していない金融資産)への振替 | △0 | 0 | - | △0 | 0 | - |
| 全期間の予想信用損失(信用減損金融資産)への振替 | - | - | - | - | - | - |
| 直接償却 | - | - | - | - | - | △1 |
| 新規取得、認識中止および再測定による繰入額(純額) | △10 | △0 | △0 | △4 | △0 | △0 |
| 為替換算差額 | - | - | - | - | - | - |
| その他 | - | - | - | - | - | - |
| 期末残高 | 36 | 4 | 2 | 32 | 3 | 1 |
38.4.2 再保険契約
再保険は、保険リスクを管理するために用いられております。ただし、当社グループの保険会社としての責務が免責されるわけではありません。再保険会社が何らかの理由により保険金の支払を怠った場合でも、当社グループは保険契約者に対して支払を行う義務があります。再保険会社の信用力は、契約締結前に財務上の健全性を確認することにより管理しております。
再保険契約資産はIFRS第9号における予想信用損失モデルの対象となっておりませんが、将来の履行キャッシュ・フローを見積る際には、信用リスクを考慮してキャッシュ・フローを見積っております。
再保険契約資産の内部格付別の残高は、次のとおりであります。なお、最大信用リスク・エクスポージャーは再保険契約資産の残高であります。
| (単位:百万円) | ||
| 前連結会計年度 (2025年3月31日) | 当連結会計年度 (2026年3月31日) | |
| AAA | 394 | 55,393 |
| AA | 557,378 | 767,474 |
| A | 513,414 | 936,030 |
| BBB | 12,983 | 58,524 |
| BB以下 | 17,226 | 38,162 |
| 格付なし | 107,915 | 339,302 |
| 合計 | 1,209,313 | 2,194,887 |
出再集中リスク
出再集中リスクとは、特定の出再先に出再が集中することで、当該出再先の財務状況の悪化や破綻により、多額の損失が発生するリスクであります。当社グループは、内部格付制度を導入したうえで、内部格付ごとに1出再先当たりの予想最大回収額のリミットを設定し、出再集中リスクを定期的にモニタリングし適切に管理しております。
38.5 流動性リスク
流動性リスクは、新契約の減少に伴う保険料収入の減少、大量ないし大口解約に伴う解約返戻金支出の増加および巨大災害での多額の保険金支払により資金繰りが悪化し、資金の確保に通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることにより損失を被るリスクや、市場の混乱などで取引ができなかったりすることにより保険金支払が遅延するリスクであります。
当社グループでは、日々の資金繰り管理のほか、巨大災害発生など、流動性リスク・シナリオ発現に伴う保険金支払などの最大資金流出額を予想し、それに対応できる流動性資産が十分に確保されるよう管理しております。
満期分析
非デリバティブ金融負債およびデリバティブの契約上の割引前キャッシュ・フローは、次のとおりであります。
前連結会計年度(2025年3月31日)
| (単位:百万円) | |||||
| 帳簿価額 | 契約上の割引前 キャッシュ・フロー | 1年以内 | 1年超 5年以内 | 5年超 | |
| 非デリバティブ金融負債 | |||||
| レポ取引及び 他の類似の担保付借入 | 139,832 | 139,832 | 139,832 | - | - |
| 社債及び借入金 | 691,201 | 1,025,818 | 13,742 | 206,320 | 805,756 |
| リース負債 | 334,622 | 372,277 | 41,431 | 138,015 | 192,830 |
| デリバティブ | |||||
| デリバティブ資産 | △9,519 | △9,543 | △8,686 | △710 | △147 |
| デリバティブ負債 | 5,410 | 5,410 | 5,410 | - | - |
| 合計 | 1,161,548 | 1,533,796 | 191,730 | 343,625 | 998,440 |
当連結会計年度(2026年3月31日)
| (単位:百万円) | |||||
| 帳簿価額 | 契約上の割引前 キャッシュ・フロー | 1年以内 | 1年超 5年以内 | 5年超 | |
| 非デリバティブ金融負債 | |||||
| レポ取引及び 他の類似の担保付借入 | 3,078 | 3,078 | 3,078 | - | - |
| 社債及び借入金 | 744,946 | 1,079,888 | 16,932 | 263,473 | 799,482 |
| リース負債 | 354,800 | 394,383 | 45,079 | 154,180 | 195,123 |
| デリバティブ | |||||
| デリバティブ資産 | △5,654 | △5,656 | △5,464 | △220 | 29 |
| デリバティブ負債 | 16,421 | 16,421 | 16,210 | - | 211 |
| 合計 | 1,113,593 | 1,488,116 | 75,836 | 417,433 | 994,846 |
社債及び借入金の一部には早期償還条項が付されているものがあるため、実際に生じるキャッシュ・フローの金額は、上記における契約上のキャッシュ・フローの金額とは異なる場合があります。また、変動金利については、期末日における金利が継続すると仮定して算定しております。
保険契約および再保険契約に係る割引前キャッシュ・フローの内訳は、次のとおりであります。なお、PAAを適用して測定した残存カバーに係る資産および負債を含めておりません。
前連結会計年度(2025年3月31日)
| (単位:百万円) | ||||
| 損害保険事業 | 生命保険事業 | |||
| 保険契約 | 再保険契約 | 保険契約 | 再保険契約 | |
| 1年以内 | 2,172,189 | △399,840 | △128,093 | △1,518 |
| 1年超2年以内 | 1,202,056 | △200,061 | △133,313 | - |
| 2年超3年以内 | 812,993 | △142,847 | △108,334 | - |
| 3年超4年以内 | 551,113 | △94,614 | △88,092 | - |
| 4年超5年以内 | 403,335 | △67,539 | △67,209 | - |
| 5年超 | 1,469,924 | △168,136 | 3,868,727 | - |
| 割引前キャッシュ・フロー 合計 | 6,611,612 | △1,073,038 | 3,343,683 | △1,518 |
| 将来キャッシュ・フローの 期待現在価値(△は資産計上額) | 5,936,735 | △941,456 | 1,138,907 | △1,518 |
当連結会計年度(2026年3月31日)
| (単位:百万円) | ||||
| 損害保険事業 | 生命保険事業 | |||
| 保険契約 | 再保険契約 | 保険契約 | 再保険契約 | |
| 1年以内 | 2,529,803 | △553,403 | △130,284 | △1,788 |
| 1年超2年以内 | 1,458,911 | △322,202 | △129,401 | - |
| 2年超3年以内 | 1,039,776 | △229,505 | △105,869 | - |
| 3年超4年以内 | 750,211 | △169,618 | △82,028 | - |
| 4年超5年以内 | 561,604 | △126,831 | △62,819 | - |
| 5年超 | 2,001,405 | △393,850 | 4,302,285 | - |
| 割引前キャッシュ・フロー 合計 | 8,341,712 | △1,795,412 | 3,791,882 | △1,788 |
| 将来キャッシュ・フローの 期待現在価値(△は資産計上額) | 7,262,794 | △1,535,958 | 823,141 | △1,788 |
また、保険契約者から請求があり次第支払う要求払の金額と関連する保険契約グループの帳簿価額は、次のとおりであります。
| (単位:百万円) | |||
| 前連結会計年度 (2025年3月31日) | 当連結会計年度 (2026年3月31日) | ||
| 要求払の金額 | 関連する帳簿価額 | 要求払の金額 | 関連する帳簿価額 |
| 4,342,090 | 9,327,341 | 4,287,515 | 10,680,332 |
なお、要求払の金額には、期末時点において保険契約が解約された場合に支払われるであろう解約返戻金の金額を含めております。
38.6 金融資産および金融負債の相殺
強制可能なマスター・ネッティング契約または類似の契約の対象となっている金融資産および金融負債は、次のとおりであります。
前連結会計年度(2025年3月31日)
| (単位:百万円) | ||||||
| 取引の種類 | 認識済みの 金融資産および金融負債の総額 | 連結財政状態 計算書上で相殺される認識済の 金額 | 連結財政状態 計算書上で表示している純額 | 連結財政状態計算書上で 相殺表示されない金額 | 純額 | |
| 金融商品 | 受入現金担保 および差入現金 担保 | |||||
| 金融資産 | ||||||
| デリバティブ資産 | 9,320 | - | 9,320 | 3,573 | 2,638 | 3,108 |
| リバース・レポ取引及び他の類似の担保付貸付 | - | - | - | - | - | - |
| 金融負債 | ||||||
| デリバティブ負債 | 4,400 | - | 4,400 | 3,573 | 524 | 302 |
| レポ取引及び他の類似の担保付借入 | 139,832 | - | 139,832 | 139,657 | - | 174 |
当連結会計年度(2026年3月31日)
| (単位:百万円) | ||||||
| 取引の種類 | 認識済みの 金融資産および金融負債の総額 | 連結財政状態 計算書上で相殺される認識済の 金額 | 連結財政状態 計算書上で表示している純額 | 連結財政状態計算書上で 相殺表示されない金額 | 純額 | |
| 金融商品 | 受入現金担保 および差入現金担保 | |||||
| 金融資産 | ||||||
| デリバティブ資産 | 988 | - | 988 | 690 | 198 | 99 |
| リバース・レポ取引及び他の類似の担保付貸付 | 36,065 | - | 36,065 | 35,728 | - | 336 |
| 金融負債 | ||||||
| デリバティブ負債 | 12,390 | - | 12,390 | 690 | 10,788 | 910 |
| レポ取引及び他の類似の担保付借入 | 3,078 | - | 3,078 | 3,042 | - | 36 |
なお、強制可能なマスター・ネッティング契約および類似の契約において、金融資産および金融負債に関する相殺の権利は、通常の事業活動の過程では発生が予想されていない債務不履行およびその他の特定の事象が発生した場合にのみ強制力が生じ、個々の金融資産および金融負債の決済に影響を与えるものであります。したがって、これらの契約では相殺する法的に強制可能な権利が現時点では生じておらず、連結財政状態計算書における相殺表示の要件を満たしておりません。